2011年10月20日

Down South『Lost In Brooklyn』

Shawn J Periodが在籍していたHip-Hopグループ、唯一のアルバム☆Down South『Lost In Brooklyn』
down south lost in brooklyn.jpg
発表年:1994年
ez的ジャンル:ニュースクール系イーストコーストHip-Hop
気分は... :朝から反省モード!

昨晩は久々に会った友人らと酒宴・・・
調子に乗ってかなり深酒になってしまいました。
帰り道の記憶が全くありません・・・いけませんな。
朝から反省モードです。

今回はヴァージニア州リッチモンド出身のHip-HopグループDown South唯一のアルバム『Lost In Brooklyn』(1994年)です。

Down Southは、Shawn J Period、DJ Myorr、MC Sodaの3人によるHip-Hopグループです。メンバーのうち、Shawn J Periodは後にMos Def関連作品などでトラックメイカーとしても活躍しています。

グループ唯一のアルバムとなる本作『Lost In Brooklyn』ですが、ホーン・ネタを巧みに配した("ジャジー"ではない)"ジャズ"感のあるHip-Hopアルバムというのがリアルタイムで聴いていた時の印象です。

特にシングルになった「Southern Comfort」でのCharlie Parkerネタは新鮮でした。当時、古いジャズ作品を集め始めた時期でCharlie Parkerのアルバムを購入したタイミングと重なったので、余計にそんな思いがありましたね。

かなりマイナーなHip-Hopアルバムだと思っていたのですが、その後のShawn J Periodの活躍もあり、今日ではクラシック作品として一定の評価を得ているようですね。

アルバムにはThe Beatnutsや80年代後半から活躍する名プロデューサーT-Ray、N.Y.出身の白人DJ、Stretch Armstrong、Rock Steady Crewの一員でありプエルトリカンのDJ/ラッパーBobbito(DJ SpinnaとのStevie Wonder関連曲集でもお馴染みですね)等が参加しています。

久々にアルバムを通しで聴きましたが、改めて実に良く出来た作品だと感心してしまいました。

ジャジーHip-Hopとは一味違うジャズ感のあるHip-Hopをお楽しみ下さい!

全曲紹介しときやす。

「Down South」
グループ名を冠したオープニング曲。T-Rayプロデュースです。初々しい勢いを感じます。

「Southern Comfort」
シングルにもなったグループの代表曲。僕も当時はこの曲ばかりリピートしていました。Charlie Parker「Cool Blues」のホーン・ネタが印象的でしね。"ジャジー"ではなく"ジャズ"な感じが好きでした。さらにRoy Ayers「The Memory」もサンプリングしています。Shawn J Period/Stretch Armstrongプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=IF1kL03rpdk

「Tractors, Rakes, And Hoes」
T-Rayプロデュース。今聴いても実に格好良い仕上がりです。Eugene McDaniels「Jagger The Dagger」ネタのループがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=u4SSMi-xyZ8

「Jimi Crack Korn」
ニュースクールらしいハジけ具合がグッド!Shawn J Period/Urban Chumpiesプロデュース。

「Spin Da Boddle」
The Funkaholic、Bobbitoをフィーチャー。全体的にいい感じで力が抜けているのがいいですね。Shawn J Periodプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=JsKZt9npsuo

「Departure」
インタールード的な1分強の小曲。Shawn J Periodプロデュース。

「Lost In Brooklyn」
タイトル曲はThe Beatnutsプロデュース。実にキャッチーな仕上がりです。グイグイと突き進んでいく感じが好きです。The Outlaw Blues Band「Deep Gully」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Cv1L1W5aoDw

「Sitting Here」
ストレンジ感のあるトラックとフロウが実にマッチしています。Bobby Hutcherson「Montara」、Eric Mercury「Hurdy Gurdy Man」ネタ。Shawn J Periodプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=byjCmSTQ8_Q

「Big Wheels」
ATCQあたりと一緒に聴きたくなる曲ですね。Shawn J Periodプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=CvOSuxKSy_M

「Grupo De Rap」
ラテンなインタールード。Shawn J Periodプロデュース。

「Around The Clock」
The Beatnutsプロデュース。ユル〜いノリがいい感じですね!
http://www.youtube.com/watch?v=FQETDBMscXc

「The Carbonated One」
Nite-Liters「Kook Pick」ネタのトラックとユル〜いノリのフロウがマッチしています。Stretch Armstrongプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=moXnXLUrv0c

「Oh My」
2分にも満たない曲ですが、妖しげなフルートの音色が印象的です。Shawn J Periodプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=X5szwA4IZlE

「Open Sesame」
ラストはThe Beatnutsプロデュース。Cannonball Adderley「Make Your Own Temple 」、Tom Scott 「Today」ネタのトラックに惹かれます。
http://www.youtube.com/watch?v=0n2ZnTYPXEg

NFLでは、我が愛するドルフィンズが開幕から5連敗を喫してしまいました。早くもポストシーズンは絶望的です。ランもパスもダメ・・・TD欠乏症の攻撃陣は課題だらけです。今季は多くを望まないので、小手先ではない抜本的な建て直しを期待しています。
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2011年10月19日

Luciana Souza『Duos II』

名ギタリストたちとのデュオ第2弾!グラミー・ノミネート作品☆Luciana Souza『Duos II』
Duos II
発表年:2005年
ez的ジャンル:ブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :秋の夜長にしっとりと・・・

今日は秋の夜長にピッタリな1枚。
しっとりとした大人のブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル作品Luciana Souza『Duos II』(2005年)です。

シンガー/ギタリスト/コンポーザーWalter Santosを父親に、詩人Tereza Souzaを母親に持つブラジル、サンパウロ生まれの女性ジャズ・シンガーLuciana Souzaの紹介は、『Tide』(2009年)、『The New Bossa Nova』(2007年)に続き3回目となります。

本作『Duos II』『Brazilian Duos』(2002年)に続く、ブラジル人ギタリストたちとのデュオ作品の第2弾アルバムです。また、本作は第48回(2005年度)グラミー賞でベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバムにノミネートされ、彼女の出世作となりました。

正直、『Brazilian Duos』『Duos II』のどちらを紹介するか迷いましたが、今の時期によりフィットする作品ということで『Duos II』をセレクトしました。

『Brazilian Duos』では、父親Walter Santosをはじめ、Romero LubamboMarco Pereiraといったギタリストと共演したLucianaでしたが、本作では前作からのRomero LubamboMarco Pereiraに加え、新たにSwami Jr.Guilherme Monteiroが参加しています。

ヴォーカル&ギターのみと聞いて、単調なアルバムを想像される方もいるかもしれませんが、コレがなかなか奥深いアルバムとなっています。音数が少ない分、一音、一声がダイレクトに伝わってくるのがいいですね。また、ブラジル音楽好きの人であれば、選曲にもニンマリするはずです。

大人の洗練されたジャズ・ヴォーカルとブラジル音楽の奥深さを楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Sai Dessa」
オープニングのパートナーはRomero Lubambo。Natan Marques/Ana Terra作の本曲は今は亡き女王Elis Reginaのレパートリーとして有名な曲ですね。Elisヴァージョンのファンキー・モダン・サンバの印象が強い曲ですが、ここでも軽快で小気味良い仕上がりになっています。ヴォーカル&ギターのみとは思えない躍動感が魅力です。

Elis Regina「Sai Dessa」
 http://www.youtube.com/watch?v=w3bcP79hyCw

「Nos Horizontes Do Mundo」
ギターはSwami Jr.。Paulinho da Viola作の美しい名曲を、Lucianaがサウダージ感たっぷりに歌い上げます。Swami Jr.の哀愁ギターも素晴らしいです。

「A Flor E O Espinho/Juizo Final」
ギターはSwami Jr.。「A Flor E O Espinho」(Nelson Cavaquinho/Guilherme de Brito/Alcides Caminha作)と「Juizo Final」(Nelson Cavaquinho /Elcio Soares作)というサンバの巨匠Nelson Cavaquinhoのメドレーです。憂いを帯びた大人の哀愁サンバをしっとり歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=G8Q9pcWwaD4

「Muita Bobeira」
ギターはRomero Lubambo。この曲はLucianaのオリジナル。Lubamboの巧みなギターに先導されて、Lucianaがジャズ・シンガーらしい小粋なスキャット&ヴォーカルで魅了してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=qeLucyur5nQ

「Modinha」
ギターはMarco Pereira。Tom Jobim/Vinicius de Moraes作。Jobim作の美しい名曲を情感たっぷりの哀愁ヴォーカルで聴かせてくれます。海辺で一人たたずむ光景にぴったりの曲。

「No Carnaval/Vento」
ギターはGuilherme Monteiro。Jota/Caetano Veloso作「No Carnaval」、Toninho Horta作「Vento」のメドレー。前者はToninho Hortaの1st『Terra Dos Passaros』(1979年)、後者は当ブログで紹介した『Toninho Horta』(1980年)に収録されています。ここでは秋の夜長にピッタリな大人の素敵なジャジー・チューンを満喫できます。

「Sambadalu(Para Luciana Souza)」
ギター&ソングライティングはMarco Pereira。Marco Pereiraの見事なギターに合わせて、Lubamboが巧みなスキャットを聴かせてくれます。

「Aparecida」
ギターはRomero Lubambo。Ivan Lins/Maurício Tapajos作。Ivan Linsのオリジナルは当ブログでも紹介した『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)に収録されています。オリジナルもサウダージ感たっぷりで大好きですが、本ヴァージョンも実に雰囲気があってグッときます。

「Trocando Em Miudos」
ギターはRomero Lubambo。Francis Hime/Chico Buarque作品。父親Walter Santosの影響で本曲をレコーディングしたようです。ミステリアスな音空間に引き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8Fwr8Pls8dU

「Chorinho Pra Ele」
ギターはRomero Lubambo。Hermeto Pascoal作。リラックスした雰囲気の中で、Lucianaがエンジョイしながらスキャットしている感じがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=fKZbiEZn0JY

「Atras da Porta」
ギターはMarco Pereira。Francis Hime/Chico Buarque作品。この曲もElis Reginaヴァージョンでお馴染みですね。本ヴァージョンも味わい深い哀愁バラードに仕上がっています。

「Voce」
ギターはGuilherme Monteiro。ラストはWalter Santos/Tereza Souzaという両親が1960年に書いた作品。ミステリアスな雰囲気でひとひねりしているところがいいですね。

本作を気に入った方は『Brazilian Duos』 (2002年)もどうぞ!

『Brazilian Duos』(2002年)
Duos Brasileiros

Luciana Souzaの過去記事もご参照下さい!

『The New Bossa Nova』(2007年)
New Bossa Nova

『Tide』(2009年)
Tide
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2011年10月18日

Curtis Mayfield『Roots』

Curtisらしいサウンド&メッセージを満喫できるニューソウル作品☆Curtis Mayfield『Roots』
Roots
発表年:1971年
ez的ジャンル:ニューソウル・カーティス
気分は... :We Got to Have Peace!

1年ぶりにCurtis Mayfieldです。
これまで当ブログで紹介したCurtis作品は以下の7枚。

 『Curtis』(1970年)
 『Curtis/Live!』(1971年)
 『Superfly』(1972年)
 『Back To The World』(1973年)
 『Got To Find A Way』(1974年)
 『Give, Get, Take And Have』(1976年)
 『Something To Believe In』(1980年)

8枚目に紹介するCurtis作品は『Roots』(1971年)です。

『Roots』は、『Curtis』(1970年)、『Curtis/Live!』(1971年)に続くソロ第3作となるアルバムです。

今日でも人気の高い『Curtis』『Curtis/Live!』や、大ヒットした次作『Superfly』(1972年)と比べられると地味なアルバムかもしれません。まぁ、ジャケ自体が地味ですが(笑)

しかしながら、本作『Roots』にはサウンド&メッセージの両面において、Curtisの揺るぎない自信を実感できる充実の内容に仕上がっています。

『Roots』と名付けられたタイトルの通り、自らのルーツを振り返り、覚醒するグルーヴィー・サウンドにのってブラック・プライドやブラックパワーの連帯といった鋭い社会メッセージを投げ掛けます。一方で、優しい歌声で明日への希望や永遠の愛を訴えるラブ&ピースな楽曲も印象的です。

レコーディングには、Craig McMullen(g)、Joseph "Lucky" Scott(b)、Tyrone McCullen(ds)、Henry Gibson(per)、Leroy Hutson(back vo)、Michael Hawkins(back vo)といったメンバーが参加しています。また、John PateRiley Hamptonがアレンジを担当しています。

Curtis入門作品ではありませんが、5〜6枚目あたりにはゲットしておきたいアルバムという気がします。

全曲紹介しときやす。

「Get Down」
オープニングはグルーヴィーなファンク・チューン。ハングリーな心に点火されたソウル魂のテンションがジワジワとヒートアップしてきます。派手さはありませんが格好良いです!
http://www.youtube.com/watch?v=efHG1wGWBwM

「Keep On Keeping On」
シカゴらしいテンダー・ソウル。♪俺達は進み続ける♪俺達は進み続ける♪Curtisの熱きメッセージが腹の奥まで染み渡ります。Freeway「Still Got Love」の元ネタです。
http://www.youtube.com/watch?v=t-l91O9VxN0

Freeway「Still Got Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=_YYqf7bgbXc

「Underground」
濃密なグルーヴでブラックパワーの連帯を訴えるゲットー・ファンク。『Superfly』を予感させる危険な香りのする音です。
http://www.youtube.com/watch?v=WkkI9FKhXB0

「We Got to Have Peace」
Curtisを代表する名曲の1つ。タイトルの通り、平和を訴えるメッセージ・ソング。開放的なノーザン・ソウル風サウンドと希望に満ちたメッセージで、世の中から戦争をなくそうとするCurtisの心意気にグッときます。ピース!ピース!ピース!
http://www.youtube.com/watch?v=jZeKT0UctOQ

「Beautiful Brother of Mine」
Curtisファンならば鉄板のファンク・グルーヴ。強靭なハートでブラック・プライドの顕示を呼び掛けます!♪俺達には愛がある♪俺達には愛がある♪
http://www.youtube.com/watch?v=oMK_E4m1HGI

「Now You're Gone」
本作のみJoseph Scottとの共作。Tyrone McCullenのドラム・ブレイクと共に始まるブルージー・ソウル。不穏な空気を醸し出すストリングス・アレンジがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=s1iXRcrZJ_8

「Love to Keep You in My Mind」
ラストはラブ&ピースなビューティフル・ソウル。優しいCurtisの歌声が聴く者に希望を与えてくれます。9th Wonder「Brooklyn In My Mind」 ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=CgGvgMFlS-4

9th Wonder「Brooklyn In My Mind」
 http://www.youtube.com/watch?v=jsD513OhbJs

Curtisの過去記事もご参照下さい。

『Curtis』(1970年)
Curtis

『Curtis/Live!』(1971年)
Curtis/Live!

『Superfly』(1972年)
Superfly (1972 Film)

『Back To The World』(1973年)
Back to the World

『Got To Find A Way』(1974年)
Got to Find a Way

『Give, Get, Take And Have』(1976年)
ギヴ・ゲット・テイク・アンド・ハヴ+1(紙ジャケット仕様)

『Something To Believe In』(1980年)
サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン+1(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月17日

Tom Scott With The California Dreamers『The Honeysuckle Breeze』

人気サックス奏者のデビュー作はサイケ&ソフトロックな1枚☆Tom Scott With The California Dreamers『The Honeysuckle Breeze』
HONEYSUCKLE BREEZE
発表年:1968年
ez的ジャンル:サイケ&ソフトロック系ジャズ
気分は... :何だかねぇ・・・

今回はウェスト・コーストを代表する人気サックス奏者Tom Scottのデビュー作Tom Scott With The California Dreamers『The Honeysuckle Breeze』(1968年)です。

ジャズ・ファンと言うよりも、レア・グルーヴ方面から再評価の高い作品ですね。

Tom Scottは1948年L.A.生まれのジャズ・サックス奏者。作曲家/編曲家Nathan Scottを父に持ち、9歳でクラリネット、12歳でサックスを演奏するようになります。

1968年に今回紹介する初リーダー作『Honeysuckle Breeze』をリリースします。1970年代に入ると、自身のリーダー作をコンスタントにリリースすると同時に、ロック/ポップスのヒット・アルバムのセッションに数多く参加し、ウェスト・コーストを代表する人気サックス奏者となっています。グラミーにも何度もノミネートされ、3度受賞しています。

僕の場合、Wingsのヒット・シングル「Listen to What the Man Said」でのサックス・ソロなどスタジオ・ミュージシャンの印象が強く、正直リーダー作はあまり聴いたことがありません。

それだけに今日紹介する『Honeysuckle Breeze』を初めて聴いた時には、僕のイメージするTom Scott像とかなりのギャップを感じました。

Tom Scottの初リーダー作となる本作『Honeysuckle Breeze』(1968年)は、コーラス・グループThe California Dreamersを迎え、60年代後半らしいサイケ&ソフトロック作品に仕上がっています。ジャケからしてサイケですからね!

The California Dreamersは、Gabor Szaboとのコラボ作品『Wind, Sky And Diamonds』(1967年)もリリースしています。

レコーディングには、Tom Scott(ts、ss、fl)、Mike Melvoin(p、org、harpsichord)、Lincoln Mayorga(p、harpsichord)、Bill Plummer(sitar)、Dennis Budimir(g)、Glen Campbell(g)、Louis Morell(g)、Max Bennett(b)、Carol Kaye(b)、Jim Gordon(ds)、Gene Estes(per)、Emil Richards(per)、The California Dreamers(vo)といったメンバーが参加しております。

正直、ジャズ・アルバムとして聴くよりも、サイケ&ソフトロック系作品として聴いた方が楽しめると思います。

The Beatles、The Association、John ColtraneDonovanAretha FranklinJefferson Airplane、Joan Baez、The Everly Brothersなどのヒット曲を、60年代後半らしいサイケ&ソフトロック・サウンドで聴かせてくれます。

Hip-Hopの定番サンプリング・ソースも多く、そうした方面からも楽しめます。

全曲紹介しときやす。

「The Honeysuckle Breeze」
Ian Freebairn-Smith作。シタールも入ったサイケ&ポップな仕上がりです。Tom Scottのサックスも絶好調!People Under The Stairs「Youth Explosion」のネタにもなっています。

「Never My Love」
The Associationのシングルとしてお馴染みの曲です。作者はAddrisi Brothers。基本的にはThe Associationヴァージョンを受け継いだサイケ&ソフトロックな仕上がりに、Tom Scottのブロウが絡みます。
http://www.youtube.com/watch?v=Y2ZWd4IHbOw

Pete Rock & C.L. Smooth「It's On You」、Ed O.G. & Da Bulldogs「Skinny Dip (Got It Goin' Down) 」のサンプリング・ソースとなっています。

Pete Rock & C.L.Smooth「It's On You」
 http://www.youtube.com/watch?v=8zakQu4HbH8
Ed O.G. & Da Bulldogs「Skinny Dip (Got It Goin' Down) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=6xSDsiOH-l4

「She's Leaving Home」
The Beatlesの名盤『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の有名曲。
当ブログではSyreetaのカヴァーも紹介済みです。ここでのTomはフルートを演奏しています。

「Naima」
John Coltraneが前妻Naimaに捧げた名曲。 『Giant Steps』(1959年)が初演ですが、当ブログでは『Live At The Village Vanguard Again!』のヴァージョンを紹介済みです。また、Gene HarrisPucho & His Latin Soul BrothersDoug Carnのカヴァーを紹介済みです。ここでは男女コーラス入りのロマンティックな「Naima」を聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=u3jlgGE7SEk

Lord Finesse「Speak Ya Peace」のサンプリング・ソースとなっています。
Lord Finesse「Speak Ya Peace」
 http://www.youtube.com/watch?v=4OrLdAO_nN4

「Mellow Yellow」
Donovanのヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Mellow Yellow』(1967年)に収録されています。The California DreamersのコーラスとTom Scottのサックスの掛け合いがいい感じです。

「Baby, I Love You」
Aretha Franklinの大ヒット曲をカヴァー(Ronny Shannon作)。オリジナルは『Aretha Arrives』(1967年)収録されています。シタールのサイケな響きに先導され、サイケ&ポップ&ソウルな音世界が展開されます。個人的にはアルバムで一番好きです。

「Today」
Jefferson Airplaneのフォーク・ロック・バラードをカヴァー(Marty Balin/Paul Kantner作)。Jefferson Airplaneヴァージョンは当ブログで紹介した『Surrealistic Pillow』(1967年)および『Bless It's Pointed Little Head』(1969年)で聴くことができます。ここではThe California Dreamersが活躍するソフトロック調の仕上がりです。Tom Scottのサックスでは何処かで聴いたことのあるフレーズが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=KYKPc-DooNo

Pete Rock & C.L.Smooth「They Reminisce over You (T.R.O.Y.) 」Black Sheep「Similak Child」、Down South「Open Sesame」、Raazda Rukkuz「Da Chronic Asthmatics」、Slick Rick「It's A Boy(Remix)」等 のサンプリング・ソースとなっています。

Pete Rock & C.L.Smooth「They Reminisce over You (T.R.O.Y.) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=BONgL61snlM
Black Sheep「Similak Child」
 http://www.youtube.com/watch?v=Hvz0tELNH4w
Down South「Open Sesame」
 http://www.youtube.com/watch?v=0n2ZnTYPXEg
Raazda Rukkuz「Da Chronic Asthmatics」
 http://www.youtube.com/watch?v=xSYFvHKUibA

「North」
Joan Baezのカヴァー。The California Dreamersのドリーミー・コーラスも交えたサイケ&フォーキーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=5-UpnE2O-uM

「Blues For Hari」
本作唯一のTom Scottのオリジナル。ノリの良さで言えば、アルバム随一なのでは・
http://www.youtube.com/watch?v=kdnzxVztCQg

「Deliver Me」
The Everly Brothersでお馴染みの曲(Danny Moore作)。ラストは軽快に締め括ってくれます。Justice System「Dedicated To Bambaataa (Diamond D Reminisce Mix) 」のサンプリング・ソースとなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=O4myBnB7XX8

週末は体調不良・・・
こりゃアカン!何とかせねば・・・
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2011年10月16日

Song『Let Love Shine』

Tassel & Naturelのアルバムを女性ソウル・シンガーSong Williamsonの作品として新装☆Song『Let Love Shine』
song let love shine.jpg
発表年:2011年
ez的ジャンル:ジャジー・ソウル
気分は... :こういう売り方ってどうなんだろう・・・

今回は女性ソウル・シンガーSong(Song Williamson)のアルバム『Let Love Shine』です。

Song Williamsonはデトロイト出身の黒人ソウル・シンガー。
彼女の詳しい経歴は知りませんが、ハウス/テクノ好きの人であれば、Copyright「He Is」のフィーチャリング・ヴォーカリストとしてご存知の方もいるのでは?

Copyright Feat. Song Williamson「He Is (Original Mix)」
http://www.youtube.com/watch?v=y0rFtG3KOWI

さて、今日紹介する『Let Love Shine』ですが、純然たる新作アルバムというわけではありません。

本作をプロデュースするフランス人ジャズ・ミュージシャン・コンビTassel & Naturel(Alexandre Tassel & Guillaume Naturel)が、自身の名義で2007年にリリースした『Food For Thought』をSong Williamsonのアルバムとして新装リリースしたものが『Let Love Shine』の正体のようです。その意味では、Song WilliamsonをフィーチャーしたTassel & Naturelのアルバムとして聴くべきと思います。

Tassel & Naturel『Food For Thought』(2007年)
Food for Thought

ただし、こうした経緯は全く説明がなされないままリリースされているのが実状です。僕も何も知らずに購入し、購入後にTassel & Naturelの過去作品をチェックする中で、本作と『Food For Thought』の曲構成が同じことに気付いた次第です。こういう売り方ってどうなんでしょうね・・・

なんて文句を言っていますが、中身は素晴らしいジャジー・ソウル作品に仕上がっています。ジャズ・ミュージシャンであると同時にDJ CamなどHip-Hopアーティストとの交流も多いTassel & Naturelならではのセンスが光ります。

レコーディングには、故Guru、人気ベーシストMarcus Miller、フランス人ドラマーManu Katche等が参加しています。

ジャジーHip-Hop、ネオ・ソウル、アシッド・ジャズ・・・ジャジー&メロウ・サウンドをさまざまなスタイルで満喫できます。

ジャジー・ソウル好き、ジャジーHip-Hop好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Food For Thought」
オススメその1。故Guruをフィーチャー。ジャジー・トラックにGuruのラップが絡む様は、まるでJazzmatazzといった趣です。Songの少しハスキーなヴォーカルもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=HicCgvx1KxU

「Walk With Me」
オススメその2。ネオ・ソウル好きの人は気に入るであろう1曲。アーバン・テイストのジャジー&メロウ・サウンドにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=3jAqxecx6L4

「Let Love Shine」
オススメその3。Marcus Miller & Manu Katcheをフィーチャー。Marcus Miller & Manu Katcheによる生音グルーヴをバックに、Songがセクシーなヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=EFnuCfvYnyA

「High Beat Stone Delire」
オススメその4。ネオ・フィリーが好きな人であれば絶対に気に入るジャジー・ソウル。このあたりはTassel & Naturelのセンスの良さが光ります。

「I Loved You」
オススメその5。Manu Katcheをフィーチャー。失恋の切ない心を歌ったバラード。秋の夜長にぴったりのジャジー・ソウル・サウンドだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=OPsPIvrP8k0

「Stop Spreading Hate」
クールに疾走するグルーヴィーなジャジー・ソウル。Tassel & Naturelによる巧みなホーン・サウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=aP05zJ28qTU

「If You Wanna Know (I Know)」
オススメその6。Manu Katcheをフィーチャー。Tassel & NaturelのジャジーなセンスとSongのソウル・ヴォーカルが見事に噛み合ったジャジー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=hjOgQPvFYMk

「Illuminati」
Tassel & Naturelのホーン・アンサンブルを楽しめるインスト。

「You Gone Hurt Yourself」
オススメその7。E-Z Triggaをフィーチャー。メロウなトラック、キュートなSongのヴォーカル、E-Z Triggaのラップが絡む、ジャジー&メロウHip-Hop好きにグッとくる1曲。

「Mystical Bandit」
オススメその8。Acqueninをフィーチャー。「You Gone Hurt Yourself」に続き、ジャジー&メロウなHip-Hopチューンです。アーバン・ナイトな落ち着ちのある仕上がりがグッド!

「If You Wanna Know (I Know) (Remix)」
「If You Wanna Know (I Know)」のリミックス

オリジナル『Food For Thought』収録の11曲以外にボーナス・トラックとして、「The Truth」「Let's Go With It」の2曲が追加収録されています。

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