発表年:2011年
ez的ジャンル:The Foreign Exchange系ジャジーHip-Hop/ソウル
気分は... :New Tigallo,New Tigallo…ムツゴロウ,ムツゴロウ…
今回はLittle Brother、The Foreign Exchangeでお馴染みの男性ラッパー/シンガーPhonteの初ソロ・アルバム『Charity Starts At Home』です。
9th Wonder、Big PoohとのHip-HopグループLittle Brother、オランダ出身のトラックメイカーNicolayとのユニットThe Foreign Exchange、Tigallo名義でデトロイト出身のキーボード奏者Zo!とコラボしたZo! & Tigalloなど、常にシーンを与えてきたPhonteが遂に初ソロをリリースしました。
The Foreign ExchangeのレーベルThe Foreign Exchange Musicからのリリースであり、Phonte自身と共にNicolayがエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされています。
目玉はLittle Brother時代の盟友9th Wonderが4曲をプロデュースしている点ですね。盟友との久々の共同作業について、本作を『Charity Starts At Home』をQ-Tipの初ソロ・アルバム『Amplified』(1999年)になぞり、9th WonderはJ Dillaのような存在であるとPhonte自身が語っています。
それ以外にもSwiff D、Khrysis、Stro Elliot、Zo!、S1(Symbolyc One)、Fatin "10" Horton、Eric Jonesといったプロデューサーが起用されています。
また、ゲスト・シンガー/ラッパーとして、Sy Smith、Jeanne Jolly、Elzhi(Slum Village)、Median、Carlitta Durand、Pharoahe Monch、Evidence、Big K.R.I.T.、Eric Robersonが参加しています。
The Foreign Exchange『Authenticity』(2010年)では、ラッパーというよりもシンガーのイメージが強くなってしまったPhonteですが、本作ではラップもしっかり披露してくれています。
近年のPhonteの活動を気に入っている方ならば、安心して楽しめる完成度の高い1枚です。
なお、本作を聴いていると、空耳アワーで♪ムツゴロウ,ムツゴロウ…♪というフレーズがアルバム全編を通じて聴かれます。これは♪New Tigallo,New Tigallo…♪の連呼のようです。よく見ると、ジャケの下部にもNew Tigallo New Tigallo…の表記を確認できます。でも何度聴いても♪ムツゴロウ,ムツゴロウ…
ジャジーなグッド・ヴァイヴを満喫しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Dance in the Reign」
オープニングはN.Y.出身の女性R&BシンガーSy Smithをフィーチャー。彼女は当ブログでも紹介したZo!『SunStorm』にも参加していました。まずはPhonte節のラップを聴くことができ一安心!Swiff Dプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=E7wyoO5l_QI
「The Good Fight」
9th Wonderプロデュース1曲目。9th Wonderによる暖かみのあるソウルフル・トラックをバックにPhonteのフロウも滑らかです。
http://www.youtube.com/watch?v=d2OwjaqML34
「Everything Is Falling Down」
Jeanne Jollyの女性ヴォーカルをフィーチャー。哀愁トラックをバックにPhonteの悲しげなライムが胸に刺さります。Khrysisプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=XtZ0Jdy-5DE
「Not Here Anymore」
9th Wonderプロデュース2曲目。Slum VillageのElzhiをフィーチャーしたアルバムからの先行シングル。アルバムのハイライトは本トラックかもしれませんね。Phonteと9th Wonderが再タッグを組むのでればこういうのを期待していました。
http://www.youtube.com/watch?v=5CudjCrox8Q
「Eternally」
9th Wonderプロデュース3曲目。Medianをフィーチャー。♪ジグジグジグジグ〜♪と始まります(笑)。後引く感じがPhonteのソロって気になります。Medianと言えば、間もなくリリースされる彼の新作『The Sender』のエグゼクティブ・プロデューサーをPhonte & 9th Wonderの二人が務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=vwzr9Q7yr_Y
「Sendin' My Love」
Stro Elliotプロデュース。僕の一番のお気に入り曲。Phonteらしいのかビミョーかもしれませんが、適度にパーカッシヴなアーバン・メロウなトラックが僕好みです・・・と思ってクレジットを見ると、キーボード&パーカッションでZo!が参加しています。納得!
http://www.youtube.com/watch?v=W_NCt0_Hkoo
「Ball and Chain」
Swiff Dプロデュース。哀愁エレクトロなトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=4mbmgLRuaiQ
「To Be Yours」
Zo!/Phonteプロデュース。ジャジーなトランペットも入ったヴィンテージ・ソウル風の仕上がり。1分半しかありませんが、もっと長尺で聴きたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=GcIjOf9ASRE
「Gonna Be a Beautiful Night」
Strange Fruit ProjectのS1(Symbolyc One)がプロデュースしています。Little Brother、Zo! & Tigallo、Zo!の作品でもお馴染みの女性シンガーCarlitta Durandをフィーチャーしたジャジー&メロウなソウル・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=wVZTJ2u4vtQ
「We Go Off」
Pharoahe Monchをフィーチャー。印象的な早回しトラックも含め、なかなかキャッチーな仕上がりです。Fatin "10" Hortonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=NLtXm9Bub7M
「The Life of Kings」
9th Wonderプロデュース4曲目。Evidence & Big K.R.I.T.をフィーチャー。9th Wonderのソウルフル・トラックをバックに、3人のマイク・リレーを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=GylCd_Zbfmo
「Who Loves You More」
ラストはネオ・ソウル好きにはお馴染みの男性R&BシンガーEric Robersonをフィーチャー。メロウ・トラックとPhonteのスムース・ラップ、Eric Robersonのジェントル・ヴォーカルがよくマッチしています。Eric Jonesプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=STsF6FVs4Sw
一緒にThe Foreign Exchange、Zo! & Tigallo、Little Brotherの作品もチェックを!
The Foreign Exchange『Connected』(2004年)
The Foreign Exchange『Leave It All Behind』(2008年)
The Foreign Exchange『Authenticity』(2010年)
Zo! & Tigallo『Love The 80's』(2008年)
Little Brother『The Listening』(2003年)
Little Brother『The Minstrel Show』(2005年)
Little Brother『Getback』(2007年)
本作と同じタイミングでリリースされた9th Wonder『The Wonder Years』もチェックを!Phonteもフィーチャーされています。
9th Wonder『The Wonder Years』(2011年)