2011年11月30日

Hocus Pocus『16 Pieces』

フランス最強のHip-Hopバンド☆Hocus Pocus『16 Pieces』
シックスティーン・ピーシーズ
発表年:2010年
ez的ジャンル:フレンチHip-Hopバンド
気分は... :こういうHip-Hopアルバムを欲している!

今回はフランス最強のHip-HopバンドHocus Pocusが昨年リリースした『16 Pieces』です。

ジャジーHip-Hopファンであればお馴染みのグループですね。

今年に入り新作Hip-Hopアルバムの購入が激減しました。
僕の場合、購入アルバムの殆どがアングラ&ジャジーHip-Hop系作品ですが・・・

今年は曲単位でグッときてもアルバム単位で購入したいとまで思わせてくれるアルバムが少ないですね。そんな思いの中で、昨年リリースされた本作『16 Pieces』が未紹介であることを思い出しました。『16 Pieces』のような作品こそ、僕が求めているHip-Hopアルバムの典型です。

Hocus PocusはMCの20sylを中心に、1995年フランス、ナントで結成されたHip-Hopバンド。

1996年にミックステープ『Premiere Formule』、1998年に1stアルバム『Seconde Formule』をリリースしますが、まだまだアンダーグラウンドな存在でした。

2001年にリリースしたミニ・アルバム『Acoustic Hip Hop Quintet』あたりから注目されるようになり、アルバム『73 Touches』(2005年)で一気にブレイクします。さらにOmar等をゲストに迎えた『Place 54』(2007年)ではHip-Hopの枠をも飛び越えた内容で、大傑作として絶賛されました。

現在のメンバーは、20syl(rap)、DJ Greem(turntables)、Herve Godard(b)、Antoine Saint-Jean(ds)、 Matthieu Lelievre(key)、David Le Deunff(g、vo)の6名。

今日紹介する『16 Pieces』(2010年)は現時点でのグループの最新アルバムです。

もはやHip-Hopアルバムという説明が相応しくなかった前作『Place 54』でしたが、『Place 54』の成果を取り入れつつも、しっかりHip-Hopしているのが本作『16 Pieces』です。ジャジーHip-Hopを基本にしつつも、ソウルフルな味わいが増している印象を受けます。

アルバムには、クラブ・ミュージック・ファンにはお馴染みBah Sambaのリード・ヴォーカルAlice Russell や、Hocus Pocus作品のレギュラー・ゲストと呼べるUSのHip-HopグループThe ProcussionsStro The 89th KeyMr. J、フレンチ男性ソウル・シンガーBen L'Oncle Soul等がゲスト参加しています。

やはり、フレンチ・ラップにはジャジー・サウンドがよく似合います。

全曲紹介しときやす。

「Beautiful Losers」
Alice Russellをフィーチャーしたオープニング。そのAlice Russellのヴォーカルも含めてソウルフルな味わいを濃厚に押し出しています。20sylのリリックからは♪バラク・オバマ♪ニンジャ♪ヌンチャク・・・といったワードが聴こえてきます。Graham Central Station「People」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=laSxWt9nv6c

「25/06」
小粋なピアノやダブル・ベース、ミュート・トランペットのジャジー・サウンドにグッとくる大人のジャジーHip-Hop。やはりフランス語の語感とジャジー・サウンドはマッチしますね。Crusaders「It Happens Everyday」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=nDVr-AcomKI

「A Mi-Chemin」
Akhenaton & Ben L'Oncle Soulをフィーチャー。12"シングルにもなっています。Paul McCartney「Wonderful Christmastime」ネタ。キャッチーなシンセ・サウンドにAkhenatonのフレンチ・ラップと現在旬のフレンチ・ソウル・シンガーBen L'Oncle Soulのヴォーカルが絡みます。
http://www.youtube.com/watch?v=25Ig3dCu-m4

ご興味がある方は昨年Motown FranceよりリリースされたBen L'Oncle Soulの1stアルバム『Ben L'Oncle Soul』もチェックを!

Ben L'Oncle Soul『Ben L'Oncle Soul』(2010年)
Ben L'oncle Soul

「Putain De Melodie」
70年代ソウルのファンキーな味わいをスタイリッシュにまとめ上げた生音Hip-Hopバンドらしいサウンドにグッときます。ハモンド・オルガンやホーン・サウンドがいい感じです。終盤の20sylのラップを盛り上げる子供コーラスもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=PiDlQaj0u2Q

「Papa ?」
前曲「Putain De Melodie」の流れで、子供たちのコーラスや声ネタを使っています。ハッピー&ラブリーな雰囲気が好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=MuOqHmRQVkI

「Piece No.6」
20sylやDJ Greemも所属するDJユニットC2C(Coups 2 Cross)のメンバーDJ Atomによるスキット。

「Signes Des Temps」
The ProcussionsのStro The 89th Key、Mr. Jをフィーチャー。英語とフランス語が飛び交う感じが新鮮ですね。トラックも含めてジャジーHip-Hopファンであれば気に入る仕上がりなのでは?Gil Scott-Heron「A Sign of the Ages」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=NPGzLowx_pY

「Equilibre」
マリ出身のラッパーOxmo Puccinoをフィーチャー。Oxmo Puccinoの低音ラップも含め、フレンチ・ラップならではのソウル・ヴァイヴを感じます。Marvin Gaye & Tammi 「Ain't No Mountain High Enough」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=K4kEHeDuLfQ

「Marc」
Gwen Delabarをフィーチャーしたクロスオーヴァー・チューン。フルートの涼しげな響きがいいですね。Nu Jazz/クロスオーヴァー・チューンでセットで聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=e05ocBjHiF0

「Piece No.10」
C2CのメンバーDJ Pfelによるスキット。

「I Wanna Know」
再びThe ProcussionsのStro The 89th Keyをフィーチャー。バックにアフロ・ファンク調サウンドを持ってくるあたりはフレンチHip-Hopらしいですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=g2BKOY41Pxc

「W0:00」
ジャジー&メロウなヴァイヴ感が僕のど真ん中です。もっと長尺で聴きたいですね。The Friends of Distinction「Going in Circles」、Nas「One Mic」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=mxFpjTM8GXs

「Portrait」
Elodie Ramaの女性ヴォーカルをフィーチャー。ジャズ・クラブ気分にさせてくれるElodie Ramaのヴォーカルや小粋なジャズ・サウンドが20sylのフロウと一体化しています。
http://www.youtube.com/watch?v=-o_ySPJA4kI

「Piece No.14」
DJ Greemによるスキット。

「La Majeur Qui Me Demange」
クラブジャズと一緒に聴きたい1曲。爽快な疾走感とツボを押さえてホーン・サウンドにヤラれてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=D3BV4DQPrFA

「100 Grammes De Peur」
ラストは絶品ジャジーHip-Hopで締め括ってくれます。激シブのダブル・ベース、ミュート・トランペット、ピアノ、ハモンド・オルガンが織り成すサウンドサウンドに、途中からパーカッションが加わり、ラストにドラムが入って至極のジャジー・サウンドを響かせます。
http://www.youtube.com/watch?v=FimmsjlkED0

ご興味がある方は、『73 Touches』(2005年)、『Place 54』(2007年)の2枚もセットでどうぞ!

『73 Touches』(2005年)
73タッチズ

『Place 54』(2007年)
プレイス54
posted by ez at 03:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月29日

Paulinho Da Viola『Nervos De Aco』

サンバ/ショーロの大物ミュージシャンの人気作☆Paulinho Da Viola『Nervos De Aco』
NERVOS DE ACO
発表年:1973年
ez的ジャンル:正統派系サンバ/ショーロ
気分は... :まだ腰に激痛が・・・

今回はサンバ/ショーロの大物ミュージシャンPaulinho Da Violaが1973年にリリースした『Nervos De Aco』です。

Paulinho Da Viola(本名:Paulo Cesar Batista de Faria)は1942年リオ・デ・ジャネイロ生まれ。

ショーロ・グループのギタリストであった父の影響で、幼少期からショーロに慣れ親しんで育ちました。

エスコーラ・ヂ・サンバの一員となり、サンバにのめり込んでいったPaulo青年でしたが、22歳の頃、偉大なるサンビスタCartolaが経営するライブハウスに出入りするようになります。そこに出入りするサンビスタから"Paulinho Da Viola"の芸名を名付けられ、本格的にプロ・ミュージシャンを目指すようになります。

そして、1965年にはサンバ・ユニットConjunto a Voz Do Morroにオリジナル・メンバーとして参加し、 『Roda de Samba』(1965年)、『Roda de Samba No.2』(1965年)、『Os Sambistas』(1966年)といった作品をレコーディングしています。

1968年には同じConjunto a Voz Do MorroのメンバーElton Medeirosとの共演アルバム『Samba Na Madrugada』をリリースしています。

初ソロ『Paulinho Da Viola』(1968年)リリース後は80年代前半までコンスタントにアルバムを発表し続けました。

2003年には、彼の私生活を追ったドキュメンタリー映画『Meu Tempo e Hoje』が公開されました。

ここ数年ブラジル音楽を聴く頻度が高くなった僕ですが、実は90年代前半にもブラジル音楽にハマっていた時期がありました。CartolaPaulinho Da Violaは、その時によく聴いていたアーティストです。これらのミュージシャンの作品からサンバの真の素晴らしさを教えてもらいました。

今日紹介する『Nervos De Aco』(1973年)もそんな1枚です。
インパクト大(?)のジャケのせいで敬遠されてしまうこともあるアルバムかもしれませんが、内容は折り紙付の素晴らしいサンバ作品に仕上がっています。

Maestro Gaya(Lindolfo Gaya)がミュージカル・ディレクターを務め、レコーディングには、Copinha、Cristovao Bastos、Nelsinho、Dininho、Juquinha、Elizeu、Elton Medeiros、Dazinhoといったメンバーが参加しています。特にCopinhaのフルート、クラリネットNelsinhoのトロンボーンがサウンドのいいアクセントになっています。Cristovao Bastosのピアノも印象的です。

CartolaPaulinho Da Violaなどのサンバを聴いていると、素直な気持ちになり、自分の起こる全てのことを受け入れられるようにマインド・リセットできるから不思議です。

悲しみ、怒り、苦しみ、妬みなど自分のマイナス感情を忘れない時にはサンバを聴くに限ります。

ついでにサンバで腰痛を鎮めたいと願う僕なのでした・・・

全曲紹介しときやす。

「Sentimentos」
Miginha作。まさにセンチメンタルなサンバでアルバムは幕を開けます。Copinhaのクラリネットがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=A590p5AA65c

「Comprimento」
Paulinho Da Viola作。一ひねりのあるアレンジとPaulinhoの語り口がいい感じです。

「Nao Leve A Mal」
Paulinho Da Viola作。開放的かつ美しいサンバ・チューン。小粋なアレンジ・センスにも脱帽です。

「Nervos De Aco」
Lupicinio Rodrigues作の名曲。哀愁ソングですが、アレンジも含めて寛いだ雰囲気で聴かせてくれるのがいいですね。

「Roendo As Unhas」
Paulinho Da Viola作。派手さはありませんが、各プレイヤーがなかなか格好良い演奏を聴かせてくれます。Nelsinhoのトロンボーンがいい味出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=Q86mO5eFWHc

「Nao Quero Mais Amar A Ninguem」
Carlos Cachaca/Cartola/Ze Da Zilda作。Cartolaの名曲カヴァーを本作のハイライトに挙げる方も多いのでは?ビターな中にもまろやかな味わいがあるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=yMw98kgjlqo

「Nega Luiza」
Jorge De Castro/Wilson Batista作。リズミカルで楽しげな雰囲気がグッド!こういう曲にはトロンボーンが似合います。
http://www.youtube.com/watch?v=Up0gljdVIZ0

「Cidade Submersa」
Paulinho Da Viola作。エレピ・サウンドがよく似合うメロウ・サンバ。ルーツ・サンバが苦手な方でもこれなら大丈夫なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=phrmr7xmDu4

「Sonho De Um Carnaval」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。大人の味わいがたまらない激シブ・カヴァーに仕上がっています。一人でダンディズムに浸りながら聴きたい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=qSobYblFzP4

「Choro Negro」
Fernando Costa/Paulinho Da Viola作。ラストは美しいショーロ・インストで締め括ってくれます。

Paulinho Da Violaの他作品もチェックを!

Paulinho Da Viola & Elton Medeiros『Samba Na Madrugada』(1968年)
夜明けのサンバ(BOM1905)

『Paulinho Da Viola』(1968年)
Paulinho Da Viola

『Foi Um Rio Que Passou em Minha Vida』(1970年)
Foi Um Rio Que Passou Em Minha Vida (Dig)

『Paulinho Da Viola』(1971年)
Paulinho Da Viola

『A Danca Da Solidao』(1972年)
Danca Da Solidao

『Paulinho Da Viola(Amor a Natureza)』(1975年)
Amor a Natureza

『Memorias Cantando』(1976年)
Memorias 1

『Memorias Chorando』(1976年)
Memorias 2: Chorando

『Paulinho Da Viola』(1978年)
Paulinho Da Viola

『Zumbido』(1979年)
Zumbido

『Eu Canto Samba』(1989年)
Eu Canto Samba

『Bebadosamba』(1996年)
Bebadosamba
posted by ez at 04:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月28日

The Washington Squares『Fair and Square』

パンク/ニューウェイヴ世代によるフォーク・リヴァイヴァル☆The Washington Squares『Fair and Square』
Fair Square
発表年:1989年
ez的ジャンル:パンク/ニューウェイヴ世代フォーク・リヴァイヴァル
気分は... :腰に激痛が・・・

昨日から腰に激痛が走り、まともに動けません。
トイレに行こうと腰を上げるだけで痛みが走ります。
そのため、ずっと同じ姿勢のままPCの前で1日過ごしていました。
早く治まってくれないと困りものです。

さて、今回は知る人ぞ知るN.Y.のバンドThe Washington Squaresの2ndアルバム『Fair and Square』です。

The Washington SquaresはN.Y.で結成されたニュー・フォーク・ロック・バンド。

メンバーは紅一点のLauren Agnelli(vo、g)とTom Goodkind(g、vo)、Bruce Paskow(b、vo)という男性2名の3人組。

グループは『The Washington Squares』(1987年)、『Fair and Square』(1989年)という2枚のアルバムを残しています。

今日紹介する2nd『Fair and Square』(1989年)は、リアルタイムで購入しましたがCDショップで試聴して衝動買いしたような記憶があります。あまりよく憶えていませんが、僕の性格からして多分ジャケが最初に目に留まったんじゃないかと思います。

ドラムのサポートで元TelevisionBilly Ficcaが参加しているように、パンク/ニューウェイヴ世代によるフォーク・リヴァイヴァルという位置づけのバンドだったようです。当時の僕はあまりそういったことを意識せずに聴いていましたが・・・

しかし、それほどモロにパンク/ニューウェイヴ色が出ているわけではなく、親しみやすいメロディのロック/フォーク・ロック/フォーク・サウンドを楽しめます。60年代、70年代、80年代を違和感なく行き来しているのが魅力です。

レコーディングにはBob Dylan作品などで知られるJ. Steven Solesも参加しており、好サポートで貢献しています。

初めて聴いても何処か懐かしく、それでもきちんと80年代している得難い1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Everybody Knows」
オープニングは Leonard Cohenのカヴァー(Leonard Cohen/Sharon Robinson)。60年代の香り漂う哀愁ロック・チューン。初めて聴いても懐かしい感覚が支配する曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=wFGDOqj44nk

「Fourth Day Of July」
Laureen Agnelli/Tom Goodkind/Bruce Jay Paskow作。ノリの良いフォーク・ロック・チューンはなかなかキャッチーです。オールド・ファンにもご満足いただける出来栄えなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=YfQHHDIuQ-o

「Charcoal」
Laura Agnelli作。紅一点Lauraの魅力を満喫できる1曲。60年代の香りがプンプンするメロディ、サウンド、コーラスにグッときます。

「The Pride Of Man」
Hamilton Camp作。当ブログでも紹介したQuicksilver Messenger Service『Quicksilver Messenger Service』(1968年)収録曲としてご存知の方もいるのでは?Gordon Lightfootもカヴァーしています。J. Steven Solesのハモンド・オルガンもアクセントとなり、なかなか格好良い1曲に仕上がっています。

「Neal Cassady」
Bruce Jay Paskow作。SSW作品風のリリシズムに溢れた味わい深い作品です。

「La Roue De Fortune」
Laura Agnelli作。親しみやすいメロディとLauraの切ないヴォーカルに魅了される、60年代フォーク/ポップス好きであればグッとくるであろう1曲。

「Greenback Dollar」
Hoyt Axton/Ken Ramsey作。The Kingston Trioのヴァージョンで有名な曲ですが、ここでは抜けの良いロッキンな仕上がりで全く雰囲気の異なる「Greenback Dollar」を聴かせてくれます。

「Join Together」
Tom Goodkind作。アルバムの中では異色のレゲエ調の仕上がり。フォーク&ニューウェイヴ&レゲエといった雰囲気が面白いですね。

「My True Love And I」
「The Water Is Wide」のタイトルでお馴染みのトラディショナル・ソングのカヴァー。奇をてらわず、この曲らしい味わい深く仕上げています。

「The Other Side Of Sin」
Bruce Jay Paskow作。80年代のグループらしい美メロの爽快ネオアコ・チューンです。こういった曲も楽しめるのでが本作の魅力です。

「All Over The World」
Tom Goodkind作。ポップなメロディと小気味良いギター・サウンドがサイコー!J. Steven Solesのメロトロンもいい隠し味になっています。

「Fourth Day Of July (Reprise)」
「Fourth Day Of July」のリプライズ。バンジョーで盛り上げてくれます。

ご興味のある方は1st『The Washington Squares』(1987年)もチェックを!

『The Washington Squares』(1987年)
Washington Squares
posted by ez at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月27日

Betty Wright & The Roots『Betty Wright: The Movie』

マイアミ・ソウルの女王、約10年ぶりの新作はThe Rootsがバックアップ☆Betty Wright & The Roots『Betty Wright: The Movie』
Betty Wright: the Movie
発表年:2011年
ez的ジャンル:マイアミ・ソウルの女王
気分は... :素晴らしき復活!

正直、今秋以降のR&B/Soul新作には不満が多く、これまで継続的にアルバムを購入してきたアーティストの作品でもスルーして未購入のものが何枚もあります。

そんな中で僕を大満足させてくれたソウル作品がBetty Wrightの約10年ぶりとなる新作アルバム『Betty Wright: The Movie』です。

マイアミ・ソウルの女王Betty Wrightの紹介は、『I Love The Way You Love』(1972年)に続き2回目となります。

前作『Fit for A King』(2001年)から約10年ぶりとなる新作『Betty Wright: The Movie』は、The Rootsとの共演です。

『The Road From Memphis』(2011年)でBooker T. Jonesを見事に再生させた?uestloveおよびThe Rootsの手腕に期待していましたが、期待以上に素晴らしい作品が届けられました。

Betty本人と共にSteve GreenbergRichard Nicholsをエグゼクティヴ・プロデューサーに据え、?uestloveAngelo Morrisがプロデュースを務めています。

また、ゲストとしてSnoop DoggLil WayneRobert "The Messenger" BozemanJoss StoneLenny Williams(元Tower Of Power)が参加しています。

レジェンド・シンガーの約10年ぶりの新作と聞くと、話題だけで内容が乏しいアルバムを連想してしまいます。しかし、本作『Betty Wright: The Movie』は2011年に聴くソウルとして相応しい内容に仕上がっているのが嬉しいですね。何より主役のBetty Wrightが年齢とブランクを感じさせないエネルギッシュなヴォーカルを聴かせてくれるのが魅力です。

また、アルバム全編を通じて楽曲の良さが目立ちます。
サウンド面でもThe Rootsを中心に、古き良きソウルを受け継ぎつつ2011年仕様のサウンドを聴かせてくれます。

Betty Wrightファンも、これまでBetty Wrightを聴いたことがない若い世代の方も楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Old Songs」
マイアミ・ソウルらしいリズム・ボックスと共にスタートするオープニング。マイアミ・ソウルの女王が現役シンガーとして健在であることを十分示してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8xC3mjnebCQ

「Real Woman」
Snoop Doggをフィーチャー。?uestloveらしい乾いたグルーヴにのって、Bettyがマイアミ・ソウルの女王らしい貫録のヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=7wb8CCXWH44

「In the Middle of the Game (Don't Change The Play)」
僕の一番のお気に入り。本曲を聴いてアルバムの購入を決めました。躍動するグッド・ヴァイヴに満ちたソウル・チューン。こんなソウル・チューンが聴きたかった・・・
http://www.youtube.com/watch?v=UEp_6fVS5oE

「Surrender」
深く胸に染み入るソウル・バラード。バック・コーラス隊との息もピッタリで素晴らしいヴォーカル・アンサンブルを聴かせてくれます。

「Grapes on a Vine」
アルバムからの1stシングル。Lil Wayneをフィーチャー。哀愁モードながらも力強いミッド・グルーヴです。ロッキンなギターとLil Wayneのクセのある声のラップがハード感をアップしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=LU8xzPtLvFI

「Look Around (Be a Man)」
今時のエレクトロ・テイストのサウンドですが、Bettyらしいソウル・ヴァイヴが失われていないのがいいですね。

「Tonight Again」
何気ないミッド・グルーヴですがコレがいいんです!ビター&メロウな大人のソウルを満喫できます。

「Hollywould」
Robert "The Messenger" Bozemanをフィーチャー。"Hollywood"ではなく"Hollywould"です。哀愁ソウル・チューンです。

「Whisper in the Wind」
Joss Stoneをフィーチャー。師匠と弟子の共演といったところでしょうか。ワンダフル&ビューティフルな爽快ソウル・チューンに大感動です。「In the Middle of the Game (Don't Change The Play)」と並ぶ僕のお気に入り!こういった曲を聴いてしまうと、Jossには『The Soul Sessions』(2003年)のような作品を作って欲しいなぁ・・・と思ってしまうのは僕だけでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=QkJFWCRdOao

「Baby Come Back」
Lenny Williamsをフィーチャー。ベテラン同士の共演を楽しめる哀愁ソウル。Bettyに負けじとLenny Williamsが素晴らしいヴォーカルを披露してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=EmjZq5KxDOc

「So Long, So Wrong」
ベテランならではのメロウな味わいにグッときます。この曲も「In the Middle of the Game (Don't Change The Play)」、「Whisper in the Wind」と同じ位僕のヘビロテになっています。特に朝聴くと気持ちをリセットできる気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=ZxMHrDc8xcY

「You and Me, Leroy」
The Rootsらしいグルーヴをバックにした哀愁ソウル・チューンです。

ここからの2曲はボーナス・トラックです。

「The One」
しっとりと聴かせる正統派ソウル・バラード。まだまだ衰えを知らないBettyのヴォーカルに魅了されます。

「Go! (Live)」
グラミーのBest Traditional R&B Vocal Performanceにノミネートされた「Go」の2010年のライブ演奏です。ライブでもパンチの効いたヴォーカルを聴かせてくれます。

Betty Wrightの過去作品もチェックを!

『My First Time Around』(1968年)
My First Time Around

『I Love The Way You Love』(1972年)
I LOVE THE WAY YOU LOVE

『Hard To Stop』(1973年)
Hard to Stop

『Live』(1978年)
Live
posted by ez at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月26日

SpaceArk『SpaceArk Is』

遂にCD化が実現した黒人白人混成バンドのメロウ・ソウル☆SpaceArk『SpaceArk Is』
spaceark spaceark is.jpg
発表年:1978年
ez的ジャンル:カリフォルニア系メロウ・ソウル
気分は... :ちょっぴり切ないメロウネス

今回は遂にCD化が実現したSpaceaArkの2nd『SpaceArk Is』です。

SpaceaArkはカリフォルニアを拠点に活動していた黒人白人混成バンド。

バンドの中心は黒人のリード・ヴォーカルTroy Raglinと白人のリード・ギターPeter Alan Silbergの2人。

グループは『SpaceArk』(1976年)、『SpaceArk Is』(1978年)という2枚のアルバムを残しています。2枚共にDJ/コレクターの間で再評価の高いアルバムですね。

1st『SpaceArk』におけるメンバーは、Troy Raglin(vo)、Peter Alan Silberg(g)、Russell Greene(key)、Reggie Austin(b)、Bryan Reed(ds)でしたが、2nd『SpaceArk Is』ではキーボードとベースが入れ替わり、Jared Stewart(key)、Kenny Chavis(b)の2人が新たにメンバーとしてクレジットされています。

CD化された2nd『SpaceArk Is』にはボーナス・トラック3曲が追加されています。こちらには女性シンガーDolores Hardyが参加しています。これらはSpace Ship Earth名義でシングル・リリースされていたもののようです。

アルバム本編については、AORファンも魅了するメロウ・ソウルに仕上がっています。Troy Raglinのソウルフル・ヴォーカルとメロウ・サウンドが織り成す、ちょっぴり切ないメロウ・グルーヴに魅了されます。

全6曲と収録曲は少ないですが、そんなことをマイナスに感じさせない充実した内容になっています。特にオリジナルLPのA面3曲、「Sweet Hitch Hiker」「Take Her Out Dancing」「Sexy Lady」はサイコーですね。

長い間、アナログ盤が高値で取引されていた作品だけに嬉しいCD化ですね。
興味のある方は、この機会を逃さないように!

全曲紹介しときやす。

「Sweet Hitch Hiker」
AOR〜メロウ・ソウル好きであればグッとくるオープニング。Troyのソウルフル・ヴォーカルに黄昏モードの哀愁メロウ・サウンドがいい感じです。

「Take Her Out Dancing」
ハワイアンAORあたりと一緒に聴きたくなるメロウ・チューン。どことなく切ないメロディは今よりも夏の終わり頃に聴きたい感じですね。

「Sexy Lady」
Troyの甘い歌声とメロウ・サウンドが極上のセクシー・レディを連想させます。AOR〜メロウ・ソウル好きのツボをがっちり押さえています。

「Ja More Mon Amore (I Love My Love)」
ソウルフル・コーラスとシンセが印象的な哀愁サウンドがよくマッチした仕上がり。終盤のファンキーに盛り上げてくれます。

「Phantom Lover」
Troyのヴォーカルを満喫できる哀愁メロウ・グルーヴ。

「Each Song」
オリジナル・アルバムのラストは、素晴らしいTroyの哀愁ヴォーカルとスキャット・コーラスに魅了されます。

ここからはボーナス・トラックの3曲です。Dolores Hardyの女性ヴォーカルを前面に打ち出したディスコ/ソウル系のサウンドは、本編とは切り離して聴いた方がいいでしょう。

「Don't Stop」
Dolores Hardyの女性ヴォーカルをフィーチャー。アルバム本編とは全く異なる雰囲気のディスコ・チューンです。これはこれで十分楽しめます。

「This Spell」
Dolores Hardyの女性ヴォーカルをフィーチャー。

「Don't Stop (track version) 」
「Don't Stop」のインスト・ヴァージョンです。

1st『SpaceArk』(1975年)もセットでどうぞ!。

『SpaceArk』(1976年)
spaceark spaceark.jpg
posted by ez at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。