2011年11月20日

Sunlightsquare『Sunlightsquare Presents: Britannia Shing-A-Ling』

ラテン/ジャズ/ソウル/ポップス名曲をクラブジャズ系ラテン・ジャズで!☆Sunlightsquare『Sunlightsquare Presents: Britannia Shing-A-Ling』
Britannia Shing-a-Ling
発表年:2011年
ez的ジャンル:UKクラブジャズ系ラテン・ジャズ
気分は... :冬はラテン・ジャズでポカポカ!

今回は新作CDより、はUKのクラブジャズ・ユニットSunlightsquareの最新作『Sunlightsquare Presents: Britannia Shing-A-Ling』です。

ロンドンを拠点に活躍するイタリア人キーボード奏者Claudio Passavantiを中心としたユニット(と言うよりもソロ・プロジェクトと呼ぶべきかもしれません)であるSunlightsquareの紹介は、Sunlightsquare Latin Combo名義の『Havana Central』(2010年)に続き2回目となります。

ラテン/キューバ音楽に魅了されたClaudio Passavantiが本場キューバに乗り込み、キューバ人プロデューサー、キューバ人ミュージシャンとコラボしたのが前作『Havana Central』でした。

何と言っても、Jackson Sistersでお馴染みの大人気ダンス・クラシック「I Believe In Miracles」のラテン・ジャズ・カヴァーが秀逸でしたね。

Sunlightsquare Latin Combo「I Believe In Miracles」
http://www.youtube.com/watch?v=PiPAAUfCafk

新作はロンドン録音ですが、タイトルに1960年代のNYで流行したラテン・ソウル・ミュージックShing-A-Ling (Shingaling) を冠しているようにラテン路線をさらに推し進めています。

そして今回は全曲カヴァーです。
60〜70年代のラテン/ジャズ/ソウル/ポップス名曲をクラブジャズ・テイストのラテン・ジャズで聴かせてくれます。音楽好きの心をくすぐる選曲センスにグッときます。

また、今回は全9曲中7曲がヴォーカル入りであり、ラテン・ジャズ好き以外の人でも聴きやすいアルバムに仕上がっています。さらにゲスト・ヴォーカルにはSharlene HectorVanessa FreemanといったUKクラブ・ミュージック好きにはグッとくる名前もあります。

日本では話題になりにくい作品ですが要チェックですよ!

全曲紹介しときやす。

「Afro Azul」
ラテン・ティンバレス奏者Joey Pastranaの人気ファンキー・ブーガルーをカヴァー。オリジナルはJoey Pastrana & His Orchestra名義のアルバム『Hot Pastrana』(1968年)に収録されています。ここではSharlene Hectorの女性ヴォーカルをフィーチャー。彼女はReel Peopleの人気曲「The Rain」のヴォーカルでお馴染みですね。当ブログのエントリー作品で言えば、今年リリースされたDego『A Wha' Him Deh Pon?』でもSharleneがフィーチャーされています。さて、本ヴァージョンはオリジナルの躍動感を受け継ぎつつ、UKクラブジャズらしい洗練されたテイストも加味されています。Massimo Grecoのトランペット・ソロもキマっています。

Joey Pastrana & His Orchestra「Afro Azul」
 http://www.youtube.com/watch?v=31V5x2h-D4o

「Idle Hands」
N.Y.サルサを代表するピアニストEddie PalmieriによるN.Y.ラテン・プロジェクトHarlem River Driveのカヴァー(Marilyn Herscher/Robert Bianco作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Harlem River Drive』(1971年)に収録されています。ここではKevin Mark Trailの男性ヴォーカルをフィーチャー。オリジナル同様、ファンキー・サウンドにソウルフル・ヴォーカルが絡むラテン・ファンクに仕上がっています。Trevor MiresのトロンボーンとTony Kofiのバリトン・サックスが盛り上げてくれます。

Harlem River Drive「Idle Hands」
 http://www.youtube.com/watch?v=akhVgotIlhk

「Nowhere To Run」
Holland-Dozier-Holland作によるMartha Reeves & The Vandellasのヒット曲をカヴァー。ここでは西ロンドンの歌姫Vanessa Freemanをフィーチャー。当ブログで紹介した作品で言えば、2000BlackThe Baker BrothersMark De Clive-LoweReel PeopleThe RebirthでVanessaがフィーチャーされています。本ヴァージョンはイントロが最高に格好良いですね。躍動する格好良さを残しつつ、クラブ・テイストのラテン・ジャズ・サウンドで聴かせる「Nowhere To Run」はなかなかヒップです。相変わらずVanessaのヴォーカルは素晴らしいですね。

Martha Reeves & The Vandellas「Nowhere To Run」
 http://www.youtube.com/watch?v=RQRIOKvR2WM

「Free Soul」
ジャズ・サックス奏者John Klemmerのカヴァー。オリジナルはアルバム『Blowin' Gold』(1969年)に収録されています。オリジナルに近い雰囲気のインスト・カヴァーになっています。 格好良いブロウのBrandon Allenのテナー・サックスがグッド!

「Up, Up And Away」
The 5th Dimensionでお馴染みのJimmy Webb作品「ビートでジャンプ」をカヴァー。当ブログではRoman AndrenBossa RioGary McFarland & Co.のカヴァーも紹介済みです。ここではBrendan Reillyの男性ヴォーカルをフィーチャー。エキサイティングに疾走するSunlightsquare色に染めたカヴァーに仕上がっています。中盤のブレイクやJim Hartによるヴァイヴ・ソロもキマっています。

「California Soul」
Ashford & Simpson作の人気曲をカヴァー。ここではMarlena Shawヴァージョンのカヴァーということのようです。Marlena Shawヴァージョンは当ブログでも紹介した『The Spice Of Life』(1969年)に収録されています。ここではTasita D'Mourの女性ヴォーカルをフィーチャーしています。ここではMarlenaヴァージョンと同じくドラマティックなストリングスを配した仕上がりです。Claudio Passavantiのメロウ・エレピがいい感じです。

Marlena Shaw「California Soul」
 http://www.youtube.com/watch?v=2MMflNf-ocg

「O Mi Shango」
Mongo Santamaria作の人気アフロ・キューバン・クラシックをカヴァー。シングルにもなっています。本作からのオリジナルはオリジナルはアルバム『Sofrito』(1976年)に収録されています。ここではRene Alvarezの男性ヴォーカルをフィーチャーしています。オリジナルのパーカッシヴ感を活かしつつ、さらにグルーヴのうねり度をアップさせたフロア向けの仕上がりになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=JzQXdAmYgiY ※レコーディング風景

Mongo Santamaria「O Mi Shango」
 http://www.youtube.com/watch?v=PR1WYUmW448

ソウルフル・ハウス好きの方はリミックスも要チェックです。
「O Mi Shango(Mustafa Brazil To Africa Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=XxwzRnCywEM

「Skyscrapers」
Eumir Deodato作の大人気ブラジリアン・グルーヴ「摩天楼」のカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Os Catedraticos 73』(1973年)に収録されています。個人的には大好きな曲なので、嬉しいカヴァーですね。ブラジリアン・グルーヴのクラシックですが、ラテン風味の「Skyscrapers」もなかなかです。Nichol Thomsonがトロンボーン・ソロで盛り上げてくれます。Jim Hartの小粋なヴァイヴもグッド!

Eumir Deodato「Skyscrapers」
 http://www.youtube.com/watch?v=Hzm8ua_ts08

「Land Of 1000 Dances」
ラストはWilson PickettのR&Bスタンダード「ダンス天国」をカヴァー(Chris Kenner作)。この曲もシングルになっています。Brendan Reillyのヴォーカルをフィーチャーしたラテン・ソウルに仕上がっています。オリジナルとは一味違った「ラテン・ダンス天国」を楽しめます。

Wilson Pickett「Land Of 1000 Dances」
http://www.youtube.com/watch?v=BWoQ_pZtXCY

興味がある方はSunlightsquare関連の他作品もチェックしてみて下さい。

『Urban Sessions』(2006年)
Urban Sessions feat. Steve Gadd/Will Lee/Joy Malcolm/Shariene Hector/Z-Star

『Urban Latin Soul』(2009年)
Urban Latin Soul

『Havana Central』(2010年) ※Sunlightsquare Latin Combo名義
Havana Central
posted by ez at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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