発表年:2011年
ez的ジャンル:マイアミ・ソウルの女王
気分は... :素晴らしき復活!
正直、今秋以降のR&B/Soul新作には不満が多く、これまで継続的にアルバムを購入してきたアーティストの作品でもスルーして未購入のものが何枚もあります。
そんな中で僕を大満足させてくれたソウル作品がBetty Wrightの約10年ぶりとなる新作アルバム『Betty Wright: The Movie』です。
マイアミ・ソウルの女王Betty Wrightの紹介は、『I Love The Way You Love』(1972年)に続き2回目となります。
前作『Fit for A King』(2001年)から約10年ぶりとなる新作『Betty Wright: The Movie』は、The Rootsとの共演です。
『The Road From Memphis』(2011年)でBooker T. Jonesを見事に再生させた?uestloveおよびThe Rootsの手腕に期待していましたが、期待以上に素晴らしい作品が届けられました。
Betty本人と共にSteve Greenberg、Richard Nicholsをエグゼクティヴ・プロデューサーに据え、?uestlove、Angelo Morrisがプロデュースを務めています。
また、ゲストとしてSnoop Dogg、Lil Wayne、Robert "The Messenger" Bozeman、Joss Stone、Lenny Williams(元Tower Of Power)が参加しています。
レジェンド・シンガーの約10年ぶりの新作と聞くと、話題だけで内容が乏しいアルバムを連想してしまいます。しかし、本作『Betty Wright: The Movie』は2011年に聴くソウルとして相応しい内容に仕上がっているのが嬉しいですね。何より主役のBetty Wrightが年齢とブランクを感じさせないエネルギッシュなヴォーカルを聴かせてくれるのが魅力です。
また、アルバム全編を通じて楽曲の良さが目立ちます。
サウンド面でもThe Rootsを中心に、古き良きソウルを受け継ぎつつ2011年仕様のサウンドを聴かせてくれます。
Betty Wrightファンも、これまでBetty Wrightを聴いたことがない若い世代の方も楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Old Songs」
マイアミ・ソウルらしいリズム・ボックスと共にスタートするオープニング。マイアミ・ソウルの女王が現役シンガーとして健在であることを十分示してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8xC3mjnebCQ
「Real Woman」
Snoop Doggをフィーチャー。?uestloveらしい乾いたグルーヴにのって、Bettyがマイアミ・ソウルの女王らしい貫録のヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=7wb8CCXWH44
「In the Middle of the Game (Don't Change The Play)」
僕の一番のお気に入り。本曲を聴いてアルバムの購入を決めました。躍動するグッド・ヴァイヴに満ちたソウル・チューン。こんなソウル・チューンが聴きたかった・・・
http://www.youtube.com/watch?v=UEp_6fVS5oE
「Surrender」
深く胸に染み入るソウル・バラード。バック・コーラス隊との息もピッタリで素晴らしいヴォーカル・アンサンブルを聴かせてくれます。
「Grapes on a Vine」
アルバムからの1stシングル。Lil Wayneをフィーチャー。哀愁モードながらも力強いミッド・グルーヴです。ロッキンなギターとLil Wayneのクセのある声のラップがハード感をアップしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=LU8xzPtLvFI
「Look Around (Be a Man)」
今時のエレクトロ・テイストのサウンドですが、Bettyらしいソウル・ヴァイヴが失われていないのがいいですね。
「Tonight Again」
何気ないミッド・グルーヴですがコレがいいんです!ビター&メロウな大人のソウルを満喫できます。
「Hollywould」
Robert "The Messenger" Bozemanをフィーチャー。"Hollywood"ではなく"Hollywould"です。哀愁ソウル・チューンです。
「Whisper in the Wind」
Joss Stoneをフィーチャー。師匠と弟子の共演といったところでしょうか。ワンダフル&ビューティフルな爽快ソウル・チューンに大感動です。「In the Middle of the Game (Don't Change The Play)」と並ぶ僕のお気に入り!こういった曲を聴いてしまうと、Jossには『The Soul Sessions』(2003年)のような作品を作って欲しいなぁ・・・と思ってしまうのは僕だけでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=QkJFWCRdOao
「Baby Come Back」
Lenny Williamsをフィーチャー。ベテラン同士の共演を楽しめる哀愁ソウル。Bettyに負けじとLenny Williamsが素晴らしいヴォーカルを披露してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=EmjZq5KxDOc
「So Long, So Wrong」
ベテランならではのメロウな味わいにグッときます。この曲も「In the Middle of the Game (Don't Change The Play)」、「Whisper in the Wind」と同じ位僕のヘビロテになっています。特に朝聴くと気持ちをリセットできる気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=ZxMHrDc8xcY
「You and Me, Leroy」
The Rootsらしいグルーヴをバックにした哀愁ソウル・チューンです。
ここからの2曲はボーナス・トラックです。
「The One」
しっとりと聴かせる正統派ソウル・バラード。まだまだ衰えを知らないBettyのヴォーカルに魅了されます。
「Go! (Live)」
グラミーのBest Traditional R&B Vocal Performanceにノミネートされた「Go」の2010年のライブ演奏です。ライブでもパンチの効いたヴォーカルを聴かせてくれます。
Betty Wrightの過去作品もチェックを!
『My First Time Around』(1968年)
『I Love The Way You Love』(1972年)
『Hard To Stop』(1973年)
『Live』(1978年)