発表年:1991年
ez的ジャンル:UKシンセ・ポップ系ソウル・カヴァー
気分は... :多彩なおかずにお得気分!
昨日のランチである定食屋に入り、無難に今日のおすすめ「チキンカツとナス味噌焼き 650円」というのオーダーしてみました。するとメイン料理のチキンカツ&ナス味噌焼き以外に、かき揚げ天ぷら&肉じゃがというメイン級のおかず2品も付いてきました。たかがランチのおかずですが、予想外のおまけに何かとても得した気分でハッピー気分に!
ということで今日はそんなお得感を感じることができるアルバムをセレクト。
今回はUKのシンセ・ポップ・ユニットB.E.F.の4thアルバム『Music Of Quality And Distinction Volume II』(1991年)です。
B.E.F.(British Electric Foundation)は元Human LeagueのメンバーだったMartyn WareとIan Craig Marshによるエレポップ/シンセ・ポップ・ユニット。二人はさらにGlenn Gregoryを加えたユニットHeaven 17を結成しています。
B.E.F.名義では、『Music for Listening』(1981年)、『Music for Stowaways』(1981年)、『Music Of Quality And Distinction Volume I』(1982年)、『Music Of Quality And Distinction Volume II』(1991年)という4枚のアルバムをリリースしています。
僕がB.E.F.の名を意識するようになったのは、ソウル/ロックの名曲を次々とシンセ・ポップでカヴァーしたアルバム『Music Of Quality And Distinction Volume I』(1982年)です。特にTina Turnerをフィーチャーした同作からのシングル「Ball of Confusion」(Temptations、1970年のヒット曲カヴァー)は、Tinaの復活アルバム『Private Dancer』(1984年)の足掛かりとなった曲だけに印象的です。
B.E.F. Feat. Tina Turner「Ball of Confusion」
http://www.youtube.com/watch?v=kYqw8V9T190
その『Music Of Quality And Distinction Volume I』から活動休止状態であったB.E.F.が、9年ぶりにリリースしたアルバムが今日紹介する『Music Of Quality And Distinction Volume II』(1991年)です。
Volume Iと同じく、ソウル/ロックの名曲をゲスト・ヴォーカル&シンセ・ポップでカヴァーした作品です。
ゲスト・ヴォーカルには、Chaka Khan、Lalah Hathaway、Richard Darbyshire、Billy MacKenzie、Terence Trent D'Arby、Tashan、Mavis Staples、Billy Preston、Green Gartside(Scritti Politti)、Tina Turner、Ghida De Palmaといった豪華メンバーが揃っています。
僕が本作を購入したのも、この豪華ゲスト・ヴォーカル陣に惹かれたためです。
90年代シンセ・サウンドによるソウル・カヴァーということで好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、個人的には90年代前半のUKシーンならではのアプローチが楽しめる"ソウル"作品として長く愛聴しています。そのため、我が家のCD棚ではUKロック・コーナーではなく、R&B/Soulコーナーに置いてあります。
企画もの的な色合いもあるアルバムですが、その分気軽に楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Someday We'll All Be Free」
オープニングはChaka Khanをフィーチャー。Donny Hathawayの名曲をエネルギッシュに熱唱します。Donny Hathawayファンの方はシンセ・ポップ・サウンドに拒否反応を示されるかもしれませんが、90年代B.E.F.らしくて好きです。昔も今も僕の一番のお気に入り!
http://www.youtube.com/watch?v=YakINE7nr50
「Family Affair」
Lalah Hathawayをフィーチャー。Donny Hathawayのカヴァーの次に娘>Lalahを配する構成が心憎いですね。このSly & the Family Stoneの名曲カヴァーはシングル曲にもなり、UKチャートでTop40入りしています。シングルになるだけあってアルバムの中でも完成度の高い1曲です。フェンダー・ローズはBilly Prestonによる演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=RJow1jeMhv8
「Early In The Morning」
Zu Zu SharksやLiving In A BoxのメンバーであったUKの白人シンガーRichard Darbyshireをフィーチャー。当ブログでも紹介したThe Gap Bandのヒット曲をカヴァーしています。意外にシンセ・サウンドとの相性が良い曲なのかもしれません。
「Free」
スコティッシュ・シンセ・ポップ・ユニットThe Associates等で活躍していた白人シンガーBilly MacKenzieをフィーチャー。Deniece Williamsの不朽のメロウ・クラシックをカヴァーしています。ファルセット・ヴォーカルによる妖しげな「Free」を聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ayfWhFFiw-o
「It's Alright Ma, I'm Only Bleeding」
Terence Trent D'Arbyをフィーチャー。当ブログでも紹介したBob Dylanソングをカヴァー。この曲はモータウン風サウンドになっていて他の曲とは雰囲気が異なります。バック・ヴォーカルにはJocelyn Brownも参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=Zga_6I9dZSA
「I Want You」
USソウル・シンガーTashanをフィーチャー。当ブログでは未紹介ですが、当時結構好きな男性シンガーでした。ここではLeon Ware/Arthur "T-Boy" Ross作によるMarvin Gayeの大ヒット曲をカヴァー。B.E.F.に関係なくTashan好きの人あれば楽しめるカヴァーだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=DRSDdaN5i40
「A Song For You」
The Staple Singersでお馴染みのベテラン女性ソウル・シンガーMavis Staplesをフィーチャー。Leon Russellの名曲を堂々と歌い上げています。
「Try A Little Tenderness」
Billy Prestonをフィーチャー。Otis Reddingのヒットでお馴染みの名曲を味わい深いヴォーカル&ピアノで聴かせてくれます。後半のテンポアップで一気にテンションが上がりますね!Jocelyn Brown等のバック・ヴォーカルも含めてアルバム中最もソウルフルな仕上がりです。
「I Don't Know Why I Love You」
Scritti PolittiのGreen Gartsideをフィーチャー。Stevie Wonderのカヴァーです(Stevie Wonder/Paul Riser/Don Hunter/Lula Hardaway作)。Green大好きの僕としては彼がStevieをカヴァーしてくれるだけで大満足!クラヴィネットはBilly Preston。
http://www.youtube.com/watch?v=Lk0_hO-0040
「A Change Is Gonna Come」
Tina Turnerをフィーチャー。Sam Cookeの名曲をカヴァーしています。やはり、B.E.F.のアルバムに最もしっくりくるゲスト・ヴォーカルはTinaですね。バック・ヴォーカルでHeaven 17のGlenn Gregoryも参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=zoC2lM45nlg
「Feel Like Makin' Love」
ラストは女性ヴォーカリストGhida De Palmaをフィーチャー。僕の場合、日本人DJ/クリエイターLAVAの作品における印象が強いシンガーですね。ここではRoberta Flackの大ヒットでお馴染みのEugene Mcdanielsの名曲をカヴァー。キュートなヴォーカルとシンセ・ポップ・サウンドの組み合わせによる印象的なカヴァーに仕上がっています。
興味がある方は80年代のB.E.F.作品もチェックを!
『Music for Listening』(1981年)
『Music Of Quality And Distinction Volume I』(1982年)