2011年12月09日

Peter Gallway『Peter Gallway』

私的で内省的なPeter Gallway名義の初アルバム☆Peter Gallway『Peter Gallway』
ピーター・ゴールウェイ(紙ジャケット仕様)
発表年:1972年
ez的ジャンル:誠実&知的SSW
気分は... :ビクトリアの哲学・・・

昨日クラブ・ミュージック系のアルバムを取り上げた反動からか、今日は誠実さが伝わってくるSSW作品が聴きたい気分です。

そこでセレクトしたのが、元The Fifth Avenue BandPeter Gallwayのソロ・アルバム『Peter Gallway』(1972年)です。

The Fifth Avenue Band解散後、N.Y.からL.A.で移り、Ohio Knox名義でアルバム『Ohio Knox』(1971年)をリリースしたPeter Gallwayが、自身の名義でリリースしたアルバムが『Peter Gallway』(1972年)です。

僕自身は『The Fifth Avenue Band』のフォーキー&グルーヴィーなサウンドが大好きだったので、アーシーな味わいの『Ohio Knox』よりも、The Fifth Avenue Bandの雰囲気に近い楽曲が収められた『Peter Gallway』の方が好みですね。

The Fifth Avenue BandOhio Knoxと比較して、本作『Peter Gallway』はより私的で内省的アルバムです。その意味ではThe Fifth Avenue Bandの幻想を追いかけるような聴き方は良くないのでしょうね。

本作における誠実な語り口は、Jackson Browneあたりに通じるものを感じます。ただし、実直さをストレートにぶつけるJackson Browneに対して、よりアーティスティックな歌詞でインテリジェンスを感じさせるPeter Gallwayとではタイプが異なるのでしょうが・・・

レコーディングにはPeter Gallway(vo、g、p)以下、John Scholle(g)、Manassas加入前のPaul Harris(p)、The Fifth Avenue Bandの同僚Ken Altman(b)、Spanky & Our Gang、TurtlesのメンバーであったJohn Seiter(ds)、そしてお馴染みのDanny Kortchmar(congas)が参加しています。

プロデュース&ソングライティングはPeter Gallway自身です。

歌詞を読みこむとさらに味わい深さが増す1枚だと思います。

全曲を紹介しときやす。

「Watch Yourself」
オススメその1。スワンプ・テイストなオープニング。正直、僕がPeter Gallwayに求めている音ではありませんが、アーシーな味わいがなかなかグッときます。特にオルガンが絡んでくる終盤が格好良いです!
http://www.youtube.com/watch?v=NCE5wVoG25E

「Decidedly Fun」
オススメその2。Paul Harrisのエレピが心地好いメロウ・フォーキー。マッタリと時間を過ごしたい時のBGMに最適です。歌詞の中でJames Stewartが主演した有名なHitchcock映画『Rear Window(裏窓)』に触れているのも興味深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=17S5qU4mTDc

「Twelve Day Lover」
この曲もマッタリ・モード。甘く切ないラブ・ストーリーを回想するPeterの淡々とした歌声が印象的です。

「My Sweetheart Was My Friend」
正統派フォーキー・チューン。きっとSSW好きの人はこういう曲がお好きなのかもしれませんが、僕には少し退屈ですね・・・

「Running, Walking, Kicking The Ball」
オススメその3。この曲はOhio Knoxっぽいですね。ファンキーなフィーリングがアルバムの中でいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=17S5qU4mTDc

「The Good Lady of Toronto」
The Fifth Avenue Band時代の楽曲のリメイク。SSWらしい素朴な味わいのリメイクになっています。

「Moonsong」
内省的な歌詞が印象的な1曲。歌詞を眺めながら、しっかり聴くと味わい深さが増してきます。

「Come Forever Now, My Son」
地味な曲ですがアーシー&ファンキーな味わいがなかなかいい感じです。

「Come on In」
オススメその4。美しいメロディと実直な歌声にグッときます。Jackson Browneあたりと一緒に聴きたくなります。

「Harmony Grits」
オススメその5。フリーソウル好きには『Free Soul Garden』にも収録された本曲がハイライトでしょうね。僕も一番のお気に入り曲です。アルバムでも最もThe Fifth Avenue Bandに近い仕上がりです。このフォーキー&グルーヴィーな雰囲気がたまりませんね。「One Way Or The Other」(Kenny Altman作ですが)とセットで聴くとサイコーですね。
http://www.youtube.com/watch?v=azfBMMbLK_g

「You」
オススメその6。去って行った愛しき恋人に向かい優しく語りかけるPeterの歌声にグッときてしまいます。

「Mr. Mercybones Jones」
ゴスペル・フィーリングの感動的な曲でアルバムは締め括られます。神のご慈悲を・・・

The Fifth Avenue BandOhio Knoxもセットでどうぞ!

The Fifth Avenue Band『The Fifth Avenue Band』(1969年)
フィフス・アヴェニュー・バンド

Ohio Knox『Ohio Knox』(1971年)
オハイオ・ノックス
posted by ez at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする