発表年:2004年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hop-Hop
気分は... :新作は出ないのかなぁ???
今日はTrugoy、Pos、Maseoの3人組Hip-HopユニットDe La Soulが2004年にリリースした『The Grind Date』です。
これまで当ブログで紹介してきたDe La Soul作品は以下の5枚。
『3 Feet High And Rising』(1989年)
『De La Soul Is Dead』(1991年)
『Buhloone Mindstate』(1993年)
『Stakes Is High』(1996年)
『AOI:Bionix』(2001年)
『The Grind Date』のリリースは2004年ですが、それ以降オリジナル・アルバムはリリースされておらず、現時点でのDe La Soulの最新作ということになります。
Tommy BoyではなくSanctuary Recordsからリリースされたこともあり、この頃のDe La Soulに都落ちの印象を持たれている方もいるかもしれませんが、『The Grind Date』はDe La Soul好きであればかなり満足度の高い1枚に仕上がっていると思います。
まずはプロデュース陣が凄いです。
Supa Dave Westがメインですが、それ以外にJ Dilla、Madlib、9th Wonder、Jake Oneが起用されています。特にJ Dilla、Madlib、9th Wonderの3人とDe La Soulの顔合わせは興味深いですね。
また、Common、Flava Flav(Public Enemy)、Carl Thomas、Sean Paul、Ghostface Killah、MF DOOM、Yummy、Spike Lee等のゲスト陣もなかなか豪華です。
そして、これらのプロデューサー、ゲスト陣のサポートを得て、De La Soulのメンバーたちも生き生きとしているのが何よりいいですね。
これだけの充実アルバムをリリースしたのに、これ以降新作がないのはとても残念です。
捨て曲ナシ!De La Soul度200%の充実作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Future」
Switch「Reaching For Tomorrow」ネタのトラックが印象的なオープニング。Supa Dave Westプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=en5zJ2HZiXg
「Verbal Clap」
J Dillaプロデュース。Mountain「Long Red」ネタのビートとRick Wakeman「Catherine Of Aragon」ネタの上モノで構成されたミステリアス・トラックに魅了されます。さすがJ Dillaですね。
http://www.youtube.com/watch?v=NoCLF0Pvhe8
「Much More」
本曲もJ Dillaプロデュース。Yummy(Elizabeth "Yummy" Bingham)をフィーチャー。Yummyのキュートなヴォーカルと早回しネタのソウルフル・トラックが実にキャッチーです。De La Soulにマッチした1曲だと思います。L.T.D.「Love Ballad」、Shuggie Otis「Strawberry Letter 23」 ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=r7znTkgEQaU
「Shopping Bags (She Got From You)」
Madlibプロデュース。シングルにもなりました。MadlibとDe La Soulの共演というだけでワクワクしますね。デ・ラらしいおとぼけ感とMadlibらしいアングラ感がしっかり両立した文句ナシの出来栄えだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ImBJq-om-DM
「The Grind Date」
タイトル曲はSupa Dave Westプロデュース。Yes「Ritual (Nous Sommes Du Soleil)」ネタのループという意外性のあるトラックをバックにリリックを畳み掛けます。
http://www.youtube.com/watch?v=7GBx4HJKU7s
「Church」
9th Wonderプロデュース。映画監督Spike Leeがイントロダクションを務めています。Pleasure「Reality」ネタのソウルフル・トラックと温もりのあるフロウがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=Z7BgN62Z0Zg
「It's Like That」
Supa Dave Westプロデュース。Carl Thomasをフィーチャーしたアーバン・メロウな歌モノです。なかなか素敵な仕上がりですよ。今の時期に聴くとマッチしているかも?
http://www.youtube.com/watch?v=AA0LKoQkRp0
「He Comes」
Supa Dave Westプロデュース。Ghostface Killahをフィーチャー。Eugene Record「Here Comes The Sun」ネタの高揚感のあるソウルフル・トラックにつられ、歌心のあるフロウで盛り上げてくれます。Ghostface Killahのグッド・アシストがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-cDEQKl2EWM
「Days Of Our Lives」
Jake Oneプロデュース。Commonをフィーチャー。この共演もたまりませんね。派手さはありませんが実力者たちらしい手応えを感じます。Ohio Players「My Life」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=QCYybYbSvA8
Commonと言えば、新作『Dreamer the Believer』が発売されましたね。既に注文済なので聴くのが楽しみです。
「Come On Down」
Madlibプロデュース。なんとPublic EnemyのFlava Flavをフィーチャーしています。そのFlava Flavが冒頭から煽ってくれます。Esther Williams「Last Night Changed It All」ネタを上手く使いながらも、不穏な空気をプンプン感じるのはMadlibの腕前か?それともFlava Flavの存在感か?
http://www.youtube.com/watch?v=C4r5RB2RJcM
「No」
Supa Dave Westプロデュース。Butta Verses & Yummy Binghamをフィーチャー。Jackson 5「Never Can Say Goodbye」ネタがプリティなDe La Soulらしい雰囲気を楽しめる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=JPSn418RHkQ
「Rock Co.Kane Flow」
Jake Oneプロデュース。MF DOOMをフィーチャーした本曲はシングルにもなりました。個人的には本曲をシングル・カットするならば、他にもシングル向きの曲があるでしょ!なんて思ってしまうのですが・・・それでもJake Oneによるトラックはヒネりが効いていて楽しめます。Space「Deliverance」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Kn52C7sipeM
「Shoomp」
シングルにもなった本曲はボーナストラック扱いです。Sean Paulをフィーチャーし、J Dillaがプロデュースしています。Tom Tom Club「Genius Of Love」ネタが心地好いラガ調の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=oeHAReaNTfI
De La Soul作品の過去記事もご参照下さい。
『3 Feet High And Rising』(1989年)
『De La Soul Is Dead』(1991年)
『Buhloone Mindstate』(1993年)
『Stakes Is High』(1996年)
『AOI:Bionix』(2001年)