発表年:1987年
ez的ジャンル:Bootsy+Prince+Roger系P-Funk
気分は... :トークボックス好きにはグッとくる・・・
今回はBootsy CollinsがプロデュースしたP-Funk作品Mico Wave『Cookin' From The Inside Out !!!』(1987年)です。
本作の主役Mico Wave(本名Michael Kerry Lane)のプロフィールについては、1961年イリノイ州シャンペーン生まれ、80年代後半に主にBootsy Collins絡みのP-Funk作品に参加し、今日紹介する『Cookin' From The Inside Out !!!』(1987年)が唯一のリーダー・アルバムということくらいしか知りません。
しかしながら、Bootsyが一部の曲をプロデュースしたTrouble Funk『Trouble Over Here Trouble Over There』(1987年)、 賛否両論が巻き起こったハイパー・ファンク作品Bootsy Collins『What's Bootsy Doin' ?』(1988年)、総帥George Clintonがプロデュースし、BootsyをはじめP-Funk軍団が大挙参加したP-FunkアルバムIncorporated Thang Band『Lifestyles Of The Roach And Famous』(1988年)、George ClintonがプロデュースしたP-FunKアルバム『George Clinton Presents Our Gang Funky』(1989年)といった80年代後半にMico Waveが参加したアルバムは、どれも当時愛聴していた作品です。その意味でMico Waveとは相性がいいのかもしれません。
どの作品も商業的成功とは程遠い作品ばかりですが、ちょうど僕がP-Funkにハマりはじめていた時期にリリースされた新作アルバムであり、それなりに愛着のある作品です。
Mico Wave『Cookin' From The Inside Out !!!』(1987年)については、まずリアルタイムでアナログLPを購入し、1994年にCD化された際に買い直しました。僕の場合、1988年リリースの新作アルバムからCDを購入するようになったので、アナログLPを購入していた一番最後の時期のアルバムになります。
どういう経緯でアナログLPを購入したのかあまり覚えていませんが、多分輸入レコード店の店内で流れているのを聴き、さらにBootsyプロデュースということを知って購入したような???
それで実際にアルバム全体を聴いた印象はPrinceやRoger Troutmanからの影響を大きく受けたP-Funk作品という印象でしたね。
特にZapp/Roger大好きだった僕としては、トークボックスを使った楽曲が多い点を気に入りました。まぁ、全体としてはPrince色の方が強いかもしれませんが・・・随所にロック的なエッセンスも散りばめられています。
Mico Wave(vo、g、key、ds、prog)、Bootsy Collins(vo、b、g、key)以外にBernie Worrell(p)、Maceo Parker(sax)、Catfish Collins(g)、Mark Woerpel(g)、Ron Jennings(g)等がレコーディングに参加しています。
P-Funk好き、Booty好き、Prince好き、Zapp/Roger好きの人は結構楽しめる1枚だと思います
全曲紹介しときやす。
「Star Search」
オススメその1。Princeやミネアポリス・ファンクの影響を感じるオープニング。シングルにもなりました。Prince的な妖しいセクシー・ヴォーカルも好きです。控えめなトークボックスもいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xl2LFsrj_Wo
「Misunderstood」
オススメその2。アルバムからのリード・シングル。この曲はZapp/Roger的なトークボックス&ファンク・サウンドが印象的です。ヴォーカルはあくまでPrinceっぽいですが。ハーモニカの音色とVicky Veeのセクシー女性コーラスが長尺ファンクにありがちな単調さを回避するのに一役買っています。
http://www.youtube.com/watch?v=5msSP4mwkYQ
「First Impression」
Prince的なセクシーさで迫る1曲。ロック的エッセンスも強すぎない程度に上手く取り入れています。
「It Happens Everytime」
ややもすれば単調になりそうなエレクトリック・ファンクですが、Vicky Veeのセクシー女性コーラスに救われている気がします。
「Instant Replay」
オススメその3。僕の一番のお気に入り。本曲目当てで本作を購入した人は案外多いのでは?この年大ヒットしたRoger「I Want To Be Your Man」と同路線のトークボックス全開のスロウ・チューンです。シングルにもなりました。何とも言えない哀愁感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=I7uDKd5Ohk8
「Sleeping Single」
オススメその4。Zapp/Roger路線のファンク・チューン。トークボックスで押しまくりの曲ですが、一瞬生声セクシー・ヴォーカルへ切り替わるパートにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=ofN6IDlPlfc
「Can We Love Again」
哀愁ヴォーカル&メロディが印象的なラブ・ソング。Prince好きの人はグッとくる雰囲気なのでは?
「American Dream」
アルバム中、最もロック・テイストの強い楽曲。僕の好みではありませんが・・・
「Kiss」
ラストは哀愁バラードです。美しさの中に孤独を感じさせるのはPrince殿下的ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=gm-G7UMLEpU
本作の延長線上にある作品としてBootsy Collins『What's Bootsy Doin' ? 』(1988年)あたりをチェックするのも楽しいと思います。
Bootsy Collins『What's Bootsy Doin' ?』(1988年)