発表年:2011年
ez的ジャンル:シカゴHip-Hop
気分は... :Commonの快心作!
昨年末にリリースされたシカゴ出身の人気ラッパーCommonの最新作『The Dreamer, The Believer』です。
これまで当ブログで紹介してきたCommon作品は以下の6枚(発売順)。
『Resurrection』(1994年)
『One Day It'll All Make Sense』(1997年)
『Like Water For Chocolate』(2000年)
『Be』(2005年)
『Finding Forever』(2007年)
『Universal Mind Control』(2008年)
本当は昨年中に紹介したかった1枚ですが、購入直後で聴き込みが足りなかったので年明けの紹介になってしまいました。
『Universal Mind Control』(2008年)以来、3年ぶりの新作となる『The Dreamer, The Believer』ですが、僕の中ではかなりジャスト・フィットな1枚になっています。
自身のレーベル自身のThink Common Musicを立ち上げてのリリースとなった本作『The Dreamer, The Believer』は、初期Common作品でお馴染みのNo I.D.が全曲プロデュースしています。
アルバム全体としては、コズミック&ドリーミーな音世界とエモーショナルなラップ&ヴォーカルが印象的ですね。
特にJames Fauntleroy II、Makeba Riddickをはじめとするヴォーカル陣が目立つ楽曲が多く、歌心のある1枚に仕上がっています。
アルバムにはNas、John Legend、女流詩人Maya Angelouがゲスト参加しています。また、Derrick Hodge(b)、James Poyser(key)、Kevin Randolph(key)等のミュージシャンがバックを務めています。
芳しくはないチャート・アクションの本作ですが、個人的には『Be』(2005年)以来の快心作という気がします。
年末の『ezが選ぶ2011年の10枚』では選外でしたが、もう少しリリースが早く、しっかり聴き込んでいたらセレクトしていたかもしれません。
Commonファンは納得の1枚なのでは。
全曲紹介しときやす。
「The Dreamer」
ジャケットのイメージそのままのコズミック・ワールド展開されるオープニング。No I.D.によるトラックに加え、James Fauntleroy IIの男性ヴォーカル、Kaye Foxによる女性コーラス、James Poyserのピアノが夢の中のコズミックな浮遊感を上手く醸し出しています。公民権運動にも深く関わった女流詩人Maya Angelouによるポエトリー・リーディングで締め括られます。
http://www.youtube.com/watch?v=db6F8DgWL4o
「Ghetto Dreams」
Nasをフィーチャーしたリード・シングル。90年代Hip-Hopファンを歓喜させる大物2人の共演らしい手応えのある1曲に仕上がっています。The Twilight Toneのスクラッチが盛り上げてくれます。The Fellows「Let's Make It Last」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Qiudw2Rg2v4
「Blue Sky」
ポップ&コズミックなHip-Hopワールドを楽しめる1曲。ELO「Mr. Blue Sky」ネタを使ったトラックとMakeba Riddickによる女性ヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=6ZkkFYfh8V0
「Sweet」
Doris & Kelley「You Don't Have To Worry」ネタのミステリアスなコーラスが印象的なトラックに乗って、ビート同様にズシリとしたCommonらしいフロウを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=fAo6s94X2sk
「Gold」
定番ドラム・ブレイクGraham Central StationとJames Fauntleroy IIのヴォーカルをフィーチャーしたHarold Melvin & The Blue Notes「To Be True」ネタのメロディが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=5-59v9k8cWY
「Lovin' I Lost」
The Impressions「I Loved And I Lost」ネタのトラックを使ったソウルフル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=z6Undk2Vwks
「Raw (How You Like It)」
Hannah Sidibeのセクシーな女性ヴォーカルがいい感じです。The Aynsley Dunbar Retaliation「Memory Pain」ネタ。「Gold」〜「Lovin' I Lost」〜本曲への流れは『Be』あたりのソウルフルなCommonがお好きな人にオススメ!
http://www.youtube.com/watch?v=KZPemwc-Qrg
「Cloth」
James Fauntleroy IIのオートー・チューン・ヴォーカルも入ったコズミック&ソウルフルな仕上がり。本作らしくて好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=1SWSEJM0c-c
「Celebrate」
アルバムで最もキャッチー&メロディアスな仕上がり。晴れモードのCommonを満喫できます。James Fauntleroy II & Makeba Riddickによる男女ヴォーカルが曲全体を華やかな雰囲気にしてくれます。Kenny Loggins「Celebrate Me Home」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=8efjQGCfClc
「Windows」
James Fauntleroy IIの哀愁ヴォーカルも含めて歌心のある1曲に仕上がっています。クレジットを見ると、ヴォーカルでCommonの一人娘Omoyeの名もあります。
http://www.youtube.com/watch?v=SsOp4W0wtXo
「The Believer」
John Legendをフィーチャー。躍動するスケール感の大きなR&Bチューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=BIdUG8TUTN0
「Pops Belief」
ラストはCommon作品でお馴染みの父親Lonnie "Pops" Lynnのポエトリー・リーディングで締め括られます。
Common作品の過去記事もご参照下さい。
『Resurrection』(1994年)
『One Day It'll All Make Sense』(1997年)
『Like Water For Chocolate』(2000年)
『Be』(2005年)
『Finding Forever』(2007年)
『Universal Mind Control』(2008年)