2012年01月15日

Marisa Monte『O Que Voce Quer Saber De Verdade』

5年ぶりの新作は期待以上の出来栄え!☆Marisa Monte『O Que Voce Quer Saber De Verdade』
あなたが本当に知りたいこと
発表年:2011年
ez的ジャンル:MPBの歌姫
気分は... :僕が本当に知りたいこと・・・

NFLのディビジョナル・プレイオフ4試合のうち、2試合が本日行われ、49ers、ペイトリオッツが勝利しました。「49ers対セインツ」はセインツ圧勝を予想していたので、意外な結果となりました。セインツはターンオーバーで自滅した感がありますが・・・。ペイトリオッツは貫録の完勝でしたね。ブロンコスは明らかに力不足でしたね。

明日行われる「テキサンズ対レイブンズ」、「ジャイアンツ対パッカーズ」はレイブンズ、パッカーズの圧勝を予想しています。結果は如何に・・・

今回はMPBの歌姫Marisa Monteの最新作『O Que Voce Quer Saber De Verdade(邦題:あなたが本当に知りたいこと)』(2011年)です。

昨年12月に購入したものの、聴き込みが足りなかったので年明けの紹介となりました。

これまで当ブログで紹介したMarisa Monte作品は以下の4枚。

 『Marisa Monte(MM)』(1989年)
 『Mais』(1991年)
 『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』(1994年)
 『Universo Ao Meu Redor』(2006年)

2006年に2枚同時リリースされた『Universo Ao Meu Redor』/『Infinito Particular』以来の新作となった『O Que Voce Quer Saber De Verdade』は、Marisa Monte本人と長年彼女をサポートしてきたDadiがプロデュースしています。

レコーディングには、Dadiをはじめ、リオ出身の人気ロックバンドLos Hermanosの元メンバーRodrigo Amarante(g、b、key、per、drum machine)、ミクスチャー・バンドNacao ZumbiのメンバーLucio Maia(g)、Alexandre Djengue(b)、Pupilo(ds)、さまざまなジャンルで活躍する先鋭的な弦楽器奏者Miguel Atwood-Ferguson(当ブログで最近紹介した作品で言えば、Mark De Clive-Lowe『Renegades』にも参加)、日本でも人気のベテラン男性シンガー/ギタリストVinicius Cantuaria(per)、Domenico+2やOs Ritmistasの活動でも知られるブラジル新世代を代表するドラム/パーカッション奏者Domenico(Domenico Lancellotti)、何故かMarisa作品でお馴染みのP-Funkキーボード奏者Bernie Worrell(key)、Beastie Boys等でお馴染みのキーボード奏者Money Marc、映画音楽でもお馴染みのアルゼンチン人プロデューサー/コンポーザー/ミュージシャンGustavo SantaolallaAntonio Carlos Jobimの孫Daniel Jobim(p)、L.A.のベーシストGreg Cohen(arr)等が参加しています。

内容としては、伝統的なブラジル音楽にモダン&コスモポリタンなエッセンスを融合させたMPBの歌姫らしいMarisa Monte1枚に仕上がっています。さらに本作ではアルゼンチン・タンゴをカヴァーするなどの新境地も聴かせてくれます。

僕の場合、年末の『ezが選ぶ2011年の10枚』でもTamySabrina Malheirosをセレクトしたように次世代ボッサ系の音がど真ん中なのですが、本作『O Que Voce Quer Saber De Verdade』を聴くと、やはり本物のブラジル音楽はコレだなと納得してしまいます。

先週紹介したCommon『The Dreamer, The Believer』同様、もう少しリリースが早く、しっかり聴き込んでいたら『ezが選ぶ2011年の10枚』にセレクトしていたかもしれません。

5年も待たされた甲斐のある素晴らしい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「O Que Voce Quer Saber de Verdade」
タイトル曲はArnaldo Antunes/Carlinhos Brown/Marisa MonteというTribalistasトリオの共作です。Arnaldo Antunesも自身のアルバム『Qualquer』(2006年)で取り上げているので、聴き比べてみても楽しいのでは?本ヴァージョンはノスタルジックな佇まいながらもエレガントな香りがするのがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=v1sigYjNQFA

Arnaldo Antunes「O Que Voce Quer Saber de Verdade」
 http://www.youtube.com/watch?v=qHO_ghFoX3A

「Descalco no Parque」
Jorge Ben作品のカヴァー。オリジナルは『Ben e Samba Bom』(1964年)に収録されています。Miguel Atwood-Fergusonが参加し、演奏のみならずアレンジも担当しています。さらにトVinicius Cantuaria(per)、Domenico(ds)、Bernie Worrell(key)も参加し、コスモポリタンな匂いのする僕好みの1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=9Su6iOuI_Es

「Depois」
Arnaldo Antunes/Carlinhos Brown/Marisa MonteというTribalistasトリオの共作2曲目。ブラジル北東部レシフェ出身、マンギ・ビートでお馴染みのミクスチャー・バンドNacao ZumbiのメンバーLucio Maia(g)、Alexandre Djengue(b)、Pupilo(ds)が参加しています。その割にはオーソドックスな演奏による感動的な仕上がりです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=-mAhw7zQ36s

「Amar Alguem」
Arnaldo Antunes/Dadi/Marisa Monte作。Norah Jonesの大ヒット「Don't Know Why」の作者としても知られる米国人SSW、Jesse Harrisがギターで参加。JesseはMarisaの大ファンなのだとか。Marisaらしい、しっとり感の中にも凛とした歌声を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=WE42O78ZYbI

「O Que Se Quer」
Rodrigo Amarante/Marisa Monte作。リオ出身の人気ロックバンドLos Hermanosの元メンバーRodrigo Amaranteとの共演で話題の1曲。
Maria Rita好きの僕は、Los Hermanosのメンバーと言えば、Marcelo Cameloの名前を思い浮かべてしまいますが、Rodrigo Amaranteという素晴らしい才能も忘れてはいけませんね。そんなRodrigoとの初共演曲は、さり気なさの中にもRodrigoのサウンド・センスを感じ取ることができる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=7qRDCUMo6GE

「Nada Tudo」
Dadiの次男Andre Carvalhoの作品。Andreのオリジナルは初リーダー作『Tempodotanto』(2010年)に収録されています。本作らしいノスタルジックなエレガント感を満喫できる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=RTCYO5shnFA

「Verdade, Uma Ilusao」
Arnaldo Antunes/Carlinhos Brown/Marisa MonteというTribalistasトリオの共作3曲目。Cezar Mendes(g)、Miguel Atwood-Ferguson(violin)、 Pupillo(ds)、Robby Marshall(cla)も参加した、マッタリしたエレガント感がたまりません。午後のお昼寝のBGMにサイコーかも?Carlinhos Brownのヴァージョンがアルバム『Diminuto』(2010年)に収録されています。本ヴァージョンとかなり雰囲気が違うので聴き比べると面白いですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=qBWBZhsN1vs

Carlinhos Brown「Verdade, Uma Ilusao」
 http://www.youtube.com/watch?v=78bADA4VGhQ

「Lencinho Querido (El Panuelito)」
アルゼンチン・タンゴ「El Panuelito」(Frederico Esposito/Versao de Haroldo Barbosa作)のポルトガル語カヴァーとして話題の1曲。バンドワゴンの調べをバックにMarisaが妖艶な哀愁ヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=adfvmilCdeA

「Ainda Bem」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。Nacao ZumbiのメンバーLucio Maia(g)、Alexandre Djengue(b)、Pupilo(ds)やアルゼンチン人ミュージシャンGustavo Santaolallaが参加した哀愁チューン。Gustavo Santaolallaが参加しているせいか、前曲に続きアルゼンチンの香りがほんのりします。
http://www.youtube.com/watch?v=t7M89YJAPhM

「Aquela Velha Cancao」
Carlinhos Brown/Marisa Monte作。Nacao Zumbiのメンバー3名やMoney Marc(key)が参加しています。MPBファン以外も親しみやすい美しいメロディのフォーキー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=feq1F6uiBRg

「Era Obvio」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。前曲に続きNacao Zumbiのメンバー3名やMoney Marc(key)が参加しています。楽曲が素晴らしい!しみじみと心に奥に沁み渡ってくる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=b59_Ry2AGtU

「Hoje Eu Nao Saio Nao」
Arnaldo Antunes/Marcelo Jeneci/Betao/Chico Salem作。ブラジル北東部らしい大衆リズムを満喫できる楽しげな1曲。開放的な気分になりたいときにどうぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=SSOJfdSMPng

「Seja Feliz」
Dadi/Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。MarisaやDadiもドラム/パーカッションを演奏する僕好みのパーカッシヴな1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=DRRQTxrS4aM

「Bem Aqui」
Dadi/Arnaldo Antunes作。ラストはDadiの2ndソロ『Bem Aqui』(2008年)のタイトル曲をカヴァー。当ブログではSpinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreniのヴァージョンも紹介済みです(アルバム『InventaRio』収録)。本ヴァージョンはエレガントなしっとり感が印象的です。Daniel Jobim(p)やGustavo Santaolallaも参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=XxQFI_MmJ5E

Marisa Monte作品の過去記事もご参照下さい。

『Marisa Monte(MM)』(1989年)
マリーザ・モンチ

『Mais』(1991年)
Mais

『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』(1994年)
ローズ・アンド・チャコール

『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
Universo ao Meu Redor
posted by ez at 20:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする