2012年01月18日

Hil St. Soul『Copasetik And Cool』

UKソウル・ユニットの"万事快調"な2nd☆Hil St. Soul『Copasetik And Cool』
Copasetik & Cool
発表年:2002年
ez的ジャンル:全方位系UKソウル
気分は... :万事快調?

今回はUKのソウル・ユニットHil St. Soulの2ndアルバム『Copasetic & Cool』(2002年)です。

Hil St. Soulは、ザンビア出身ロンドン育ちの女性シンガーHilary MwelwaとUK Hip-Hopの大物Blak Twangとも活動していたプロデューサーVictor Redwood-Sawyer(VRS)の2人によるUKソウル・ユニット。

Hilary MwelwaがIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunickに見出され、Bluey関連の仕事を介してVRSと出会った模様です。

意気投合した2人は、Hilary Mwelwa名義のシングル「It's OK」を制作し、1996年にリリースしています。Blak Twangも客演した同シングルが評判となり、これがHil St. Soul結成につながりました。

1999年にDomeからデビュー・シングル「Strictly A Vibe Thang」およびデビュー・アルバム『Soul Organic』をリリースし、シーンで高い評価を得ました。

その後、『Copasetic & Cool』(2002年)、『Soulidified』(2006年)、『Black Rose』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

派手さはありませんが、良質なアルバムをリリースし続けているUKソウル・ユニットというイメージですね。

今日紹介する『Copasetic & Cool』(2002年)は好評だったデビュー作『Soul Organic』に続く2ndアルバムです。

デビュー作のタイトルにもあるようにHilaryの歌唱力を前面に押し出したUKならではのオーガニック・ソウルというイメージが強いかもしれませんが、それだけではない点がこのユニットの魅力だと思います。

特に本作『Copasetic & Cool』では、USのR&B/Hip-Hopシーンを意識したような楽曲や90年代R&Bへのリスペクトが感じられる楽曲が多く収録されています。このあたりはBad Boy Entertainmentの作品を数多く手掛けたEd Rasoがミックスを担当している影響があるかもしれません。

それ以外に僕が本作を気に入っている点が2つあります。

ますはカヴァー曲。前作ではAretha Franklinのヒット作で知られる「Until You Come Back to Me」(Stevie Wonder作)をカヴァーしていましたが、本作では大好きなThe Isley Brothersの名曲「For The Love Of You」をカヴァーしています。

次はソングライティング。基本はメンバー2人が手掛けていますが、当ブログでもお馴染み、僕の大好きなUS男性R&Bシンガー/ソングライターGordon Chambersが2曲でソングライティングに参加しています。

R&BからHip-Hop Soul、ソウルまでアルバム1枚を通じて飽きのこない1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
疑似ライヴ風のイントロ。

「Copasetik & Cool」
オススメその1。UKラッパーRoots Manuvaをフィーチャー。オーガニック感覚のHip-Hop Soulといった雰囲気の1曲。リラックスしたグルーヴ感がいいですね。

「All That (+ A Bag O' Chips)[Mushtaq Refix]」
Iceberg Slimmをフィーチャー。Mushtaq Refixがバングラ・ビート風のリミックスを施したHip-Hopチューン。この時期はこの手のサウンドが流行りましたね。Missy Elliottあたりと一緒に聴きたくなる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=NwcBW6RtIVI

「Reach As One」
オススメその2。Gordon Chambersがソングライティングが参加した1曲目。90年代R&Bの香りがするGordon Chambersらしいメロディにのって、Hilaryが素晴らしいリード・ヴォーカル&コーラスを聴かせてくれます。

「Alright」
オススメその3。80年代後半から90年代初めに活躍したUSのR&BユニットThe Family StandのメンバーPeter Lord、Jeffrey Smithの2人がソングライティングで参加。US R&B調のアップ・チューンに仕上がっています。歯切れの良い躍動感がグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=UAViU-xF7HY

「Shine」
ファンク・グルーヴで迫る妖艶なR&Bチューン。90年代女性R&Bがお好きな人は気に入る1曲だと思います。

「Blue Tears」
オススメその4。幻想的に駆け抜けていくクールなR&Bグルーヴ。込み上げてくる哀愁モードを何とか振り切ろうとするHilaryのクール・ヴォーカルがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=-OwRnG4rpZk

「What's Goin' Down?」
オススメその5。ハモンド・オルガン入りのソウル・チューン。Hilaryの素晴らしいソウルフル・ヴォーカルを楽しみましょう!

「Mad Love」
オススメその6。僕の一番のお気に入り。90年代女性R&B好きにはたまらない美メロ・グルーヴ。僕はやっぱりこういうグルーヴ感が大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=PVmjU822PLI

「Pieces」
オススメその7。切ない恋心を歌ったバラード。美しいメロディと切ない歌詞が胸の奥が締め付けられます。
http://www.youtube.com/watch?v=xV8mo537vu8

「For The Love Of You」
オススメその8。前述のようにThe Isley Brothersの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『The Heat Is On』に収録されています。本曲のカヴァーと言えば、Joss Stoneヴァージョンが絶品ですが、オリジナルに近い雰囲気の本カヴァーもオーガニック感があってグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=DHf5kD9PaZU

「Lonely Road」
Hil St. Soulのソウル魂を堪能できる1曲。R&B調ばかりではなく、本格ソウル・チューンもイケることを証明してくれます。

「Think Again」
ロック・テイストの1曲。アルバムの中では異質ですが、それ程悪くありません。

「All That (+ A Bag O' Chips) [Strings Mix]」
「All That (+ A Bag O' Chips)」のリミックス。こちらはHip-Hop Soul調の仕上がり。

「I've Got Me」
オススメその9。Gordon Chambersがソングライティングが参加した2曲目。オーガニックなゴスペル調のソウルフル・チューンです。

「I've Got Me」の後にバングラ・ビート調の隠れトラックが収録されています。

他のHil St. Soul作品もチェックを!

『Soul Organic』(1999年)
Soul organic

『Soulidified』(2006年)
Soulidified

『Black Rose』(2008年)
Black Rose
posted by ez at 05:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする