2012年01月28日

Cold Blood『Lydia』

Steve Cropperプロデュース!Lydia Penseを前面にフィーチャーした5thアルバム☆Cold Blood『Lydia』
リディア
発表年:1974年
ez的ジャンル:ベイエリア・ファンク系ファンキー・ソウル
気分は... :グループ作品? or ソロ作品?

今回はTower Of Powerと並ぶベイエリア・ファンクを代表するグループCold Bloodの5thアルバム『Lydia』(1974年)です。

紅一点の女性リード・ヴォーカルLydia Penseを中心とした白人/ラテン系のメンバーが結成したオークランド出身のファンク・グループCold Bloodの紹介は、3rd『First Taste Of Sin』(1972年)に続き2回目となります。

Janis Joplinを彷彿させるLydia Penseの圧倒的なヴォーカルとベイエリア・ファンクらしい迫力のホーン・サウンドが特徴のCold Bloodですが、5thアルバムとなる本作『Lydia』の頃はグループの様相もかなり変化していたようです。

本作でプロデュースするのはメンフィスの重鎮ギタリストSteve Cropper。レコーディングはメンフィスとL.A.の2箇所で行われました。

本作に参加しているCold Bloodのメンバーは、Lydia Pense(vo)、Raul Matute(org、cla)、Michael Sasaki(g)、Rod Ellicott(b)、Gaylord Birch(ds)、Max Haskett(tp)の6名。

このうち、「Considerations」「I Only Wanted Someone To Hear Me」「You're Free Lovin' Me」の3曲がレコーディングされたメンフィスでのセッションに参加しているのは、Raul MatuteMichael Sasakiの2名のみ。それ以外に、Tommy Cathey(b)、Joe Williams(ds)、Paul Cannon(g)、Steve Cropper(g)、The Memphis Hornsといったミュージシャンが参加しています。

一方、上記3曲以外のレコーディングが行われたL.A.でのセッションにはメンバーに加え、Smith Dobson(p、el-p)、Danny Kootch(g)、Bobbye Hall(congas、per)、David Luell(as、ts、bs)、Chuck Bennett(tb)、Bobby Shew(tp)、Paul Hubinon(tp)、Chuck Findley(tp)、Jim Horn(ts、fl)、Don Menza(ts、fl、piccolo)、Peter Christlie(ts、fl、piccolo)といったミュージシャンが参加しています。

また、バック・ヴォーカルとして、Brenda RussellBrooks HunnicuttGwen Edwards等が参加しています。

アルバム・タイトルやレコーディングの状況が示すように、グループとしてのCold Bloodよりもリード・ヴォーカルLydia Penseを前面に打ち出した作品です。グループよりもフロントの女性ヴォーカルを大きくフィーチャーして売り出すという意味では、Chaka KhanRufusと同じような状況だったのかもしれませんね。

アルバム全体としては、ファンキーながらも落ち着きのあるアルバムという印象を受けます。主役であるLydiaも押し引きを巧みに使い分けた成熟のエモーショナル・ヴォーカルを聴かせてくれます。

白人女性シンガーによる大人のファンキー・ソウルを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Ready To Live」
オススメその1。Lonnie Hewitt/Paul Edward Smith作。個人的にはアルバムのハイライト。西海岸らしいアーバン・テイストがいい感じのファンキー・チューン。カッティング・ギター&ホーン隊が大人のファンキー・サウンドを演出してくれます。主役のLydiaのヴォーカルも快調です!
http://www.youtube.com/watch?v=t_U6ZXFWOnY

「Simple Love Life」
Paul Edward Smith/R. Smith作。ブルージーながらも親しみやすいメロディが印象的です。Lydiaの抑えたヴォーカルに彼女の成長を感じます。

「Under Pressure」
Fred Gowdy/Larry Wilkins作。L.A.録音らしい雰囲気の大人のファンキー・チューン。全体的に力みのない感じがいいですね。

「When My Love Hand Comes Down」
オススメその2。Gloria Jones/Pam Sawyer。Lydiaのドスの利いた(?)ヴォーカルを満喫できるブラック・フィーリング溢れたソウルフル・チューン。

「When It's Over」
A. Wayne作。タイトルが示すとおりの哀愁チューン。まるでLydiaの嘆き節といったところでしょうか。泣きのギター・ソロも印象的です。

「Considerations」
メンフィス録音1曲目。Steve Cropper作。それまでの雰囲気から一変し、いかにもメンフィスといった趣のアーシーなソウル・チューン。でも親しみやすいメロディで意外に聴きやすいです。The Memphis Hornsも盛り上げてくれます。

「I Only Wanted Someone To Hear Me」
メンフィス録音2曲目。Allan Rush/Dee Presley作。感動的なLydiaのヴォーカルに出会うことができます。曲自体は悪くありませんが、このタイプの曲をCold Blood名義でリリースする必要があったのかなぁ?と思ってしまいます。

「You're Free Lovin' Me」
オススメその3。メンフィス録音3曲目。Carl Marsh/Steve Cropper作。洗練されたファンキー・ソウル。情報が無ければ、メンフィス録音ではなくL.A.録音だと勘違いしてしまうかもしれません。

「Come Back Into My Life Again」
オススメその4。B. R. Charles作。L.A.録音らしい明るく開放的な雰囲気が好きです。ウエスト・コースト・サウンドがお好きな方は気に入る1曲だと思います。

「Just Like Sunshine」
オススメその5。Paul Edward Smith/Raul Matute作。ラストはフルートが妖しく先導するファンキー・チューン。ミステリアス&ポップ&ソウルフルなバランスがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=QaGjuNcxjPw

Cold Bloodの他作品もチェックを!

『Cold Blood』(1969年)
コールド・ブラッド

『Sisyphus』(1971年)
シシファス

『First Taste Of Sin』(1972年)
ファースト・テイスト・オブ・シン

『Thriller』(1973年)
Thriller!
posted by ez at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする