2012年02月11日

Gilberto Gil『Gilberto Gil』

亡命中のロンドンで録音した全編英語によるフォーキー・アルバム☆Gilberto Gil『Gilberto Gil』
Gilberto Gil
発表年:1971年
ez的ジャンル:亡命系フォーキーMPB
気分は... :髭面のジャケが雰囲気あるよね!

今回はMPBを代表する大物アーティストGilberto Gilが1971年にリリースした『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』です。

Caetano Velosoと共にブラジル音楽界を牽引し、文化大臣も務めた功労者Gilberto Gilの紹介は、『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)に続き2回目となります。

前回のエントリーでも書いたとおり、この時期のGilberto Gil作品は、『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)、『Gilberto Gil(邦題:セレブロ・エレトローニコ)』(1969年)、『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)とセルフ・タイトル作が続くのでジャケで区別しておくのが良いかもしれません。

『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)
Gilberto Gil 1968

『Gilberto Gil(邦題:セレブロ・エレトローニコ)』(1969年)
Gilberto Gil

今日紹介する『Gilberto Gil』(1971年)は、他のセルフ・タイトル2作品と区別する意味で、邦題の"イン・ロンドン"、オープニング曲の"Nega"、リリース年の"1971"といった名称で区別することが多いようです。

Caetano Velosoらと音楽を中心としたカウンター・カルチャー運動トロピカリア(トロピカリズモ)を牽引しGilberto Gilですが、当時のブラジル軍事政権から反体制分子と見なされ、1969年に止むを得ずCaetanoと共にロンドンへ亡命することになります。

そして、亡命先のロンドンで録音したアルバムが本作『Gilberto Gil』(1971年)となります。その意味で、同じ"イン・ロンドン"という邦題が付けられたCaetanoのロンドン録音アルバム『Caetano Veloso』(1971年)とは兄弟アルバムという関係に位置づけられるかもしれませんね。

Caetano Veloso『Caetano Veloso』(1971年)
Caetano Veloso (A Little More Blue)

さて、本作『Gilberto Gil』ですが、ロンドン録音ということもあり、全編英語で歌われています。その意味では、他のGilberto Gil作品とは少し異なる印象を持つ作品かもしれません。

全体としてはロンドン録音ならではの少し霧がかかったフォーキー作品に仕上がっていると思います。この時期のUKらしいロック・テイストの味付けやBlind Faithのカヴァーもあります。ただし、そこにブラジル人らしい感性が加わり、UKフォーキー作品とはビミョーに異なる味わいのある作品に仕上がっているのが本作の魅力だと思います。

『Caetano Veloso』(1971年)と共に、いかにもロンドンな(?)髭面のジャケにもグッとくる1枚です(笑)

全曲紹介しときやす。

「Nega (Photograph Blues)」
ブルージーな味わいのフォーキー・グルーヴ。ロンドン録音らしいロックなスパイスも効いており、UKロック好きの人にもしっくりくる1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=vDtD2tcNxfs

「Can't Find My Way Home」
Blind Faithのカヴァー(Steve Winwood)。オリジナルはアルバム『Blind Faith』にも収録されています。ここでは哀愁を帯びた美しいアコースティック・カヴァーで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ycqkBJeRAUs

「The Three Mushrooms」
Gilberto Gilらしいセンスでまとめられた1曲。ロンドン録音らしいフォーキー感とブラジル人ならでは感性が上手く融合していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=yq2DMhLXwH8

「Babylon」
本作らしいブルージーな仕上がり。適度にパーカッシヴなのが僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=bke6NTlRGms

「Volkswagen Blues」
『Gilberto Gil(邦題:セレブロ・エレトローニコ)』(1969年)に収録されていた「Volks-Volkswagen Blue」の英語ヴァージョンです。聴き比べてみるのも楽しいと思います。英語で歌われる本ヴァージョンは小粋なアコースティック感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=r78z-gHeZ08

「Volks-Volkswagen Blue」
http://www.youtube.com/watch?v=9kuyK5yz-58

「Mamma」
スタンダードをカヴァーしているかのようなジャジー・ブルージー・チューン。アルバムの中でいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=OT1boxGoQQ4

「One O'clock Last Morning, 20th April 1970」
邦題「1970年4月20日,昨日の朝1時」。何処となく意味深なタイトルですね。そのせいかアコースティック・サウンドなのにミステリアスな雰囲気を醸し出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=uNarljUEpgM

「Crazy Pop Rock」
タイトルの通り、アルバムで最もキャッチーなロック・テイストのフォーキー・グルーヴ。グルーヴィーなロック・チューン好きの人も気に入る1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=iCuVfFkR-Bg

CDには以下の3曲(ライブ録音)がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Can't Find My Way Home」
本編にも収録されているBlind Faithのカヴァーです。コチラの方がフォーキー感が出ています。
http://www.youtube.com/watch?v=2PBaMre1yA8

「Up From The Skies」
The Jimi Hendrix Experienceのカヴァー。オリジナルは『Axis: Bold as Love』に収録されています。アコースティック・ブルースなカヴァーを聴かせてくれます。その意味では、当ブログで以前に紹介したEllen McIlwaineのカヴァーと一緒に聴くのも楽しいかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=8CKJOE03rkk

「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」
世紀の名盤The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のタイトル曲をカヴァー。『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』のジャケを観てもわかるとおり、モロに『Sgt. Pepper's 〜』から影響を受けているGilberto Gilのカヴァーは興味深いですね。しかも、アコースティック・カヴァーなのでホワイト・アルバムっぽく聴こえるのが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Y-XtLm_VsPg

他のGilberto Gil作品もチェックを!とりあえず60〜70年代の作品をピックアップしておきます。

『Louvacao』(1967年)
ロウヴァサォン

『Expresso 2222』(1972年)
Expresso 2222

Caetano Veloso e Gilberto Gil『Barra 69 - Caetano e Gil Ao Vivo na Bahia』(1972年)
Barra 69

『Gilberto Gil Ao Vivo』(1974年)
Ao Vivo

『Refazenda』(1975年)
Refazenda

Gilberto Gil & Jorge Ben『Gil & Jorge - Ogum - Xango』(1975年)
Gil & Jorge

『Refavela』(1977年)
Refavela

Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)
Refestanca - Ao Vivo

『Gilberto Gil Ao Vivo Em Montreux』(1978年)
Ao Vivo Em Montreux

『Realce』(1979年)
Realce

『Nightingale』(1979年)
Nightingale
posted by ez at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月10日

Al Johnson『Back For More』

2大名曲「I'm Back For More」、「I've Got My Second Wind」収録☆Al Johnson『Back For More』
セカンド・ウインド
発表年:1980年
ez的ジャンル:Norman Connors系アーバン・ソウル
気分は... :アーバン・メロウで心健やか!

今回は元The Unificsのメンバーであり、ソングライター/アレンジャー/プロデューサーといった裏方としても活躍した男性ソウル・シンガーAl Johnsonの2ndアルバム『Back For More』(1980年)です。

Al Johnsonはヴァージニア州ニューポート生まれ。

ハワード大学で建築学の博士号を取得する傍らでソウル・コーラス・グループをワシントンD.C.で結成します。グループはその後The Unificsと名乗るようになり、「Court of Love」(1968年、全米チャート第25位、同R&Bチャート第3位)、「The Beginning of My End」(1969年、全米チャート第36位、同R&Bチャート第9位)、「It's a Groovy World!」(1969年、全米R&Bチャート第27位)、「Toshisumasu」(1969年、全米R&Bチャート第36位)といったシングル・ヒットを放っています。

約6年の活動を経てThe Unificsは解散します。その後しばらくは裏方の仕事をメインにしていたようです。一番有名なのはTerry Huff & Special Delivery『The Lonely One』(1976年)のアレンジャーの仕事あたりでしょうか。

そして、初ソロ・アルバム『Peaceful』(1978年)をN.Y.のマイナー・レーベルからリリースします。これが評判となり、Columbia Recordsとの契約に成功し、Norman Connorsプロデュースによる2ndアルバム『Back For More』(1980年)をリリースしています。

その後は主にソングライター/アレンジャー/プロデューサーといった裏方といて活躍しています。個人的には90年代の密かなお気に入りソウル・アルバムArtwork『Masterpiece』(1992年)のプロデューサーとして彼の名をクレジットで発見した時、思わずニンマリしてしまった記憶があります。

さて、今回紹介する『Back For More』(1980年)ですが、やはりNorman Connorsプロデュースというところに注目ですね。

本作でのコラボと前後して『Invitation』(1979年)、『Take It To The Limit』(1980年)といったNorman ConnorsのアルバムにAl Johnsonが参加しています。

個人的には、Jean CarnThe Jones Girlsといった当ブログでも紹介した女性ソウル・アーティストが参加しているあたりにも惹かれます。

何と言っても、「I'm Back For More」「I've Got My Second Wind」というアーバン・ソウルな2大キラー・チューンが本作のハイライトですよ。アーバン・メロウ好きならば、この2曲ために本作を購入しても損しないと思います。

ソウル好きの方の間では、1st『Peaceful』(1978年)の方が評価が高いのかもしれません。ただし、僕のようなアーバン・メロウ好きにとっては本作『Back For More』の方がフィットするのでは?

最近のCDには収録曲のシングル・エディット2曲を追加したExpanded Editionもあります。

『Back For More(Expanded Edition)』
Back for More: Expanded Edition

全曲紹介しときやす。

「I'm Back For More」
オススメその1。このオープニングがアルバムのハイライト。Jean CarnをフィーチャーしたLeo's Sunshippのカヴァー(Kenny Stover作)。シングルにもなっています。アーバン・ナイトなメロウ・グルーヴ・サウンドはメロメロ好きには相当グッとくるはず!Leo's Sunshippのオリジナル(アルバム『We Need Each Other』)も持っていますが、同じメロウ・グルーヴでもミスティックなオリジナルとは異なる雰囲気のアーバン気分を満喫できる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ii7gidWHkuo

本曲はMarlena Shaw(アルバム『Acting Up』収録)やLulu & Bobby Womackもカヴァーしています。前者はオリジナルに近い仕上がり、後者はAl Johnsonヴァージョンを踏襲した仕上がりです。Leo's Sunshippのオリジナルも含めて聴き比べるのも楽しいのでは?

Leo's Sunshipp「I'm Back For More」
 http://www.youtube.com/watch?v=VwEjH7D0p50
Lulu & Bobby Womack「I'm Back For More」
 http://www.youtube.com/watch?v=h6pozZow8wU
Marlena Shaw「I'm Back For More」
 http://www.youtube.com/watch?v=x1RmUStrFoQ

また、本曲はサンプリング・ソースとしても定番ですね。当ブログでも紹介したFaith Evans「Sunny Days」Will Smit「Just Cruisin」をはじめ、Red Hot Lover Tone「BMW」、Cash Crew「Bounce Back」、Jesse Powell「I Like」、113「Jack-Potes」、Navy Sealz feat. Styles P「Back 4 More」等でサンプリングされています。

Faith Evans「Sunny Days」
 http://www.youtube.com/watch?v=95eS-ZUwPXQ
Will Smith「Just Cruisin」
 http://www.youtube.com/watch?v=YzOtBFjM4tE
Red Hot Lover Tone「BMW」
 http://www.youtube.com/watch?v=rhppspx64cI
Jesse Powell「I Like」
 http://www.youtube.com/watch?v=-ANzbbVHwQg
113「Jack-Potes」
 http://www.youtube.com/watch?v=z7I3zitpK04
Navy Sealz feat. Styles P「Back 4 More」
 http://www.youtube.com/watch?v=JniEN-pzUwo

「Saved By The Bell」
Willie Lester/Rodney Brown作。ファンキーなアップ・チューン。個人的には本作にこうしたアップを期待していませんが、コレはコレで楽しめるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=xA2tCrkDiXo

「You're A Different Lady」
味わい深いミディアム・スロウ。聴き込むほどにグッとくる1曲です。純粋にAl Johnsonのヴォーカルを堪能したいのであれば、こうしたタイプの曲がいいのかもしれませんね。Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=t2XAMtTWsa8

「School Of The Groove」
B級グルメ的なディスコ・チューン。僕が本作に期待するものとは大きく乖離していますが・・・ディスコ好きの方はどうぞ!Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=yv5n7Mb7p5U

「I've Got My Second Wind」
オススメその2。「I'm Back For More」と並ぶハイライト。1st『Peaceful』にも収録されていた楽曲の再演です(Tom Fauntleroy/Al Johnson作)。フリーソウル・クラシックとしてもお馴染みですね。シングルにもなりました。Leon Wareあたりと一緒に聴きたくなるメロウなアーバン・ソウルです。いつ聴いても心トキメク名曲ですね!
http://www.youtube.com/watch?v=7YiNHbkr1nE

「Tonight's The Night For Love」
オススメその3。本作にアーバン・メロウを求めている人であれば、気に入るであろうミディアム。アーバン・ナイト気分を演出してくれるはずです!Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=ClLvQmyPuU4

「You Are My Personal Angel」
オススメその4。素敵なロマンティック・バラード。ジャケのイメージに一番フィットする曲かもしれませんね。The Jones Girlsのコーラスもロマンティック・ムードを盛り上げてくれます。Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=lEM1u1rVjRU

「Peaceful」
オススメその5。ラストは1st『Peaceful』収録曲の再演。美しいソウル・バラードでアルバムを締め括ってくれます。素晴らしいオーケストレーションで盛り上げてくれます。Al Johnson作。
http://www.youtube.com/watch?v=FruQNGiWOSQ

ご興味がある方は1st『Peaceful』もセットでどうぞ!

『Peaceful』(1978年)
ピースフル

機会があれば、Al Johnsonがプロデュースした前述のArtwork『Masterpiece』(1992年)も紹介したいですね。現状ではCD入手が困難なようですが・・・

Artwork『Masterpiece』(1992年)
Masterpiece
posted by ez at 03:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

Madonna『Music』

Mirwaisをメイン・プロデューサーに迎えた快心作☆Madonna『Music』
ミュージック
発表年:2000年
ez的ジャンル:ポップ&アヴァンギャルド・ダンス・アルバム
気分は... :SBのハーフタイム・ショー最高!

今回は先日のNFLスーパーボウルのハーフタイム・ショーでも話題をさらったMadonnaが2000年にリリースしたヒット・アルバム『Music』です。

これまで当ブログで紹介したMadonna作品は以下の3枚。

 『Like a Prayer』(1989年)
 『Erotica』(1992年)
 『Confessions On A Dance Floor』(2005年)

Madonnaのようなポップ・フィールドの超メジャー・アーティストを取り上げるのは久しぶりかもしれませんね。

ここ数年はこうしたアーティストの作品を取り上げる機会がめっきり減ってしまい、少し気になっていました。

作品に関して、ヒット作か否かということには全く興味がない今の僕ですが、一方で大ヒット・アルバムというだけで"売れ線狙い"と否定するつもりも毛頭ありません。例えば最近の作品で言えば、大ヒットしているAdele『21』には全く興味がない僕ですが、それは試聴して僕の音楽嗜好とフィットしないと感じたためです。

さて話題を戻すと、LMFAONicki MinajM.I.A.Cee-Loを従え、スーパーボウルのハーフタイム・ショー史上最高と呼びたくなる素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたMadonnaですが、新作『MDNA』のリリースも控え、53歳となった今でもその勢いはとどまるところを知りませんね。

『MDNA』
MDNA

そのMadonnaが先日のハーフタイム・ショーでも披露した大ヒット曲「Music」を収録したアルバムが本作『Music』です。

前作『Ray of Light』(1998年)ではWilliam Orbitをメイン・プロデューサーに迎え、テクノ/アンビエント路線でアプローチしたMadonnaでしたが、本作でメイン・プロデューサーに起用したのはフランスを拠点とする新鋭プロデューサーで元Taxi GirlのMirwais Ahmadzaiです。

MirwaisのデモをMadonnaが気に入り、一気に起用が決まった模様です。このあたりのプロデューサーに対する目利き能力に関して、Madonnaはスバ抜けたセンスを持っていますよね。

その意味では本作を深く聴きたい方は、同時期にリリースされたMirwaisのソロ『Production』あたりをチェックしておくと楽しいと思います。きっと、Madonnaも惚れ込んだであろう「Disco Science」あたりは要チェックだと思います。また、Madonnaも参加した「Paradise (Not for Me)」は本作にも収録されています。

Mirwais「Disco Science」
http://www.youtube.com/watch?v=fwunrXYqg20

Mirwais『Production』(2000年)
プロダクション

そんなMirwaisを迎え、アヴァンギャルドかつキャッチーなダンス・サウンドを目指したアルバムが本作『Music』です。Mirwais以外にも前作に続くWilliam OrbitやGuy Sigsworth、Spike Stent、Talvin Singh(ボーナス・トラック)がプロデューサーに起用されています。

テンガロンハットにウエスタンシャツというカントリーなアルバム・ジャケも印象的ですね。それに呼応するようにカントリー・テイストの楽曲が収録されているのも本作の特徴です。

アルバムは『Like a Prayer』(1989年)以来の全米アルバム・チャートNo.1となり、シングル「Music」も久々の全米チャートNo.1となりました。

2000年代も音楽シーンの自身がトップランナーであることを示した意欲作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Music」
タイトル曲はアルバムからの1stシングルとして、1994年の「Take A Bow」以来の全米チャートNo.1に輝きました。Mirwaisとのタッグが見事にハマった大ヒット・シングルですが、アルバムの狙い通り、実験的サウンドと売れ線サウンドを絶妙にバランスさせた、アヴァンギャルドかつキャッチーな1曲に仕上がっています。キャッチーになりすぎないエレクトロ感がサイコーです。前述のように先日のスーパーボウルのハーフタイム・ショーでも演奏されましたが、本曲と LMFAOを従えた「Party Rock Anthem」「Sexy and I Know It」がメドレーになっていたあたりに時代が一回りした感がありますね。同時に、Madonnaの一歩先を読む確かな感性を再認識させられます。
http://www.youtube.com/watch?v=Sdz2oW0NMFk&ob=av2e

「Impressive Instant」
フレンチ・エレクトロ感がいい感じの1曲。意外にレトロ・フューチャー風のSFサウンドって好きなんですよね。今聴いてもフツーに最近のダンス・チューンとセットで聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=Jn9pzAxIH8M

「Runaway Lover」
Madonna/William Orbitプロデュース曲。Mirwaisに負けじとWilliam Orbitもキャッチーかつエレクトリックに疾走するなダンス・チューンを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=XDCLtXzg6hU

「I Deserve It」
本作の1つの特徴であるアコースティック・サウンドとエレクトリック・サウンドの融合を聴くことができる1曲。このあたりは、かつてJuliette et Les Independantsとしても活動していたMirwaisのセンスが光る1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=sU5prAZcp0Q

「Amazing」
Madonna/William Orbitプロデュース曲。個人的にはアルバムで最もキャッチーな仕上がりの曲だと思います。僕だったら、この曲をシングル・カットしたくなりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=1jtfX8VsbLc

「Nobody's Perfect」
オートチューン使いのヴォーカルには賛否両論あるかもしれませんね。アルバム全体の流れを考えればアリだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=HM7KHDrMkz8

「Don't Tell Me」
アルバムからの2ndシングルとして全米チャート第4位となりました。テンガロンハットにウエスタンシャツというアルバム・ジャケのイメージが最もフィットする1曲です。Madonnaの義弟であるカントリー・シンガーJoe Henryの楽曲「Stop」をベースに、カントリーとダンス・サウンドを融合させた楽曲です。いろいろな意味で本作を象徴する1曲かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=vfnLLYU9g7g

Joe Henry「Stop」
 http://www.youtube.com/watch?v=-uaoDLcqo9I

「What It Feels Like for a Girl」
アルバムからの3rdシングル。Madonna/Guy Sigsworth/Spike Stentプロデュース。本作リリース後に正式に結婚することになるGuy Ritchieが手掛けたPVではフロア仕様のリミックスが使われています。ファンはご存知のようにPVは過激な内容であったため、一部の国で放送禁止となりました。アルバム・ヴァージョンは美しいサウンド&メロディに魅了されるアルバム随一の完成度と呼びたくなる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=VxIw-kPfxio

「What It Feels Like for a Girl」(PV)
http://www.youtube.com/watch?v=qYwgG2oyUbA

「Paradise (Not for Me)」
Mirwaisとの共演曲であり、前述のように彼のソロ・アルバム『Production』にも収録されています。このダウナー・テイストはアーティストMirwaisの色がよく出ていると言えるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=64FqRlvPbAg

「Gone」
Madonna/William Orbit/Spike Stentプロデュース。ラストはアコースティック・サウンドにエレクトロなスパイスを少し効かせたバラードで締め括ってくれます。個人的には他の楽曲に比べて刺激が足りない気が・・・
http://www.youtube.com/watch?v=wxI-FKpuCz8

インターナショナル盤にはボーナス・トラックとして、Madonnaが主演した映画『The Next Best Thing(2番目に幸せなこと)』(2000年)の主題歌「American Pie」が収録されています。オールド・ファンにはお馴染み、Don McLeanによる1971年 全米No.1ヒットのカヴァーです。リアルタイムで聴いた時には、少し安易なカヴァーかなぁ・・・なんて思ったりもしましたが、その後のアメリカの状況を考えると、皮肉にも意味のあるカヴァーになってしまいましたね。

「American Pie」
http://www.youtube.com/watch?v=kOmvYWh9eT8

国内盤にはさらにTalvin Singhプロデュースによる「Cyber-Raga」が追加収録されています。Talvin Singhらしいタブラトロニクスを満喫できるダンス・チューンに仕上がっています。Talvin Singhと言えば、『Anokha – Soundz of the Asian Underground』(1997年)は一時期かなり聴いていました。懐かしいなぁ・・・

「Cyber-Raga」
http://www.youtube.com/watch?v=tb-QL3uEUFs

Madonna作品の過去記事もご参照下さい。

『Like a Prayer』(1989年)
ライク・ア・プレイヤー

『Erotica』(1992年)
Erotica

『Confessions On A Dance Floor』(2005年)
Confessions on a Dance Floor
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2012年02月08日

Eddi Reader with The Patron Saints of Imperfection『Mirmana』

Fairground Attraction解散後の初ソロ☆Eddi Reader with The Patron Saints of Imperfection『Mirmana』
Mirmama
発表年:1992年
ez的ジャンル:プリミティブ・フォーキー
気分は... :トラッド苦手な僕ですが・・・

今回はFairground Attractionの紅一点Eddi Readerの1stソロ『Mirmama』(1992年)です。

日本では『エディ・リーダー』のタイトルで、ジャケも異なり、ボーナス・トラック4曲を追加されるかたちで国内盤がリリースされています。2ndソロ『Eddi Reader』(1994年)と混同しやすいのでお気を付け下さい。

『エディ・リーダー』(1992年) ※『Mirmama』の国内盤
エディ・リーダー

Eddi Readerは1959年、スコットランド、グラスゴー生まれ。

何と言っても、Fairground Attractionのリード・ヴォーカリストとして、UKシングル・チャートNo.1となった大ヒット・シングル「Perfect」、UKアルバム・チャートNo.1となったデビュー・アルバム『The First Of A Million Kisses』(1988年)でお馴染みですよね。

Fairground Attraction「Perfect」
http://www.youtube.com/watch?v=U0hk94WFP44

Fairground Attraction『The First Of A Million Kisses』(1988年)
The First of a Million Kisses

しかし、この大成功がグループを音楽ビジネスの世界に巻き込む結果となり、それに嫌気がさしたメンバーは1990年にグループを解散させてしまいます。特に、Eddi Readerは失意のどん底に突き落とされ、隠遁生活を送っていた模様です。

そんなEddiにFairground Attraction時代の同僚Ray Doddsが手をさしのべ、1991年に再び音楽活動を再開します。そして、Roy Dodds(ds、per)、Phil Steriopulos(b)、Neill MacColl(g)と共にThe Patron Saints of Imperfectionを結成します。

こうして制作されたアルバムが今日紹介する『Mirmama』(1992年)です。最初に1stソロという紹介をしてしまいましたが、厳密には、Eddi Reader with The Patron Saints of Imperfection名義のアルバムです。本当はThe Patron Saints of Imperfectionとしてリリースしたかったのでしょうが、それではレコード会社が首を縦に振らなかったのでしょうね。そのあたり意図は、強引にセルフ・タイトルにし、ジャケも一新してしまった国内盤を見れば、さらに明確ですね。

結果として、本作自体はさほど大きな成功を収めることはありませんでしたが、次作となる2nd『Eddi Reader』(1994年)がヒット・シングル「Patience of Angels」の後押しもあり、UKアルバム・チャート第4位のヒットとなりました。

こうしてソロ・アーティストとしての地位を確立したEddiは、その後『Candyfloss and Medicine』(1996年)、『Angels & Electricity』(1998年)、『Simple Soul』(2001年)、『Driftwood』(2001年)、『Sings the Songs of Robert Burns』(2003年)、『Peacetime』(2007年)、『Love is the Way』(2009年)とコンスタントにアルバムをリリースしています。

きっと多くのFairground Attractionファンは、グループやEddi Readerに都会的で洗練されたポップなアコースティック・サウンドを期待していたのでしょうね。当時の日本で言えば、いわゆる"渋谷系"の音ですよね。僕自身もそんな音を求めていた気がします。

そうした音を期待して本作を聴くと、『The First Of A Million Kisses』で聴かれたようなお洒落なジャジー感はなく、トラッド色も交えたフォーキー・サウンドにギャップを感じるかもしれません。でも、これこそがEddi Readerというアーティストのプリミティブな音楽性なのだと思います。

むしろ、Fairground Attractionファンは、よりポップな2nd『Eddi Reader』(1994年)の方がフィットするのかもしれませんね。

僕の今の音楽嗜好にフィットするのは、『Eddi Reader』よりも『Mirmama』の方ですね。僕は正直トラッドは古めかしいイメージがあって苦手なのですが、そんな僕をも虜にする魅力があります。シンプルですが、今聴いても古めかしさを感じないフォーキー感があります。変にポップになっていないので、鮮度が保たれている気がします。

レコーディングには、前述のThe Patron Saints of Imperfectionのメンバー以外に、Aly Bain(fiddle)、Kim Burton(accordion、org)、Jools Holland※元Squeeze(org、p)、Dominic Miller(g)、Huw Warren(accordion、cello、p、vib)、Colum MacColl(dulcimer、penny whistle、zither)が参加しています。

熱心なEddi Readerファンではない僕ですが、たまに聴くとホッとした気分になる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「What You Do with What You've Got」
Si Khan作。オープニング曲はシングルにもなった。本曲はThomas Dolbyがミックスしています。深いエコーがEddiのピュアで美しいヴォーカルの魅力を高めています。Aly Bainのフィドルも美しい音世界創りに一役買っています。
http://www.youtube.com/watch?v=AHVAj4MCwmg

「Honeychild」
Roy Dodds/Neill MacColl/Eddi Reader/Phil Steriopulos作。素朴な中にも幻想的な音世界が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=RKq0VT6gD88

「All or Nothing」
Eddi Reader作。この曲もシングルになりました。アルバムで一番のお気に入り曲です。トラッドな味わいと爽快なアコースティック感が上手くバランスしています。ペニー・ホイッスルの音色がいいアクセントになっています。心の中の自分と対話する歌詞は女性が聴くとグッとくるのでは?

「Hello in There」
フォーク・シンガーJohn Prineの作品をカヴァー。オリジナルは『John Prine』(1971年)に収録されています。オリジナルを受け継いだシンプルな演奏ですが、その分Eddiのヴォーカルの魅力が引き立っています。

「Dolphins」
カリスマ・フォーク・シンガーFred Neilの名曲をカヴァー。当ブログでは以前にCyrus Faryarのカヴァーを紹介しています。ここではEddiのピュア・ヴォーカルで清々しい「Dolphins」を聴くことができます。

「The Blacksmith」
有名なイングランドのトラディショナル・ソングをカヴァー。淡々とした演奏ながらも適度にリズミック&ミステリアスで僕好みの仕上がりです。トラッドというだけで敬遠ですにチェックしてみて下さい。なかなかグッとくるフォーキー・グルーヴですよ。

「That's Fair」
Eddi Reader作。シンプルながらも小技の効いたフォーキー・チューン。さり気なさに惹かれます。

「Cinderellas Downfall」
Eddi Reader作。アルバムの中でも抜群の美しさを誇るアコースティック・ワルツ。センチメンタル・モードになりたい時にぴったりな1曲です。

「Pay No Mind」
Roy Dodds/Eddi Reader作。素朴な演奏でスタートしますが、徐々に音が重なり、気付けば感動にビューティフル・サウンドを堪能しています。

「The Swimming Song」
Loudon Wainwright III作品をカヴァー。Rufus Wainwrightのお父さんの作品ですね。The Patron Saints of Imperfectionの一体感を感じる小気味良い演奏が印象的です。

「My Old Friend the Blues」
同世代の男性シンガー・ソングライターSteve Earleをカヴァー。オリジナルは『Guitar Town』(1986年)に収録されています。ラストはブルージーにしみじみと締め括ってくれます。

前述のように国内盤『エディ・リーダー』(1992年)には、「Broken Vows」「Ole Buttermilk Sky」「I Wish You Were My Boyfriend」「Girl With the Weight of the World in Her Hands」の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方は他のEddi Reader作品もチェックを!

『Eddi Reader』(1994年)
Eddi Reader

『Candyfloss and Medicine』(1996年)
キャンディフロス・アンド・メディスン

『Angels & Electricity』(1998年)
エンジェルズ&エレクトリシティ

『Simple Soul』(2001年)
シンプル・ソウル

『Driftwood』(2001年)
Driftwood

『Sings the Songs of Robert Burns』(2003年)
ロバート・バーンズを想う

『Peacetime』(2007年)
Peacetime

『Love is the Way』(2009年)
ラヴ・イズ・ザ・ウェイ
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2012年02月07日

Leroy Hutson『Closer To The Source』

Curtomでのラスト・アルバム!メロウ・ワールドは健在です!☆Leroy Hutson『Closer To The Source』
Closer to the Source
発表年:1978年
ez的ジャンル:Curtom系メロウ・ソウル
気分は... :ジャイアンツ勝利!

NFLスーパーボウル「ペイトリオッツ対ジャイアンツ」は、21対17でジャイアンツが見事な逆転勝利によって王者に輝きました。

ペイトリオッツのHCベリチック、QBブレイディはリベンジなりませんでしたね。試合終了後のベリチックの苦々しい表情が実に印象的でした。

王者決定戦に相応しい大接戦、好ゲームであり、リマッチの主役であるマニング、ブレイディの両QBがそれぞれ見せ場を作ってくれましたね。両チームにモメンタムが行き来する試合展開もサイコーでしたね。

どちらのチームのファンでもない僕ですが、いざ試合が始まると知らぬ間にジャイアンツを応援していました。ドルフィンズ・ファンの僕としては、やはり同地区のライバル、ペイトリオッツに対しては勝って欲しくないという妬みがあるのかもしれません(笑)。それだけペイトリオッツというチームの絶対的な強さを認めているのかもしれませんが・・・

やはり勝敗を分けたのは逆転TDドライブのきっかけとなったWRマニンガムのスーパーキャッチでしょうね。MVPとなったマニングの活躍は勿論のこと、ピエールポール、タック、ウメニオーラという強力DEトリオの活躍も目立ちました。特にピエールポールのプレーは超人的でしたね。要所要所でシェアーハンドを見せたWRニックス、再三に渡り好パントを蹴ったPウェザーフォードあたりの貢献も大きかったと思います。

一方、冷や汗もんだったのはRBブラッドショー。"世紀のボーンヘッド"となりかねなかった逆転TDは頂けないプレーでしたね(笑)。あのミス・プレーを"余韻を持ったTD"と実況していた日テレの間抜けなアナウンサーには失笑してしまいましたが・・・。その点、NHKは的確な実況をしていましたね。

Madonnaのハーフタイム・ショーも最高でしたね。

LMFAONicki MinajM.I.A.Cee-Loといったゲスト陣を従え、新旧楽曲を織り交ぜながら素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。最後に平和へのメッセージで締め括るあたりも完璧でした!個人的にはスーパーボウル史上、No.1のハーフタイム・ショーだったと思います。

後でM.I.A.の不適切なパフォーマンスが問題となり、放送局のNBCが謝罪したようですが、TVの生中継を観ていた限りでは全く気になりませんでした。

事前にはあまり気乗りしていなかった今年のスーパーボウルでしたが、終わってみれば存分に満喫していました(笑)

これでシーズンが終わってしまうのが名残り惜しいですねぇ。

さて、今回は久々にニューソウルを代表する男性シンガーLeroy Hutsonです。
セレクトしたのは『Closer to the Source』(1977年)

Leroy Hutsonの紹介は、『Hutson』(1975年)、『Hutson II』(1976年)に続き3回目となります。

前回『Hutson II』を紹介したのが約1年前でしたが、その時もスーパーボウル翌日のエントリーでした。僕の潜在意識の中で何かあるんですかね???

今日紹介する『Closer to the Source』(1977年)は、『Love Oh Love』(1973年)、『The Man!』(1974年)、『Hutson』(1975年)、『Feel the Spirit』(1976年)、『Hutson II』(1976年)に続く6thアルバムであり、Curtomでのラスト・アルバムとなります。

現在では入手しづらいアルバムですが、僕の場合、『Hutson II』との2in1CDで所有しています。

『Hutson II/Closer to the Source』
Hutson II/Closer to the Source

基本的には、それまでの流れを踏襲するアルバムですが、よりメロウ・グルーヴが強調された仕上がりになっていると思います。

また、前作『Hutson II』では1曲を除きHutsonのオリジナルでしたが、本作ではオリジナルは全8曲中、半分の4曲で他者の楽曲を取り上げています。

プロデュースも自身で手掛けたのは半分の4曲。残りはGil Askeyが3曲、Bob Monacoが1曲をプロデュースしています。アレンジについても同様で、自身が手掛けたのは2曲のみです。

レコーディングには、Phil Upchurch(g)、Ross Traut(g)、Stephen Harris(g)、Tom Ferrone(g)、Bernard Reed(b)、Larry Williams(b)、Louis Satterfield(b)、Floyd Morris(key)、James Mendell(key)、Lonnie Reaves(key)、Tom Washington(key)、Andre Fisher(ds)、Donnell Hagan(ds)、Earl DeRouen(per)、Henry Gibson(per)、Linda Clifford(back vo)、Alfonzo Surrett(back vo)等が参加しています。

いつ聴いてもメロメロ気分にさせてくれるLeroy Hutson好きには鉄板な1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「In the Mood」
James Mendell作。アルバムからの1stシングルにもなりました。。タイトル通りムーディーな空気で包まれるメロウ&スウィートなバラード。Marvin Gayeばりのセクシー・モードで迫ってきます!アレンジでTom Tom 84も参加。Shyheim「The Rugged Onez」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8n60cehWUOg

Shyheim「The Rugged Onez」
 http://www.youtube.com/watch?v=dV0WRlRNio4

「Where Did Love Go?」
Gil Askey作。アルバムのハイライトと言えば、フリーソウルのコンピにも収録されていた人気曲の本曲でしょう。僕の一番のお気に入り曲も勿論コレ。モロにMarvin Gaye「What's Going On」ライクな仕上がりですが、そんなこと関係ありません。この心地好いグルーヴには何人も抗しがたい魅力がありますね。サイコー!シングルにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=lsNNy8EiIVQ

「They've Got Love」
Connie Davis/James Mendell作。ポップなメロディ&オーケストレーションが印象的な1曲。案外、70年代初めあたりのエヴァーグリーン・ポップスがお好きな人が気に入る1曲なのでは?

「Get to This (You'll Get to Me)」
Michael Hawkins/Leroy Hutson/Lonnie Reaves作。この曲も昔から僕のお気に入りのダンサブル・チューン!軽快なグルーヴと小気味良いホーン・セクション、エレガントなストリングスが盛り上げてくれます。

「Closer to the Source」
Leroy Hutson/Lonnie Reaves/Alfonzo Surrett作。タイトル曲はEW&F風のポップ・ソウルにラテン/サルサのスパイスを効かせ、エレガントなテイストで仕上げたといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=S5dhaQVt5Mw

本曲と言えば、ジャズ・ジャイアントDizzy Gillespieのカヴァー(アルバム『Closer to the Source』収録)も人気ですね。ご興味のある方はチェックしてみて下さい!

Dizzy Gillespie「Closer to the Source」
 http://www.youtube.com/watch?v=zbUgaR9lmbw

Dizzy Gillespie『Closer to the Source』(1984年)
Closer to the Source


「Heaven Right Here (On Earth)」
Leroy Hutson/Lonnie Reaves作。Natural Fourへの提供曲をセルフ・カヴァー。Leroy Hutson自身がプロデュースしたNatural Fourヴァージョンは当ブログでも紹介した『Heaven Right Here on Earth』(1975年)に収録されています。フリーソウル人気曲でもあるNatural Fourヴァージョンと比較すると少し地味な仕上がりですが、その分ジワジワと魅力が伝わってきます。Eins Zwo「Ich So, Er So」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=rrk2UlafKsE

Natural Four「Heaven Right Here On Earth」
 http://www.youtube.com/watch?v=b5Fd5_jriTY
Eins Zwo「Ich So, Er So」
 http://www.youtube.com/watch?v=HipRgfljK-g

「Everybody's a Masterpiece」
George Clinton/Richard Ira Reiche作。作者の一人はあのP-Funkの総帥George Clintonなのですかね?当方も未確認なので間違っていたらゴメンナサイ。本ヴァージョンより先にThree Dog Nightがアルバム『American Pastime』(1975年)の中で本曲を取り上げています。曲自体はLeroy Hutsonにジャスト・フィットした爽快メロウ・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qrkDcSHtwyI

Three Dog Night「Everybody's a Masterpiece」
 http://www.youtube.com/watch?v=CjXQ4MvLXvE

「You're a Winner」
Leroy Hutson作。ラストはファンキー・グルーヴで締め括ってくれます。もっと長尺で聴きたいグルーヴィーなリズムに惹かれます!最後には「Closer to the Source」のリプライズも登場し、アルバムは幕を閉じます。

Curtom時代のLeroy Hutsonは本当に最高ですね!

『Love Oh Love』(1973年)
Love Oh Love / the Man!

『The Man!』(1974年)
The Man!

『Hutson』(1975年)
Hutson

『Feel the Spirit』(1976年)
Feel the Spirit

『Hutson II』(1976年)
Hutson II
posted by ez at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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