2012年02月06日

Herbie Hancock『Empyrean Isles』

人気曲「Cantaloupe Island」収録☆Herbie Hancock『Empyrean Isles』
エンピリアン・アイルズ+2
録音年:1964年
ez的ジャンル:新主流派ジャズ
気分は... :スーパーボウルの行方は・・・

男子サッカーのロンドン五輪アジア最終予選の大一番「シリア対日本」は、2日前の記事で書いた懸念が現実のものになってしまいました。メンバー編成も含めて、敗れるべくして敗れた感がありますね。2失点ともにGK権田が目立つかたちになってしまいましたが、それだけではない日本の弱点が浮き彫りになってしまった気がします。ロンドン行きの切符を何としても手にするという気迫に欠けていた気がします。

ただし、下を向いていても仕方がないので、これも1つのショック療法と考え、残り2戦を必死に戦ってくれることを願うばかりです。ある意味、大量得点で勝利するしかないというベクトルで意思統一できる点では、開き直ったプレーを期待できるのでは?攻撃的な戦いができるようにメンバーを再考して欲しいですね。

今回はスーパー・ピアニストHerbie Hancockが1964年録音した『Empyrean Isles』です。

これまで紹介したHancock作品は以下の7枚(録音年順)。

 『Inventions And Dimensions』(1963年)
 『Maiden Voyage』(1965年)
 『Speak Like A Child』(1968年)
 『The Prisoner』(1969年)
 『Fat Albert Rotunda』(1969年)
 『Thrust』(1974年)
 『Sunlight』(1978年)

『Takin' Off』(1962年)、『My Point of View』(1962年)、『Inventions And Dimensions』(1963年)に続く4枚目のリーダー作となる本作『Empyrean Isles』ですが、本作の注目曲と言えば、まず「Cantaloupe Island」になってしまいますね。

アシッド・ジャズ・ブーム時の1993年にUS3が本曲をサンプリングした「Cantaloop」が大ヒットしたことによって、Herbie Hancockファンやジャズ・ファン以外にも広く「Cantaloupe Island」という曲を知らしめることとなりました。

US3「Cantaloop」
 http://www.youtube.com/watch?v=JwBjhBL9G6U

恥ずかしながら、僕もUS3「Cantaloop」のシングルを購入した後に、サンプリング・ソースの「Cantaloupe Island」が収録された本作『Empyrean Isles』を入手した次第です。

レコーディング・メンバーは、Herbie Hancock(p)、Freddie Hubbard(cornet)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)というMiles Davisの第二期黄金クインテットのリズム隊にFreddie Hubbardが加わったカルテット編成です。

どうしても「Cantaloupe Island」収録のアルバムという扱いを受けてしまう本作ですが、ジャズ好きの方からすれば、聴きどころはオリジナルLPのA面に収録された「One Finger Snap」「Oliloqui Valley」の2曲こそが本作のハイライトになると思います。

まぁ、堅苦しいことは考えず「Cantaloupe Island」を楽しむも良し、「One Finger Snap」「Oliloqui Valley」のモーダルな演奏を楽しむも良し!といったところでしょうか。

全曲紹介しときやす。

「One Finger Snap」
正統派ジャズ・ファンにとっては、「Cantaloupe Island」ではなくFreddie Hubbardのプレイが冴える本曲がハイライトかもしれませんね。スリリング&スタイリッシュな演奏で突き抜け、ラストはTony Williamsのドラム・ソロで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=udCbtl7YEf4

「Oliloqui Valley」
Ron Carterのミステリアスなベースと共にスタートするモーダル・チューン。Herbie Hancockらしい美意識のある音世界を満喫できる演奏です。HerbieやFreddieのソロも快調です。でも本曲における陰の主役はRonなのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=LJpFkgiPpEk

本曲はサンプリング・ソースとしても知られ、『Blue Break Beats』のコンピにも収録されています。冒頭のRon CarterのベースがEric B. & Rakim「Untouchables」、Simple E「Play My Funk」、Colle Der Fomento「Elfo Scuro」等でサンプリングされています。

Eric B. & Rakim「Untouchables」
 http://www.youtube.com/watch?v=blNHOb3gfJA
Simple E「Play My Funk」
 http://www.youtube.com/watch?v=r8yBBdwyhXk
Colle Der Fomento「Elfo Scuro」
 http://www.youtube.com/watch?v=fbwms5MODKI

「Cantaloupe Island」
前述のように、本作の注目曲。US3「Cantaloop」を聴き慣れていると、テンポがゆっくりしていると感じるかもしれませんね。淡々とした演奏ですが、お馴染みのリズムとFreddieの例のフレーズを聴くと、思わずニンマリしてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=8B1oIXGX0Io

US3「Cantaloop」以外にも、Pat MethenyMilton Nascimento、El Chicano、Hugh Masekela等数多くのアーティストがカヴァーしています。お気に入りのカヴァーをいくつか紹介しておきます。

El Chicano「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=SsxFVCws760
Brian Bromberg「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=tI3pNBqvoXE
Poncho Sanchez「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=mOpmMDj8IZI
Hugh Masekela「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=e8zl17xBpwA

「The Egg」
ラストは約14分のフリー&アブストラクトな演奏です。きちんと聴けば、いろいろ聴きどころがありますが・・・ジャズ中級者以上向けの演奏かもしれませんね。"永遠のジャズ初心者"である僕の場合、いつもこの曲はスキップしてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=oJxnYkU84zw

CDには「One Finger Snap」「Oliloqui Valley」の別テイクがボーナス・トラックとして収録されています。

Herbie Hancock作品の過去記事もご参照下さい。

『Inventions And Dimensions』(1963年)
Inventions & Dimensions

『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

『Speak Like A Child』(1968年)
スピーク・ライク・ア・チャイルド

『The Prisoner』(1969年)
ザ・プリズナー

『Fat Albert Rotunda』(1969年)
ファット・アルバート・ロトゥンダ<紙ジャケット仕様>

『Thrust』(1974年)
Thrust

『Sunlight』(1978年)
Sunlight

さて、今日は間もなくNFLスーパーボウルです。
昨日までイマイチ気分が盛り上がりませんでしたが、直前になるとさすがにテンション上がってきますね。

正直、ペイトリオッツ、ジャイアンツのどちらにも特別な思い入れはありませんが、力関係でいけばジャイアンツが先行し、ペイトリオッツが追いかける展開の方が面白いですね。

Madonnaのハーフタイム・ショーも楽しみです。どんな選曲になるんですかね?
posted by ez at 06:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月05日

The Funk League『Funky As Usual』

90年代Hip-Hopへのリスペクトに満ちたデビュー・アルバム☆The Funk League『Funky As Usual』
ファンキー・アズ・ユージュアル
発表年:2011年
ez的ジャンル:90年代リスペクト系フレンチHip-Hop
気分は... :90年代前半イースト・コーストHip-Hop愛!

今回は90年代前半イースト・コーストHip-Hop好きは要チェック!フレンチHip-HopユニットThe Funk Leagueのデビュー・アルバム『Funky As Usual』(2011年)です。2011年末のリリースなので、実質2012年新作扱いでも構わないのでは?

The Funk LeagueHugo(Jackson J)DJ Suspect(Soulbrother)というフランス人トラックメイカー2人によるユニット。当初はThe Incredible Funk Leagueと名乗っていました。

2009年に12"シングル「On & On」をリリースします。本曲にはSadat X(Brand Nubian)がゲスト参加し、さらにB面曲の「Through Good & Bad」にはLarge ProfessorMain Source)が参加したことで往年のHip-Hopファンを歓喜させました。

その後も「Why You ...?」「The Boogie Down Bombers」(Diamond D、Sadat X参加)といった90年代Hip-Hopへのリスペクトを感じるシングルをリリースし、シーンで注目を集めるようになります。

そして、待望の1stアルバム『Funky As Usual』が昨年末にリリースされました。

まずは豪華ゲストの参加も本作の魅力!Large ProfessorMain Source)、Sadat X(Brand Nubian)、A.G.(Showbiz & A.G.)、Afrika BambaataaDiamond DといったHip-Hopレジェンドの参加に惹かれます。

その他にもGift of Gab(Blackalicious)、Andy Cooper(Ugly Duckling)といったHip-Hopファンにはお馴染みのアーティスト、さらにはカナダ人MCのAbdominal、スウェーデンのHip-HopグループSpeech Defect、オーストラリア人女性シンガーKylie Auldist等が参加しています。

ゲストの顔ぶれからも想像できるように、90年代前半のUSイースト・コーストHip-Hopが彼らの原点だと思います。そんなイースト・コーストHip-Hopへのオマージュともとれるトラックがズラリと並んだアルバムです。

その意味で、A Tribe Called QuestDe La SoulJungle BrothersをはじめとするNative Tongues勢、Main SourcePete Rock & C.L. Smoothあたりが大好きな僕には、かなりグッときました。

正直、斬新さはありませんが、これだけ90年代前半イースト・コーストHip-Hop愛!があれば、それだけで僕的にはWelcomeです!

Funk,Ink.『Funk,Ink.』を模したようなジャケも僕好み!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
90年代へタイム・スリップさせてくれるアルバムのイントロ。

「On & On」
Sadat Xをフィーチャーし、話題となったデビュー・シングル。忘れかけていたイーストコーストHip-Hopの魅力を思い出させてくれる痛快なソウルフルなトラックに体が自然と揺れてしまいます。本作の魅力を象徴する1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=CsXD50lsRGk

「MCThree」
Gift of Gab(Blackalicious)とAbdominalをフィーチャー。ここでは少しハード&シャープに迫ります。Suspectの擦りが実にいいですね!
http://www.youtube.com/watch?v=WgOgVvbV104

「More Blue Funk」
ジャジー&メロウなインスト・チューン。本曲に限って言えば、アングラ・ジャジーHip-Hop好きの人向けの仕上がりですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tNRzBzzE9K0

「Through Good & Bad (Breaking North Mix)」
前述のようにLarge Professor参加で話題となった1曲。本ヴァージョンはストリート・ファンを意識したリミックスです。軽やかなビートが心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=OjAktsnYWTk

「Words From..」
A.G./Afrika Bambaataa/Diamond D/Sadat Xというレジェンド4人が参加しています。メロウ・トラック好きの人は最初の一音を聴いた瞬間にヤラれてしまうのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Hz7YldTWHj4

「Why You ...?」
Speech DefectのBoogie B & Mr. Linusをフィーチャー。思わずDe La Soulあたりを思い出してしまうユルいファンキー・ノリにグッときます。Suspectの擦りもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=DsqxTOKp9ws

「You're Gonna Learn」
Andy Cooper(Ugly Duckling)をフィーチャー。ソウル・ジャズなトラックとバックにAndy Cooperが軽快なフロウをかましてくれます。90年代前半風のキャッチーさにグッときてしまいます。

アルバム・ヴァージョンがYouTubeで見つからなかぅたので、別ヴァージョンを紹介します。
「You're Gonna Learn(Upbeat Version)」
http://www.youtube.com/watch?v=ugwbNDIkrnw

「Humble Arrogance Pt. 1 & 2」
前半はベースラインが印象的なインスト、後半はSupaのフレンチ・ラップをフィーチャーしたジャジー・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NKlAa1Cni8c

「The Boogie Down Bombers」
Diamond D/Sadat Xをフィーチャー。前述のようにシングルにもなりました。シンプルなジャジー・トラックにDiamond D/Sadat Xのラップが加われば、そこは90年代前半のイースト・コースト・・・
http://www.youtube.com/watch?v=fbiciMGAXlo

「What's Wrong With Groovin'?」
生音ベースでグルーヴのうねりを強調したインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=jBo2wpyEcrs

「Through Good And Bad (45 Mix)」
先にも紹介したLarge Professorをフィーチャーした人気曲。本ヴァージョンはシングル「Why You ...?」のB面に収録されていたヴァージョンです。思わずPete Rock & C.L. Smoothあたりを思い出すトラックが僕好み!
http://www.youtube.com/watch?v=mrXytLjnaTc

「Epilogue」
Pete Rock風のインタールード。

「Hypnotized」
オーストラリア人女性ヴォーカリストKylie Auldistをフィーチャー。オーストラリアの人気ジャズ・ファンク・グループThe Bamboos作品でもお馴染みの女性シンガーですね。この曲のみ、いきなりクラブジャズ・モードになった感じですね。このあたりは現行フレンチHip-Hopらしいのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=txglKtWLZ1w

(現地時間)の5日にはNFLスーパーボウル、翌週12日にはグラミー賞と大イベントが続きますが、僕の中ではイマイチ盛り上がりに欠けています。お気に入りのチームやアーティストが登場しないのが最大の要因だと思います。特にグラミーは多分WOWOWでTV中継を観ると思いますが、かなり冷めた目で観るような・・・

主要部門のノミネートで納得できるのはBruno MarsKanye West、(相当ダークホースですが)Bon Iverあたりですかね。逆に生理的に全く受け付けないのがAdeleKaty Perryですね。ファンの方には大変申し訳ありませんが、何度聴いても何が良いのか僕には全く理解できません。個人的にはグラミーの蟹江イジメに終止符を打っても良いのでは?と思いますが・・・
posted by ez at 03:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月04日

Os Mutantes『Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets』

Rita Leeが在籍していた最後のアルバム☆Os Mutantes『Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets』
Mutantes E Seus Cometas No Pai
発表年:1972年
ez的ジャンル:何でもあり系ブラジリアン・ロック
気分は... :大丈夫?サッカーU23代表!

男子サッカーのロンドン五輪アジア最終予選の大一番「シリア対日本」が明日に迫ってきました。

攻撃の要となる清武が離脱し、攻撃陣がコマ不足の感が否めないU23代表です。海外組の召集状況も含めて、協会はこれが大一番という認識が希薄なのでは?

今さらメンバー変更できないので、現行メンバーでいかに戦うかですが、個人的には引き分け勝ち点1で充分だと思っています。創造性に欠けても手堅い試合運びを期待します。万が一、リードされるような展開になった場合のジョーカー的存在としてMF齋藤に注目しています。まずはそのような展開にならないことを願いますが・・・

さて、今回はブラジルを代表するロック・グループOs Mutantesの5thアルバム『Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets』(1972年)です。

Os Mutantesの紹介は、サイケなデビュー・アルバム『Os Mutantes』(1968年)に続き2回目となります。また、グループの紅一点Rita Leeの初ソロ『Build Up』(1970年)も紹介済みです。

デビュー時はサイケ・ロックの印象が強かったOs Mutantesですが、前作となる4th『Jardim Eletrico』(1971年)あたりから変化の兆しを見せ、5thアルバムとなる本作ではへヴィ・ロック、プログレ・ロックの要素を強めていきます。

本作におけるメンバーは、Arnaldo Baptista(vo、key)、Sergio Dias(vo、g)のDias兄弟、紅一点Rita Lee(vo、key)というオリジナル・メンバー3名に、Liminha(b)、Dinho Leme(ds)を加えた5人編成です。

必ずしもOs Mutantesを代表するアルバムだとは思いませんが、ジャケが好きなのと、Rita Leeが在籍した最後のアルバムであることと、意外に入手しづらいアルバムにも関わらず、某CDショップの在庫処分セールで廉価でゲットできたことなどが重なり、僕にとっては愛着のある1枚になっています。

先にへヴィ・ロック、プログレ・ロックの要素を強めたと書きましたが、実際にはロックン・ロールあり、アシッド・フォークあり、ラテン・ロックあり、美メロ・バラードありと、かなりバラエティに富んだ1枚に仕上がっています。欧米ロックからの影響が明らかですが、それを悪びれず貪欲に採り入れてしまう潔さが魅力の1枚だと思います。

本作を最後に目指す音楽性の違いからRita Leeがグループを脱退します。そして、彼女はソロ・アーティストとしてブラジル・ロックの女王の地位を確立していきます。

全曲紹介しときやす。

「Posso Perder Minha Mulher, Minha Mae, Desde que Eu Tenha o Rock and Roll」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Liminha作。やたらタイトルが長いオープニング(笑)。まずは軽くリラックスといった雰囲気のロックン・ロールです。
http://www.youtube.com/watch?v=RqiT6CGBXyU

「Vida de Cachorro」
オススメその1。Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias作。Rita Leeの寂しげなヴォーカルを前面にフィーチャーした美しくも切ないアシッド・フォーキー。
http://www.youtube.com/watch?v=GozcMt2hpQA

「Dune Buggy」
オススメその2。Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias作。タイトルの通り、ブギー・ロックです。なかなかエキサイティングな演奏にテンション上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=RbnsjEgY1og

「Cantor de Mambo」
オススメその3。Arnaldo Baptista/Elcio Decario/Rita Lee作。アルバムで一番のお気に入りはラテン・ロックです。この時期のUSラテン・ロック/チカーノ・ロックあたりとセットで聴いてもマッチすると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vRodU7GLnhQ

「Beijo Exagerado/Todo Mundo Pastou」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias作の「Beijo Exagerado」はジミヘンあたりの影響を感じるドライブの効いたロック・チューン。最後にIsmar S. Andrade "Bororó"作の「Todo Mundo Pastou」がインタールードのように流れます。。
http://www.youtube.com/watch?v=eYyOmaLz8pM

「Balada do Louco」
Arnaldo Baptista/Rita Lee作。Arnaldo Baptistaの感動的なヴォーカルと美しいメロディにグッとくるバラード。聴いていると、Raspberriesのバラード曲を思い出してしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=6yBI7y6-9fQ

「A Hora e a Vez do Cabelo Nascer」
Mutantes/Liminha作。70年代ブリティッシュ・ロックがお好きな人であれば、気に入るであろうギター・リフが聴けるへヴィ・ロック。
http://www.youtube.com/watch?v=87vwhDPA8Z4

「Rua Augusta」
Herve Clodovil。USのルーツ音楽のテイストを織り交ぜたロック・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Zha7nmB2UfM

「Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets」
Mutantes/Dinho Leme/Liminha作。タイトル曲は10分近くにおよぶサイケなジャズ・ロック・チューン。終盤はプログレ・モードです。
http://www.youtube.com/watch?v=IlmWBSpF41k

「Todo Mundo Pastou II」
Ismar S. Andrade "Bororó"作。ラストはリラックス・モードでアルバムは幕を閉じます。

他のOs Mutantes作品もチェックを!

『Os Mutantes』(1968年)
Os Mutantes

『Mutantes』(1969年)
Mutantes

『A Divina Comedia Ou Ando Meio Desligado』(1970年)
Divina Comedia Ou

『Jardim Eletrico』(1971年)
Jardim Eletrico

Rita Lee『Build Up』(1970年)
Build Up
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2012年02月03日

The Bongolian『Blueprint』

2ndもボンゴ・ブレイク&グルーヴィー・オルガン炸裂☆The Bongolian『Blueprint』
Blueprint
発表年:2006年
ez的ジャンル:ボンゴ&オルガン系サイケ&モッド・ファンキー・グルーヴ
気分は... :セルフトークはポジティヴに!

最近、ネガティブな感情とポジティヴな感情が紙一重の出来事に出くわすことが多いです。

僕の場合、繊細とずぼらの両極端で中間がないタイプの人間なので、少しでも下げモードに入るとセルフトーク(心の中のつぶやき)もネガティブなものばかりになり、どんどん深みにはまってしまいます。逆に、一度ポジティブなセルフトークが出来れば、それまでが嘘のように開き直った大胆な行動をとることができます。今まで,
幸いにもそのような行動はプラスの結果に結びついています。

ある意味、危険な性格タイプの人間かもしれませんが、僕の場合、そこに"バイオレンス"という要素が欠落しているのと、ヤバい自分を俯瞰できる客観的な自分が強く内在しているので臨界点を超えることがないのかもしれません。

そもそもこんなことを書いている時点でヤバいのかもしれません。
そんな自分を俯瞰する天の声は"ファンキーな音を聴け!"

そんな流れで今回はファンキー・グルーヴな作品をセレクト!
The Bongolianの2ndアルバム『Blueprint』(2006年)です。

The Bongolianは、21世紀版"スウィンギング・ロンドン"なUK4人組Big Boss ManのフロントマンNasser Bouzidaのソロ・プロジェクトです。

当ブログでのThe Bongolianの紹介は、3rd『Outer Bongolia』(2007年)、1st『The Bongolian』(2002年)に続き3回目となります。

The Bongolianと言えば、昨年後半にひっそりと4thアルバム『Bongos For Beatniks』がリリースされましたね。殆ど話題になりませんが、The Bongolian印100%の1枚に仕上がっています。

『Bongos For Beatniks』(2011年)
Bongos for Beatniks


The Bongolianのアルバムは、どれをとってもプロジェクト名の由来でもあるIncredible Bongo Bandのボンゴ・ヴァイヴスを基本に、60年代後半〜70年代前半のソウル/ジャズ/ファンク/ラテン/ロックへの愛情を感じるサイケ&モッドなファンキー・グルーヴを堪能できます。しかも、単なるレトロ趣味に終わらず、21世紀ならではの毒っ気とヒネリを効かせているところが曲者です。

2ndとなる本作でも、そんなBongolianワールドを満喫できます。

あなたもボンゴリアンになりませんか(笑)

全曲紹介しときやす。

「Agent Hardigs」
オープニングからボンゴ・ブレイクが炸裂します。Incredible Bongo Band好きにはたまらないファンキー・グルーヴ。3分強の演奏ですが、瞬く間に脳内はトランス状態へ・・・
http://www.youtube.com/watch?v=xfPVokYNbUs

「Del-Ray」
サイケなボンゴ・グルーヴにラテンなティンバレス&ロッキン・ギターが絡む、Nasser Bouzidaらしいセンスの1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=E0LtIlKZ9i4

「Badger Burgess」
サイケデリック・モッドな演奏にスウィンギング・ロンドン好きはグッとくるはず!フラワーな世界へトリップしそうです。

「Sad Curtis」
哀愁モードの仕上がりですが、スペイシーなトリップ・サウンドやレゲエ調のリズムといったヒネリが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=3SrJgNl5Nws

「House Of Voodoo」
Hip-Hop好きの人はグッとくるであろうブレイキン・ファンク。不気味なシンセの音色も印象的です。

「16th Century Troubador」
60〜70年代オルガン・ソウル・ジャズへのリスペクトを感じる1曲。愛嬌のあるメロディにNasser Bouzidaらしい茶目っ気を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=lxHG2iVbctc

「The Hoodwink」
クロスオーヴァー好きの人も気に入るであろう独特の音世界が展開されるコズミック・グルーヴ。ジワジワと高揚してくる感じが好きです。

「Psyche Yamm」
タイトルの通り、サイケ・モードのモッド・チューン。Nasser Bouzidaらしい毒っ気も効いています。

「Ferris Wheel」
サイケディリック&モッドなオルガン・グルーヴ。サイケなトリップ感とモッドなスタイリッシュ感が上手くバランスしています。タイトルは60年代後半に活動していたUKのスウィンギング・ロンドン系グループThe Ferris Wheelを意識したものなのでしょか???

「Victoria Park」
The Bongolianらしいスペイシー・モードのオルガン・グルーヴ。淡々とした展開ですが、これはこれでクセになりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=u_pi0MWB4V8

「Soul Caravan」
僕の一番のお気に入り。ボンゴ・ブレイク炸裂のグルーヴィー・ソウル・ジャズ。60年代オルガン・ソウル・ジャズを21世紀モードに仕上げたといった趣です。思わず体を揺らしてしまいます!サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=VK-aQ2_uzCo

「Freddie's Dreaming」
60年代テイストの哀愁オルガン・グルーヴにマッド・シンセが加わった本作らしい仕上り。ラテン・フレイヴァーやモータウン・テイストも散りばめられています。
http://www.youtube.com/watch?v=_VcM-6ftYiE

「Routemaster Ride」
ラストはクラブジャズ好きにも歓迎されそうなボッサ・テイストの小粋なジャズ・チューン。

The Bongolianの過去記事もご参照下さい。

『The Bongolian』(2002年)
Bongolian

『Outer Bongolia』(2007年)
Outer Bongolia

ご興味のある方はBig Boss Manのアルバムもチェックを!

Big Boss Man『Humanize』(2001年)
Humanize

Big Boss Man『Winner』(2006年)
Winner

Big Boss Man『Full English Beat Breakfast』(2009年)
Full English Beat Breakfast
posted by ez at 03:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

The S.O.S. Band『On the Rise』

Jam & Lewisが大きく関与し、グループのターニング・ポイントとなった1枚☆The S.O.S. Band『On the Rise』
On the Rise
発表年:1983年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ブラコン
気分は... :懲りないねぇ・・・

さて、今日は大好きなThe S.O.S. Bandの4thアルバム『On the Rise』(1983年)です。

80年代に活躍したアトランタ出身のブラコン・グループThe S.O.S. Bandに関して、これまで当ブログで紹介してきた作品は以下の3枚。

 『Too』(1981年)
 『Just the Way You Like It』(1984年)
 『Sands of Time』(1986年)

今回紹介する『On the Rise』(1983年)は、後のスーパー・プロデューサーJimmy Jam & Terry Lewis(Jam & Lewis)が大きく関与し、「Just Be Good To Me」「Tell Me If You Still Care」という2大名曲を世に送り出したアルバムとして知られています。

前作『S.O.S. Band III』(1982年)収録の「High Hopes」で、初めてThe S.O.S. Bandに楽曲提供したJam & Lewisでしたが、本作の成功をきっかけに二人はスーパー・プロデューサーへの道を歩み始めたと言えるでしょう。また、デビュー・ヒット「Take Your Time (Do It Right)」以来、低空飛行が続いていたバンドにも再び浮力が加わることになりました。

本作時点でのバンド・メンバーはJason Bryant(key、vo)、Mary Davis(vo)、Billy Ellis(s)、Sonny Killebrew(s)、Abdul Raoof(tp、vo)、John Simpson(b)、Bruno Speight(g)、Jerome Thomas(ds、per)という編成です。やはり、紅一点Mary Davisのヴォーカルに惹かれますね。

本作は全8曲中、Jam & Lewisプロデュース曲は「Just Be Good To Me」「Tell Me If You Still Care」という2大ヒットを含む冒頭3曲であり、残りはGene Dozierがプロデュースしています(一部、グループとの共同プロデュースも含む)。

正直、Jam & Lewisプロデュース3曲との差は歴然ですが、それでもアルバムが魅力的な作品であることには変わりありません。

本作に続き、『Just the Way You Like It』(1984年)、『Sands of Time』(1986年)とJam & Lewisとの黄金タッグでミラクルなアルバムを連発することになります。

「Just Be Good To Me」「Tell Me If You Still Care」という2大名曲をシングル・エディットではない、フル・ヴァージョンで満喫しましょう!

Jam & Lewis好きの必須アイテムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Tell Me If You Still Care」
Jam & Lewisプロデュース1曲目。アルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第5位となりました。メロウ・サイドのJam & Lewis作品のプロトタイプのような名曲ですね。後のこの切ないメロウ・チューンのイントロを聴いただけで学生時代の甘酸っぱい想い出が走馬灯のように駆け巡ります。そのせいか、この曲を聴くと胸の奥が疼きます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Uf-WQrB6EUE

本曲と言えば、当ブログでも紹介したMonicaのカヴァーが有名ですね。また、サンプリング・ソースとしても大人気ですね。主なところを挙げると、DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「I'm Looking for the One (To Be With Me)」、Prince Markie Dee feat.Joe 「All My Love All the Time」、Mariah Carey feat. Da Brat & Xscape「Always Be My Baby (Mr. Dupri Mix)」、Foesum「Don't Get It Twisted」、Scarface feat. 2Pac & Johnny P「Smile」、Celly Cel「Broken Home」、Janet Jackson feat. Nelly「Call on Me」、Smitty feat. Chris Brown & Mario「Tell Me」、Rakim「New York to Cali」等があります。

Monica「Tell Me If You Still Care」
 http://www.youtube.com/watch?v=LIPa9eE8O1s
DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「I'm Looking for the One (To Be With Me)」
 http://www.youtube.com/watch?v=6JsgY2PXWAg
Prince Markie Dee feat. Joe「All My Love All the Time」
 http://www.youtube.com/watch?v=5ZpgqNvWISs
Mariah Carey feat. Da Brat & Xscape「Always Be My Baby (Mr. Dupri Mix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=lcw_i3Hituw
Foesum「Don't Get It Twisted」
 http://www.youtube.com/watch?v=xb7Gtqv25AE
Scarface feat. 2Pac & Johnny P「Smile」
 http://www.youtube.com/watch?v=j6DfebGWwyE
Celly Cel「Broken Home」
 http://www.youtube.com/watch?v=Eq8z1UGnQCM
Janet Jackson feat. Nelly「Call on Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=rlWDt35aIOw
Smitty feat. Chris Brown & Mario「Tell Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=YiuF9SSixR4
Rakim「New York to Cali」
 http://www.youtube.com/watch?v=J87D0_T7jXQ

「Just Be Good To Me」
Jam & Lewisプロデュース1曲目。アルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第2位となりました。Jam & Lewisの運命を切り開いた1曲と言っても過言ではないでしょう。Jam & Lewisの原点ともいうべきミディアム・グルーヴです。スペイシーなメロウ・ファンク・サウンドとMary Davisのヴォーカルが実にマッチしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=khj9jyNvhpQ

本曲もサンプリング・ソースとして、あまりに有名ですね。当ブログでも紹介した全英チャートNo.1となったBeats International「Dub Be Good to Me」が最たる例ですかね。それ以外にもWhitney Houston「I Belong to You」、The Bizzie Boys「Turntable Scientist」、2Pac feat. Richie Rich & Lady Levi「Heavy in the Game」、Chubb Rock feat. KRS-One「Reputation」、Silkk the Shocker feat. Master P, Destiny's Child & Mo B. Dick「Just Be Straight With Me」、DJ Shadow「Just Be Good to Me」、50 Cent feat. Dr. Dre「Come & Go」、Messy Marv「To Whom It May Concern」、O.S.T.R.「Zywy Lub Martwy」、「Przez Stress」、Professor Green feat. Lily Allen「Just Be Good to Green」、Shayne Ward「Just Be Good To Me」、Karmah「Just Be Good To Me」、The Revenge「Just Be Good To Me」等挙げたら限りない感じですね。Deborah Coxのカヴァーもありました。

Beats International「Dub Be Good to Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=-MnELifX3sQ
Whitney Houston「I Belong to You」
 http://www.youtube.com/watch?v=0JTLENvsq0A
2Pac feat. Richie Rich & Lady Levi「Heavy in the Game」
 http://www.youtube.com/watch?v=0vcWq4HDZoI
Silkk the Shocker feat. Master P, Destiny's Child & Mo B. Dick「Just Be Straight With Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=wm78ZnUYLf8
50 Cent feat. Dr. Dre「Come & Go」
 http://www.youtube.com/watch?v=pTDLjyXzAF4
Jim Jones「Stay Ballin」
 http://www.youtube.com/watch?v=yVWyZhguOik
Messy Marv「To Whom It May Concern」
 http://www.youtube.com/watch?v=MYUkXgZXoPA
O.S.T.R.「Przez Stress」
 http://www.youtube.com/watch?v=yWJS8kvoG-4
Professor Green feat. Lily Allen「Just Be Good to Green」
 http://www.youtube.com/watch?v=7Kk-dgcTSwY
Shayne Ward「Just Be Good To Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=o-DUr66Obus
Karmah「Just Be Good To Me」 
Police「Every Breath You Take」とのマッシュ・アップ
 http://www.youtube.com/watch?v=oROoI-bYgGQ
The Revenge「Just Be Good To Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=iarpG5o9DLA
Deborah Cox「Just Be Good To Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=zv4RJ62wraI

「For Your Love」
Jam & Lewisプロデュース3曲目。前述の2曲のインパクトの大きさのせいで割を喰っている感もありますが、本曲もJam & Lewisのダンサブル・チューンの典型ですね。Mary Davisのヴォーカルも実に栄えています。Jam & Lewis好きであれば、誰しも興奮する曲調ですね。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=OQX5capSSTY

「I'm Not Runnin'」
本曲にはレア・グルーヴ好きにはお馴染みTravis Biggsがソングライティングに関与しています。Jam & Lewisプロデュース曲と比較するのは酷ですが、それなりのディスコ・チューンに仕上がっています。

「If You Want My Love」
小気味良いエレクトリック・ファンクに仕上がっています。僕の好みからすると多少ビミョーですが、力強さはあると思います。

「On The Rise」
タイトル曲はB級感あふれるアップ・チューン。目指すところはJam & Lewisプロデュース曲と変わらないのに、少し野暮ったさが出てしまっているかもしれません。

「Who's Making Love」
Johnnie Taylorの大ヒット曲をカヴァー(Homer Banks/Bettye Crutcher/Don Davis/Raymond Jackson作)Jam & Lewisプロデュース曲以外で一番好きな曲。Jam & Lewisプロデュースではないにも関わらず、サウンドがミネアポリス・ファンクっぽいのが面白いですね。

「Steppin' The Stones」
ラストはMary Davisがパンチの効いたヴォーカルをかましてくれるミディアム・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=d9WGi6Q9cpE

The S.O.S. Bandの過去記事もご参照下さい。

『Too』(1981年)
Too

『Just the Way You Like It』(1984年)
ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・ライク・イット+4

『Sands of Time』(1986年)
サンズ・オブ・タイム+4
posted by ez at 08:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする