発表年:1972年
ez的ジャンル:何でもあり系ブラジリアン・ロック
気分は... :大丈夫?サッカーU23代表!
男子サッカーのロンドン五輪アジア最終予選の大一番「シリア対日本」が明日に迫ってきました。
攻撃の要となる清武が離脱し、攻撃陣がコマ不足の感が否めないU23代表です。海外組の召集状況も含めて、協会はこれが大一番という認識が希薄なのでは?
今さらメンバー変更できないので、現行メンバーでいかに戦うかですが、個人的には引き分け勝ち点1で充分だと思っています。創造性に欠けても手堅い試合運びを期待します。万が一、リードされるような展開になった場合のジョーカー的存在としてMF齋藤に注目しています。まずはそのような展開にならないことを願いますが・・・
さて、今回はブラジルを代表するロック・グループOs Mutantesの5thアルバム『Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets』(1972年)です。
Os Mutantesの紹介は、サイケなデビュー・アルバム『Os Mutantes』(1968年)に続き2回目となります。また、グループの紅一点Rita Leeの初ソロ『Build Up』(1970年)も紹介済みです。
デビュー時はサイケ・ロックの印象が強かったOs Mutantesですが、前作となる4th『Jardim Eletrico』(1971年)あたりから変化の兆しを見せ、5thアルバムとなる本作ではへヴィ・ロック、プログレ・ロックの要素を強めていきます。
本作におけるメンバーは、Arnaldo Baptista(vo、key)、Sergio Dias(vo、g)のDias兄弟、紅一点Rita Lee(vo、key)というオリジナル・メンバー3名に、Liminha(b)、Dinho Leme(ds)を加えた5人編成です。
必ずしもOs Mutantesを代表するアルバムだとは思いませんが、ジャケが好きなのと、Rita Leeが在籍した最後のアルバムであることと、意外に入手しづらいアルバムにも関わらず、某CDショップの在庫処分セールで廉価でゲットできたことなどが重なり、僕にとっては愛着のある1枚になっています。
先にへヴィ・ロック、プログレ・ロックの要素を強めたと書きましたが、実際にはロックン・ロールあり、アシッド・フォークあり、ラテン・ロックあり、美メロ・バラードありと、かなりバラエティに富んだ1枚に仕上がっています。欧米ロックからの影響が明らかですが、それを悪びれず貪欲に採り入れてしまう潔さが魅力の1枚だと思います。
本作を最後に目指す音楽性の違いからRita Leeがグループを脱退します。そして、彼女はソロ・アーティストとしてブラジル・ロックの女王の地位を確立していきます。
全曲紹介しときやす。
「Posso Perder Minha Mulher, Minha Mae, Desde que Eu Tenha o Rock and Roll」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Liminha作。やたらタイトルが長いオープニング(笑)。まずは軽くリラックスといった雰囲気のロックン・ロールです。
http://www.youtube.com/watch?v=RqiT6CGBXyU
「Vida de Cachorro」
オススメその1。Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias作。Rita Leeの寂しげなヴォーカルを前面にフィーチャーした美しくも切ないアシッド・フォーキー。
http://www.youtube.com/watch?v=GozcMt2hpQA
「Dune Buggy」
オススメその2。Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias作。タイトルの通り、ブギー・ロックです。なかなかエキサイティングな演奏にテンション上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=RbnsjEgY1og
「Cantor de Mambo」
オススメその3。Arnaldo Baptista/Elcio Decario/Rita Lee作。アルバムで一番のお気に入りはラテン・ロックです。この時期のUSラテン・ロック/チカーノ・ロックあたりとセットで聴いてもマッチすると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vRodU7GLnhQ
「Beijo Exagerado/Todo Mundo Pastou」
Arnaldo Baptista/Rita Lee/Sergio Dias作の「Beijo Exagerado」はジミヘンあたりの影響を感じるドライブの効いたロック・チューン。最後にIsmar S. Andrade "Bororó"作の「Todo Mundo Pastou」がインタールードのように流れます。。
http://www.youtube.com/watch?v=eYyOmaLz8pM
「Balada do Louco」
Arnaldo Baptista/Rita Lee作。Arnaldo Baptistaの感動的なヴォーカルと美しいメロディにグッとくるバラード。聴いていると、Raspberriesのバラード曲を思い出してしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=6yBI7y6-9fQ
「A Hora e a Vez do Cabelo Nascer」
Mutantes/Liminha作。70年代ブリティッシュ・ロックがお好きな人であれば、気に入るであろうギター・リフが聴けるへヴィ・ロック。
http://www.youtube.com/watch?v=87vwhDPA8Z4
「Rua Augusta」
Herve Clodovil。USのルーツ音楽のテイストを織り交ぜたロック・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Zha7nmB2UfM
「Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets」
Mutantes/Dinho Leme/Liminha作。タイトル曲は10分近くにおよぶサイケなジャズ・ロック・チューン。終盤はプログレ・モードです。
http://www.youtube.com/watch?v=IlmWBSpF41k
「Todo Mundo Pastou II」
Ismar S. Andrade "Bororó"作。ラストはリラックス・モードでアルバムは幕を閉じます。
他のOs Mutantes作品もチェックを!
『Os Mutantes』(1968年)
『Mutantes』(1969年)
『A Divina Comedia Ou Ando Meio Desligado』(1970年)
『Jardim Eletrico』(1971年)
Rita Lee『Build Up』(1970年)