2012年02月06日

Herbie Hancock『Empyrean Isles』

人気曲「Cantaloupe Island」収録☆Herbie Hancock『Empyrean Isles』
エンピリアン・アイルズ+2
録音年:1964年
ez的ジャンル:新主流派ジャズ
気分は... :スーパーボウルの行方は・・・

男子サッカーのロンドン五輪アジア最終予選の大一番「シリア対日本」は、2日前の記事で書いた懸念が現実のものになってしまいました。メンバー編成も含めて、敗れるべくして敗れた感がありますね。2失点ともにGK権田が目立つかたちになってしまいましたが、それだけではない日本の弱点が浮き彫りになってしまった気がします。ロンドン行きの切符を何としても手にするという気迫に欠けていた気がします。

ただし、下を向いていても仕方がないので、これも1つのショック療法と考え、残り2戦を必死に戦ってくれることを願うばかりです。ある意味、大量得点で勝利するしかないというベクトルで意思統一できる点では、開き直ったプレーを期待できるのでは?攻撃的な戦いができるようにメンバーを再考して欲しいですね。

今回はスーパー・ピアニストHerbie Hancockが1964年録音した『Empyrean Isles』です。

これまで紹介したHancock作品は以下の7枚(録音年順)。

 『Inventions And Dimensions』(1963年)
 『Maiden Voyage』(1965年)
 『Speak Like A Child』(1968年)
 『The Prisoner』(1969年)
 『Fat Albert Rotunda』(1969年)
 『Thrust』(1974年)
 『Sunlight』(1978年)

『Takin' Off』(1962年)、『My Point of View』(1962年)、『Inventions And Dimensions』(1963年)に続く4枚目のリーダー作となる本作『Empyrean Isles』ですが、本作の注目曲と言えば、まず「Cantaloupe Island」になってしまいますね。

アシッド・ジャズ・ブーム時の1993年にUS3が本曲をサンプリングした「Cantaloop」が大ヒットしたことによって、Herbie Hancockファンやジャズ・ファン以外にも広く「Cantaloupe Island」という曲を知らしめることとなりました。

US3「Cantaloop」
 http://www.youtube.com/watch?v=JwBjhBL9G6U

恥ずかしながら、僕もUS3「Cantaloop」のシングルを購入した後に、サンプリング・ソースの「Cantaloupe Island」が収録された本作『Empyrean Isles』を入手した次第です。

レコーディング・メンバーは、Herbie Hancock(p)、Freddie Hubbard(cornet)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)というMiles Davisの第二期黄金クインテットのリズム隊にFreddie Hubbardが加わったカルテット編成です。

どうしても「Cantaloupe Island」収録のアルバムという扱いを受けてしまう本作ですが、ジャズ好きの方からすれば、聴きどころはオリジナルLPのA面に収録された「One Finger Snap」「Oliloqui Valley」の2曲こそが本作のハイライトになると思います。

まぁ、堅苦しいことは考えず「Cantaloupe Island」を楽しむも良し、「One Finger Snap」「Oliloqui Valley」のモーダルな演奏を楽しむも良し!といったところでしょうか。

全曲紹介しときやす。

「One Finger Snap」
正統派ジャズ・ファンにとっては、「Cantaloupe Island」ではなくFreddie Hubbardのプレイが冴える本曲がハイライトかもしれませんね。スリリング&スタイリッシュな演奏で突き抜け、ラストはTony Williamsのドラム・ソロで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=udCbtl7YEf4

「Oliloqui Valley」
Ron Carterのミステリアスなベースと共にスタートするモーダル・チューン。Herbie Hancockらしい美意識のある音世界を満喫できる演奏です。HerbieやFreddieのソロも快調です。でも本曲における陰の主役はRonなのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=LJpFkgiPpEk

本曲はサンプリング・ソースとしても知られ、『Blue Break Beats』のコンピにも収録されています。冒頭のRon CarterのベースがEric B. & Rakim「Untouchables」、Simple E「Play My Funk」、Colle Der Fomento「Elfo Scuro」等でサンプリングされています。

Eric B. & Rakim「Untouchables」
 http://www.youtube.com/watch?v=blNHOb3gfJA
Simple E「Play My Funk」
 http://www.youtube.com/watch?v=r8yBBdwyhXk
Colle Der Fomento「Elfo Scuro」
 http://www.youtube.com/watch?v=fbwms5MODKI

「Cantaloupe Island」
前述のように、本作の注目曲。US3「Cantaloop」を聴き慣れていると、テンポがゆっくりしていると感じるかもしれませんね。淡々とした演奏ですが、お馴染みのリズムとFreddieの例のフレーズを聴くと、思わずニンマリしてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=8B1oIXGX0Io

US3「Cantaloop」以外にも、Pat MethenyMilton Nascimento、El Chicano、Hugh Masekela等数多くのアーティストがカヴァーしています。お気に入りのカヴァーをいくつか紹介しておきます。

El Chicano「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=SsxFVCws760
Brian Bromberg「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=tI3pNBqvoXE
Poncho Sanchez「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=mOpmMDj8IZI
Hugh Masekela「Cantaloupe Island」
 http://www.youtube.com/watch?v=e8zl17xBpwA

「The Egg」
ラストは約14分のフリー&アブストラクトな演奏です。きちんと聴けば、いろいろ聴きどころがありますが・・・ジャズ中級者以上向けの演奏かもしれませんね。"永遠のジャズ初心者"である僕の場合、いつもこの曲はスキップしてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=oJxnYkU84zw

CDには「One Finger Snap」「Oliloqui Valley」の別テイクがボーナス・トラックとして収録されています。

Herbie Hancock作品の過去記事もご参照下さい。

『Inventions And Dimensions』(1963年)
Inventions & Dimensions

『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

『Speak Like A Child』(1968年)
スピーク・ライク・ア・チャイルド

『The Prisoner』(1969年)
ザ・プリズナー

『Fat Albert Rotunda』(1969年)
ファット・アルバート・ロトゥンダ<紙ジャケット仕様>

『Thrust』(1974年)
Thrust

『Sunlight』(1978年)
Sunlight

さて、今日は間もなくNFLスーパーボウルです。
昨日までイマイチ気分が盛り上がりませんでしたが、直前になるとさすがにテンション上がってきますね。

正直、ペイトリオッツ、ジャイアンツのどちらにも特別な思い入れはありませんが、力関係でいけばジャイアンツが先行し、ペイトリオッツが追いかける展開の方が面白いですね。

Madonnaのハーフタイム・ショーも楽しみです。どんな選曲になるんですかね?
posted by ez at 06:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする