発表年:2011年
ez的ジャンル:ジャーマン・ソウル・ディーヴァ
気分は... :現行USソウル/R&B以上に雰囲気あります!
今回はドイツのクイーン・オブ・ソウルJoy Denalaneの3rdアルバム『Maureen』(2011年)です。
ベルリンを拠点に活動するアフリカ系ドイツ人のR&Bシンガー。Joy Denalaneの紹介は、2nd『Born & Raised』(2006年)に続き2回目となります。
『Born & Raised』はモロに僕好みのソウル作品であり、『ezが選ぶ2006年の10枚』でセレクトしたほどのお気に入りでした。
そんな中で約5年ぶりの新作リリースに期待が高まったものです。
リリースされたのは昨年5月だったのですが、日本への流通状況があまり良くなった分、価格も若干高めだったため、しばらく購入を控えていました。内容が僕好みであることはわかっていたため、もどかしい状況が続きましたが、価格が落ち着いた昨年後半にようやくゲットすることができました。
前作『Born & Raised』は、全曲英語で歌われ、Lupe Fiasco、Raekwonといった大物USアーティストがゲスト参加していました。
それに対して、本作『Maureen』は1曲の除きドイツ語で歌われ、有名USアーティストのゲスト参加もありません。しかしながら、ドイツのクイーン・オブ・ソウルの名に恥じない極上のレディ・ソウル作品に仕上がっています。
前作『Born & Raised』もそうでしたが、70年代ソウルとネオ・ソウルを上手くバランスさせたソウル・テイストが実にいい雰囲気を醸し出してくれます。
Joyの旦那様でもあるドイツ人アーティストMax Herreらのプロデュース・ユニットKAHEDI、Jill Scott、Jazmine Sullivan、Vikter Duplaix等を手掛けたAnthony Bell、Jill Scott、Estelle等を手掛けたSteve McKieらがプロデュースを務めています。さらに前作に続きLarry Goldがストリングス・アレンジを担当しています。
実にいい雰囲気のソウル作品だと思います。
たまにはドイツ語ソウルも良いですよ!
全曲紹介しときやす。
「Niemand (Was Wir Nicht Tun)」
アルバムのリード・シングルにもなったオープニング。Curtis Mayfield風ファルセットがソウル好きの心をくすぐるソウル・チューンです。本作を貫くソウル愛を象徴する1曲です。KAHEDIプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=rgHBV7AonEg
「Frei」
哀愁モードの仕上がり。ジャジー感覚も含めてヨーロピアン・テイストのソウル・チューンに仕上がっています。KAHEDIプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=lEai93xS79I
「Der Tag Ist Nah」
アルバムの中でも屈指の1曲。最近のUSソウル/R&B作品でもなかなか聴けない、懐かしいけど古めかしくない雰囲気のあるソウル・チューンに仕上がっています。Joy Denalaneというシンガーの魅力が存分に伝わってきます。Larry Goldによるストリングス・アレンジもグッド!Steve McKieプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=cMY4ziK6Eyg
「Nie Wieder, Nie Mehr」
J-Luvの名でも知られるドイツ人男性シンガーJulian Williamsとのデュエットによる哀愁ソウル。Curtis Mayfield作のThe Five Stairsteps「Danger! She's A Stranger」を引用したトラックに思わずニンマリしてしまいます。KAHEDIプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=s6v4gewNEbQ
「Bin Und Bleib Dein」
印象的なピアノラインと美しいメロディとエモーショナルなヴォーカルが琴線に触れる素晴らしいバラード。Alicia Keys「You Don't Know My Name」が好きな人であれば気に入ると思います。Anthony Bellプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=NuGwpcPcKNU
「Wo Wollen Wir Hin Von Hier?」
イントロとアウトロでThe Momentsの名バラード「Love On A Two Way Street」が流れてくるネオ・ソウル・チューン。Steve McKieプロデュース。70年代ソウルとネオ・ソウルを上手く融合させているのがいいですね。このあたりはSteve McKieの手腕でしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=Pb0anhhTzYw
「Siehst Du Mich」
サラッとした感触のネオ・ソウル・チューン。アルバムの中のブリッジ的な1曲かもしれません。Steve McKieプロデュース。
「Lass Es Liebe Sein」
密かにお気に入りのネオ・ソウルなメロウ・チューン。Diana Rossがネオ・ソウルを歌っているような雰囲気が僕好みです。Steve McKie & Dan Raafプロデュース。
「Happiness」
当ブログでも紹介したHeatwave「Happiness Togetherness」(アルバム『Central Heating』収録)のカヴァー。オリジナルと同様にワルツ調リズムのエレガント&ソフトリーな仕上りです。Paul "Gooch" Cantorプロデュース。
「Rosen」
ラテン・フレイヴァーのグルーヴィー・ソウル。じっくりと聴かせる曲が多い本作ですが、本曲はグルーヴィーに盛り上げてくれます。気分はマイアミといった感じですね。KAHEDIプロデュース。
「Du Allein」
Love Unlimited「Share A Little Love In Your Heart」をサンプリングした哀愁ソウル・バラード。Paul "Gooch" Cantorプロデュース。
「Mehr Als Wir」
ラストは重厚のある曲で締め括ってくれます。Larry Goldによるドラマティックなストリングス・アレンジが印象的です。Steve McKieプロデュース。
1st『Mamani』(2003年)、2nd『Born & Raised』(2006年)も素晴らしい作品なので、ぜひチェックを!
『Mamani』(2002年)
『Born & Raised』(2006年)