録音年:1966年
ez的ジャンル:ファンキー系三管フロント・ジャズ
気分は... :スカイ・ハイ以外のByrdもどうぞ!
今回はジャズ・トランペット奏者Donald Byrdの『Mustang』(1966年)です。
これまで当ブログで紹介したDonald Byrd作品は以下の3枚です。
『Black Byrd』(1972年)
『Street Lady』(1973年)
『Places and Spaces』(1975年)
いずれもMizell兄弟が率いるSky High Production(以下スカイ・ハイ)絡みの作品ばかりでしてた。
レア・グルーヴ好きは、どうしても『Black Byrd』(1972年)、『Street Lady』(1973年)、『Stepping into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)、『Caricatures』(1976年)というスカイ・ハイ作品のイメージが強いかもしれませんね。
確かに、一連のスカイ・ハイ作品はDonald Byrdのキャリアのハイライトの1つかもしれませんが、それ以外にも聴くべき作品は多数あると思います。そんな中から今回は『Mustang』(1966年)をセレクト。『Fuego』(1959年)、『A New Perspective』(1963年)の3枚からどれにするか迷ったのですが、最後に決め手となったのはジャケでしょうか(笑)
レコーディング・メンバーは、Donald Byrd(tp)、Hank Mobley(ts)、Sonny Red(as)、McCoy Tyner(p)、Walter Booker(b)、Freddie Waits(ds)という編成です。
やはり、Donald Byrd、Hank Mobley、Sonny Redによる三管フロントに注目ですね。あとは前年にJohn Coltraneのグループを離れたMcCoy Tynerがさすがのプレイを聴かせてくれます。
ジャズ・ロックな「Mustang」、「Dixie Lee」、疾走感にグッとくる「Fly Little Bird Fly」、「I'm So Excited By You」、美しい「I Got It Bad And That Ain't Good」、小粋な「On The Trail」とバラエティに富んだ構成で楽しめる1枚になっています。
セクシー・ジャケにグッときた人は、ぜひ演奏もチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Mustang」
ヒットしたタイトル曲はSonny Red作品。キャッチーなジャズ・ロック・チューンです。ボッサ・ビートを取り入れたファンキーな仕上がりがいいですね。三管のソロもいいですが、McCoy Tynerのピアノがいい味出していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=WUAIvNrtCsE
「Fly Little Bird Fly」
Donald Byrd作。McCoy Tynerのピアノが牽引するスピード感溢れる演奏にグッときます。そんなTynerのピアノに続き、三管も格好良いソロをそれぞれ聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=B8kJ43O1-0U
「I Got It Bad And That Ain't Good」
Paul Francis Webster/Duke Ellington作。Duke Ellington作のジャズ・スタンダードをカヴァー。美しくも味わい深いバラード、 ByrdのトランペットやMobleyのテナーがリリカルに響きます。
http://www.youtube.com/watch?v=KbEvw6FME0k
「Dixie Lee」
Donald Byrd作。タイトル曲同様、ファンキーなジャズ・ロックです。思わずハンドクラップしたくなるキャッチーさです。三管のソロも痛快でグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=EmB4KBzf-3U
「On The Trail」
Ferde Grofe作。「Grand Canyon Suite(グランド・キャニオン組曲)」の中の1曲で、多くにジャズ・ミュージシャンによって演奏されているスタンダード。ここでは小粋なセンスの演奏を聴かせてくれます。Byrdは控えめですが、Red、Mobleyが快調なプレイを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=kRmzHva0Zyc
「I'm So Excited By You」
Donald Byrd作。ストレート・アヘッドなハードバップ・チューン。Byrd〜Mobley〜Redとカッチョ良いソロが受け継がれていくのがたまりません。クラブジャズ好きであれば、気に入る疾走感のある演奏だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=XXkaF2sH8A0
CDには「Gingerbread Boy」(Jimmy Heath作)、「I'm So Excited By You」 (First Version)の2曲が追加収録されています。
この2曲は1964年のレコーディングであり、メンバーはDonald Byrd(tp)、Jimmy Heath(ts)、McCoy Tyner(p)、Walter Booker(b)、Joe Chambers(ds)という構成です。
Donald Byrd作品の過去記事もご参照下さい。
『Black Byrd』(1972年)
『Street Lady』(1973年)
『Places and Spaces』(1975年)