発表年:2011年
ez的ジャンル:シティ・ミュージック系MPB
気分は... :早くも2012年のマイ・ベスト10入り確実か!
日本でも人気のブラジル人ギタリスト/シンガーCelso Fonsecaの新作『No Meu Filme』です。
昨年末発売ですが、日本で流通するようになったのが今年に入ってからなので、2012年の新作扱いで構わないでしょう。
現在のブラジル音楽シーンを代表するギタリスト/シンガー/コンポーザー/プロデューサーCelso Fonsecaに関して、当ブログではこれまで5枚のアルバムを紹介済みです。
『Paradiso』(1997年) ※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
『Natural』(2003年)
『Rive Gauche Rio』(2005年)
『Pagina Central』(2009年) ※Marcos Valle & Celso Fonseca名義
単独のオリジナル・スタジオ作としては『Feriado』(2007年)以来となります。
さて、その最新作『No Meu Filme』ですが、ブラジル音楽にも広くアピールするAOR/シティ・ミュージック感覚の1枚に仕上がっています。特に80年代AOR/シティ・ミュージックがお好きな人は、Celso Fonsecaやブラジル音楽に馴染みが薄くてもすんなり聴くことができる1枚だと思います。特に"シティ・ミュージック"という形容がよく似合う内容になっています。
プロデュースはCelso Fonseca自身が務め、アレンジはEduardo Souto Neto、Serginho Tromboneの2名が担当しています。
さらにレコーディングにはCelso Fonseca(g、violao、vo)以下、Jorjao Barreto(key)、Fabio Lessa(b)、Jamil Joanes(b)、Flavio Santos(ds)、Cassio Duarte(per)、Serginho Trombone(tb)、Altair Martins(tp)、Marcio Andre Moreira(tp)、Jesse Sadoc(flh)、Henrique Band(bs、fl)、Carlos Bigorn(ts、fl)、Ze Canuto(as、fl)、Marcelo Martins(fl)等が参加しています。
全曲彼のオリジナルであり、盟友Ronaldo Bastosとの共作も3曲含まれます。
ライト&メロウ好きな人はぜひチェックして欲しい1枚です。
Celsoのジェントルなヴォーカルが都会的なサウンドに落ち着きを持たせ、至極のシティ・ミュージックへ昇華させています。また、派手さはありませんが、随所で彼の素晴らしいギターを堪能できます。
僕の中では早くも2012年のマイ・ベスト10入り確実!といった気分です。
全曲紹介しときやす。
「Alegria de Viver」
オススメその1。AOR/シティ・ミュージックな本作の作風を象徴しているオープニング。このオープニングでKOされてしまいました。爽快かつ都会的なサウンド、流麗なストリングス、Celsoのジェントルなヴォーカルが微風のように心地好い気分にさせてくれます。Celso Fonseca作。
「Indigo」
オススメその2。気分は80年代モードのセンチメンタルなシティ・ボッサ・ポップといったところでしょうか。ここでもストリングス・アレンジの妙に感心してしまいます。Celso Fonseca作。
「No Meu Filme」
オススメその3。Celso Fonseca作。タイトル曲はCelsoらしいメロディ&ヴォーカルを満喫できる大人のアーバン・メロウ。ネクタイ姿でポーズをキメるジャケのイメージそのままです。素晴らしいホーン・アンサンブルがアーバン気分を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8XeJWnGTDzk
「Agora Dancei」
オススメその4。Celso Fonseca/Ronaldo Bastos作。イントロからして胸トキメク!これぞシティ・ミュージックって雰囲気の1曲。Celsoのジェントル・ヴォーカルが爽快かつ都会的なサウンドに実にマッチしています。ホーン&ストリングス・アレンジもサイコー!文句のつけようがない仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=lRmZfM5gB0Q
「Linda」
Celso Fonseca/Ronaldo Bastos作。美しくロマンティックなバラード。壮大なオーケストレーションが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=a3Xs7FV-2IM
「Maio e Junho」
Celso Fonseca/Ronaldo Bastos作。ミステリアス&エキゾチックな雰囲気の1曲。アルバムのいいアクセントになっています。
「Enquanto Espero Voce Chegar」
オススメその5。爽快に疾走するブリージンなシティ・ミュージック。Celsoのジェントル・ヴォーカルが全体に落ち着きを持たせているのも聴き心地のよさにつながっています。Celso Fonseca作。
「Nos Dois Somos Tudo」
哀愁モードの仕上り。男の哀愁漂います。ただし、ポルトガル語の響きのせいか、それほど湿っぽくないのがいいですね。Celso Fonseca作。
http://www.youtube.com/watch?v=F9DDntyzdpA
「Depois de Voce」
オススメその6。イントロでCelsoの流麗なギターを堪能した後、込み上げ系のメロウ・チューンが展開されます。Celso Fonseca作。
「So Guarde O Que E Bom」
オススメその7。Celso Fonseca作。切れ味のあるホーン・セクションが疾走するグルーヴに厚みを増しています。本作には同タイプの曲がいくつかありますが、それを飽きさせない何かがあるのがCelsoの魅力ですね。
「Ficar」
オススメその8。Celso Fonseca作。黄昏モードのメロウ・チューン。Celsoのジェントル・ヴォーカルとメロウ・サウンドがじんわりと胸に沁みてきます。ストリングス・アレンジもお見事!
「Ninho Vazio」
Celso Fonseca作。ラストは映画音楽のようなエレガントで美しい仕上がり。アルバムの余韻に浸りながら、エンディングを迎えることができます。
Celso Fonsecaの過去記事もご参照下さい。
『Paradiso』(1997年)
『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
『Natural』(2003年)
『Rive Gauche Rio』(2005年)
『Pagina Central』(2009年)