2012年03月08日

George Benson『Absolute Benson』

完全ではありませんが、Bensonのギターを楽しめる1枚☆George Benson『Absolute Benson』
Absolute Benson
発表年:2000年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ジャズ・ギター
気分は... :マニングは行先は?

NFLファンには、コルツ退団が濃厚となったQBマニングの動向が気になりますね。

我が愛するドルフィンズもマニングの移籍候補先に挙がっていますが、個人的にはベテランを獲得するのであれば、もっと伸び盛りのQBを獲得して欲しいですね。

勝手なことを述べれば、マニングはアリゾナ・カーディナルスあたりがいいのでは?マニング−フィッツジェラルドのホットラインなんてワクワクしますよね。

今回はジャズ界を代表するスーパーギタリストGeorge Bensonの3回目の紹介です。

『Give Me The Night』(1980年)、『Standing Together』(1998年)に続き紹介するには、『Absolute Benson』(2000年)です。

George Bensonの場合、ジャズ・ギタリストとしての彼に期待するのか、コンテンポラリーな歌うギタリストとしての彼に期待するかで大きく作品の好き/嫌いが分かれてしまいますね。

そんな中で前回エントリーした『Standing Together』(1998年)や今回紹介する『Absolute Benson』(2000年)を好む僕のようなリスナーはかなり少数派かもしれません。

前回も書きましたが、僕がこれらの作品を好むのは、Bensonも参加した『Nuyorican Soul』(1997年)を仕掛けたハウス界のトップ・プロデューサー"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalez(Masters At Work)がプロデュースに関与しているからです。

要は"Nuyorican Soul"的なものをBenson作品にも求めているという邪道なニーズなのですが(笑)

本作『Absolute Benson』(2000年)では、『Standing Together』でエグゼクティブ・プロデューサーを務めたTommy LiPumaが全曲プロデュースし、「The Ghetto」「El Barrio」の2曲にLouie Vega/Kenny Gonzalezが共同プロデュースというかたちでクレジットされています。

極端な話をすれば、「The Ghetto」「El Barrio」の2曲があるから、本作がお気に入り!というのが僕の本音です。

レコーディング・メンバーは、Joe Sample(p、org、syn)、Ricky Peterson(org、syn)、Carlos Henriquez(b)、Christian McBride(b)、Vidal Davis(ds)、Steve Gadd(ds)、Cindy Blackman(ds)、Luis Conte(congas、timbales、per)、Luisito Quintero(per)、Claudia Acuna(back vo)、India(back vo)、Lisa Fischer(back vo)、Roy AyersRichard Shade(back vo)です。

なかなか多彩なメンバーですよね。特に女性バック・ヴォーカルでチリ出身の歌姫Claudia Acuna、『Nuyorican Soul』でお馴染みのIndia、R&Bファンにはお馴染みの名セッション・シンガーLisa Fischerという編成はなかなか興味深いものがあります。

上記2曲以外の7曲は、インストのみのいわゆるスムーズ・ジャズに仕上がっています。特に4曲がJoe Sample作品であり、Joe Sampleのコラボ的な色彩も強いですね。ジャズ・ギタリストGeorge Bensonを楽しむのであれば、それなりに楽しめると思います。

タイトル通りに、完全なBenson作品かどうかはビミョーですが、僕のような嗜好の人間には結構楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Ghetto」
オープニングはDonny HathawayLeroy Hutsonでお馴染みの名曲「The Ghetto」のカヴァー(Donny Hathaway/Leroy Hutson/Alfred Eaton/Todd Shaw作)。Louie Vega/Kenny Gonzalezがプロデュースを手掛け、Luisito Quinteroがパーカッションを叩き、IndiaやRoy Ayersまでバック・コーラスで参加という『Nuyorican Soul』好きにはたまらい1曲に仕上がっています。コンテンポラリー寄りな演奏ながら、ニューヨリカンなラテン・フレイヴァーを満喫できます。ゾクゾクするセクシーさがありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=7IegHWzCOo0

「El Barrio」
George Benson/Louie Vega/Kenny Gonzalez作。この曲もLouie Vega/Kenny Gonzalezがプロデュースを手掛けています。こちらはモロに『Nuyorican Soul』なクラブ仕様のアッパー・チューンです。"Percussion Maddnes"ことLuisito Quinteroのパーカッションとネオソウル好きにはDre & Vidalとしてお馴染みVidal Davisによるリズムをバックに、Bensonのギター&スキャットが駆け巡ります。やはり僕にとってのハイライトはこの曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=wuwM3i5_zTk

クラブミュージック好きはLouie Vega/Kenny GonzalezによるMAW Mixもチェックを!
「El Barrio(MAW Mix)」
http://www.youtube.com/watch?v=Ots5rVK5RFs

「Jazzenco」
Marc Antoine作。ラテン・フレイヴァーのインスト。Bensonのギターが奏でる哀愁のメロディとワルツ調リズムがいい感じです。

「Deeper Than You Think」
Joe Sample作。ここからはJoe Sample作品が続きます。コンテンポラリーなスムース・ジャズがお好きな人であれば、安心して聴ける1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=lSgCkfUNN78

「One on One」
Joe Sample作。いかにもBensonとJoe Sampleの共演といった演奏です。スムース・ジャズ好きの人はこういうのがいいんでしょうけど、正直僕には多少退屈ですね。

「Hipping the Hop」
Joe Sample作。前曲よりは演奏にメリハリがあっていいですね。

「Lately」
Stevie Wonder作品のカヴァー。オリジナルは『Hotter Than July』(1980年)に収録されています。Stevieの名バラードをロマンティックなギター・プレイで聴かせてくれます。

「Come Back Baby」
Ray Charles作品のカヴァー。ハモンドの音色がマッチするソウルフルな味わいの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Td6xg1mCUJI

「Medicine Man」
George Benson/Joe Sample作。ラストはBensonとSampleの共作です。コンテンポラリーな心地好さがありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=vgwq92xFUIA

George Bensonの過去記事もご参照下さい。

『Give Me The Night』(1980年)
Give Me the Night

『Standing Together』(1998年)
Standing Together
posted by ez at 09:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月07日

Jorge Ben『Salve Simpatia』

ブラジルのグルーヴ・マスターによるディスコ・サンバ☆Jorge Ben『Salve Simpatia』
サルヴィ・シンパチーア(BOM1452)
発表年:1979年
ez的ジャンル:ファンキー・ディスコ・サンバ
気分は... :アーセナルあと一歩・・・

サッカーUEFAUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦「アーセナル対ACミラン」の2ndレグは3対0でアーセナルが勝利しましたが、2戦合計4対3でACミランが勝利しました。

1stレグに0対4で敗れたアーセナルにはノー・チャンスだと思っていましたが、前半時点で3対0となり「奇跡が起こるかも?」と期待したのですが・・・そうは簡単にいきませんでしたね。まぁ、同じ1回戦敗戦でもアーセナル・ファンとして納得の試合でした。

今回はブラジルを代表する男性シンガー・ソングライターJorge Ben(Jorge Ben Jor)が1979年にリリースしたディスコ・サンバ作品『Salve Simpatia』です。

これまで当ブログで紹介したJorge Ben作品は以下の3枚です。

 『Forca Bruta』(1970年)
 『Africa Brasil』(1976年)
 『A Banda Do Ze Pretinho』(1978年)

本作は『A Banda Do Ze Pretinho』(1978年)に続くSom Libre移籍第二弾アルバムです。

この時期のJorge Benはディスコ・サンバ時代という位置づけになると思いますが、前作『A Banda Do Ze Pretinho』(1978年)は、それ程ディスコ・アルバムという印象は受けませんでした。

それと比較すると、本作のオープニングを飾る「Boiadeiro」はディスコ・サンバという気がしますね。

グルーヴ・マスターとしてのサンバ・ロック/ファンク魂が貫かれてたファンキー作品を期待する方であれば、十分楽しめる1枚だと思います。

本作で注目すべきは、本作以降に頭角を現すことになるコンポーザー/アレンジャー/キーボード奏者Lincoln Olivettiの参加です。彼が奏でるキーボード/シンセ・サウンドが本作に大きく貢献しています。

また、2曲目の「Ive Brussel」Caetano Velosoとのデュエットであり、ブラジル音楽シーンを牽引するスーパースター2人の共演は本作のハイライトの1つかもしれまえん。

ディスコ・サンバ作品と書くと、軽く見られてしまうかもしれませんが、アルバム全編を通じて隙のないよく出来た1枚だと思います。

それ程ブラジル音楽を聴かない人でも、ディスコ、ファンキー、メロウ&グルーヴィーといった言葉に反応する方であれば楽しめるはずです!

全曲Jorge Benのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Boiadeiro」
オススメその1。イントロのギター・カッティング、ファンキー・リズム&ホーン隊と格好良すぎるディスコ・サンバです。セクシーな女性コーラスも盛り上げてくれます。これぞグルーヴ・マスター!本曲のみAugusto de Agostoとの共作です。
http://www.youtube.com/watch?v=qGlBRJ2Y6M4

「Ive Brussel」
オススメその2。Caetano Velosoとのデュエット。ブラジル音楽シーンを牽引するスーパースター2人による共演は、実にメロウな仕上がりです。晴れた日にのんびりしながら聴きたい気分の曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ByPKzTMmnvU

「Adelita」
切れ味のよいホーン隊が印象的なサンバ・ロック。軽快にテンポながらも推進力のある1曲です。かつてのバックバンドTrio Mocotoもカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=6sBl8HDahmk

「Waldomiro Pena」
この曲もアグレッシブなホーン隊が牽引する開放的なファンキー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=GyemLiETrJo

「Salve Simpatia」
オススメその3。タイトル曲はJorge Ben節のメロディ&ヴォーカルを満喫できるファンキー・サンバ・チューン。聴いているだけでハッピー&アゲアゲになるご機嫌な仕上がり!これで盛り上がらないはずがない!
http://www.youtube.com/watch?v=cEmDap-zh-o

「Menina Crioula」
オススメその4。メロウ&グルーヴィーなミッド・チューン。今聴いてもフレッシュな心地好さがありますね。ここではLincoln Olivettiの小粋なピアノ・ソロも満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=CWUtAwKMV-U

「Occulatus Abis」
ミステリアスな世界観と壮大かつエレガントな演奏が上手くマッチしているのがいいですね。不思議な魅力を持った1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=GxodX7i7rjw

「Cantilenas De Sao Victor」
ラストは弾き語りによるミステリアス・チューンで締め括ってくれます。前曲「Occulatus Abis」とセットで聴くと、神秘的なJorge Benワールドを満喫できるはずです。
http://www.youtube.com/watch?v=btQXfJcS9Uo

Jorge Benの過去記事もご参照下さい。

『Forca Bruta』(1970年)
Forca Bruta

『Africa Brasil』(1976年)
アフリカ・ブラジル

『A Banda Do Ze Pretinho』(1978年)
A Banda Do Ze Pretinho
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2012年03月06日

Traffic『Traffic』

メンバー4人の個性が化学反応した名盤2nd☆Traffic『Traffic』
トラフィック+5
発表年:1968年
ez的ジャンル:ソウルフル&フォーキー系ブリティッシュ・ロック
気分は... :再構築・・・

昨日は国民の義務、確定申告へ行ってきました。
毎年、直前になってドタバタと書類を作成するのですが、今年も同じパターンです。

出来上がった書類の数字を眺めがら、反省やら、新たな目標設定やら、戦略の再構築やらを行い、既にスタートしている今年の仕事に気合いを入れ直していました。やはり数字をベースに物事を考えることは大切ですね。

そんなことをしていたら、何かドッと疲れが・・・

今回はTrafficの2nd『Traffic』(1968年)です。

当ブログでこの手のロック名盤を紹介するのは久々かもしれませんね。

60年代〜70年代ブリティッシュ・ロックを代表するグループTrafficの紹介は、『Mr. Fantasy』(1967年)、『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)に続き3回目となります。

僕の場合、Steve WinwoodDave MasonJim Capaldiらのソロ作品を聴く頻度と比べて、Traffic本体を聴く頻度ってあまり多くありません。メンバーのソロの方が何気なくCD棚から手に取りやすいんですよね。特にMasonやCapaldiのソロはそうですね。

今日紹介する2nd『Traffic』(1968年)は数あるTrafficの作品の中でもロック名盤の誉れが高い1枚ですね。デュー作『Mr. Fantasy』と共にTrafficというグループを知るために最初に聴くべきアルバムだと思います・・・なんて、書きながら『Traffic』は長い間僕とは相性のよくないアルバムでした。

僕の場合、この2枚を最初に聴いたのは今から30年以上前の中学か高校生の頃だった気がします。サイケなデビュー作『Mr. Fantasy』は当時の僕にもグッときましたが、今日紹介する2nd『Traffic』の方は正直ピンと来なかった記憶があります。

ロックの名盤ガイド本の類で必ず紹介されていたアルバムであり、"名盤"という予備知識をインプットしたうえで聴いたのですが、"地味なアルバム"という印象が強かったですね。当時はわかりやすいカッチョ良さを持つロックを求めていたので(笑)

CD時代になって、一応Trafficの代表的作品はCD棚に揃えてありましたが、なかなか手が伸びない状況のまま長い年月が過ぎてしまいました。

そんな経緯で僕とはあまり相性のよくなかった『Traffic』ですが、数週間前に5、6年ぶりに聴いたところ何故かフィットしたのでそれ以降リピートして聴いています。長い間ピンと来なかった作品が突然フィットした理由は定かではありませんが、最近はすっかりロック欠乏症状態なのでたまに聴くロック・サウンドにハマりやすい状態であったことと、かつて地味だと思っていた部分が芳醇な味わいとして楽しめるようになったことが要因か・・・なんて自己分析してみました。

まぁ、多くのロック・ファンは僕のような迂回経路を経ず、もっと直線的に本作に魅力に惹かれたと思いますが。

デビュー作『Mr. Fantasy』(1967年)の直後に、Dave Masonがグループを脱退しますが、再びグループに合流して完成させた2ndが本作『Traffic』(1968年)です。このため、Mason脱退時にレコーディングされた楽曲も数曲含まれています。

アルバムのトータル・コンセプトを重視したサイケな1st『Mr. Fantasy』に対して、2nd『Traffic』はメンバーの個性を重視した作品という印象的ですね。その意味では、Steve Winwood(vo、key、g、b)、Dave Mason(vo、g、harmonica)、Chris Wood
(sax、fl)、Jim Capaldi(ds、per、vo)というメンバー4名の化学反応を楽しむべきアルバムなのかもしれません。

ソウルフルなWinwoodに対してフォーキーなMasonという図式で語られることが多い本作ですが、個人的にはアルバムの中で極端に2人の色が分離しているとは感じません。曲によってさまざまな表情があるのは確かですが、それは個性のぶつかい合いが生んだ反応の仕方の違いということだと思います。

プロデュースはJimmy Millerが務めています。

全曲紹介しときやす。

「You Can All Join In」
オープニングはDave Mason作。カントリー・ロック調の仕上りです。スワンピーなテイストで幾分薄らいでいますが、今聴いてもこの曲に対する僕の印象はビミョーです(笑)。きっと最初に聴いた時もこの曲の印象が強かったのかもしれません。その意味で僕には鬼門のオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=K8jua-2XcXA

「Pearly Queen」
Jim Capaldi/Steve Winwood作。Steve Winwoodらしいソウルフル・ヴォーカルを満喫できるソリッドなロック・チューン。Steve Winwood好きであれば、納得の1曲でしょう。この曲だけは最初に聴いた時から格好良いと思いましたね。ここでのWinwoodはハモンド・オルガンのみならずギターでも素晴らしいプレイを聴かせてくれます。終盤のサイケな展開もグッときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=-_P48AIusjo

「Don't Be Sad」
Dave Mason作。Masonらしいフォーキーな味わいを満喫できる1曲。現在の僕の一番のお気に入り曲です。MasonのハーモニカとWinwoodのハモンドの音色がよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=0QTiwVVV928

「Who Knows What Tomorrow May Bring」
Jim Capaldi/Chris Wood/Steve Winwood作。Mason不参加の1曲です・・・というかCapaldiのドラム&パーカッション以外は全てWinwoodです。この曲のメロディを聴いていると、The Who『Tommy』収録の「Sally Simpson」を思い出すのは僕だけでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=9JgbPG1tOQg

「Feelin' Alright」
Dave Mason作。アルバムの中で最も有名な曲かもしれませんね。Joe Cocker、Mongo Santamaria、Grand Funk Railroad
Three Dog Night、The 5th Dimension、Rare Earth、Mother's Finest、Jackson 5等数多くのアーティストがカヴァーしている名曲です。全体的にブラック・フィーリングに溢れているのがいいですね。Masonの個性とWinwoodの個性が上手く融合したような演奏に魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=rRcib2lcbjw

「Vagabond Virgin」
Jim Capaldi/Dave Mason作。ポップな味わいの1曲。Chris Woodのフルートが印象的です。この曲も聴いていると、何故かThe Who『Tommy』を思い出してしまいます。曲調が『Tommy』の中に収録されていても違和感ない気がしませんか?・・・なんて変なことを考えるのは僕だけかもしれませんが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=qyKGrOTKOLc

「Forty Thousand Headmen」
Jim Capaldi/Steve Winwood作。この曲もMasonは不参加です。サイケ・フォーキーな仕上がりです。ここでもChris Woodの妖しげなフルートがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3Myjh6SB0og

「Cryin' to Be Heard」
Dave Mason作。イントロはジャジー&ソウルフルですが、本編はWinwoodのハープシコードの音色が印象的なプログレ調のドラマティックな展開です。特に終盤のテンションの高さはいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=EmECYkpyvmM

「No Time to Live」
Jim Capaldi/Steve Winwood作。Chris Woodの尺八のようなソプラノ・サックスからスタートするドラマティックな1曲。Winwoodのソウルフルな哀愁ヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=QwmepoYyioo

「Means to an End」
Jim Capaldi/Steve Winwood作。ラストはスワンプ&ファンキーに締め括ってくれます。Mason不参加の曲でこうしたスワンピーな演奏を聴くことができるのは興味深いですね。。
http://www.youtube.com/watch?v=nEjSsD6k_uE

僕の所有するCDはオリジナル10曲のみ収録ですが、最近のCDは映画『Here We Go 'Round The Mulberry Bush(茂みの中の欲望)』のサントラからの2曲と次作『Last Exit』からの3曲という計5曲がボーナス・トラックとして追加されているようです。『Here We Go 'Round The Mulberry Bush』はサントラとして人気の1枚ですね。僕も所有していますが、こちらもそのうち紹介しますね。

Trafficやメンバー関連の過去記事もご参照下さい。

『Mr. Fantasy』(1967年)
Mr. Fantasy

『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)
Shoot Out at the Fantasy Factory

Steve Winwood『Arc Of A Diver』(1980年)
アーク・オブ・ア・ダイバー

Steve Winwood『Talking Back To The Night』(1982年)
トーキング・バック・トゥ・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

Steve Winwood『About Time』(2003年)
About Time

Dave Mason『It's Like You Never Left』(1973年)
It's Like You Never Left

Dave Mason『Let It Flow』(1977年)
Let It Flow

Jim Capaldi『Oh How We Danced』(1972年)
Oh How We Danced

Jim Capaldi『Short Cut Draw Blood』(1975年)
Short Cut Draw Blood
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2012年03月04日

Jerker Kluge's Deep Jazz『The Meeting』

ミュンヘン・クラブジャズの最新形☆Jerker Kluge's Deep Jazz『The Meeting』
THE MEETING
発表年:2012年
ez的ジャンル:ミュンヘン系クラブジャズ
気分は... :独特の音センスに魅了されマス!

今回はイチオシの最新クラブジャズ・アルバムJerker Kluge's Deep Jazz『The Meeting』です。

Jerker Kluge's Deep Jazzは、ドイツのクラブジャズ・シーンを牽引するベーシストJerker Klugeがミュンヘンで結成した新クラブジャズ・ユニット。

Jerker Klugeは、これまでHipnosisThe Hi-Fly Orchestraといったユニットで作品をリリースしています。

そんなJerker Klugeによる新ユニットがJerker Kluge's Deep Jazzです。単にDeep Jazzと表記されることも多いようです。

メンバーは、Jerker Kluge(b)、Julia Fehenberger(vo)、Florian Riedl(as、fl)、Till Martin (ts)、Ulrich Wangenheim(clarinet)、Andrea Hermenau(p、vo)、Kathrin Pechlof(harp)、Diony Varias(per)、Matthias Gmelin(ds)という9人編成です。

2009年に6曲入りのデビュー作『Heaven & Earth』をリリースし、本作『The Meeting』はそれに続く新作となります。

"『Heaven & Earth』に続くニュー・アルバム"という説明が目立ちますが、6曲入りの『Heaven & Earth』はアルバム扱いになるんですかね?収録時間は35分を超えるものであり、昔のLP感覚でいえばアルバムかもしれませんが、CD時代の6曲入り作品はアルバムというよりもミニ・アルバムという気がします・・・よくわかりません(泣)。

基本的にはモーダル&スピリチュアルなアコースティック・クラブジャズです。
ただし、クラブジャズ好きのみならず、ジャズ・ファンをも惹きつける魅力も持っていると思います。

ヨーロピアンなスタイリッシュ感のあるクラブジャズですが、独特の気品のある演奏がいいですね。
女性ヴォーカル入りなのは勿論ですが、ハープやバス・クラリネットあたりの音が目立っているのもそんな印象を受ける要因かもしれません。

『Heaven & Earth』では、John Coltraneの名曲「Naima」をカヴァーしていましたが、本作『The Meeting』ではFreddie Hubbard「Little Sunflower」、Rahsaan Roland Kirk「Spirits Up Above」をカヴァーしています。

軽快に疾走するだけではない、メリハリと小技の効いた大人のクラブジャズを満喫できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Little Sunflower」
オープニングは前述のようにFreddie Hubbardのカヴァー。オリジナルは『Backlash』(1967年)に収録されています。本カヴァーはAl Jarreauのヴォーカルをフィーチャーした『Love Connection』(1979年)収録ヴァージョンがベースになっています。ヨーロピアンなスタイリッシュ感とエレガントな落ち着きがあるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=XsT65uqjJnE

Freddie Hubbard feat. Al Jarreau「Little Sunflower」
http://www.youtube.com/watch?v=rbj-SIoN6EU

「The Meeting」
タイトル曲はラテンのリズムとハープのエレガントな響きが印象的です。勢いで一気に突っ走るのではなく、繊細なセンスも感じるのがいいですね。このあたりはクラブジャズ好きのみならず、60年代ジャズがお好きな方が聴いても楽しめる演奏だと思います。

「No Doubt」
エレガント&モーダルなワルツ・チューン。2人の女性ヴォーカルが入り、華やかさがあるのがいいですね。爽快なフルートの調べにもグッときます。そして、Jerker Klugeのベースが演奏全体をビシッと引き締めてくれます。こういった女性ヴォーカルい入りのワルツ調の曲って結構僕のど真ん中なんですよね。

「Movement」
ピアノ&ハープ&コンガが織り成すエレガント&スピリチュアルな音世界に魅了される1曲。このユニットならではのミステリアスな雰囲気を満喫できます。

「Mystic Sky」
この曲もハープがアクセントになっているモーダル&スピリチュアルな演奏です。タイトル通り、ミスティックな音世界が異空間へ連れていってくれます。

「Don't Get Drowned」
クラブジャズ好きであれば絶対に好きであろうボッサ・ジャズです。Juliaの大人なヴォーカルがいいですね。Ulrich Wangenheimのバス・クラリネットの響きにもグッときます。

「Invisible」
軽やかで小粋なインスト・チューン。演奏全体にメリハリがあるのがいいですね。

「Coincidence fo Circumstance」
軽快なリズムとJuliaのセクシー・ヴォーカルにグッとくるノリの良い1曲。いろいろ小技が効いている大人のクラブジャズという趣がいいですね。

「East & West」
正統派ジャズ・ファンも楽しめるモーダル・チューン。この曲あたりを聴いていると"クラブジャズ・ユニット"という括り方が適切ではない気もしてきます。

「Spirits Up Above」
Rahsaan Roland Kirkのカヴァー。オリジナルは『Volunteered Slavery』(1969年)に収録されています。クラブジャズ好きはJose Jamesのカヴァーでもお馴染みかもしれませんね。オリジナルやJose Jamesヴァージョンをイメージして聴くと、本ヴァージョンは少し雰囲気が異なります。レイジー・モードの女性ジャズ・ヴォーカル・チューンは相当グッとくるはずですよ!
http://www.youtube.com/watch?v=d9uptFtQjBc

「Autumn Sun」
ラストはしっとりとしたインスト・バラードでシブく締め括ってくれます。Jerker KlugeのベースとKathrin Pechlofのハープが織り成す音の響きがいいですね。

気に入った方は『Heaven & Earth』(2009年)もチェックしてみてください!

『Heaven & Earth』(2009年)
Heaven & Earth

Jerker Klugeに興味がある方は、HipnosisThe Hi-Fly Orchestraもどうぞ!

Hipnosis『Jazz』(2003年)
JAZZ

Hipnosis『Carrousel』(2005年)
Carrousel

The Hi-Fly Orchestra『Samboogaloo』(2007年)
Samboogaloo

The Hi-Fly Orchestra『Mambo Atomico』(2008年)
Mambo Atomico
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2012年03月03日

Merry Clayton『Keep Your Eye On The Sparro』

Eugene McDanielsをプロデューサーに迎えた3rd☆Merry Clayton『Keep Your Eye On The Sparro』
キープ・ユア・アイ・オン・スパロウ(紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:名セッション・シンガー系レディ・ソウル
気分は... :雛祭生まれの雛子さん?

今回はロック・ファンにもお馴染みの女性ソウル・シンガーMerry Claytonが、Eugene McDanielsプロデュースの下で制作したアルバム『Keep Your Eye On The Sparro』(1975年)です。

Merry Claytonは1948年12月25日ニューオリンズ生まれ。クリスマスに生まれたのでMerryと名付けられたそうです。日本で言えば、今日3月3日に生まれた子に、「雛祭生まれだから雛子にしましょう!」みたいなノリでしょうか(笑)

ちなみに彼女の実弟はLittle Featのメンバーとして知られるパーカッション奏者Sam Claytonです。

1962年、Merry14歳の時にBobby Darinの「Who Can I Count On? (When I Can't Count On You)」でレコーディング・キャリアをスタートさせます。1964年には「The Shoop Shoop Song (It's in His Kiss)」をレコーディングしますが、同年に後からレコーディングしたBetty Everettヴァージョンの方がヒットすると結果となりました。

Ray Charlesのバック・グループRaeletsのメンバー(1967〜69年)をはじめ、シンガーとして数多くのキャリアを積んできたMerryに転機が訪れたのは1969年のことでした。The Rolling Stones「Gimme Shelter」のレコーディングです。当初はDelaney & BonnieのBonnie Bramlettが参加予定でしたが、体調不良でキャンセルとなり急遽Merryが代役となったようです。

The Rolling Stones『Let It Bleed』(1969年)
Let It Bleed

Stonesの代表曲となる「Gimme Shelter」で、Mick Jagger相手に圧倒的なヴォーカルで素晴らしいデュエット・パートナーを務め、Merry Claytonは一躍注目の女性シンガーとなります。

それが呼び水となったのか、その後も売れっ子セッション・シンガーとして、ジャンルを超えた数々のレコーディングに参加することになります。ロック・ファンはLynyrd Skynyrd「Sweet Home Alabama」等でもMerryのヴォーカルを楽しむことができます。

また、1960年代後半から70年代前半にはVermettya Royster、Jeannie Long、Lillie Fortと結成した女性ソウル・グループSisters Loveのメンバーとして作品をリリースしています。

ソロ名義では、『Gimme Shelter』(1970年)、『Merry Clayton』(1971年)、『Keep Your Eye On The Sparro』(1975年)、『Emotion』(1980年)、『Miracles』(1994年)といったアルバムをリリースしています。僕と同世代の方であれば、80年代サントラ・ブーム時の大ヒット作品の1枚、『Dirty Dancing』(1987年)にMerryの「Yes」が収録されていたのをご記憶の方も多いのでは?

今日紹介する『Keep Your Eye On The Sparro』
(1975年)は、彼女にとってのソロ3rdアルバムです。それ以前にリリースされた『Gimme Shelter』、(1970年)、『Merry Clayton』(1971年)の2枚は、良くも悪くも「Gimme Shelter」のイメージを重視した作品であり、楽曲のセレクトやサウンドにもそれらが反映されていました。

それと比較すると、Eugene McDanielsがプロデュースが本作『Keep Your Eye On The Sparro』
(1975年)は、過去のイメージに囚われないアルバムに仕上がっています。全体としては、よりソウル色が強くなっていると同時に、メリハリのあるアルバム構成になっていると思います。

レコーディングには、David Spinozza(g)、Hugh McCracken(g)、Gary King(b)、Idris Muhammed(ds)、Steve Gadd(ds)、Kenny Ascher(key)、Bob James(key)、Ralph MacDonald(per)、Ian Underwood(syn)、Tom Scott(horns)、Joe Farrell(sax)、Lloyd Michaels(tp)、Jim Gilstrap(back vo)、Julia Tillman(back vo)、Marti McCall(back vo)、Maxine Willard(back vo)、Stephanie Spruell(back vo)等が参加しています。

ソウル・シンガーMerry Claytonの魅力が上手くパッケージされた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Keep Your Eye On The Sparrow」
オープニングはタイトル曲(Dave Grusin/Morgan Ames作)。人気TVドラマ『Baretta(刑事バレッタ)』の主題曲のカヴァーです。Sammy Davis Jr.、Ron Carter、El Chicano、Rhythm Heritage等もカヴァーしています。Merryヴァージョンはシングルにもなり、全米チャート第45位、同R&Bチャート第42位となります。エキサイティングながも軽やかなファンキー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xGox3g9wUTE

「Gets Hard Sometimes」
Eugene McDaniels作。オリジナルはEugene McDanielsがプロデュースしたRichard Roundtree『The Man From Shaft』(1972年)に収録されたヴァージョンです。Richard Roundtreeと聞いてもピンと来ない方もいるかもしれませんが、ブラック・ムーヴィーの金字塔『Shaft(黒いジャガー)』(1971年)の主演男優と書けば顔が思い浮かぶのでは?個人的にはアルバムで一番のお気に入りのファンキー・グルーヴ。ホーン・アレンジを担当したTom Scottのサックスが冴え渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=6Kevhj9TjRg

「Sink Or Swim」
Eugene McDaniels/Dennis Collins Johnson作。ギターのHugh McCrackenがアレンジを担当したパワフルながらもゆとりのあるグルーヴ感にニンマリする1曲。パワフルなMerryのヴォーカルとソウルフルな女性バック・コーラスが織り成す歌世界がサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=cpv585bc9dc

「How'd I Know」
Clarence McDonald/June Williams/Lani Groves作。ここでは都会的なメロウ・サウンドをバックに少し抑えた大人のヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=e6W6nHhY5CI

「Gold Fever」
Eugene McDaniels作。この曲は"1975年版「Gimme Shelter」"といった趣のある仕上がりですね。ベタな仕掛けですが、嬉しくなってしまいます(笑)。Ralph MacDonaldのパーカッションが効果的です。
http://www.youtube.com/watch?v=Gmd29fEzQpU

「One More Ride」
Jon Mayer/Marcia Hillman作。アルバムの中でも最も爽快な印象を受けるジャジー・メロウ・チューン。ヴォーカル・アレンジにはJerry Petersも参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=GRQaD4dusIM

「Room 205」
Bill Hayes作。Merryの味わい深いヴォーカルを満喫できるバラード。心の奥にジワジワ響いてきます。セッション・ミュージシャンとしての豊富なキャリアに裏打ちされた仕上がりです。素晴らしい!

「Loving Grows Up Slow」
Morgan Ames作。Sylvesterのカヴァー(アルバム『Sylvester』収録)でご存知の方もいるのでは?メロウな味わいのミディアム・候は格別です。
http://www.youtube.com/watch?v=9IZfa2rgOF8

「Rainy Day Women #12 & 35」
Bob Dylan名曲「雨の日の女」のカヴァー。オリジナルは名盤『Blonde on Blonde』(1966年)に収録されています。ここではブルージー&ファンキーなアレンジで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=QSLFJzW9azg

「If I Lose」
Eugene McDaniels作。今日再評価が高まっている曲です。Melba Moore『Peach Melba』(1975年)でも歌われています。大人のメロウネスでしっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=RnjuLIRMRe4

「Do What You Know」
ラストはEugene McDaniels、Morgan Amesに加え、元Earth,Wind & FireのRoland Bautistaも共作者としてクレジットに名を連ねる曲です。ファンキー・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=kFZpwyzN03M

Merry Claytonの他作品もチェックを!

『Gimme Shelter』(1970年)
ギミー・シェルター(紙ジャケット仕様)

『Merry Clayton』(1971年)
Merry Clayton

『Emotion』(1980年)
EMOTION

『Miracles』(1994年)
Miracles

『Dirty Dancing』(Soundtrack)(1987年)
Dirty Dancing: Original Soundtrack From The Vestron Motion Picture
posted by ez at 08:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする