発表年:2002年
ez的ジャンル:MPBスーパー・トリオ
気分は... :小技が効いています!
今回はMPBの3つの才能、Marisa Monte、Carlinhos Brown、Arnaldo Antunesによるスーパー・トリオTribalistasのアルバム『Tribalistas』(2002年)です。
当ブログでもお馴染みのMPBの歌姫Marisa Monteの主導により、あらゆる面でインパクトのある天才パーカッション奏者Carlinhos Brown、人気ロックバンドTitasの元メンバーであるArnaldo Antunesという3人の人気ブラジル人ミュージシャンが結集したTribalistas。ブラジル音楽好きの人であれば、相当グッときたユニットですよね。
2ヶ月前に紹介したMarisa Monteの最新作『O Que Voce Quer Saber De Verdade』にも3名の共作曲やCarlinhos Brown、Arnaldo Antunesとの共作が多数収録され、このトリオの存在感を改めて示してくれました。
そんな強力トリオの化学反応を存分に堪能できるアルバムが『Tribalistas』(2002年)です。リリース直後から各方面で絶賛され、10年経った今日でもMPBの名盤として高い人気を誇る1枚ではないかと思います。
実際には、3人に準レギュラー的な存在でアルバムに全面に参加しているDadiとCezar Mendesも加えた5人による素晴らしい演奏を満喫できます。長年MarisaをサポートしてきたDadiは、『O Que Voce Quer Saber De Verdade』でもMarisaと共同プロデュースを務めていました。Cezar MendesもMarisa作品ではお馴染みのギタリストです。
とにかく全曲素晴らしい!
聴くたびに素晴らしすぎてニンマリしてしまいます。
まず楽曲(全てオリジナル)自体が粒揃いですね。
また、淡々としたArnaldoと艶やかなMarisaのヴォーカルの組み合わせが思った以上にマッチしています。さらにCarlinhosを中心とした様々な音の演出が心憎いばかりです。そして何より3人がこのコラボを力まず自然体で楽しんでいるのが歌や音に反映されている感じがいいですね。
曲良し!歌良し!サウンド良し!文句のつけようがない傑作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Carnavalia」
本作の確かな手応えを実感できるオープニング。生命感のあるヴォーカル&リズムが聴く者を虜にします。
http://www.youtube.com/watch?v=t88Lm2F8-8U
「Um A Um」
小粋なセンスと遊び心に散りばめられた1曲。トイ・トランペットを吹くMarisaがお茶目ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=aHUNr4V5WBY
「Velha Infancia」
聴き重ねる度に惹き込まれる1曲。楽曲およびヴォーカルが素晴らしいのは勿論のこと、Carlinhosによるさまざまなリズムの小技、控えめながらも効果的なDadiのピアノなど練り込まれたサウンド・センスに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=S9uIYPUyZQ0
「Passe Em Casa」
個人的には一番のお気に入り。躍動するリズムにバックに歌う、淡々としたArnaldoと艶やかなMarisaのヴォーカルの組み合わせは抜群です。ここでもCarlinhos Brownのリズム・センスには脱帽です。Marisaのハーモニカも効果的です。
http://www.youtube.com/watch?v=muQl9gMHNkM
「O Amor E Feio」
ミステリアスな魅力に溢れた1曲。ここでもピアノ、おもちゃ楽器をはじめとするCarlinhosによる音世界の演出が冴え渡っています。
http://www.youtube.com/watch?v=8p8Sk1KOkxI
「E Voce」
ロマンティック気分にさせてくれる素敵な1曲。Marisaのヴォーカルにメロメロです。楽曲自体も最高です!
http://www.youtube.com/watch?v=dfmzWDODJ44
「Carnalismo」
雨音ともスタートするセンチメンタルな1曲。ちょっぴり切なく美しいヴォーカル&メロディに魅了されます。Dadiのアコーディオンがムードを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Nv6HLtNLhVo
「Mary Cristo」
オルゴール?のイントロが心憎いクリスマス・ソング。聴く者を優しく包み込んでくれる素敵な1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=upPWB_-foZI
「Anjo Da Guarda」
子供の声と共に始まる童心に戻ってしまう1曲。Marisaのアコーディオン& トイ・トランペット、Dadiのウクレレ、Carlinhosの各種パーカッションによる楽しい演出が聴く者を笑顔にしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=GqYyCrO-ROg
「La De Longe」
しみじみとした味わいにグッとくる1曲。Arnaldoの淡々としたヴォーカルがよくマッチする1曲だと思います。Carlinhosのビリンバウの隠し味もグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=ucyKvmAsjis
「Pecado E Lhe Deixar De Molho」
Marisaのヴォーカル&美しいメロデにうっとりしてしまう1曲。誰もいない浜辺で一人佇みたくなります・・・
http://www.youtube.com/watch?v=lbW9zl4WFac
「Ja Sei Namorar」
クラブ・ミュージック好きをも虜にするであろうダンサブル・チューン。ダンサブルなのにブラジル音楽の魅力も保たれているところが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=smwj7ISnwXM
「Tribalistas」
タイトル曲は軽快なリズムが心地好いです。3つの個性の融合がもたらした目覚ましい成果に歓喜しつつアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=TFIWDHaYP00
Marisa Monteの過去記事もご参照ください。振り返ると、Carlinhos Brownのアルバムが未紹介なので、そのうち取り上げたいと思います。
『Marisa Monte(MM)』(1989年)
『Mais』(1991年)
『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』(1994年)
『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)