発表年:2007年
ez的ジャンル:他流試合系Hip-Hop
気分は... :Back To The Future!
今日は故GuruによるHip-Hop JazzプロジェクトJazzmatazzの第4弾『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)です。結果として、本作がJazzmatazzシリーズの最終作となってしまいました。
Jazzmatazzシリーズの紹介は、『Jazzmatazz』(1993年)、『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)に続き3回目となります。
Guruが亡くなったのが2010年4月ですから、もうすぐ2年が経つんですね。熱狂的なHip-Hopリスナーではない僕ですが、それでもGuruのあの独特のドープなフロウがたまに聴きたくなります。
DJ Premierとの最強ユニットGang Starrでの活動とともに、Guruのキャリアを語るうえで欠かせないプロジェクトがJazzmatazzです。
Hip-HopとJazzの融合を試みるための他流試合(?)プロジェクトJazzmatazzは、リアルタイムで90年代Acid JazzやHip-Hopを聴いていた僕にかなりのインパクトを与えてくれました。そのせいか、どうしてもJazzmatazzと言えば、最初の2枚への思い入れが強くなってしまい、Guruの生前には第3弾、第4弾を軽視していた面があります。
それがGuruの逝去を契機に遅まきながら、『Jazzmatazz (Streetsoul) 』(2000年)、『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)にもちゃんと向き合った次第です。
特に今日紹介する『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)は、先入観がなければ、かなり楽しめる1枚だと思います。
晩年のGuruの右腕とも呼べる存在であったSolarがプロデュース&ミックスを担当しています。
お楽しみの豪快ゲスト陣は、Slum Village、Common、Bob James、Damian Marley、Kem、Vivian Green、Raheem Devaughn、Bobby Valentino、Ronnie Laws、Dionne Farris、Omar、Shelley Harland、Brownman、Blackalicious、Caron Wheeler、David Sanbornという多様な顔ぶれです。
従来からのJazzmatazzファンを喜ばせてくれる曲から、新機軸を聴かせてくれた曲まで充実の全16曲です。
特に、Caron Wheelerをフィーチャーした「Kissed The World」、Damian Marleyをフィーチャーした「Stand Up (Some Things'll Never Change)」、Omarをフィーチャーした「The Jazz Style」の3曲がサイコーだと思います。
Guruが逝去しても、彼のドープなラップはこれからも多くの人をHip-Hop Jazzワールドへ誘ってくれるでしょう。
全曲紹介しときやす。
「Cuz I'm Jazzy」
Slum Villageをフィーチャーしたオープニング。タイトル通り、ジャジー感たっぷりのトラックをバックにGuruがドープなライムを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=L1cDLLwotYM
「State Of Clarity」
CommonとBob Jamesをフィーチャー。Bob James「Night Crawler」ネタをバックに、GuruとCommonという大物2人が落ち着いた語り口のフロウを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=BrXZpSVUY3k
「Stand Up (Some Things'll Never Change)」
Bob Marleyの息子Damian Marleyをフィーチャー。アルバムの中でも屈指の格好良さ持った1曲。定番ブレイクIncredible Bongo Band「Apache」をバックにGuruのラップとDamianのラガ調ヴォーカルが疾走します。インド調のエスニック・フレイヴァーも効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=tliHWf64rkY
「Look To The Sun (Solar)」
この曲は以前のJazzmatazzっぽいジャジー感を満喫できる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=wCPUbcq4r3A
「Connection」
Kemをフィーチャー。オートチューン・ヴォーカルを配したエレクトロな雰囲気はJazzmatazzらしからぬ雰囲気ですが、アルバムのいいアクセントになっているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=jIQTydqKa_A
「Fine And Free」
女性R&BシンガーVivian Greenをフィーチャー。Seals & Crofts「Summer Breeze」のメロディを前面に押し出したVivianの艶やかなヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=Sn1iX26XhDI
「Wait On Me」
お馴染みの男性R&BシンガーRaheem Devaughnをフィーチャー。Raheemが歌い上げる哀愁メロディとGuruの淡々としたフロウが哀愁ソウル・モードを盛り上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=YPwetcMF_sU
「International」
人気男性R&BシンガーBobby Valentinoをフィーチャー。ラテン・フレイヴァーのムーディーなバックに、Bobby Valentinoのセクシー・ヴォーカルとGuruの捲し立て気味のフロウが危険な香りを漂わせます。全然Jazzmatazzらしくありませんが結構好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=Y6qNjFQArsA
「This Is Art」
Hubert Lawsの弟、Ronnie Lawsのサックスをフィーチャー。70年代ジャズ/フュージョンへのリスペクトに満ちたジャズ・ファンク・サウンドを聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=a4K95EQjzTM
「Fly Magnetic」
Arrested Developmentでの活動で知られる女性シンガーDionne Farrisをフィーチャー。アーシーな味わいも感じられるソウルフルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=po3bm1GS13s
「The Jazz Style」
当ブログでもお馴染みUKの男性ソウル・シンガーOmarをフィーチャー。これぞJazzmatazz!といった雰囲気のソウル/ジャズ/Hip-Hopの融合を満喫できます。ネオソウル好きの人もグッとくるはず!Joe Williams「Get Out of My Life」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=icJVAX6bFPs
「Follow The Signs」
UKの女性シンガーShelley Harlandをフィーチャー。アルバムの中でも最もUKっぽい雰囲気のミステリアスな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=hCbXasPhYRQ
「Universal Struggle」
カナダ人ジャズ・トランぺッターBrownmanをフィーチャー。Jazzmatazzらしいコラボを楽しめます。やはり、ミュート・トランペットとGuruのラップの相性は抜群ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=lN7C-i9PezE
「Infinite」
Blackaliciousをフィーチャー。最近だとThe Funk League『Funky As Usual』への客演が印象的でした。Kool & The Gang「Summer Madness」ネタのメロディとスクラッチ音がGift of GabやGuruのフロウを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Izys2akNows
「Kissed The World」
Caron Wheelerをフィーチャー。本曲を本作のハイライトに挙げる人は多いのでは?Caron Wheeler大好き!の僕も一番のお気に入りです。Toto「Georgy Porgy」のメロディを引用したトラックをバックにしたCaronのヴィヴィッドなヴォーカルが最高です!Guruのラップとの相性も抜群です。
http://www.youtube.com/watch?v=Sii3rd4IHiU
「Living Legend」
ラストは大物サックス奏者David Sanbornをフィーチャー。僕の中のJazzmatazzのイメージにDavid Sanbornはマッチしないのですが、なかなか気合いの入ったプレイを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=c43dfj3Jzmk
未聴の方は他のJazzmatazz作品もチェックを!
『Jazzmatazz』(1993年)
『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)
『Jazzmatazz (Streetsoul) 』(2000年)