発表年:1981年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ系コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :ゴスペルですがメロウです!
今回はGeorgeとLouisのファンキー兄弟The Brothers Johnsonの弟、Louis Johnsonらによるコンテンポラリーなゴスペル・ユニットPassage唯一のアルバム『Passage』です。
CCM(Contemporary Christian Music)の名盤として、ブラコン・ファンのみならずAORファンからも人気のアルバムですね。
Passageは、Louis Johnson、Valerie Johnson(Louisの奥方)、Richard Heathの3名によるユニットです。
スラップ・ベースのパイオニアとしてファンキー・ベーシストとのイメージが強いLouis Johnsonですが、本作ではそうしたファンキーな色合いはやや抑えたゴスペル作品に仕上がっています。ただし、音自体は都会的なメロウ・サウンドが中心であり、ライト感覚ながらもLouisのスラップ・ベースを楽しめる曲やヴォコーダーを配した曲などもあり、歌詞以外はそれ程ゴスペルを意識せずに聴くことができると思います。
レコーディングには、Roy Ayers Ubiquity等にも参加していたRicky Lawson(ds)、Angela Winbushとの男女デュオRene & Angelaでお馴染みのRene Moore(key)、RufusのDavid "Hawk" Wolinski(key)、Nolen & Crossleyとしての活動でも知られるCurtis Anthony Nolen(g)とRaymond Crossley(key)、ペダル・スティールの名手Al Perkins(g)等が参加しています。また、アルバム全編を通じて、ストリングス・アレンジが秀逸ですね。
Amy Grant「Faith Walkin' People」、Jaime Owen Collins「Love Eyes」の2曲以外はメンバーらによるオリジナルです。CCM系女性シンガーの作品2曲をカヴァーするあたりは本作らしいですね。
AOR/アーバン・メロウ好きの人であれば、結構ハマる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Have You Heard The Word」
エレガントなストリングスとライト・グルーヴな疾走感が印象的なオープニング。ここではLouis Johnsonのスラップも堪能できます。歌詞を気にしなければ、爽快ダンサーとして楽しめると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=kQF9OfDhh-U
「You Can't Be Livin'」
AOR好きには本作がハイライトでしょう。サンセット系のメロウ・チューンです。ちょっぴり切ないメロディと雄大なメロウ・サウンドにグッときます。3人のヴォーカル・ワークも素晴らしいですね。アコギの響きがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yxLhkZPlqDg
「Faith Walking People」
ポップ好きにもお馴染みの女性シンガー・ソングライターAmy Grantのカヴァー。オリジナルはAmyの『My Father's Eyes』(1979年)に収録」されています。Valerieのピュアなヴォーカルを全面にフィーチャーしたメロウ&ドリーミーな1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8D-hOXwirks
Amy Grant「Faith Walkin' People」
http://www.youtube.com/watch?v=916Z79piwv4
「I See The Light」
ライト感覚のアーバン・メロウ・ファンク。ブラコン好きの人であれば、かなりグッとくるのでは?ライトながらもLouis Johnsonのベースも楽しめます。Michael Perkinsのサックスや終盤のヴォコーダーも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=eByjVqoutVA
「The Great Flood」
レゲエ調のトロピカル・リズムとめくるめくストリングスが印象的な1曲です。サウンドだけ聴いていると、甘く危険なサマー・ナイトといった雰囲気です(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=MqLJEQMILzk
「Open Up Your Heart」
メンバーと共にNolen & CrossleyのRaymond Crossleyがソングライティングに参加しています。AOR/アーバン・メロウ好きにはグッとくるメロウ・チューン。ラブリーな高揚感に包まれます。いいなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=I2GLVJ3Z084
「Power」
この曲は80年代ファンクしてます。シンセ・サウンドが印象的なダンサブルなファンク・グルーヴはとてもゴスペル作品とは思えません。
http://www.youtube.com/watch?v=myPkwC49vpo
「Love Eyes」
Jaime Owen Collins作品のカヴァー。オリジナルは『Love Eyes』(1978年)に収録されています。前曲のダンサブルなファンクから一転し、オリジナルの雰囲気を受け継いだカントリー・ポップ調の仕上がりです。名手Al Perkinsのペダル・スティールがさらにムードを高めてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=uB1vcEKtgFY
Jaime Owen Collins「Love Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=sS3Dlf_SjCk
「The Son Will Come Again」
ラストはアコースティック・ギター&ストリングスを巧みに配したビューティフルなゴスペル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=o7hPbQNq7Ew
ファンキー好きの方はThe Brothers Johnsonの過去記事をご参照下さい。
『Look Out For #1』
『Light Up The Night』(1980年)