発表年:1976年
ez的ジャンル:MPBの歌姫
気分は... :風邪ですが・・・
本格的に風邪になってしまったようです。
年度末で寝込んでもいられないので何とかせねば・・・
こんな時は風邪薬のような音楽を・・・こんな時にはGal Costaにしよう!
今回はMPBの歌姫Gal Costaの『Gal Canta Caymmi』(1976年)です。
これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の4枚。
『Gal Costa』(1969年)
『Cantar』(1974年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
今日紹介する『Gal Canta Caymmi』(1976年)は、タイトルの通りGalがアルバム全編にわたりブラジル音楽界の至宝Dorival Caymmiの作品を歌ったアルバムです。
Dorival Caymmi(1914-2008年)は、バイーア州サルバドール出身の偉大なコンポーザー。ボサノヴァ誕生以前から数多くの作品を送り出し、ブラジル音楽界に多大な影響を与えたバイーアの巨匠です。Dori Caymmi、Danilo Caymmi、Nana Caymmiという3人の子供たちもミュージシャンとして活躍しています。
当ブログで紹介したアルバムのなかにもDorival Caymmi作品が収録されたものは2桁以上あるはずです。
Joao DonatoとPerinho Albuquerqueの2人がアレンジを手掛けています。Perinho Albuquerqueはこの時期のGal作品やCaetano Veloso作品でお馴染みの名前ですね。
さらにレコーディングは上記2人に加え、Roberto Menescal(g)、Antonio Adolfo(p)、Dominguinhos(accordion)、Chiquito Braga(g)、Fernando Leporace(b)、Eneas Costa(ds)、Paulinho Braga(ds)、Ze Roberto(org)、Aladim(per)、Bira da Silva(per)等が参加しています。
アルバム全体としては、Gal Costa好きであれば間違いない1枚だと思います。開放的、爽快、楽しげ・・・そんな言葉が似合う親しみやすいアルバムに仕上がっています。
険しい表情のジャケに惑わされないでくださいね。
全曲紹介しときやす。
「Vatapa」
陽気で軽快なオープニング。ジャケの険しい表情とは正反対の楽しげに歌うのGalの表情が目に浮かんできます。Joao Donatoの小粋なアレンジも冴え渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=9Mxpztqnl6I
「Festa De Rua」
爽快モードから一気に高揚します。序盤の抑えた表現と終盤のスパークしたヴォーカルの落差がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=TFk5WkqI7og
「Nem Eu」
しっとりと歌い上げる至極のバラード。Galの艶っぽい大人のヴォーカルにウットリです。
「Pescaria (Canoeiro)」
楽しげなアレンジが印象的です。早口で捲し立てるようなヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=KwYqs9ZCqQA
「O Vento」
パーカッションのリズムが妖しげに響くサウンドはバイーアの巨匠Dorival Caymmiのカヴァー集に相応しい雰囲気なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=4jH9N_5HztM
「Rainha Do Mar」
当ブログでは以前にMariana Meleroのカヴァーを紹介したことがある名曲です。爽快かつ小気味よいアコースティック・グルーヴ感が僕好み。
「So Louco」
「Nem Eu」と並ぶロマンティック・バラード。ムーディーな大人の魅力で聴く者を魅了します。
http://www.youtube.com/watch?v=SzcyQCQ6XWs
「Sao Salvador」
ブラジルらしいメロウ気分を満喫できる至福の1曲。アルバムで一番のお気に入りです。詳しい歌詞はわかりませんが、おそらくDorivalの故郷サルバドールについて歌っているのでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=X_jT0rwPXh4
「Peguei Um "Ita" No Norte」
開放的なエレガント感が心地好い1曲。寛ぎながらリラックス・モードで聴きたい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ScqQKAvG--U
「Dois De Fevereiro」
ラストはファンキー・サンバ。アルバムで最もダンサブルな仕上がり。ホーン隊もファンキー気分を盛り上げてくれます。
Gal Costaの過去記事もご参照下さい。
『Gal Costa』(1969年)
『Cantar』(1974年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)