発表年:1973年
ez的ジャンル:グルーヴィー・ニューソウル
気分は... :いよいよ大詰め...あとは気合いだ!
いよいよ年度末も大詰めですね。
ここ数日で「何とか年度末(金曜)までに・・・」といった類の依頼が増え、だんだん収拾つかなくなってきています。
もう「風邪で熱あります」なんて言っていられません。風邪薬とドリンク剤を頻繁に摂取しながら何とか凌ぎたいのですが・・・どうなることやら。まぁ、焦ってもロクなことにならないので、目前のタスクを1つずつ着実に完了させていくのみです。
さて、今回はWillie Hutchが1973年にリリースした『Fully Exposed』(1973年)です。
Jackson 5「I'll Be There」等の作者としても知られるL.A.出身のR&Bシンガー/ソングライター/アレンジャー/プロデューサーWillie Hutchの紹介は、人気のサントラ盤『The Mack』(1973年)に続き2回目となります。
本作『Fully Exposed』は、前述のサントラ『The Mack』に続き、彼にとってのMotown第2弾アルバムとなります。
Willie自身がプロデュース&アレンジを手掛け、レコーディングにはTim Lawson(g)、Lawrence "Slim" Dickens(b)、Fred White(ds)、Joe Sample(p)、King Errisson(congas)、Sam Clayton(congas)、Alan Estes(per)、Gene Estes(per)、Tommy Myles(fl、sax)、Richard Hutch(back vo)、Julia Tillman(back vo)等が参加しています。
良くも悪くもファンキーなグルーヴ感、壮大なストリングス、ヴォーカル・スタイル等、この時期のニューソウルの美味しいところ上手くつまみ食いした作品に仕上がっています。そうした内容に批判的な意見をお持ちの方もいるかもしれませんが、結果、最高にファンキー&グルーヴィー&メロウな作品が出来上がったわけですから僕は大満足です。
『The Mack』と同様に、「I Wanna Be Where You Are」、「Tell Me Why Has Our Love Turned Cold」、「Sunshine Lady」といったサンプリング・ソースになっている曲も収録されています。
オープニングの「I Wanna Be Where You Are」以外はWillie Hutchのオリジナルです(共作含む)。
全9曲捨て曲ナシの充実作です。
もっと評価されてしかるべきの1枚という気がします。
全曲紹介しときやす。
「I Wanna Be Where You Are」
オープニングはMichael JacksonやMarvin Gayeヴァージョン等でお馴染みのLeon Ware作品のカヴァーです(Arthur Ross/Leon Ware作)。当ブログではMarvin Gayeヴァージョン(アルバム『I Want You』収録)や、その兄弟ヴァージョンとも呼ぶべき作者Leon Wareのヴァージョン(アルバム『Musical Massage』のボートラ収録)を紹介済みです。そう言えば、少し前にMelissa Manchesterヴァージョンも紹介ましたね。Willie Hutchヴァージョンは壮大なストリングスを配したニューソウルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=N3nqp5sSQjI
MJBファンならば、Willie Hutchヴァージョンは『The Breakthrough』(2005年)収録曲でJay-Zを客演に迎えた「Can't Hide From Luv」のサンプリング・ソースとしてお馴染みですね。久々に「Can't Hide From Luv」が聴きたくなりました・・・
Mary J. Blige feat. Jay-Z「Can't Hide From Luv」
http://www.youtube.com/watch?v=8JugnKpUnps
「Can't Get Ready For Losing You」
Willieの兄弟Richard Hutchとの共作。本曲もJackson 5が1972年にレコーディングしていた曲です。軽やかなJackson 5ヴァージョンと比較すると、大人の哀愁グルーヴィー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Z6T4BUIbnE0
「I Just Wanted To Make Her Happy」
切なる思いが伝わってくるWillieのヴォーカルにグッとくるメロウ・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=_pYkwkIoRJk
「California My Way」
よく言われるように、ヴォーカル、グルーヴィーなリズム、ストリングス・アレンジと全てがMarvin Gaye調のグルーヴィー・ソウル。二番煎じと揶揄する人もいるのかもしれませんが、この高揚感は何度聴いてもたまりません。僕は大好きです。The Main Ingredientがカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=jWAPn5yCDIk
「Tell Me Why Has Our Love Turned Cold」
Curtis Mayfieldやブラック・ムーヴィー・サントラあたりを思わせる緊張感のあるグルーヴにグッとくる1曲。格好良さで言えば、アルバム随一かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=p1mzMaS-rfY
そんなカッチョ良い曲なので当然サンプリング・ソースとしても人気です。Three 6 Mafia feat. Young Buck, 8 Ball & MJG「Stay Fly」、Hezekiah feat. Bilal「Looking Up」、Pretty Lights「Pop Quiz」、Myke Deanz「Money Make the World Go Round」等の元ネタになっています。
Three 6 Mafia feat. Young Buck, 8 Ball & MJG「Stay Fly」
http://www.youtube.com/watch?v=k_dJLgr0H9s
Hezekiah feat. Bilal「Looking Up」
http://www.youtube.com/watch?v=teGpxtMIJ_o
Pretty Lights「Pop Quiz」
http://www.youtube.com/watch?v=kJBx2ZmCNrI
Myke Deanz「Money Make the World Go Round」
http://www.youtube.com/watch?v=2MnyAAFsh9A
「Sunshine Lady」
ビューティフルなメロウ・ソウル。シングルにもなりました。めくるめくハープの音色がメロウ・モードを盛り上げてくれます。独特の雰囲気の高揚感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=DMkpFbd3Ef4
Three 6 Mafia feat. Lil' Flip & Mr. Bigg「Don't Cha Get Mad」等のサンプリング・ソースにもなっています。前述の「Tell Me Why Has Our Love Turned Cold」をサンプリングした「Stay Fly」も含めてThree 6 Mafiaのメンバーのお気に入り作品なのかもしれませんね。
Three 6 Mafia feat. Lil' Flip & Mr. Bigg「Don't Cha Get Mad」
http://www.youtube.com/watch?v=E4JiAJTpe_Q
「I'll Be There」
Berry Gordy/Bob West/Hal Davis/Willie Hutch作。Jackson 5へ提供したお馴染みの全米No.1ヒットのセルフカヴァー。Jackson 5ヴァージョンはいささか聴き飽きた感がありますが、味わい深い本ヴァージョンは「I'll Be There」の別の魅力を伝えてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZWngkbdq0Ew
「If You Ain't Got No Money (You Can't Get No Honey)」
クラヴィネットとワウワウ・ギターが絡むグルーヴにグッとくるファンク・チューン。シングルになりました。この曲もサイコーに格好良いですね。もっと長尺で聴きたい気分です。
http://www.youtube.com/watch?v=lpXePD3189Y
「Ain't Nothing Like Togetherness」
ラストもファンキー・グルーヴで締め括ってくれます。うねるグルーブでファンキー&セクシーに高揚しましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=jNKSDhPHhgc
本作と『The Mack』(1973年)、
『Foxy Brown』(1974年)は三点セットで揃ええおきたいですね。
『The Mack』(1973年)
『Foxy Brown』(1974年)