2012年03月30日

Yo Yo Honey『Voodoo Soul』

スタイリッシュなダンス・ビートと重厚なストリングスが印象的なUKソウルの男女ユニット☆Yo Yo Honey『Voodoo Soul』
Voodoo Soul
発表年:1992年
ez的ジャンル:グラウンドビート系UKソウル
気分は... :何とか乗り切ったか?

何とかラストスパートで年度末を乗り切ることができそうです。
寝不足で気力・体力ともに限界ギリギリですが・・・

今回はUKソウルの男女2人組Yo Yo Honeyの唯一のアルバム『Voodoo Soul』(1992年)です。

Yo Yo Honeyは、ジンバブエ出身のソングライターMani Shoniwa(Emanuel Shoniwa)と女性シンガーAnna Rossから成る男女2人組ユニット。

今日紹介する『Voodoo Soul』(1992年)が唯一のアルバムです。

アルバムは元The ChimesMichael Pedenがプロデュースしており、60年代から今日まで数多くの作品でストリングスを手掛けてきたUKの重鎮Nick Ingmanがストリングス・アレンジを担当しています。

The Chimesは、当ブログで彼らの唯一のアルバム『The Chimes』(1990年)を紹介しましたが、Soul II Soulが火をつけたグラウンドビートのムーヴメントに乗り、「1-2-3」「I Still Haven't Found What I'm Looking For」「True Love」「Heaven」といったシングルを送り出したユニットです。

そのThe ChimesMichael Pedenプロデュースということで、本作もグラウンドビート系サウンドを楽しめるUKソウル作品に仕上がっています。さらに、Nick Ingmanが手掛けた重厚なストリングスが加わり、独特の美意識のある音世界を構築しています。

改めて聴いてみて、実に完成度の高い1枚だったなぁ・・・と再認識している次第です。
グループの個性とMichael Pedenのスタイリッシュなセンス、Nick Ingmanの壮大なオーケストレーション・ワールドが見事に三位一体となった完璧なアルバムという気もします。

これだけやって売れなかったのだから、諦めもついたのでは(笑)

「Don't Change Your Love」以外は全てMani Shoniwaのオリジナルです(Michael Pedenとの共作含む)。

全曲紹介しときやす。

「Voodoo Soul」
7分超の聴き応えのあるオープニング。ダンサブルなUKソウルなのですが、タイトルも含めて妖気漂う独特のダークな空気感があります。その重厚感で圧倒されるタイトル曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=nr2WcHDjwGU

「What's On Your Mind」
壮大なストリングスとダンサブルなビートの組み合わせが、美しくも儚い音世界を演出します。このクールネスがこの時期のUKソウルの魅力ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Vr9wYVZ6Xps

「Groove On」
本作のハイライト。Soul II Soul、グラウンドビート好きの人は要チェックの1曲。Michael Pedenのサウンド・センスの良さを実感できるクールなグルーヴ感がたまりません。当時の僕が最も好んで聴いていたのはこんな音でした。ストリングスやフルートもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=p5Aq4dbTxto

「Yo Yo」
妖しげなフルートが誘うミッド・グルーヴ。Anita Jarrettの艶やかなのにどこか悲しげなヴォーカルを聴いていると、Caron Wheelerあたりも一緒に聴きたくなりますね。

「Inside This Love」
Mani ShoniwaとMichael Pedenの共作曲。この曲はまさにVoodoo Soulって雰囲気がしますね。UKらしくトリップ・ホップ的まダビー・エッセンスも上手く取り込んでいます。
http://www.youtube.com/watch?v=8eGjW2sQZiQ

「Get It On」
「Groove On」と並ぶ人気曲。流麗なストリングス&美しいメロディがクールなダンス・ビートにのって爽快に響き渡ります。今聴くと改めてクラシック感のある名曲だと実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=jFPi0EuFA8I

「So So Soft」
当時はあまり感じませんでしたが、改めて聴くとかなりグッドなUKグルーヴです。Michael PedenのセンスとNick Ingmanのセンスが上手く噛み合っている感じがサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=g-7f7KCPG0Q

「Don't Change Your Love」
本作唯一のカヴァーはCurtis MayfieldがThe Five Stairstepsへ提供した「Don't Change Your Love」です。意外にオリジナルの雰囲気を上手く受け継ぎつつ、少しGo-Go的なエッセンスも加えた好カヴァーです。
http://www.youtube.com/watch?v=t8bGnTGSnVk

Curtis作品らしいファンキー感を堪能できるオリジナルも格好良いですね。
The Five Stairsteps「Don't Change Your Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=VQu1hUQnCeQ

「Don't Come To Leave」
この曲もMani ShoniwaとMichael Pedenの共作。この曲がYo Yo Honeyらしいかは???ですが、個人的にはアルバムで一番好きな曲です。UKソウルらしいスタイリッシュ感がたまりません。この曲聴いていたら、当時大好きだったAlison Limerickが聴きたくなってきました。
http://www.youtube.com/watch?v=Ffqsjt9lqSk

「Circle On You」
憂いを帯びた妖艶な哀愁UKソウル。Anita Jarrettの声質の魅力を最も実感できる曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=Z-r_5YbbLEs

「Voodoo Soul (Reprise)」
ラストは「Voodoo Soul」のリプライズ。妖気を漂わせながらアルバムは幕を閉じます。

他の忘れ去られたUKグラウンドビート系作品の過去記事もご参照下さい。

The Chimes『The Chimes』(1990年)
The Chimes

Innocence『Build』(1992年)
Build
posted by ez at 12:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする