2012年04月19日

SWV『I Missed Us』

遂に復活アルバム・リリース!Coko、Taj、Leleeの歌声がそこにある!☆SWV『I Missed Us』
I Missed Us
発表年:2012年
ez的ジャンル:90年代を代表する女性R&Bグループ
気分は... :3人の歌声を聴ければ素直に嬉しい...

TLCと並び90年代を代表する女性R&BグループSWVの復活アルバム『I Missed Us』です。

Cheryl "Coko" GambleTamara "Taj" JohnsonLeanne "Lelee" Lyonsの3人組SWVに関して、当ブログでは以下の3枚を紹介済みです。

 『It's About Time』(1992年)
 『New Beginning』(1996年)
 『Release Some Tension』(1997年)

1997年にクリスマス・アルバム『A Special Christmas』をリリースした直後に解散してしまったSWVですが、2005年に再結成し、その後断続的にツアーを行い、来日公演も行っていました。

そんな中で何度となく新作アルバム・リリースの噂も飛び交いましたが、ようやくそれが実現して約15年ぶりのオリジナル・アルバムのリリースとなりました。

僕の場合、かつての作品が大好きなアーティストでも、「●●年ぶりのオリジナル・アルバム」という類のものにはネガティブなスタンスになりがちです。「過去の名声のみの作品を購入するくらいならば、今が旬のアーティストの作品を購入したい」というのが僕の基本スタンスなのかもしれません。

その意味では、SWVの復活アルバムとなる本作にも多くを期待していませんでした。それにも関わらず購入してしまったということは、それだけ僕のSWVに対する思い入れが強いのでしょう。

アルバムの出来栄えは、純粋に新作R&B作品として聴けば並レベルなのかもしれません。それでもSWVとして3人の歌声を聴くと、素直に嬉しい気分になりました。

アルバムの大半はMonicaJazmine SullivanKeyshia Coleなどを手掛けたLamb(Cainon Lamb)がプロデュースしています。それ以外にBryan-Michael Cox、Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Haggins、Michael "Big Mike" Clemonsがプロデューサーに起用されています。

ジャケに写る3人には多少貫録がつきましたが(笑)、Coko、Taj、Leleeの3人による素晴らしい歌声は健在です。

内容云々は関係ありません。
3人の歌声が聴こえてくれば、それだけで感動です。

全曲を紹介しときやす。

「Co-Sign」
昨年リリースされたアルバムからのリード・シングル。90年代R&BフィーリングのメロディとSWVらしいヴォーカルに思わずニンマリしてしまいます。変に今時の音を求めるよりも僕はこういうのが好きです。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=nH2yRPzJbko

「All About You」
Big Kap & Fatman Scoop「Party Anthem(Acapella)」とBob James「Take Me to the Mardi Gras」をサンプリング。Big Kap & Fatman Scoopネタでアゲアゲなパーティー気分を演出したかったのでしょうが、個人的には爽快アップの本編のみで良かった気もしますが・・・。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=3bmbwNA_U44

「Show Off」
A.X.をフィーチャー。甘く危険な香りのするセクシー・ミッド・チューン。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=tkIisra3-i0

「Everything I Love」
力強い3人のヴォーカルを満喫できるバラード。従来のファンも納得の1曲なのでは?Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=F3yeaTbt1kA

「Do Ya」
Brianna Perryをフィーチャー。Rufus & Chaka Khan「Do You Love What You Feel」をサンプリングした軽快なアッパー・チューン。SWVらしいかは別として、みんなで大盛り上がりするのにはピッタリな1曲なのでは?Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=HZSDiO90goE

「The Best Years」
美メロのミッド・チューン。しっとりとした大人の魅力を醸し出した仕上りがいいですね。僕はこういうSWVが好きです。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=io6-pJ6omik

「I Missed Us」
タイトル曲は美しいメロディ&サウンドが印象的です。タイトルも含めてファンにはグッとくるものがあるかもしれませんね。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=j8FsXAlN3KY

「Better Than I」
3人の瑞々しい歌声を満喫できる1曲。ラップ・パートもあります。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=f_BUsCBSdKs

「Keep You Home」
哀愁バラードを切々と歌い上げます。正直、この曲は僕の好みではありません。Cainon Lambプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=NIFlqONPb0g

「Time To Go」
Bryan-Michael Coxプロデュースの1曲目。さすがはBryan-Michael Cox!と思わせる仕事ぶりの哀愁ミッド・グルーヴ。2012年モデルのSWVとしてはこういう曲がマッチしているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=iT3pmALQNig

「Use Me」
Bryan-Michael Coxプロデュースの2曲目。3人の歌力を上手く引き出したバラードです。こういうオーセンティックな作りの曲がもっと多くても良かったような・・・
http://www.youtube.com/watch?v=th-hn8KJzsw

「Love Unconditionally」
Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。Ivan & Carvinがビューティフル&エレガントなSWVを演出してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=zJJss6quzlY

「If Only You Knew」
ラストは当ブログでも紹介したPatti LaBelleの大ヒット曲のカヴァー。切ない恋心は大人の女性R&Bグループらしく、しっとりかつ堂々と歌い上げます。メロウな生音サウンドもグッド!Michael "Big Mike" Clemonsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=jRyAQmj_C7M

SWVの過去記事もご参照下さい。

『It's About Time』(1992年)
It's About Time

『New Beginning』(1996年)
New Beginning

『Release Some Tension』(1997年)
Release Some Tension
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2012年04月17日

Christopher Scott『Switched-On-Bacharach』

モンドでエキゾチックなムーグによるバカラック作品集☆Christopher Scott『Switched-On-Bacharach』
スウィッチド・オン・バカラック(紙ジャケット仕様)
発表年:1969年
ez的ジャンル:モンド&ドリーミー系ムーグ・シンセサイザー
気分は... :ムーグ・サウンドの玉手箱や〜!

今日は1969年にリリースされた2枚のムーグ・シンセサイザー作品Hugo Montenegro & His Orchestra『Moog Power』Christopher Scott『Switched-On-Bacharach』のどちらかにするか迷いましたが、記事の書きやすさ(?)で後者をセレクトしました。

Hugo Montenegro & His Orchestra『Moog Power』はサンプリング・ソースの宝庫である点や、彼のバイオグラフィ、ディスコグラフィを整理するのが大変な点を考慮し、もっと時間的余裕がある時にエントリーしたいと思います(泣)

『Switched-On-Bacharach』はタイトルの通り、シンセサイザー奏者Christopher ScottによるBurt Bacharach作品集です。

本作の主役Christopher ScottことDave Mullaneyのプロフィールについては不明ですが、本作『Switched-On-Bacharach』に続き、バカラック作品集第2弾『More Switched-On Bacharach』(1970年)もリリースしています。

また、Hot Butterのメンバーとして、『Popcorn with Hot Butter』(1972年)、『More Hot Butter』(1973年)という2枚のアルバムをリリースしています。

お馴染みのBurt Bacharach作品をムーグ・サウンドで楽しませてくれます。
よく知っている楽曲ばかりなので、ムーグの音色に集中して聴けるのもいいですね。

1枚通して聴くと、ムーグ・サウンドのさまざまな可能性を楽しめます。
意外に飽きずに楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「The Look Of Love」
Dusty Springfieldのヒットでお馴染みの1曲(映画007シリーズ『Casino Royal』の主題歌)。Sergio Mendes & Brasil'66によるシングルも全米シングル・チャート第4位の大ヒットとなりました。当ブログではDelfonicsGimmicksのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはスペイシーな雰囲気はあるもののオルガン・ジャズっぽい雰囲気のカヴァーに仕上がっています。

「Alfie」
Dionne Warwickが歌った映画『Alfie』の主題歌。Vanessa Williamsなどのカヴァーでもお馴染みですね。当ブログではDelfonicsのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはムーグでオーケストレーション的な効果を上手く演出しているのが印象的です。曲自体が大好きなこともあり、お気に入りの演奏の1つです。

「Walk On By」
オリジナルはDionne Warwick。当ブログではa href="http://eastzono.seesaa.net/article/123308752.html">Cal Tjader、Average White BandGloria GaynorThe Four King CousinsThe CarnivalPucho & The Latin Soul BrothersGimmicksのカヴァーを紹介済みです。ムーグらしい音色を満喫できる本カヴァーはアルバムのハイライトの1つかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=3BoOVqMfm20

「The Guy's In Love With You」
Herb Alpert & The Tijuana Brassが全米No.1を獲得した大ヒット曲。Dionne WarwickAretha Franklinもカヴァーしています。当ブログではThe Four King Cousinsのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンは、この曲の持つ甘く切ない雰囲気を上手くムーグで表現していると思います。

「Wives And Lovers」
1963年公開の映画『Wives And Lovers』の主題歌。この曲でJack JonesがグラミーのBest Pop Male Performanceに輝いています。ムーグの特性を生かしたスペイシー・ワルツ・チューンといった趣のカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=0BXObxq8CJk

「Do You Know The Way To San Jose」
邦題「サン・ホセへの道」。Dionne Warwickのヒットでお馴染みの曲。当ブログではBossa Rioのカヴァーも紹介済みです。本曲の持つエヴァーグリーンなポップ感をムーグで再現することにチャレンジしています。

「What The World Need Now Is Love」
Jackie DeShannonのヒットで知られる曲。オリジナルの雰囲気を上手くムーグ・サウンドで受け継いでいると思います。

「I Say A Little Prayer」
Dionne WarwickAretha Franklinらのヒットでお馴染みの曲。当ブログではCal TjaderReuben Wilsonのカヴァーを紹介済みです。本カヴァーはイージー・リスニングな雰囲気ですね。

「The April Fools」
オリジナルはCatherine Deneuve、Jack Lemmon主演のアメリカ映画『The April Fools(邦題:幸せはパリで)』(1969年)の主題歌であり、Dionne Warwickが歌っていました。当ブログではThe Moleskinsのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンはひたすらロマンティックなムーグ・サウンドを楽しめます。

「Whats New Pussycat?」
Tom Jonesが歌ったWoody Allen主演による1965年の映画『What's New,Pussycat?(邦題:何かいいことないか子猫チャン)』の主題歌。本曲の持つコミカルな雰囲気をムーグの特性をフル活用して見事に再現していると思います。個人的にはこの位大袈裟な雰囲気のムーグ・サウンドが好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=NXCI3IA6Jeg

興味がある方はHot Butterもチェックを!

Hot Butter『Popcorn with Hot Butter』(1972年)
Popcorn

Hot Butter『More Hot Butter』(1973年)
Hot Butter

同じバカラック作品集でも、もっとラウンジ気分の作品を聴きたい方は以前に紹介したCal Tjader『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)をチェックしてみて下さい。

Cal Tjader『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
サウンズ・アウト・バート・バカラック(紙ジャケット仕様)

Hugo Montenegro & His Orchestra『Moog Power』(1969年)も時間がある時にきちんとエントリーしたいと思います。

Hugo Montenegro & His Orchestra『Moog Power』(1969年)
Moog Power
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2012年04月16日

『今の気分は...2012年4月16日編』

今日は時間がないので、過去記事から10曲セレクトするシリーズでご勘弁を!

今回は2000年代作品からブラジルおよびブラジリアン・フレイヴァー作品をセレクトしました。迷ったときにはブラジル音楽ですな。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Bebel Gilberto「Bring Back The Love」
http://www.youtube.com/watch?v=CNo9UrbFJX4
From 『Momento』(2007年)
モメント

Clara Moreno「Slow Motion Bossa Nova」 
http://www.youtube.com/watch?v=nbRd6KWb4NE
From 『Morena Bossa Nova』(2004年)
Morena Bossa Nova

Ana Costa「Novos Alvos」
http://www.youtube.com/watch?v=oII8DOATsYU
From 『Novos Alvos』(2009年)
Novos Alvos

Dadi「Cantado Por Voce」
http://www.youtube.com/watch?v=MLnbX7bbaac
From 『Dadi』(2005年)
Dadi

Luciana Souza「Never Die Young」 
http://www.youtube.com/watch?v=Uzc_FVuF43o
From 『The New Bossa Nova』(2007年)
New Bossa Nova

Doces Cariocas「Feira do Troca」
http://www.youtube.com/watch?v=xKqe9jzM2Ss
From 『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』(2009年)
Sweet Cariocas

Tribalistas「Passe Em Casa」
http://www.youtube.com/watch?v=muQl9gMHNkM
From 『Tribalistas』(2002年)
Tribalistas

Paprika Soul「Dindi」
http://www.youtube.com/watch?v=DrjEoC8-Zks
From 『Into The Light』(2002年)
イントゥ・ザ・ライト

Tom & Joyce「Vai Minha Tristeza」
http://www.youtube.com/watch?v=63m_lzJnn5I
From 『Tom & Joyce』(2002年)
tom&joyce

Rosalia De Souza「Sambinha」
http://www.youtube.com/watch?v=ONT0nFQIEPs
From 『D'Improvviso』(2009年)
D'improvviso
posted by ez at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月15日

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』

盟友Alice Russellと共演したQuanticのラテン/ソウル・アルバム☆Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)
発表年:2012年
ez的ジャンル:ハイブリッド・ラテン/ソウル
気分は... :ヴィンテージなのにハイブリッド!

今回はハイブリッド作品をリリースし続け、エッジーな音楽ファンから高い支持を得ているUK出身のアーティストQuanticの新作Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』です。

QuanticことWill Hollandの紹介は、The Quantic Soul Orchestra名義の『Stampede』(2003年)に続き2回目です。

QuanticThe Quantic Soul OrchestraThe Limp Twinsの名義で2000年代にコンスタントに作品をリリースしてきたQuanticですが、2007年にはコロンビアへ移住し、ラテン音楽、カリビアン・ミュージック、レゲエ/ダブへのアプローチした作品をQuantic & His Combo BarbaroFlowering Inferno名義でリリースするようになりました。

今回はクラブ・ミュージック・ファンにはお馴染みBah Sambaのリード・ヴォーカルAlice Russellとの共演作をCombo Barbaro名義でリリースしました。Combo Barbaro名義のアルバムは『Tradition in Transition』(2009年)以来2枚目となります。

Quanticと共に本作の主役であるAlice Russellは、クラブミュージック好きにはお馴染みのユニットBah Sambaのリード・ヴォーカルとしてお馴染みですが、ソロ名義でも『Under The Munka Moon』(2004年)、『My Favourite Letters』(2005年)、『Pot of Gold』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

また、数多くのアルバムにゲスト・ヴォーカルとしてフィーチャーされています。当ブログで紹介した作品で言えば、Hocus Pocus『16 Pieces』(2010年)に参加しています。

Quanticとの共演としては、The Quantic Soul Orchestraの『Stampede』(2003年)、『Pushin' On』(2005年)に参加しています。

Quanticがコロンビアへ移住する以前は自宅も近くで音楽活動以外親交が深かった2人ですが、コロンビア移住後は共演の機会がなく、共演を熱望したQuanticがAliceをコロンビアまで呼び寄せてレコーディングをスタートさせた模様です。

バックを務めるCombo Barbaroは、ペルー人ピアニストAlfredito Linares(p)を中心にFreddy Colorado(congas)、Fernando Silva(b)、Larry Joseph(ds)、Wilson Viveros(ds)等のメンバーから構成されています。また、Alice Russellとの共演が多いヴァイオリン奏者Mike Simmondsが全面参加し、サウンド・メイキングに大きく貢献しています。

今回2人はヴィンテージなソウル・サウンドを意識したクラシカルなサウンド創りを目指したようです。レコーディングを開始するにあって、Quanticがよく聴いていたのはソウル・ファンにもお馴染みのジャズ・ハープ奏者Dorothy Ashbyなのだとか。Mike Simmondsのヴァイオリンを大きくフィーチャーしているのも何となく納得できてしまいます。

全体としては、ヴィンテージ感を重視したハイブリッドなラテン/ソウルといったところですかね。
Quanticのサウンド・センスとさまざまなスタイルの楽曲を自分らしく歌いこなしてしまうAlice Russellのヴォーカリストとしての力量に脱帽です。

さまざまなジャンルの際が重なっている感じがモロに僕好みの1枚です。

僕が保有するのは国内盤ですが、輸入盤はジャケが異なるので気を付けてください。

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』※輸入盤
Look Around The Corner (TRUCD250)

全曲紹介しときやす。

「Look Around The Corner」
先行シングルにもなったタイトル曲。これぞQuantic流ハイブリッド・ラテン/ソウルって感じですね!Quanticのギターの音色がラブリーに響く&グルーヴィーなラテン・サウンドにのって、Aliceのソウルフルかつ軽やかなヴォーカルが弾けます。さらにMike Simmondsのヴァイオリンがエレガント&エキゾチックなムードを盛り上げてきます。特に終盤の音世界は感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=n4pzKSKtWNY

「Here Again」
Quanticの印象的なギターと共にスタートするミステリアスな哀愁ソウル。Aliceのヴォーカリストとしての魅力に触れることができます。ハイブリッドながらもヴィンテージ感のあるサウンド作りを目指した本作のねらいが実感できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=omG3Nd2mYtQ

「Travelling Song」
ブリティッシュ・フォークを代表するグループPentangleのカヴァー。ブリティッシュ・フォーク名曲をブルージーなラテン・フレイヴァーのソウル・チューンに仕上げています。オリジナルのブルージーな味わいを上手く活かしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=Vy1p3TCHpkI

「Magdalena」
僕の一番のお気に入り!Quanticの格好良いカッティング・ギターと共にスタートするQuantic流ノーザン・ソウル!Aliceのハスキー・ヴォーカルがスタイリッシュなヴィンテージ・サウンドとマッチしています。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=oUDjPeuQi0E

「I'll Keep My Light In My Window」
The Temptationsのカヴァー(Leonard Caston/Terri McFaddin作)。オリジナルは『Truly For You』(1984年)に収録されています。Aliceのお気に入り曲のようです。そんな思い入れも反映されたエモーションがガンガン伝わってくる感動的なヴィンテージ・ソウルに仕上がっています。個人的にはイントロや途中に挿入されているAhmad Jamal「Dolphin Dance」のピアノ・フレーズにハートを鷲掴みにされてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=2P3ejyRm04M

「Una Tarde En Mariquita」
エキゾチックなインスト・チューン。気分は南国リゾート気分です。ここでの主役はMike Simmondsのヴァイオリンです。
http://www.youtube.com/watch?v=nROk65_UDHw

「Interlude」
コズミックな雰囲気のインタールード。

「Su Suzy」
ラテン・モード全開の1曲。前半はブーガルー、後半はデスカルガでガンガン飛ばします。特に後半の盛り上がりはテンション上がりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=R9xBGlrpugk

「Boogaloo 33」
ヴィンテージ感たっぷりのラテン・ソウル。60年代後半のラテン作品と一緒に聴いてもそれ程違和感ありません。こういった曲も見事に歌いこなしてしまうAliceにも感心してしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=JLvViwN3gqI

「Road To Islay」
Mike Simmondsのヴァイオリンを大きくフィーチャーした郷愁感たっぷりのインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=U_DR7dtQpsQ

「Similau」
エキゾチック・ジャズの名曲カヴァー(Arden Clar/Larry Coleman/Leopoldo Gonzalez作)。Aliceがミステリアス&セクシーなヴォーカル&スキャットを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=GrFk63Ekvcg

「I'd Cry」
哀愁のラテン・バラード。Mike Simmondsのヴァイオリンを活かしたエレガントなアレンジが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=zjRR7_N72zo

「Magdalena (Reprise)」
「Look Around The Corner (Reprise)」
最後は「Magdalena」、「Look Around The Corner」のリプライズで余韻に浸りましょう。

国内盤には「Boogaloo 33 (Reprise)」「I'd Cry (Reprise)」がボーナス・トラックで追加収録されています。

興味のある方はCombo Barbaro名義の第1作『Tradition in Transition』(2009年)やAlice Russellのソロ作をチェックしてみては?

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Alice Russell『Under The Munka Moon』(2004年)
Under Munka Moon

Alice Russell『My Favourite Letters』(2005年)
My Favourite Letters (TRUCD082)

Alice Russell『Pot of Gold』(2008年)
Pot of Gold
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2012年04月14日

Barbara Keith『Barbara Keith』

再評価の高まった女性SSWの2nd☆Barbara Keith『Barbara Keith』
バーバラ・キース
発表年:1972年
ez的ジャンル:スワンプ系女性SSW
気分は... :謎は解けた????

今回は再評価の高い女性SSWBarbara Keithの2ndアルバム『Barbara Keith』(1972年)です。

後にOrleansで活躍するJohn Hallらと結成したグループKangarooを経て、『Barbara Keith』(1969年)、『Barbara Keith』(1972年)という2枚のソロ・アルバムを残した後にシーンから姿を消した謎多き女性シンガー・ソングライターBarbara Keith

90年代に入り、2nd『Barbara Keith』のオープニングを飾るBob Dylanの名曲カヴァー「All Along the WatchtowerがDJによりプレイされるようになり、彼女への再評価が高まりました。

そんなことが影響してか、Barbaraは夫John Tibbles、息子Doug TibblesとThe Stone Coyotesを結成し、アルバム『Church of the Falling Rain』(1999年)で突如シーンに復帰します。その後、The Stone Coyotesはコンスタントにアルバムをリリースし、ファンに元気な姿を見せてくれています。

かつては謎多く女性SSWでしたが、The Stone Coyote結成以後はそんなイメージも一変してしまいました(笑)

やはりBarbara Keithの1枚と言えば、2nd『Barbara Keith』(1972年)ですよね。

前述のようにファンキー・ロック「All Along the Watchtower」が有名になってしまいましたが、アルバム全体としてはスワンプ・テイストの味わい深い女性SSW作品に仕上がっています。

1st『Barbara Keith』(1969年)ではPeter Asherがプロデュースしていましたが、本作ではカントリー・ロック系でお馴染みLarry Marksがプロデュースしています。

レコーディングには、Barbara Keith(vo、g、p)以下、Lowell George(g)、Danny Kortchmar(g)、John Brennan(g)、Tony Peluso(g)、David Cohen(g)、Sneaky Pete Kleinow(pedal steel)、Richard Bennett(pedal steel)、Craig Doerge(p)、Clarence McDonald(p)、Spooner Oldham(p)、Mike Utley(org)、Leland Sklar(b)、Max Bennett(b)、Emory Gordy(b)、Russ Kunkel(ds)、Jim Keltner(ds)、Jim Gordon(ds)、Dennis St. John(ds)、Ron Tutt(ds)、Milt Holland(per)、Nick DeCaro(strings arr)という錚々たるメンバーが名前を連ねています。

前述の「All Along the Watchtower以外は彼女のオリジナルです(共作含む)。

まずは彼女が作る楽曲が素晴らしいです。その証拠に本作に収録された多くの楽曲が他のアーティストによりカヴァーされています。また、彼女自身の思いがひしひしと伝わってくる歌力に感心してしまいます。さらに、名うてのミュージシャンによる堅実なバッキングが彼女の楽曲&ヴォーカルの素晴らしさを際立たせてくれます。

アルバム全体を通して充実感のある1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「All Along the Watchtower」
オススメその1。オープニングはBob Dylanの名曲カヴァー。フリーソウル好きにはフリーソウルのコンピ『Free Soul Garden』にも収録されている人気曲である本曲がハイライトでしょう。オリジナルではありませんが、彼女の再評価のきっかけを作った重要曲です。Dylanのオリジナルは『John Wesley Harding』(1967年)に収録されています。当ブログでは本曲を有名にしたJimi HendrixのカヴァーやXTCのカヴァーも紹介済みです。他にもDave MasonU2等数多くのアーティストがカヴァーしていましたね。本ヴァージョンはDJが絶大な支持を受けたのも頷けるグルーヴィーなファンキー・ロックに仕上がっています。Ellen McIlwaineあたりとセットで聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=hYL9DOifo04

「Rolling Water」
オススメその2。切ない恋心にグッと胸を締め付けられます。「All Along the Watchtower」を除けば一番好きかもしれません。Danny Kortchmar、Leland Sklar、Russ Kunkel、Craig Doergeというバック陣が洗練されたサウンドで好サポートしています。
http://www.youtube.com/watch?v=wWARyhtstWk

「Bramble and the Rose」
カントリー調の作品。カントリー苦手の僕もBarbaraの瑞々しい歌声に魅了されます。Mary McCaslin & Jim Ringer等もカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=BIDycPLqTmE

「Burn the Midnight Oil No More」
Barbara自身のピアノによる弾き語りが感動的な1曲。Nick DeCaroアレンジによるストリングスが盛り上げてくれます。

「Free the People」
オススメその3。数多くのアーティストが取り上げたソングライターとしてのBarbaraの出世作。本作以前にDelaney & Bonnieが『To Bonnie From Delaney』(1970年)、
Barbra Streisandが『Stoney End』(1971年)で取り上げています。それ以外にEllen Nikolaysen、Olivia Newton-John等もカヴァーしています。Barbara自身のヴァージョンはソウルフルな女声コーラスも加わったゴスペル・テイストのスワンプ・チューンに仕上がっています。

「Detroit or Buffalo」
オススメその4。味わい深いカントリー・ロック。こういう土臭いカントリー・ロックは大好きです。Lowell Georgeのスライド、Sneaky Peteのペダル・スティールが盛り上げてくれます。Melanie、Neal Casal、Amanda Shires等がカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=MFL_K-LKK7s

「The Road I Took to You」
オススメその5。切なる願いが込められた歌が感動的なピアノ弾き語り。シンプルな曲だからこそ、Barbaraのシンガー・ソングライターとしての実力が伝わってきます。Joey Heathertonがカヴァーしています。

「Shining All Along」
オススメその6。聴いているとパワーがじわじわと漲ってくるスワンプ・チューン。Lowell Georgeのスライドがいい雰囲気を演出してくれます。

「Rainy Night Are All」
SSWらしいカントリー調の弾き語り。シンプルな演奏ですが、曲の良さとBarbaraの歌力で聴く者を引き寄せます。

「A Stone's Throw Away」
オススメその7。夫Doug Tibblesとの共作。当ブログでも取り上げたValerie Carterの人気作『Just A Stone's Throw Away』のタイトル曲としてもお馴染みですね。ValerieヴァージョンはLowell Georgeが共同プロデュースしており、彼が強くプッシュして本曲をカヴァーしたのではないかと思います。開放的なスワンプ・チューンは聴いていて爽快な気分になります。
http://www.youtube.com/watch?v=--wvqNegppk

興味のある方は1st『Barbara Keith』(1969年)やKangarooもチェックを!

『Barbara Keith』(1969年)
バーバラ・キース(紙ジャケット仕様)

Kangaroo『Kangaroo』(1968年)
Kangaroo

posted by ez at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする