2012年04月01日

Othello Plus The Pocket Change Band『Translation Please』

デトロイトに拠点を移したOthello、久々の新作☆Othello Plus The Pocket Change Band『Translation Please』
TRANSLATION PLEASE (トランスレイション・プリーズ)
発表年:2012年
ez的ジャンル:生音系アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :こちらのオセロはお騒がせさせません(笑)

今回はジャジーHip-Hopファンには人気の高いMC、Othelloの久々の新作Othello Plus The Pocket Change Band『Translation Please』です。

これまで当ブログで紹介したOthello作品は以下の3枚。

 『Classics』(2004年)
 『Elevator Music』(2005年)
 『Alive At The Assembly Line』(2006年)

シアトル出身、ポートランドで結成したOhmega Watts、BrailleとのユニットLightheadedの活動でも知られるOthelloですが、現在はデトロイトを拠点にしているようです。

これまでHip-HopバンドThe Hipknoticsと組んだ生音Hip-Hopのアルバム『Classics』(2004年)、生音演奏のトラックとサンプリングを織り交ぜた『Alive At The Assembly Line』(2006年)と、生音重視のジャジーHip-Hop作品をリリースしてきたOthelloですが、久々のアルバム・リリースとなる本作も良質の生音Hip-Hopアルバムとなっています。

今回Othelloをサポートしているのは、デトロイトのローカル・ミュージシャンの集合体であるThe Pocket Change Bandです。

メンバーはKris Johnson(tp)、Nate Winn(ds)、John Dixon(key)、Desean Jones(b)、Darell Campbell(ts)という編成です。特に、Kris Johnsonは多くの曲をOthelloと共作し、共同プロデュースも務めています。

Othello好き、生音Hip-Hop好き、ジャジー&メロウなアングラHip-Hop好きの期待を裏切らない1枚に仕上がっています。全編通じて
抜けのいいドラムとメロウなエレピの音色にグッときます。そんなジャジー&メロウ・グルーヴをバックにOthelloのフロウも軽快です。

5年以上、新作を待った甲斐があった思わせてくれる充実作です。

世間ではオセロが話題となったここ数か月ですが、こちらのオセロも要チェックですよ(笑)

全曲紹介しときやす。

「Translation Please」
ポエトリー・リーディングと共に始まるタイトル曲。日本語による通訳も聴こえてくるのが興味深いですね。本編は、これまでのOthello作品の流れを汲む爽快な生音ジャジー・サウンドをバックに軽快なフロウを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=y3iGyKi5ETI

「Long Haul」
メロウなエレピ・サウンドが心地好い1曲。Q-Tipに相通じるOthelloらしいフロウを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=rrd-4S7Hfs4

「East Bound」
疾走するジャジー・ドラムとエレピがメインのインスト・チューン。The Pocket Change Bandの小粋なセンスの演奏を楽しむことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=EeRWnLiObMM

「Simply」
バック・コーラスでAshton Mooreをフィーチャー。乾いたドラム音の響きが心地好い軽快なジャジーHip-Hopチューン。Ashton Mooreは地元デトロイトで活動する男性シンガー/ソングライターです。
http://www.youtube.com/watch?v=IFsn0chd2io

「Catch 22」
ジャジー&メロウ好きにはたまらない1曲。こういうジャジーHip-Hopが聴きたかったんですよね。小粋なホーン・アンサンブルとメロウなエレピの音色にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vh2fLX72V7c

「Yesteryear」
インタールード的なインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=Qb0GSG1cgw8

「Bloom」
バックだけ聴いていると、フツーにメロウなコンテンポラリー・ジャズですよね。落ち着いたジャジー・メロウが印象的な大人のジャジーHip-Hopです。
http://www.youtube.com/watch?v=PP4aRzmE8xM

「Gone With The Win」
この曲もジャジー&メロウ好きにグッとくる1曲だと思います。抜けのいいドラム、メロウ・エレピ、メロウなコーラスとひたすら心地好いジャジーHip-Hopを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=QMD9-AORlhQ

「For Her」
本曲はアングラ・ジャジーHip-Hop好きならばお馴染みのFreddie Joachimがプロデュースしています。ヴァイヴの音色を巧みに使ったジャジー&メロウ・トラックは実にFreddie Joachimらしいです。Rebekah Pumphreyをフィーチャー。
http://www.youtube.com/watch?v=nTldm0DXNI8

「I See You Out There」
Neenah & Just J.をフィーチャー。スクラッチ音や軽くラテン・フレイヴァーが加わり、いいアクセントになっています。甘く危険な香りが漂う1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZCiE3Zif0Hk

「Wrong Product」
インタールード。

「Psychedelic Perm」
Kris Johnsonのトランペットをフィーチャー。タイトルほどサイケデリックではありませんが、他の楽曲にはないコズミック感があります。
http://www.youtube.com/watch?v=WY7zqAd1wUo

「All I Got To Give」
アルバム中最もソウルフルな雰囲気の仕上がり。メロディアスで温もりのある感じがいいですね。人気の1曲になる予感がします。
http://www.youtube.com/watch?v=MPDeBZ4ZVlA

「Outro」
Ragen Fykesのキュートな女性ヴォーカルをフィーチャーしたアウトロでアルバムは幕を閉じます。

『Classics』(2004年)
Classic

『Elevator Music』(2005年)
Elevator Music

『Alive At The Assembly Line』(2006年)
Alive At The Assembly Line
posted by ez at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする