発表年:2001年
ez的ジャンル:アップ・ダウン系女性R&Bグループ
気分は... :必ず晴れた日が訪れる!
今回は90年代R&B好きにはお馴染みの女性R&BグループAllureの2ndアルバム『Sunny Days』(2001年)です。
Alia Davis、Lalisha McClean、Akissa Mendez、Linnie Belcherの4人組、Allureの紹介はデビュー作『Allure』(1997年)に続き2回目となります。
Mariah Careyが設立したレーベルCraveの第一弾アーティストとして、デビュー・アルバム『Allure』(1997年)を華々しくリリースしたAllure。同アルバムから「Head Over Heels」、「All Cried Out」といったシングル・ヒットも生まれ、順風満帆なスタートを切ったかに見えた4人でしたが・・・
その後突然Craveが消滅し、活動が不透明な状態になってしまいます。そんな苦難を乗り越えてMCA Recordsと契約し、4年ぶりにリリースした2ndアルバムが本作『Sunny Days』です。レーベルを突然閉鎖し、Allureのような素晴らしいグループを路頭に迷わせたMariah Careyには本当に腹が立ちますね。僕の場合、(アーティストとしての才能以前に)生理的にMariah Careyが大嫌いなもので・・・
敏腕プロデューサー・チームTrack Mastersがプロデュースし、Nas、L.L. Cool J、Raekwonといった豪華ゲスト陣を迎えた1st『Allure』のような華やかさはありませんが、女性R&Bグループ好きを十分満足させる佳作に仕上がっています。
Destiny's Childを範にし、最新R&Bトレンドを意識したような楽曲もありますが、そうした楽曲よりも彼女たちらしいヴォーカルワークや爽快なメロディを重視した楽曲の方にグッときます。
アルバム・タイトルには「どんなに苦しい思いをしていても、いつも雨や嵐ばかりじゃない。必ず太陽が出て晴れた日が訪れる」という苦難を乗り越えようとする彼女たちの思いが込められています。
本作をリリース後、Linnie Belcherがグループを脱退してしまいますが、残った3人で『Chapter III』(2004年)、『Time's Up』(2010年)といったアルバムをリリースしています。
全曲紹介しときやす。
「Bump」
Nucci Rey Oの男性ラップをフィーチャー。Larry Precision Gates/Rick St. Hilaireプロデュース。Destiny's Childあたりをかなり意識したサウンドが印象的なオープニング。
「Kool Wit Me」
アルバムからの2ndシングル。All Starプロデュース。派手さはありませんが、爽快なグルーヴ感は僕好み!後半はラップ調ヴォーカルも交えてアクセントをつけています。こういうタイプの曲は年月を経ても飽きがきませんね。
「Wore Out Your Welcome」
Troy Johnson プロデュース。当時「Superwoman Pt. II」をヒットさせていた女性R&BシンガーLil Moがヴォーカル・アレンジを担当しています。リラックスしたサウンドに当時のR&Bトレンドで軽くスパイスを効かせていますが、Allureらしい素敵なヴォーカルワークを楽しめます。
「Enjoy Yourself/Love Me Interlude」
Chris "C.L." Liggio/Kay-Gee/Kobieプロデュース。アルバムからのリード・シングル。Naughty by NatureのKay Geeもプロデュースに関与し、Allureらしい爽快かつしなやかなR&Bグルーヴを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=nQ7k8bXsF-Q
「Lady」
Ike Lee IIIプロデュース。元ZhaneのJean Norrisもバック・コーラスで参加した哀愁モードの1曲。中盤から疾走モードも加わってくるのがいいですね、
「Never Let You Go」
Rhemario Webberプロデュース。心にしみるヴォーカルで感動が込み上げてくる美メロ・バラード。
「Can't Live Without You」
Ike Lee IIIプロデュース。哀愁モードのスパニッシュ・ギターが印象的なミディアム・スロウ。甘く危険な香りが漂います・・・
「The Shore (Wanna Be Your Lady)」
Hip-Hop/R&Bファンにはお馴染みの女性ヴァイオリン奏者Miri Ben-Ariをフィーチャー。彼女をヴァイオリンを効果的に配したドラマティックなR&Bチューンに仕上がっています。この曲もデスチャを意識した作りですな。
「Earn My Trust」
Full Forceプロデュース。彼らがAllureをプロデュースするとは意外な気もしますが・・・。奇をてらわないオーソドックスなバラードが好感を持てます。
「Only For A While - Interlude」
美しいコーラスワークを満喫できるインタールード。
「Sunny Day」
Larry Precision Gatesプロデュース。前述のように♪どんなに苦しい思いをしていても、必ず晴れた日が訪れる♪という彼女たちの思いが込められたアコースティックR&Bなタイトル曲でアルバムは締め括られます。
『Allure』(1997年)
『Chapter III』(2004年)
『Time's Up』(2010年)