2012年04月28日

Pockets『Take It On Up』

EW&Fの弟分的グループ。スケール感の大きくなった2nd☆Pockets『Take It On Up』
戦士の凱旋(紙ジャケット仕様)
発表年:1978年
ez的ジャンル:ライト&メロウ系ファンク/ソウル
気分は... :That's the Way of the World!

昨日、Earth,Wind & Fireがサントラを手掛け、出演もしている映画『That's the Way of the World』(1975年)を観ました。

映画自体は当時のレコード業界の裏側を描いたC級作品ですが、サントラ『That's the Way of the World』はEW&F初の全米アルバム・チャートNo.1に輝き、グループの黄金期の幕開けを飾った名盤としてお馴染みですね。

EW&F自身も新進気鋭のR&BバンドThe Groupのメンバー役で出演し、演奏シーンも観ることができます。全盛期のEW&Fの演奏シーンを観ることができるのが映画の唯一の見どころかもしれません(笑)。また、映画の中に登場する時代遅れのファミリー・グループの名称がPagesというのが、(Richard Pageの)Pages好きの僕には複雑な思いがしたのですが(笑)

そんな流れで今日はEW&Fの弟分的グループPocketsの2ndアルバム『Take It On Up』(1978年)です。

Pocketsは1975年のボルティモアで結成されたグループ。

Verdine White & Robert Wrightのプロデュースにより、Kalimba Productionから『Come Go With Us』(1977年)、『Take It On Up』(1978年)、『So Delicious』(1979年)をリリースしています。

今回紹介する2ndアルバム『Take It On Up』時点のメンバーは、Albert McKinney(key、vo)、Gary Grainger(b、vo)、Larry Jacobs(vo、per)、 Charles Williams(tp、vo、per)、 Irving Madison(sax、vo、per)、 Kevin Barnes(tb、vo、per)、 Jacob Sheffer(g、per)、George Gray(ds、vo、per)という編成です。

Tom Tom 84がホーン&ストリングス・アレンジを担当し、Larry Dunn(syn)、Paulinho da Costa(per)、Steve Lukather(g)、Dean Gant(p)、Louis Satterfield(tb)、Don Myrick(sax)等がゲストで参加しています。

基本的にはEW&Fの弟分的グループといったサウンドですが、Pocketsならではの味わいもあって、ポップ・フィールドに寄り過ぎてしまったこの時期のEW&Fよりもグッとくる部分があったりします。ヴォーカル・グループとしてもなかなか魅力的だと思います。

特に、この2ndはスケール感が増したのと同時に、楽曲も充実しており、アルバム全体の完成度はかなり高い気がします。

アップのダンス・チューンよし!メロウなミディアム〜スロウよし!
個人的には言うことん無しの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Heaven Only Knows」
Leroy M. Bell/Casey James作。オープニングはディスコ/ソウル・デュオBell & Jamesの二人による作品。後にTeddy Pendergrassも取り上げていますね。軽快なギター・カッティングをバックに甘味のあるヴォーカルと爽快コーラスにグッとくるダンス・チューン。ティンバレスによるアクセントもいい感じです。Tom Tom 84のアレンジも冴えています。

「Take It On Up」
Kevin Barnes /Louis Satterfield/Verdine White/Robert Wright作。タイトル曲はEW&Fの弟分グループらしい、ポップかつ爽快なダンス・チューン。アルバムからの1stシングルとして全米R&Bチャート第24位となっています。開放的なホーン・セクションが盛り上げてくれるEW&F好きの人であれば、間違いなく気に入る1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=kEiVYZauBiY

「Tell Me Why」
James Burke/Keni Burke作。前作でもStairsteps『2nd Resurrection』収録の「Pasado」をカヴァーしていましたが、それに続き『2nd Resurrection』収録曲をカヴァーしています。ヴォーカル・グループとしての魅力を堪能できます。Stairstepsのオリジナルとは異なるキャッチーなメロウネスで聴かせてくれます。

「Got To Find My Way」
Albert McKinney/Gary Grainger/Jacob Sheffer/Louis Satterfield/Robert Wright作。ハッピー・フィーリングなダンス・チューンです。軽快なホーン・アンサンブルと共にスタート。心地好いギター・カッティングが牽引し、一気にコーラス隊がスパークルする感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Voq2D6RV-jE

「Happy For Love」
Verdine White/Robert Wright作。アルバムからの2ndシングル。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。ロマンティックなメロウ・グルーヴは2人だけのサンセット・モードにぴったりだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=algbB3AQ8MI

「Funk It Over」
Dorian Holley/Pockets/Verdine White/Robert Wright作。ファンキー・モード全開のファンク・チューン。ゴリゴリと押しまくります。ホーン・サウンドが高らかに鳴り響きます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZuCHhW8MjWQ

「You And Only You」
Ray Parker, Jr.作。メロウ・モードがお好きな方には、「Happy For Love」と並ぶオススメ曲。こちらもサンセット・モードにぴったり!ひたすら2人だけの世界へ。
http://www.youtube.com/watch?v=jsKE3phS90U

「Sphinx」
Gary Grainger作。フュージョン・テイストのインスト・チューン。Dean Gantが小粋なピアノ・ソロを聴かせてくれます。

「Lay Your Head (On My Shoulder)」
Allee Willis/Verdine White/Robert Wright作。ヴォーカル・グループとしての魅力を堪能できる素敵なスウィート・バラード。ギター・ソロはSteve Lukatherです。
http://www.youtube.com/watch?v=4gMkt3rcb_U

「In Your Eyes」
Jacob Sheffer/Larry Jacobs/Verdine White/Robert Wright作。ラストはメロウなアコースティック・ソウルです。サンセット・モードのハワイアンAORあたりと一緒に聴きたくなりますね。素晴らしい余韻に浸れるエンディングだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=OqFOzUID2I4

1st『Come Go With Us』(1977年)や、同じくEW&FファミリーでPhilip BaileyがプロデュースしたSplendor『Splendor』(1979年)もチェックを!

『Come Go With Us』(1977年)
平和の使者(紙ジャケット仕様)

Splendor『Splendor』(1979年)
スプレンダー(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 04:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする