2012年05月03日

Lincoln Briney『Lincoln Briney's Party』

Chet Baker、Michael Franksを彷彿させるソフトリー・ヴォーカル作品☆Lincoln Briney『Lincoln Briney's Party』
リンカーン・ブライニーズ・パーティ!
発表年:2012年
ez的ジャンル:ソフトリー男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :優しい歌声で癒してくれます!

今回は1stアルバム『Foreign Affair(邦題:コートにすみれを)』(2006年)が日本でも一部の音楽ファンの間で話題となった男性シンガーLincoln Brineyの最新2ndアルバム『Lincoln Briney's Party』です。

Lincoln Brineyは1964年カリフォルニア州ユーレカ生まれ。ステージ・シンガーあるいはスタジオ・シンガーとして長いキャリアを積んだ後、2006年にそれまでコツコツと録音してきた音源をまとめた1stアルバム『Foreign Affair(邦題:コートにすみれを)』をリリースし、Chet BakerMichael Franksを彷彿させるソフトリー・ヴォーカルで一部の音楽ファンから高い支持を得ました。また、ミュージシャン以外にもインテリア関係や一流レストランでの勤務経験なども持つ、多彩な経歴の持ち主のようです。

前作『Foreign Affair』では、SadeRon SexsmithAntonio Carlos Jobim等の多彩なカヴァーを聴かせてくれましたが、本作『Lincoln Briney's Party』はスタンダード中心の選曲となっています。

アルバムはParty SideとChet Sideの二部構成になっています。

Party Sideは2011年8月18日に親しい友人を招いたホーム・パーティーでのセッションであり、Lincoln Briney(vo)、Marco De Carvalho(g)、Rick Leppanen(b)、Jeff Busch(per)、Craig Flory(sax、cl)という編成です。

Chet Sideは2010年10月27日にシアトルのジャズ・クラブTriple Doorで行われたChet Bakerのトリビュート・ライブに出演した時の音源です。こちらのメンバーは、Lincoln Briney(vo)、Thomas Marriott(tp)、Bill Anschell(p)、Evan Flory-Barnes(b)、Jose Martinez(ds)、Marco De Carvalho(g)という編成です。

前述のように、Chet BakerMichael Franksあたりがお好きな方ならば気に入るであろう男性ジャズ・ヴォーカル作品です。個人的にはボッサ・アレンジの楽曲が多いのが嬉しいですね。

目新しさは特にありませんが、ソフトリーな大人の男性ヴォーカルには、抜群の癒し効果があります。基本はジャズ・ヴォーカルですが、ジャズ・ファン以外の人でもソフト&メロウ好きな人であれば十分楽しめる1枚だと思います。

GWに聴くのにピッタリな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Do It The Hard Way」
ブロードウェイ・ミュージカル『Pal Joey』挿入歌のスタンダード(Lorenz Hart/Richard Rodgers作品)。当ブログではChet Bakerのカヴァーも紹介済みです。ここではMarco De Carvalhoのギターが涼しげに響く、ボサノヴァ・カヴァーで聴かせてくれます。Lincoln Brineyのソフトリー・ヴォーカルとボッサ・サウンドが実にマッチしています。

「You Fascinate Me So」
Cy Coleman/Carolyn Leigh作。Blossom Dearie等がカヴァーしています。ここでは穏やかな雰囲気で心が和むカヴァーで聴かせてくれます。

「Do It The Hard Way/You Fascinate Me So」
http://www.youtube.com/watch?v=vCFahmb6r48

「Old Folks」
1938年にDedette Lee Hill/Willard Robinsonによって作られたスタンダード。当ブログではMiles DavisKenny Dorhamのカヴァーを紹介済みです。ここではセンチメンタル・ムードたっぷりのバラードで聴かせてくれます。切ない雰囲気にグッときます。

「Any Place I Hang My Hat Is」
Johnny Mercer/Harold Arlen作のスタンダード。小粋なボサノヴァ・カヴァーで聴かせてくれます。クラリネットの音色がいい感じです。

「Raindrops Keep Fallin On My Head」
映画『明日に向って撃て!』の挿入歌としてお馴染みB.J.Thomasによる全米No.1ヒット「雨にぬれても」のカヴァー(Hal David/Burt Bacharach作)。当ブログではFree DesignClaude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's Sevenのカヴァーも紹介済みです。Marco De Carvalhoの美しいギターをバックにLincolnの優しい歌声で包んでくれる感動的な仕上がりです。

「In The Wee Small Hours」
Frank Sinatraでお馴染みのスタンダード(David Mann/Bob Hilliard作)。当ブログではGerry MulliganAnn Burtonのカヴァーを紹介済みです。寂しげな感情を上手く表現した切ないバラードです。

「The Party Is Over」
Party Sideのラストを飾るのは、1956年のミュージカル・コメディ『Bells Are Ringing』のために書かれた曲(Betty Comden/Adolph Green/Jule Styne作)です。Party Sideのラストに相応しい曲ですね。余韻に浸りながらParty Sideが幕を閉じます。

「Look For The Silver Lining」
本曲からがChet Side。B.G. DeSylva/Jerome Kern作のスタンダードです。Chetは『Chet Baker Sings』で取り上げています。観客も含めて演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。実に小粋な演奏に、天国のChet Bakerも微笑んでいるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Pd1NjWWuWSg

「Alone Together」
1932年のミユージカル『Flying Colors』の挿入歌であったスタンダード(Arthur Schwartz/Howard Dietz作品)。当ブログではDinah WashingtonStanley TurrentineKenny Dorhamのカヴァーを紹介済みです。 Chetは『Chet』等で取り上げています。ここでは哀愁モードでブルーに歌い切ります。Bill Anschellのピアノもグッド!

「Little Girl Blue」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作のスタンダード。ブロードウェイ・ミュージカル『Jumbo』の挿入歌です。当ブログではJanis Joplinのカヴァーを紹介済みです。 Chetは『Embraceable You』等で取り上げています。ここではBill Anschellの美しいピアノをバックに素敵なバラードで聴かせてくれます。

「I'll Remember You」
Elvis Presleyヴァージョン等でお馴染み、ハワイのSSW、Kui Leeの作品。Chetは本曲を取り上げていませんが、Chetの雰囲気にマッチした曲という意味合いかもしれません。ハワイアン・ボッサ・サウンドをバックにジェントル・ヴォーカルで観客を魅了します。

「The Thrill Is Gone」
Lew Brown/Ray Henderson作。Chetは『Chet Baker Sings』で取り上げています。Marco De Carvalhoのギターをバックにしたボッサ・テイストのカヴァーです。

「My Funny Valentine」
ラストはLorenz Hart作詞、Richard Rodgers作曲による超有名スタンダード。当ブログではMiles DavisBill Evans & Jim HallLarry Youngのカヴァーを紹介済みです。Chetは『Chet Baker Sings』で取り上げています。美しく感動的なバラードでアルバムを締め括ってくれます。

1st『Foreign Affair(邦題:コートにすみれを)』(2006年)もチェックを!

『Foreign Affair』(2006年)
コートにすみれを
posted by ez at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月01日

Coke Escovedo『Comin' At Ya』

人気曲「I Wouldn't Change A Thing」収録のソロ第2作☆Coke Escovedo『Comin' At Ya』
Comin at Ya
発表年:1976年
ez的ジャンル:メロウ&グルーヴィー系ラテン・ソウル
気分は... :2,200回目

気づけば、今回が2,200回目のエントリーとなります。
以前は100回刻みで感慨に浸っていましたが、最近はそんなこともなくなってしまいました。それだけ、記事エントリーが自分の中で習慣化しているのかもしれませんが・・・

まぁ、現在をスタイルを変えず、これからも淡々とエントリーを積み重ねていければいいかなぁ・・・と思っています。

今回はラテン・ロック/ソウル好きにはお馴染みのパーカッション奏者Coke Escovedoのソロ第2作『Comin' At Ya』(1976年)。

AztecaSantanaの活動で知られるパーカッション奏者Coke Escovedoの紹介は、ソロ第1作『Coke』(1975年)に続き2回目となります。

『Coke』同様、レア・グルーヴ/フリーソウル・ファンから人気の1枚ですね。その分、3rd『Disco Fantasy』(1977年)の存在感が薄いですが・・・

本作におけるハイライトは何と言っても、「I Wouldn't Change A Thing」Johnny Bristolのカヴァー)ですね。レア・グルーヴ/フリーソウルのクラシックとしても人気ですし、サンプリング・ソースとしても定番曲です。それ以外に「Runaway」も人気曲です。

前作に続き、Coke Escovedo自身とPat Gleesonがプロデュースを務め、レコーディングにはCoke Escovedo(timbales、congas、per、vo)以下、Errol Knowles(vo)、Abel Zarate(g)、
Gabor Szabo(g)、Frank Mercurio(key、syn)、Mark Phillips(b)、Glenn Symmonds(ds)、Joe Henderson(ts)、The Waters Sisters(vo)等が参加しています。

Azteca作品にも参加していたヴォーカリストErrol Knowlesが素晴らしいヴォーカルでアルバムを盛り上げてくれます。また、Errol Knowlesと絶妙のコンビネーションを聴かせてくれるJuliaとMaxineのWaters姉妹の貢献も大きいですね。元MaloのメンバーAbel Zarateも随所で素晴らしいギター・プレイを聴かせてくれます。Joe HendersonGabor Szaboというジャズ・ミュージシャンの参加も目を引きますね。

「I Wouldn't Change A Thing」「Runaway」といった人気曲に話題が集中してしまうアルバムですが、それ意外の曲も充実しており、いろいろな角度から楽しめる1枚になっています。

現在は少し入手しづらい状況になっているようなので、またCD再発して欲しいですね。

全曲紹介しときやす。

「The Breeze And I」
Ernesto Lecuona作。ラテン・スタンダードのカヴァー。エキゾチック・モードのディスコ・チューンといった趣です。Joe Hendersonのテナー・サックスが牽引し、Cokeのティンヴァレスが乱舞します。南国バカンス・モードのBGMにピッタリなのでは
http://www.youtube.com/watch?v=OwOCUmLIZb0

「Runaway」
Errol Knowles作。「I Wouldn't Change A Thing」と並ぶ本作のハイライト。ブレイクが格好良いラテン・ファンクです。作者のErrol Knowlesのリード・ヴォーカルとThe Waters Sistersの女声コーラスの掛け合いもグッド!フルートの音色のようなシンセの音色もいいアクセントになっています。T La Rock「Runaway」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=exUHp0E3i3Q

「I Wouldn't Change A Thing」
前述のように本作のハイライト。レア・グルーヴ/フリーソウルの人気曲です。Johnny Bristolのオリジナルは当ブログでも紹介した『Feeling The Magic』に収録されています。イントロのドラム&パーカッション・ブレイク、軽快なギター・カッティング、Errol KnowlesとThe Waters Sistersによるソウルフル・ヴォーカル、ジョー・ヘンのサックス・ソロ、全てが完璧なグルーヴィー・チューンだと思います。エンディングの格好良さも格別です。
http://www.youtube.com/watch?v=pqwKUZJHZQE

本曲は定番サンプリング・ソースとしてお馴染みですね。Run-DMC「Radio Station」、Eric B. & Rakim「Follow the Leader」、3-D「Once More You Hear the Dope Stuff (Chuck Chillout (Dope Mix)」、The Family Stand 「Ghetto Heaven (Soul II Soul Remix)」、Isis「In the Mind of One」、C.P.O.「The Movement」、Monie Love「Monie in the Middle」、MC Hammer「Yo!! Sweetness」、Erasure「Chorus (Vegan Mix)」、Organized Konfusion「Prisoners of War」、INXS「Taste It」、Mr. Lif「Santa's Got a Muthaf***in' Uzi」、Nujabes「Psychological Counterpart」等でサンプリングされています。

Monie Love「Monie In The Middle」
 http://www.youtube.com/watch?v=lWbOQazufso
Nujabes「Psychological Counterpart」
 http://www.youtube.com/watch?v=aaHBWZ5tEP4

「Backseat」
Glenn Symmonds/Dewayne Sweet作。ポップなラテンAORといった趣です。Abel Zarateのギター・プレイとThe Waters Sistersのコーラスが印象的です。

「Everything Is Coming Our Way」
Santanaのカヴァー。オリジナルは、Coke自身も参加していた『Santana III』に収録されています。オリジナルと比較して、よりメロウ&グルーヴィー&ソウルフルな仕上がりです。メロウなエレピ・サウンドとソウルフルなThe Waters Sistersのヴォーカルがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=PY_neY6BYPk

「Fried Neck Bones And Home Fries」
Melvin Latise/Willie Bobo作。Willie Boboのオリジナルは『Uno Dos Tres 1•2•3』に収録されています。Cokeのティンヴァレスを楽しめるラテン・グルーヴらしい1曲です。もっと長尺で聴きたいですね。Willie Bobo『Uno Dos Tres 1•2•3』も近々紹介する予定ですのでお楽しみに!

「Diamond Dust/Vida」
Brian Holland作「Diamond Dust」とCoke Escovedoのオリジナル「Vida」のメドレー。「Diamond Dust」はJeff Beck「Blow by Blow」でもお馴染みの1曲ですね。前半はGabor Szaboのギターを楽しみましょう。中盤から一気にテンションが上がり、ラテンらしく盛り上がってくれます。

「Something So Simple」
Glenn Symmonds/Mark Phillips作。メロディアスなAORテイストの仕上りです。中盤にはフュージョン風の演奏も聴かれます。エレガントなオーケストレーションが盛り上げてくれます。

「Stay With Me」
Jose Feliciano作。オリジナルは当ブログでも紹介した『And the Feeling's Good』に収録されています。「I Wouldn't Change A Thing」をよりソフト&メロウにした雰囲気のグッド・カヴァーです。Joe Hendersonのテナー・ソロも実に心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=l-T6dFw-mAk

「Hangin' On」
Mark Phillips作。哀愁モードのAOR風バラード。Errol Knowlesの哀愁ヴォーカルとThe Waters Sistersによるソウルフル・コーラス、Abel Zarateの泣きのギターが哀愁モードも盛り上げてくれます。MF Doom「Mugwort」、King Geedorah feat. Biolante「Fastlane」、MF Doom and MF Grimm feat. Kurious「Shifting Lanes」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=6JB1i_O1_PM

「Somebody's Callin'」
Glenn Symmonds作。ラストはソウルフル・チューンで締め括ってくれます。ここでもErrol KnowlesとThe Waters Sistersが素晴らしい掛け合いを聴かせてくれます。

『Coke』(1975年)
Coke
posted by ez at 11:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする