発表年:1967年
ez的ジャンル:ポーランド産ジャズ・コーラス
気分は... :ポーランドが熱い!
ドイツ・ブンデスリーガでは今シーズンのMVPに香川の同僚、ドルトムントのポーランド代表のFWレヴァンドフスキを選出しました。約1ヶ月後には自国ポーランドでEuro2012が開催されますし、レヴァンドフスキは要注目の選手の1人になりそうですね。
そんな流れで、今回はポーランドのジャズ・コーラス・グループNovi Singersのデビュー・アルバム『Bossa Nova』(1967年)です。
Novi Singersは1964年、ポーランドのワルシャワで結成されたグループ。メンバーは紅一点Ewa WanatとJanusz Mych、Waldemar Parzynski 、Bernard Kawkaという男女4人組。
『Bossa Nova』(1967年)、『Novi in Wonderland』(1968年)、『Torpedo』(1970年)、『Novi Sing Chopin』(1971年)、『Rien Ne Va Plus』(1973年)、『Five, Four, Three』(1974年)、『Novi sing Bacharach』(1976年)※Aleksander Mazur Quartetとの共演、『Chopin Up To Date』(1977年)、『Pay Tribute』(1980年)といったアルバムをリリースしています。
イメージとしてはポーランドのLambert, Hendricks & Rossといったところでしょうか。
今日紹介する彼らのデビュー作『Bossa Nova』(1967年)は、タイトルの通り、ボサノヴァのエッセンスを取り入れたジャズ・コーラス・アルバムです。
ただし、ボサノヴァの名曲のジャズ・コーラス・カヴァーといった類のものではなく、楽曲は全て彼らのオリジナルです。その意味では、ボサノヴァ作品を聴いているというよりは、ジャズ・スキャット・コーラス作品を聴いているという印象の方が強いですね。
それにしても1960年代後半のポーランドでこういったアルバムが制作されていたということに驚かされます。
高速スキャットやラウンジ・ボッサがお好きな人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Brownie」
Bernard Kawka作。軽快なスウィンギー・スキャットを満喫できるオープニング。"ポーランドのLambert, Hendricks & Ross"と称されるのがよくわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=vJWfFNDeD3g
「Cichy Wieczor(A Calm Evening)」
Janusz Mych作。ストリングスをバックに配したムーディーな仕上がり。
「Zoity Slon(The Yellow Elephant)」
Waldemar Parzynski作。ダバダバ・スキャットが心地好い軽快なスウィンギー・チューン。大好きな『7 Uomini D'Oro(Seven Golden Men)』のサントラあたりに収録されていても違和感ない感じです。
「Trzeba Wracac(One Must Return)」
Bernard Kawka作。哀愁モードのEwa Wanatのスキャットが切なく響きます。
「Nastroje Malych Misiow(Teddy Bears' Moods)」
Bernard Kawka作。ヴァイヴの音色が心地好いラウンジ・ボッサ。ボッサ好きにはたまらない1曲です。
「Dwa Po Dwa(Two Times Two)」
Bernard Kawka作。クラブジャズ好きにはNicola Conte「Il Cerchio Rosso」ネタとしても要チェックの1曲です。その「Il Cerchio Rosso」でも使われた素敵なスキャットに魅了されます。
「Następny Prosze(Next, Please)」
Bernard Kawka作。スピード感が格好良いボッサ・ジャズ・ダンサー。クラブジャズ好きであれば気に入るはず!
「Pyzate Sloneczniki(Chubby Sunflowers)」
Waldemar Parzynski作。ロマンティック・モードのコーラス&サウンドがいいですね。
「Jak Powrocic Do Tej Chwili(How Could We Return To The Past Moment)」
Bernard Kawka。寛いだ雰囲気のラウンジ・ボッサ。カフェ・タイムにリラックス気分でどうぞ!
「Mini Dziewczyna(The Mini Girl)」
Waldemar Parzynski作。ストリングスをバックに美しいスキャット・コーラスを聴かせてくれます。中盤にボッサ・テイストを挿入してアクセントをつけています。
「Bariera Uczuc(The Barrier Of Feelings)」
Janusz Mych作。哀愁モードで疾走する小粋な仕上がり。ボッサ・サウンドにスウィンギー・パートを上手く織り交ぜています。
「Go Go」
Waldemar Parzynski作。落ち着いた大人のカクテル・スキャット・コーラスといった趣です。
「Krol Salomon(King Salomon)」
Bernard Kawka作。美しくも切ない雰囲気のコーラス・ワークに魅了されます。
「Tanczące Orzechy(Dancing Nuts)」
Janusz Mych作。ラストは小気味良いリズムにグッとくるスキャット・ボッサで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ptx-O8KuTRg
ご興味のある方はNovi Singersの他作品もチェックを!
『Novi in Wonderland』(1968年)
『Torpedo』(1970年)
『Novi Sing Chopin』(1971年)
『Rien Ne Va Plus』(1973年)
『Novi sing Bacharach』(1976年)