発表年:1987年
ez的ジャンル:Byrdsフォロワー系ネオアコ/ギター・ポップ
気分は... :Screamadelicaからは想像できない...
UKを代表するロック・グループPrimal Screamの久々の紹介です。
セレクトしたのは記念すべき1stアルバム『Sonic Flower Groove』(1987年)です。
Bobby Gillespie率いるPrimal Screamについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Screamadelica』(1991年)
『Vanishing Point』(1997年)
『Evil Heat』(2002年)
前回『Vanishing Point』を紹介したのが、偶然にも2008年5月15日だったので、きっちり4年ぶりのエントリーとなります。4年ぶりかぁ、改めて自分のロック離れを感じてしまいます・・・
僕がリアルタイムでPrimal Screamを聴くようになったのは、『Screamadelica』(1991年)からであり、本作『Sonic Flower Groove』は後追いで購入しました。
正直、『Screamadelica』のアシッドなダンス・サウンドと本作>『Sonic Flower Groove』のネオアコ/ギター・ポップのあまりのギャップに戸惑った記憶があります。きっと、僕と同じパターンで『Sonic Flower Groove』を聴き、戸惑った人は多かったのでは?
まぁ、1作ごとに作風が全く変わってしまうのがBobby Gillespieですからね(笑)
純粋に『Sonic Flower Groove』(1987年)のみにフォーカスすれば、一番最初に聴いた印象は、"80年代のByrds"ですかね。ヘロヘロの悪ガキ・イメージのBobby GillespieとByrdsのようなフォーク・ロック・サウンドという組み合わせがどうもピンと来ませんでしたね。
既に「All Fall Down」(1985年)、「Crystal Crescent」(1986年)という2枚のシングルをリリースしており、そこで示したネオアコ/ギター・ポップ路線を推し進めたのが1stアルバム『Sonic Flower Groove』(1987年)です。
本作時点のメンバーは、Bobby Gillespie(vo)、Jim Navajo(12 string g)、Andrew Innes(g)、Robert Young(b)の4名。さらに後にメンバーとなるFeltのMartin Duffy(p)等もレコーディングに参加しています。
僕自身Primal Screamの熱狂的ファンではないので、詳しいことは知りませんが、Bobby Gillespie以上に、12弦ギターを弾くJim Navajoの嗜好が強く反映されたアルバムだったのでは?Bobby Gillespie自身が本作をあまり気に入っていないのも、そのあたりが理由なのでは?
何かビミョーなニュアンスで書いてしまったかもしれませんが、単に『Screamadelica』とのギャップが大きいというだけで、純粋にネオアコ/ギター・ポップ作品として聴けば、十分に僕好みの1枚です。サイケなスパイスが効いているところもいいですね。あるいはPrimal Screamと縁遠いByrds好きの方が聴くと興味深く聴くことができると思います。
結局、本作の直後にJim Navajoがグループを脱退し、Primal Screamのネオアコ/ギター・ポップ路線は封印されることになります。
ヘロヘロで危ない悪ガキのBobby Gillespieもいいですが、青臭い雰囲気でメロディアスなヴォーカルを聴かせるBobby Gillespieも案外悪くありません。
プロデュースはRed KrayolaのMayo Thompsonが担当しています(「Imperial」を除く)。
全曲Bobby Gillespie/Jim Beattieによるオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Gentle Tuesday」
12弦ギターの響きが心地好い80年代版"Byrds"といった趣のオープニング。青臭い雰囲気も含めてネオアコ/ギター・ポップ好きにはたまらない1曲ですね。名曲だと思います。シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=WTzWXX2Jldg
「Treasure Trip」
イントロはソリッドな雰囲気ですが、全体としては少しレイジーなギター・ポップといった感じでしょうか。。ヘロヘロだけど甘さのあるBobby Gillespieがいい感じ。
「May the Sun Shine Bright for You」
スコティッシュ・グループの雰囲気が漂うセンチメンタル・ギター・ポップ。
http://www.youtube.com/watch?v=e338ijLPv0Q
「Sonic Sister Love」
メロディ、サウンド共に60年代フォーク・ロックの香りが漂います。甘酸っぱいノスタルジック・モードに浸りましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=v99qD0pBTHU
「Silent Spring」
爽快に疾走する青春ギター・ポップ。微風に吹かれながら聴きたいですね。Jim Navajoの12弦ギターにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=kJ4Yf4XQFe0
「Imperial」
人気の高い1曲ですよね。シングルにもなりました。60年代風の疾走感がたまりません。ヴィオラの響きがサイケ風の雰囲気を醸し出し、いいアクセントになっています。この曲のみColin Fairley/Clive Langerがプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=YfWq_WDIHFM
「Love You」
美しくも切ないメロディにグッとくるバラード。アルバム・ジャケの雰囲気にフィットする1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=O8Vz7uJBjhI
「Leaves」
「Gentle Tuesday」、「Imperial」あたりと並ぶハイライトかもしれませんね。アルバムの中でも屈指のメロディを持つ1曲です。溶けてしまいそうな甘いメロディにヤラれます。
http://www.youtube.com/watch?v=31Ug9iGhUzY
「Aftermath」
この曲もByrds好きにはたまらないはずです。普通に「Mr. Tambourine Man」あたりとセットで聴けそうな感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=J0j34lFzRqk
「We Go Down Slowly Rising」
ラストも甘酸っぱい青春ギター・ポップで締め括ってくれます。切ないメロディに胸打たれてアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=hu4MNM_qQDw
昔の国内盤には、「Black Star Carnival」、「I'm Gonna Make You Mine」、「Star Fruit Surf Rider」、「So Sad About Us」、「Imperial (Demo) 」の5曲がボーナス・トラックが追加収録されていました。
The Who好きとしては、当ブログでも紹介した大好きな「So Sad About Us」のカヴァー(シングル「Imperial」のB面曲)にグッときます。オリジナルとは異なるテンポを落としたカヴァーです。
Primal Scream「So Sad About Us」
http://www.youtube.com/watch?v=JeoAWikOvrc
The Who「So Sad About Us」
http://www.youtube.com/watch?v=4E5d-G-hFLo
Primal Screamの過去記事もご参照下さい。
『Screamadelica』(1991年)
『Vanishing Point』(1997年)
『Evil Heat』(2002年)