2012年06月30日

Elis Regina『Elis (1972)』

Cesar Camargo Marianoと組んだ最初の作品。成熟していくElisを満喫できます!☆Elis Regina『Elis (1972)』
Elis
発表年:1972年
ez的ジャンル:国民的歌手系MPB
気分は... :バロテッリ凄すぎ!

昨日のサッカー・ユーロ2012「ドイツ対イタリア」は大興奮でした。今大会で一番面白い試合でしたね。ドイツが敗れるとしたら。あんなパターンだろうと思っていました。それにしてもバロテッリは凄かったですね。

当ブログのエントリーでも書いたように、グループリーグ2試合終了時点で(その時点では未勝利であった)イタリアの躍進を予想していましたが、その後試合を重ねるごとにチームの勢いが増していますね。

個人的にはこのままの勢いでイタリアが優勝し、バロテッリの大会として幕を閉じるのではないかと予想します。

今回はElis Reginaの1972年作品『Elis』です。

これまで当ブログで紹介してきたブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品は以下の8枚。

 『Elis Especial』(1968年)
 『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
 『Aquarela Do Brasil』(1969年) ※Toots Thielemansとの共演
 『Elis Regina in London』(1969年)
 『Em Pleno Verao』(1970年)
 『Ela』(1971年)
 『Elis (1974)』(1974年)
 『Essa Mulher』(1978年)

Elisの場合、1972年リリースの本作以外に、1966年、1973年、1974年、1977年、1980年に『Elis』のタイトルのオリジナル・アルバムをリリースしているのでややこしいですね。そこで便宜上タイトルの後にリリース年を表記しておきました。

今回は1972年盤、1973年盤、1977年盤の『Elis』3枚で迷ったのですが、3枚並べてジャケが一番今の時期っぽい1972年盤をセレクトしました。

公私のパートナーとなるCesar Camargo Marianoと組んだ最初の作品です。Roberto Menescalがプロデュースし、Cesar Camargo Marianoがアレンジを担当します。

音楽的にもElisにとって転機となった作品ではないかと思います。Cesar Camargo Marianoによるニュー・サウンドをバックにブラジルの国民的歌手として、より成熟していくElisを満喫できる1枚です。

「Bala Com Bala」「Nada Sera Como Antes」「Atras da Porta」「Me Deixa Em Paz」「Casa No Campo」等聴きどころ満載の1枚。まぁ、この時期のElisのアルバムはどれも充実していますが。

やはりElis Reginaはいつ聴いてもいいですな。
歌力が別格ですね。

全曲紹介しときやす。

「20 Anos Blue」
Sueli Costa/Vitor Martins作。オープニングはブルージー&ジャジーな雰囲気です。抑え気味のジャジー・ヴォーカルのElisもなかなかグッド!終盤はストリングスが盛り上げてくれます。

「Bala Com Bala」
Joao Bosco/Aldir Blanc作。軽快なグルーヴィー・チューンは本作でも人気の高い1曲ですね。Cesar Camargo Marianoのアレンジ・センスとよく軽妙なElisのヴォーカルがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=mXQP4YXv1wk

「Nada Sera Como Antes」
Milton Nascimento/Ronaldo Bastos作。当ブログではFlora Purimによるフュージョン・カヴァーも紹介済みです。Elisはスケール感のあるサウンドとそれに負けないElisの雄大なヴォーカルが絶品です。本曲もElisを代表するレパートリーですね。

「Mucuripe」
Raimundo Fagner/Antonio Carlos Belchior作。当ブログでは以前にNu Brazのカヴァーも紹介済みの曲です。切々と歌われる哀愁バラードです。Elisの成熟を感じる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=mWtb8CQ3Ceo

「Olhos Abertos」
Ze Rodrix/Guttemberg Guarabyra作。美しく感動的なバラード。重厚なストリングスが感動を増幅させてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=clU89lIYD_A

「Vida de Bailarina」
Americo Seixas/Dorival Silva作。ジャジー・テイストの小粋なバラード。

「Aguas de Marco」
Antonio Carlos Jobimの名曲「三月の水」のカヴァー。本曲についてはJobim本人との共演盤『Elis & Tom』(1974年)のヴァージョンが有名ですが、軽快なグルーヴ感が心地好い本ヴァージョンにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Mk4Hvs8MZFg

「Atras da Porta」
Francis Hime/Chico Buarque作。当ブログではLuciana Souzaのカヴァーも紹介済みです。成熟したElisの表現力を満喫できる絶品バラードです。素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=I5yXXbiFW6Q

「Cais」
Milton Nascimento/Ronaldo Bastos作。雄大なストリングスを配した前半から後半はMilton作品のカヴァーっぽいミステリアスな展開へ・・・
http://www.youtube.com/watch?v=WyOgv6_fgNk

「Me Deixa Em Paz」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro de Souza作。僕の一番お気に入り。Cesar Camargo Marianoのグッド・アレンジをバックに、軽快に弾けたElisを満喫できます。もっと長尺で聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=kvZ7KncSa-M

「Casa No Campo」
Ze Rodrix/Tavito作。この曲も大好き!Elisが歌力が聴く者すべても魅了します。国民的歌手としての風格を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=OITefBHuEkk

「Boa Noite Amor」
Jose Maria de Abreu/Francisco Matoso作。ラストはエレガントなストリングスをバックにした美しいバラードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=DRO1QoFrB2c

Elis Regina作品の過去記事もご参照下さい。

『Elis Especial』(1968年)
エリス・エスペシアル

『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
コモ・イ・ポルケ+4

『Aquarela Do Brasil』(1969年)
ブラジルの水彩画

『Elis Regina in London』(1969年)
イン・ロンドン

『Em Pleno Verao』(1970年)
エン・プレノ・ヴァラオン

『Ela』(1971年)
エラ 1971

『Elis (1974)』(1974年)
人生のバトゥカーダ

『Essa Mulher』(1978年)
或る女(紙ジャケット仕様)
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2012年06月29日

The Pasadenas『Elevate』

某ガイド本にも掲載されたUKソウル・グループの2nd☆The Pasadenas『Elevate』
Elevate
発表年:1991年
ez的ジャンル:UKソウル・ヴォーカル・グループ
気分は... :しっかりヴォーカル・グループしています!

サッカーのユーロ2012はスペインがポルトガルとのPK戦を制し、連覇への望みをつなぎました。正直、試合内容には物足りなさが残りましたが・・・。こ今日のドイツ対イタリアはもっとアグレッシヴな試合を期待したいですね。

今回はUKのソウル・ヴォーカル・グループThe Pasadenasの2ndアルバム『Elevate』(1991年)です。

The PasadenasはUKで結成されたソウル・ヴォーカル・グループ。グループ名は米国カリフォルニア州パサデナ (Pasadena)に因んだものだと思います。アメフト好きにはローズボウル開催地としてお馴染みの都市ですね。

メンバーはDavid MillinerMichael MillinerAndrew BanfieldAaron BrownHamish Seelochanの5名。

1988年のデビュー・シングル「Tribute (Right On)」がUKシングル・チャート第5位、USR&Bシングル・チャート第8位のヒットとなり、1stアルバム『To Whom It May Concern』(1988年)もUKアルバム・チャート第3位のヒットとなりました。その後1991年にリリースした「I'm Doing Fine Now」(New York Cityの1973年のヒット曲カヴァー)がUKシングル・チャート第4位のヒットとなっています。Jackson Sistersの大人気ダンス・クラシック「I Believe In Miracles」のカヴァーは僕のお気に入りです。

「Tribute (Right On)」
 http://www.youtube.com/watch?v=y4DOC7_bbuQ
「I'm Doing Fine Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=mLrM3K8cFbk
「I Believe In Miracles」
 http://www.youtube.com/watch?v=0DWDsGlrRKI

アルバム単位では、その後2nd『Elevate』(1991年)、3rd『Yours Sincerely』(1992年)をリリースしています。また、1995年には日本独自アルバム『Phoenix』もリリースしています。

チャート・アクションなどを見れば、1st『To Whom It May Concern』(1988年)、3rd『Yours Sincerely』(1992年)なのかもしれませんが、某ガイド本に掲載された影響で2nd『Elevate』(1991年)も注目されるようになりました。僕自身はかなり前に『Elevate』を購入しましたが、つい最近まで某ガイド本への掲載を知りませんでした。元々某ガイド本にあまり興味がないので・・・

基本的には90年代初めらしいR&Bヴォーカル作品ですが、流行のサウンドに流されず、メロディやヴォーカル・ワークを大切にしているところに好感が持てます。また、50年代ドゥーワップ、60年代モータウン、70年代ファンク/ソウルなどのエッセンスを上手く取り入れているのもいいですね。

親しみやすさもあって聴きやすい作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Reeling」
オススメその1。オープニングはシングル曲にもなりました。親しみやすいメロディの清々しいR&Bチューンに仕上がっています。開放感があっていいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=OC7gn3CUWNM

「South Africa」
アフリカン・リズムを取り入れた1曲。女性のラップもフィーチャーされています。この頃の南アフリカはネルソン・マンデラ氏が釈放された直後で、まだまだ激動の時期であり、そのマンデラ氏を応援するような曲に仕上がっています。。
http://www.youtube.com/watch?v=YGrh5M7pT8U

「Love Thing」
オススメその2。この曲もシングルになりました。James Brown調のファンク・テイストを取り入れたアップ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=E9IddW7USnc

「I'd Die For You」
オススメその3。寛いだ雰囲気のグルーヴ感が心地好いミッド・チューン。なかなか雰囲気があっていい曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=4OCkp13hblU

「Bridge Over Troubled Water」
Simon & Garfunkelの名曲カヴァー。ヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=4LmuaDeYQfc

「Another Lover」
ポップに疾走するアップ・チューン。この親しみやすさがThe Pasadenasらしいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=y_8V1EgxiVk

「I'd Die For You (Reprise)」
「I'd Die For You」のリプライズ。

「Strong Enough」
オススメその4。NJS調のアップ・チューン。ラップ・パートもある構成はこの時期のR&Bチューンらしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=aKJd_SI2M0w

「Cry My Tears (Posthumously Yours)」
7分超の大作。哀愁モードのメロディを切々と歌い上げるバラード。こういった曲でも湿っぽくならないのがThe Pasadenasの特徴かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=AftTYOZgZ88

「I Want To Be」
オススメその5。アーバン・ナイト・モードのグルーヴィーR&B。グループのセクシーな側面を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Y0Mb6Lcfb-8

「More Time For Love」
哀愁モードで疾走します。ホーン隊がヴォーカルを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=cpc3VTOoRic

「The Base Is Slipping」
オススメその6。僕の一番のお気に入り。メロディアスな爽快ポップ・ソウルは最もこのグループらしい仕上りなのでは?ゲスト・ヴォーカルとしてクレジットされているNoel McKayとはJTQやMcKoyでお馴染みのNoel McKoyのことでしょか?
http://www.youtube.com/watch?v=qzqmxQtHn1c

「Love Changes」
オススメその7。Gary Banson/Sela Winston作。哀愁モードのグルーヴ感にグッときます。ダンサブル・チューンながらもメロディを大切にしているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Z5AitJvFNMk

「I Want To Be (UK Mix)」
「I Want To Be」のリミックス。

ご興味のある方は他のThe Pasadenasもチェックを!

『To Whom It May Concern』(1988年)
To Whom It May Concern

『Yours Sincerely』(1992年)
Yours Sincerely
posted by ez at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月28日

Adriana Maciel『Dez Cancoes』

アンニュイな雰囲気がたまりません!☆Adriana Maciel『Dez Cancoes』
Dez Canções (10 Songs)
発表年:2008年
ez的ジャンル:アンニュイ系ブラジリアン女性シンガー
気分は... :マッタリ気分で・・・

今回はブラジルの美人シンガーAdriana Macielの4thアルバム『Dez Cancoes』(2008年)です。

Adriana Macielはブラジリア出身。これまで『Adriana Maciel』(1997年)、『Sozinha Minha』(2000年)、『Poeira Leve』(2004年)、『Dez Cancoes』(2008年)という4枚のアルバムをリリースしています。

プロデュースはChico Neves、Bernardo Bosisio。レコーディングにはMarcos Suzano、Cristina Braga、Celso Fonseca、Alberto Continentino、Marcelo Costa、Sacha Amback、Christian Oyens、Lui Coimbra等が参加しています。

ちなみにSacha Ambackは1st『Adriana Maciel』をプロデュースし、Celso Fonseca『Sozinha Minha』をプロデュースしています。

曲構成については、ポルト・アレグリ出身のシンガー・ソングライターVitor Ramilの楽曲を4曲取り上げているのが目立ちます。それ以外にDavid BowieGilberto GilCaetano Veloso/Moreno VelosoのカヴァーやCelso Fonseca作品も取り上げています。

これぞ!というキラー・チューンはありませんが、ジャケの雰囲気そのままにアルバム全体を包むアンニュイな雰囲気がたまりません。意外にアーシー&ブルージーな雰囲気もあり、ブラジル作品ということを意識せずとも、アコースティックな女性SWW作品が好きな人であれば楽しめる1枚だと思います。

ちなみに輸入盤はジャケ、曲順も異なるのでご注意を!

『Dez Cancoes』 ※輸入盤
Dez Cancoes

全曲紹介しときやす。 ※国内盤の曲順

「Ficar」
Celso Fonseca作。Celso Fonsecaの最新作『No Meu Filme』でセルフ・カヴァーしています。女性SSW風の味わい深い仕上がりが印象的です。Marcos Suzanoも参加し、演奏全体にアクセントをつけています。

「Vida em Marte (Life On Mars)」
David Bowie作品のカヴァー。Seu Jorgeがポルトガル語で「Life On Mars」をカヴァーしており、そのカヴァーを聴いて気に入ったことから今回のカヴァーとなったようです。アンニュイな雰囲気にグッとくる好カヴァーに仕上がっています。シンプルなアレンジですが、メロトロンが独特の味わいを醸し出します。

「Cao (Like a Dog)」
Vitor Ramil作。Celso Fonsecaが参加し、美しいギターを聴かせてくれます。ジャケの雰囲気そのままに妖艶な魅力を醸し出す大人のレイジー・ボッサに仕上がっています。

「Copo Vazio」
Gilberto Gil作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Quanta』(1997年)に収録されています。ナチュラルな雰囲気のカヴァーに癒されます。

「Tardes Vazios」
George Israel/Cris Braun作。リオのロックバンドKid Abelhaのカヴァー。少しアーシーな味わいのする仕上りは、女性SSW好きの人にもグッとくる1曲なのでは?

「Cade Voce」
Vitor Ramil作。ギター中心の演奏が多い中、本曲はSacha Ambackのピアノをバックに切々と歌い上げます。

「Perto de Teu Coracao Selvagem」
Vitor Ramil作。この曲もアーシーな肌触りの味わい深い哀愁チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=DMuaC58YCv8

「Sertao」
Caetano Veloso/Moreno Veloso作。Caetanoの息子Moreno Velosoのオリジナル(アルバム『Music Typewriter』収録)を聴いて気に入ったAdrianaが取り上げた模様です。幻想的な雰囲気に惹き込まれる大人の子守唄といった趣です。

「O Mundo ao Redor」
Adriana Maciel/Billy Brandao作。軽くブルージーな雰囲気も漂うアンニュイな仕上がり。

「Formica Blues」
Vitor Ramil/Luciano Mello作。ラストは少しアブストラクトな雰囲気も漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=rs3KegyJHIA

ご興味がある方は他のAdriana Maciel作品もチェックを!

『Adriana Maciel』(1997年)
Adriana Maciel

『Poeira Leve』(2004年)
ポエイラ・レーヴィ
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2012年06月26日

Penny Goodwin『Portrait Of A Gemini』

「What's Going On」のグッド・カヴァー収録☆Penny Goodwin『Portrait Of A Gemini』
ポートレイト・オブ・ア・ジェミニ
発表年:1974年
ez的ジャンル:ソウル/R&Bフィーリング系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :すんなり「スペイン対ドイツ」なのか・・・

サッカーのユーロ2012はベスト4が出揃いましたが、スペイン、ポルトガル、ドイツ、イタリアという勝ち残りは順当すぎる感じですね。まぁ、このままいけば「スペイン対ドイツ」の決勝ということになるのでしょうが、イタリアが準決勝でドイツを相当苦しめる気がします。イタリアのピルロを観ていて、改めて日本代表の遠藤がいかに大事な存在か思い知らされました。

今回はソウル/R&Bフィーリング溢れる女性ジャズ・シンガーPenny Goodwinのアルバム『Portrait Of A Gemini』(1974年)です。

ミルウォーキーのインディ・レーベルから当時2,000枚しかリリースされなかったレア作品でしたが、90年代クラブ・シーンで再評価され、注目されるようになったアルバムです。

女性ジャズ・ヴォーカル作品ですが、ソウル/R&Bフィーリングに溢れた仕上がりであり、ソウル・ファンも楽しめる1枚ではないかと思います。

プロデュースはRay Tabs。レコーディングにはRichard Evans(b)、Phil Upchurch(g)、Morris Jennings(ds)といった有名ミュージシャンも参加しています。

「What's Going On」「Lady Day & John Coltrane」「Trade Winds」といった名曲のカヴァーにグッときます。特に本作の再評価を高めた「What's Going On」とグルーヴィーな「Lady Day & John Coltrane」は要チェックだと思います

エモーショナルなジャジー・ソウルを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Today Is The First Day」
Sy Lefco。ジャジー・ソウルなこのオープニングがアルバムの雰囲気を物語っています。
http://www.youtube.com/watch?v=P1NwdG28EiQ

「Trade Winds」
Ralph MacDonald/William Salter作。個人的にこの曲が大好きなので、感動的な本カヴァーもお気に入りです。Penny Goodwinの素晴らしい歌いっぷりにグッときます。終盤のバックの盛り上がりもサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=ZlWJHzQuQb4

「Rain Sometimes」
Arthur Hamilton作。堂々と歌い上げるバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=m_xGDu-gWWM

「Lady Day & John Coltrane」
Gil Scott-Heronの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Pieces Of A Man』に収録されています。「What's Going On」と並ぶ人気曲なのでは?グルーヴィーに疾走するサウンドを聴けば、クラブシーンで再評価されるのも納得だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=j9xyGOApw7s

「That's All Right With Me」
P. Field/M. Small作。エモーショナルなバラード。さり気ないですが安定感があります。
http://www.youtube.com/watch?v=rNwQMEtpVF4

「He's Come Back」
Sy Lefco作。ブルージーな雰囲気にグッとくるソウルフル・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=SwdHRu_A3_g

「Too Soon You're Old」
Sy Lefco作。中盤以降のグルーヴィーな盛り上がりにグッときます。素晴らしいストリングスも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=8SK1EX7P6sI

「Slow Hot Wind」
Henry Mancini作「Lujon」のカヴァー。当ブログではMario Biondiのカヴァーも紹介済みです。本バージョンはスピリチュアルな雰囲気も漂うミステリアスなバラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qCJQStdlVCA

「What's Going On」
本作のハイライトはご存知Marvin Gayeの永遠の名曲カヴァー。ジャズ・アルバムらしいジャズ・ファンク調の仕上りです。ゴスペル調の展開となる終盤にもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=H9hwy9Pbblw

「Amazing Grace」
ラストはご存知「Amazing Grace」で厳かに締め括ってくれます。

『Live』(2004年) ※1974年のライブ・レコーディング
ライヴ
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2012年06月25日

Jane Birkin et Serge Gainsbourg『Jane Birkin et Serge Gainsbourg』

GainsbourgとBirkin、スキャンダル・カップルによるフレンチ名盤☆Jane Birkin et Serge Gainsbourg『Jane Birkin et Serge Gainsbourg』
ジェーン・バーキン&セルジュ・ゲンスブール
発表年:1969年
ez的ジャンル:スキャンダル・カップル系フレンチ・ポップ
気分は... : 69はエロな年?

サッカーのユーロ2012「イングランド対イタリア」は予想通りの大熱戦となりましたね。
まぁ、PK戦になったら運ですからね。それにしてもブッフォンはやはり凄かったですね。

フランスのエロ不良オヤジSerge Gainsbourgと女優Jane Birkinというスキャンダル・カップルの共同名義アルバム『Jane Birkin et Serge Gainsbourg』(1969年)です。

これまで当ブログで紹介したSerge GainsbourgおよびJane Birkinの作品は以下のとおりです。

 Serge Gainsbourg Et Brigitte Bardot『Bonnie And Clyde』(1968年)
 Original Soundtrack『Anna』(1969年) ※Gainsbourgが音楽担当
 Serge Gainsbourg『Histoire De Melody Nelson』(1971年)
 Serge Gainsbourg『Love On The Beat』(1984年)
 Jane Birkin『Lolita Go Home』(1975年)

1968年にJohn Barryと離婚したJane Birkinはフランスに渡ります。そこで出演した映画『Slogan』(1968年)で共演したSerge Gainsbourgと恋に落ち、公私にわたるパートナーとなります。1971年に二人の間に生まれたのが女優/歌手のCharlotte Gainsbourgです。

そんな二人のラブラブの絶頂期に制作されたアルバムが本作『Jane Birkin et Serge Gainsbourg』(1969年)です。以前に紹介した『Histoire De Melody Nelson』(1971年)なども実質的には二人の共演作ですが、正式にBirkinとGainsbourgの共同名義でリリースされたオリジナル・アルバムは本作のみです。

Jane Birkinの代表曲「Je T'Aime... Moi Non Plus」をはじめ、「69 Annee Erotique」などGainsbourgの名曲が多数収録されています。Birkinのロリータ・ウィスパー・ヴォイスとGainsbourgの大人のエロ・ヴォーカルのコントラストがいいですね。

スキャンダル・カップルのフレンチ・ポップを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Je T'Aime... Moi Non Plus」
本作のハイライト。元々はGainsbourgの(不倫の)恋仲であったBrigitte Bardotとレコーディングしたものでしたがお蔵入りになったのは有名な話ですね。スキャンダル・カップルのラブラブぶりで満ち溢れたフレンチ・エロ名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=k3Fa4lOQfbA

「L'Anamour」
小粋なオルガン・サウンドとGainsbourgのセクシー・ヴォーカルがマッチした大人のグルーヴィー・フレンチに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=7pS95p7rSdU

「Orang Outan」
邦題「オランウータン」。キュートなBirkinのロリータ・ウィスパー・ヴォイスにヤラれます。
http://www.youtube.com/watch?v=DpO0J-nFi5o

「Sous Le Soleil Exactement」
邦題「太陽の真下で」。Gainsbourgが手掛けたサントラ『Anna』にも収録されていた楽曲のセルフカヴァー。
http://www.youtube.com/watch?v=do2lAQLXPTk

「18-39」
軽快なテンポのミュージカル調フレンチ・ポップをBirkinが歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=bgxPZFvOi8M

「69 Annee Erotique」
邦題「69はエロな年」。「Je T'Aime... Moi Non Plus」と並ぶハイライト曲。タイトルからしてエロですが、大人のセクシー・フレンチ・ポップに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=82p9cRMfJjQ

「Jane B.」
Chopinの曲にGainsbourgが歌詞をつけたもの。Birkinのロリータ・ヴォイスによる哀愁チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=bbUUwJxpW88

「Elisa」
フレンチ・ポップらしい小粋なセンスのが感じられる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=SlzsHxrI3fg

「Le Canari Est Sur Le Balcon」
邦題「カナリヤはバルコニーに」。Birkinのロリータ・ヴォイスにぴったりの1曲。Birkinの好きならばグッとくると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=dgRu7Rhnxno

「Les Sucettes」
邦題「アニーとボンボン」。France Gallのヴァージョンでヒットした曲のセルフ・カヴァー。なかなか格好良いギター・グルーヴをバックに、エロ不良オヤジのダンディズム全開です。。
http://www.youtube.com/watch?v=yqWnO5mWurs

France Gall & Serge Gainsbourg「Les Sucettes」
 http://www.youtube.com/watch?v=SR-4zw8P7BI

「Manon」
ラストは、オーケストレーションをバックにGainsbourgが囁きます。

Serge GainsbourgおよびJane Birkinの過去記事もご参照下さい。

Original Soundtrack『Anna』(1967年)
Anna

Serge Gainsbourg Et Brigitte Bardot『Bonnie And Clyde』(1968年)
Bonnie & Clyde

Serge Gainsbourg『Histoire De Melody Nelson』(1971年)
Histoire de Melody Nelson

Serge Gainsbourg『Love On The Beat』(1984年)
Love on the Beat

Jane Birkin『Lolita Go Home』(1975年)
ロリータ・ゴー・ホーム
posted by ez at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする