2012年06月05日

Ramsey Lewis『Mother Nature's Son』

Beatlesホワイト・アルバムのカヴァー集☆Ramsey Lewis『Mother Nature's Son』
マザー・ネイチャーズ・サン~ビートルズ・ソングブック
発表年:1968年
ez的ジャンル:ファンキー・ソウル・ジャズ
気分は... :安易なカヴァー集ではありません!

今回はJazz界の人気キーボード奏者、Ramsey Lewisが1968年にリリースした『Mother Nature's Son』です。

これまで当ブログで紹介したRamsey Lewis作品は以下の4枚。

 『The In Crowd』(1965年)
 『Sun Goddess』(1974年)
 『Love Notes』(1977年)
 『Tequila Mockingbird』(1977年)

今日紹介する『Mother Nature's Son』は、The Beatlesのアルバム『The Beatles(ホワイト・アルバム)』 (1968年)収録曲のカヴァー集です。しかも、ホワイト・アルバムのリリースから約1ヶ月後にレコーディングしてしまったという点が驚きです。

プロデュースはEarth, Wind & Fire作品等でお馴染みの名プロデューサー&アレンジャーCharles Stepneyです。ある意味、本作はRamsey Lewisとオーケストレーションを手掛けたCharles Stepneyのコラボ作品という見方もできると思います。

当時のStepneyは、Minnie Ripertonも在籍していたRotary Connectionを手掛けており、そこで聴かれたサイケデリック・ソウルの成果も本作に盛り込まれています。

決して安易なカヴァー集ではありません。ホワイトアルバムの発売から程なく、名曲たちに新たな解釈を加えたRamsey Lewis、Charles Stepneyのセンスに脱帽です。

ファンキーなソウル・ジャズ・グルーヴ、美しいオーケストレーション、アヴァンギャルドな電子音・・・あの手、この手でホワイト・アルバムの有名曲を調理してくれます。

一昨日紹介したAlexia Bomtempo『I Just Happen To Be Here』や本作を聴いていると、カヴァー・アルバムの意義というものを再認識させてくれます。

ホワイト・アルバムがお好きな人も、ホワイト・アルバムを聴いたことがない人でも楽しめる1枚だと思います。

本家ホワイト・アルバムも当ブログで紹介しようと思いながら未紹介のままです。
そもそもBeatlesのアルバム自体、3年以上未紹介ですが・・・
いい機会なので久々にホワイト・アルバムをじっくり聴いてみようかな・・・

全曲紹介しときやす。

「Mother Nature's Son」
美しいオーケストレーションとRamsey Lewisのピアノタッチが織り成す雄大な世界観にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=DSsTrfRAgIU

「Rocky Raccoon」
エレピによる緩やかなグルーヴでジワジワと高揚してくる感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9R0rIxp2Ais

「Julia」
何の予備知識もなく聴いたら「Julia」のカヴァーであることに気付かないかもしれません。仮に「Julia」を知らない人でも、この美しい音世界に魅了されること間違いなし!何処か遠い夢の世界へと誘ってくれそうな美しさです。

Nujabes feat. Substantial「 Hikari」、All Natural「50 Years」、UMC's「It's Gonna Last」、Les Sages Poetes De La Rue「Creve La Meuf'」のサンプリングソースにもなっています。

Nujabes feat. Substantial「 Hikari」
 http://www.youtube.com/watch?v=XsOl5dFChIc
All Natural「50 Years」
 http://www.youtube.com/watch?v=nzMJ4hPJUHE

「Back In The U.S.S.R.」
前曲の美しさから一転、レア・グルーヴがグッとくるであろうソウル・ジャズ・グルーヴです。中盤、終盤のドラム・ブレイクもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=kq7mW5rPoag

「Dear Prudence」
このカヴァーはオリジナルの持つ雰囲気をファンキーな味わいで膨らませた感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=RG0iGarRQc4

「Cry Baby Cry」
オリジナルのホワイトアルバムだとあまり目立たない曲でしたが、なかなか味わい深いソウルフルな味わいのカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=_c7Y_QMcnro

Showbiz & A.G.「Catchin' Wreck」、Da King & I「Mr. All That」、Dynospectrum「Appearing Live」のサンプリングソースにもなっています。

Showbiz & A.G.「Catchin' Wreck」
 http://www.youtube.com/watch?v=OCffu2hWAH0

「Good Night」
ホワイト・アルバムのラストを飾るRingoの温かみのあるヴォーカルが印象的な曲ですが、本カヴァーはそんな雰囲気を受け継ぐ美しいオーケストレーションの前半と、Ramsey Lewisのピアノ・プレイを堪能できる中盤、そして感動のフィナーレとドラマティックな展開で聴かせてくれます。

「Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey」
電子音でアヴァンギャルドな雰囲気でスタートしますが、本編はドープなファンキー・グルーヴです。格好良さでいえばアルバム随一かも?
http://www.youtube.com/watch?v=jeEmXc3Z4xE

「Sexy Sadie」
ホワイト・アルバムのJohn主導曲ではこの曲が一番好きかもしれません。本作の中では割とフツーのソウル・ジャズ・カヴァーかもしれませんが、オリジナルが好きなので・・・

「Black Bird」
コズミックな電子音でスタート。オーケストレーションとグルーヴィーなリズムにのって、Ramsey Lewisのピアノが弾けます。
http://www.youtube.com/watch?v=uPESvZDUI9Y

Ramsey Lewisの過去記事もご参照下さい。

『The In Crowd』(1965年)
ジ・イン・クラウド+2

『Sun Goddess』(1974年)
Sun Goddess

『Love Notes』(1977年)
ラヴ・ノウツ

『Tequila Mockingbird』(1977年)
Tequila Mockingbird
posted by ez at 13:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする