発表年:2002年
ez的ジャンル:異才ブラジリアン・ロック
気分は... :やはりユーロは面白い!
W杯アジア最終予選にユーロ2012とサッカー好きはたまらない時期ですね。
W杯アジア最終予選は、日本代表にとって大事な最初の3戦が終わりましたね。2勝1分の勝ち点7は及第点だとは思いますが、対オーストラリア戦は悔しかったですね。まぁ、審判云々は今に始まったことではないので仕方がありませんが。次のイラク戦はDF陣の再整備が必要ですね。まぁ、アウェーではなくホームなのが幸運ですが・・・
ユーロ2012は各国1試合目は様子見のところもありましたが、2試合目からはよりガチ勝負が期待できそうですね。今、ポルトガル対デンマーク戦を行っていますが、初戦で優勝候補オランダを破ったデンマークを観ていると、日本は南アW杯でよくこの国に勝ったなぁ、と感心してしまいます。
まぁ、ユーロはどの試合を観ても面白いですね。
今回はブラジル音楽シーンの異才Lenineの『Falange Canibal』(2002年)です。
Lenineの紹介は、『O Dia Em Que Faremos Contato(邦題:未知との遭遇の日)』(1997年)、Marcos Suzanoの共演作Lenine & Suzano『Olho De Peixe(邦題:魚眼)』に続き3回目となります。
『Falange Canibal』(2002年)は、出世作『O Dia Em Que Faremos Contato』(1997年)、Lenine『Na Pressao』(1999年)に続いてリリースされた作品です。
出世作『O Dia Em Que Faremos Contato』(1997年)はインパクトが大きく思わずリアルタイムで購入しましたが、本作『Falange Canibal』についてはスルー状態でした。この頃の僕はブラジル新作ものをきちんとチェックしていなかったので・・・
したがって、後年に購入したのですが、やはりLenineはLenineですね。Lenineらしい新しい感性と伝統的スタイルが融合したリズミックなブラジリアン・ロックは本作でも健在です。エレクトロ感と土着的リズムの融合したLenineワールドを満喫できます。
プロデュースはLenine、Mauro Manzoli、Tom Capone。
ゲストとして、米国のオリタナ系女性シンガーAni DiFranco、ブラック・ハード・ロックの人気バンドだったLiving Colour、お馴染みEumir Deodato、シェル・ホーンでも知られるトロンボーン奏者Steve Turre、キューバ出身のドラマーHoracio "El Negro" Hernandez等が参加しています。
アルバム・タイトルを直訳すると"食人軍団"となるのだとか。
まぁ、タイトルは別にして異才Lenineの音世界を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Ecos Do Ao」
Carlos Renno/Lenine作。Lenineらしいエレクトロ感覚と伝統的スタイルの土着的リズムが融合したリズミックなブラジリアン・ロックに仕上がっています。このオープニングを聴けば、Lenineの好調ぶりが一発でわかると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=IAUysI_RW3o
「Sonhei」
Lenine/Braulio Tavares/Ivan Santos作。クールな中にミステリアス&エレガントな魅力が漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=O1DIO2HRPDU
「Umbigo」
Lenine/Braulio Tavares作。僕の一番のお気に入り曲。米国のオリタナ系女性シンガーAni DiFranco、Living ColourのドラマーWill Calhoun、Eumir Deodatoも参加したブラジリアン・オリタナ・ロック。参加メンバーのせいかN.Y.らしいエッジ感が効いているのが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=CNhvr8_UvX8
「Lavadeira Do Rio」
Lenine/Braulio Tavares作。当ブログでも紹介したようにMaria Ritaが『Maria Rita』でカヴァーしていました。ここではミナス出身のロック・バンドSkankのメンバーHenrique Portugal、Lelo Zaneti、Haroldo Ferrettiを従え、スケール感の大きなブラジリアン・ロック・チューンとして聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Qem9Iuk6gII
「Encantamento」
Lenine/Sergio Natureza作。サウンド・コラージュ的な色彩の濃い小曲。
「Nem O Sol, Nem A Lua, Nem Eu」
Lenine/Dudu Falcao作。シェル・ホーンでも知られるトロンボーン奏者Steve Turreが参加しています。男の哀愁モードが漂う味わい深い1曲。
「Encantamento/Nem O Sol, Nem A Lua, Nem Eu」
http://www.youtube.com/watch?v=S-bX7GmM_h8
「Caribantu」
Lenine/Sergio Natureza作。サンバ・チームのコーラス隊も参加したバトゥカーダ・チューン。
「Quadro-Negro」
Carlos Renno/Lenine作。エレクトロ感とノスタルジックな味わいが融合した哀愁チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Vkgo1quPIA0
「O Silencio Das Estrelas」
Lenine/Dudu Falcao作。味わい深いアコースティック・チューン。ストリングス+エレクトロ+アコーディオンを交錯させるあたりがLenineらしいセンスかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=EFHKe7ZB1wQ
「No Pano Da Jangada」
Lenine/Paulo Cesar Pinheiro作。リズムとLenineのヴォーカルのみのノルデスチ的雰囲気の漂う1曲。
「Rosebud (O Verbo E A Verba)」
Lenine/Lula Queiroga作。1983年に共作アルバム『Baque Solto』をリリースしたLula Queirogaとの共作。Lula Queirogaのヴァージョンもアルバム『Aboiando a Vaca Mecanica』(2001年)に収録されています。Lenineヴァージョンはキューバ出身のドラマーHoracio "El Negro" Hernandezが参加し、キューバンなラテン・テイストにLenineらしいエレクトロ感を融合させた仕上りで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Uwym9alXRo4
「O Homem Dos Olhos De Raio X」
Lenine作。「Ecos Do Ao」、「Umbigo」と並ぶ僕のお気に入り曲。Lenineらしいリズミックなブラジリアン・ロックに仕上がっています。ブラック・ハード・ロックの人気バンドだったLiving Colourのメンバー Vernon Reid(g)、Corey Glover(vo)、Doug Wimbish(b)、Will Calhoun(ds)が参加しています。Jorge Ben「A Banda Do Ze Pretinho」をサンプリングしているあたりも僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=d_jQcYmUbE8
Lenineの他作品もチェックを!
Lenine & Suzano『Olho De Peixe』(1993年)
『O Dia Em Que Faremos Contato』(1997年)
『Na Pressao』(1999年)
『In Cite』(2004年)
『Labiata』(2008年)
『Chao』(2012年)