発表年:1988年
ez的ジャンル:チカーノ系パーカッション奏者の大御所
気分は... :ラテンのりで乗り切る!
ユーロ2012はポルトガルがベスト4一番のりを決めました。スペイン対フランスの勝者との準決勝も楽しみですね。ロナウドが本来の得点力を取り戻してきているのが心強いですね。
今回はチカーノ系パーカッション奏者の大御所Pete Escovedoが1988年にリリースした『Mister E』です。
Pete Escovedoは1935年カリフォルニア生まれのラテン・パーカッション奏者、弟Coke Escovedoと共にラテン・ジャズ/チカーノ・ロックを牽引してきたラテン・パーカッション奏者とお馴染みですね。あるいは80年代洋楽好きにはSheila E.(Sheila Escovedo)の父親として知られているかもしれませんね。
SantanaやAztecaの演奏でもお馴染みですが、自身でも娘Sheila E.との父娘アルバム『Solo Two』(1977年)、『Happy Together』(1978年)をはじめ、『Island』(1982年)、『Yesterday's Memories: Tomorrow's Dreams』(1985年)、『Mister E』(1988年)、『Flying South』(1995年)、『E Street』(1997年)、『E Musica』(2000年)、『Whatcha Gonna Do』(2001年)、『Live』(2003年)といったアルバムをリリースしています。また、最近ではSheila E.、Peter Michael Escovedo、Juan Escovedoという子供達と共演したThe E Family『Now & Forever』(2011年)をリリースしています。
フリーソウルの流れで再注目が高まったCoke Escovedoのソロ作と比較すると、Pete Escovedoのソロへの注目はそれ程高くないかもしれません。
それでも娘Sheila E.との父娘アルバム『Solo Two』(1977年)、『Happy Together』(1978年)や本作『Mister E』(1987年)は結構お気に入りのアルバムです。
今日紹介する『Mister E』は、ヴォーカル曲は少ないですが、アーバン・テイストのラテン/フュージョン・サウンドを楽しめる1枚に仕上がっています。
Pete Escovedo(per、vo)をはじめ、Sheila E.(per、vo)、Peter Michael Escovedo(per、vo)、Juan Escovedo(per)といった子供たち、それ以外にVicki Randle(vo)、David Yamasaki(g)、Dan Shea(key)、David Belove(b)、Ed Smith (ds)、Paul Van Wageningen(ds)、Rebeca Mauleon(p、key、vo)、John Santos(per)、Melecio Magdaluyo(sax、fl)、Wayne Wallace(tb)、Jeff Cressman(tb)、Mike Galisatus(tp、flh)、Robbie Kwock(tp、flh)等がレコーディングに参加しています。Wayne Wallaceがミュージカル・ディレクターとしてクレジットされています。
洗練された大人のラテン・ジャズ・サウンドを満喫しましょう。
全曲を紹介しときやす。
「Whatcha Gonna Do」
Pete Escovedo/Mel Martin/Paul Jackson作。オープニングはAzteca時代の楽曲をセルフカヴァー。オリジナルは『Pyramid Of The Moon』に収録されています。熱いラテン・グルーヴはそのままに、より洗練された「Whatcha Gonna Do」を聴くことができます。
Azteca「Whatcha Gonna Do」
http://www.youtube.com/watch?v=_NN7eFBqfkE
「Tassajara」
Ed Smith作。ラテン・フュージョンノリのインスト。心地好いホーン・アンサンブルがグッド!
「Un Poquito」
Rebecca Maulebon作。軽快なラテン・グルーヴのインスト。成熟したアーバン・テイストのパーカッシヴ・サウンドを楽しめます。
「Let's Wait Awhile」
Janet Jackson/ James Harris III/Terry Lewis/Melanie Andrews作。Jam & Lewisが手掛けたJanet Jacksonの大ヒット曲をカヴァー。メロウなインスト・カヴァーです。
「Gingerbread Girl」
Wayne Wallace作。軽快なパーカッシヴ・サウンド好きにはグッとくる1曲。シンセに導かれたグルーヴィー・サウンドを満喫できます。
「Caribe」
Rebecca Maulebon作。Vicki Randleのヴォーカルをフィーチャーした本曲は本作のハイライトかもしれませんね。フリーソウル好きはグッとくるであろう爽快メロウ・グルーヴです。
「Take Some Time」
Wayne Wallace作。ラテンのりを満喫したい方にピッタリのインスト。作者Wayne Wallaceのトロンボーンが目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=32LzYcCu4XU
「Dr. Macumba」
Earl Klugh作。インスト曲の中ではEarl Klughのカヴァーである本曲が一番のお気に入り。疾走する爽快ラテン・フュージョンにグッときます。David Yamasakiのギター・ソロもグッド!
「Mister E」
Dan Shea作。タイトル曲はやや哀愁モードのアーバン・メロウな味わいのインスト・チューン。スムージーな音がお好きな人にオススメ。
http://www.youtube.com/watch?v=zKZNLTbKNJI
「Dawn - The Beginning」
Pete Escovedo/Sheila Escovedo作。ラストは娘Sheila E.との共演。父娘のパーカッション&ヴォーカルによるエスニック・モードの仕上がりです。
Pete Escovedoの他作品もチェックを!
Pete & Sheila Escovedo『Solo Two/Happy Together』(1977年/1978年) ※2in1CD
『Yesterday's Memories: Tomorrow's Dreams』(1985年)
『Flying South』(1995年)
『E Street』(1997年)
『E Musica』(2000年)
The E Family『 Now & Forever』(2011年)