発表年:1968年
ez的ジャンル:ブラジル女性コーラス・グループの最高峰
気分は... :審判が目立つ五輪ですね・・・
五輪の男子体操団体はなんか後味の悪い結末でしたね。
先日の柔道の旗判定のやり直しも不可解だったし、金メダル第1号の柔道松本選手の57キロ級決勝も判定の妙な間で金メダルの瞬間の感動が薄れた感じだし、今大会は審判(ジュリー)が(良くない意味で)目立っていますね。
今回はブラジルの女性コーラス・グループの最高峰Quarteto Em Cyが1968年にリリースした『Em Cy Maior』(1968年)です。
Quarteto Em Cyの紹介はElencoからの第1作『Quarteto Em Cy』(1966年)、Cyva、Cynara、Sonya、Dorinha Tapajosの4人で再編成された新生Quarteto Em Cyの第1弾アルバム『Quarteto Em Cy』(1972年)に続き3回目となります。
本作は『Quarteto Em Cy』(1966年)、『De Marre De Cy』(1967年)に続くElencoからの3作目であり、同レーベルからの最後の作品となります。
本作におけるメンバーは、Cyva、Cyregina(Regina Werneck)、Bimba、Sonyaの4名。結果的にこのメンバーでのアルバムは本作『Em Cy Maior』のみとなってしまいました。
元々De Sa Leite4姉妹によるコーラス・グループとしてスタートしたQuarteto Em Cyでしたが、本作におけるオリジナル・メンバーはCyvaのみです。The Girls from Bahia名義のアメリカ進出アルバム第2弾『Revolucion con Brasilia!』を最後にオリジナル・メンバーのCynaraとCybeleが脱退し、新たにBimba、Sonyaの2名がグループに加わりました。BimbaはMario Castro-Neves & Samba S.A.でも活動し(こちらではBibaと表記)、Quarteto Em Cy脱退後はAntonio Adolfo & A Brazucaのメンバーとしても活動しています。
本作がリリースされた1968年にメンバーはSergio Portoによるヒット・ミュージカル『O Show do Crioulo Doido』に出演し、その成功も後押しして制作されたアルバムのようです。プロデュースはAloysio De Oliveira、アレンジはOscar Castro Nevesが手掛けています。
メンバーが入れ替わってもQuarteto Em Cyならではの魔法のコーラスは健在です。
初々しい躍動感とドリーミー&ビューティフルなハーモニーを存分に堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Frevo de Orfeu」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作。映画『Black Orpheus(黒いオルフェ)』挿入歌のカヴァー。軽快なスキャット&ハーモニーに魅了されます。Quarteto Em Cyならではの初々しいコーラスワークを満喫できます。
「Lua Cheia」
Toquinho/Chico Buarque作。哀愁モードの仕上りです。ア・カペラを含むビューティフルなコーラスワークに感動しまくりです。
「Juliana」
Dorival Caymmi作。僕の一番のお気に入り。ポップに躍動する軽快なサンバ・チューン。開放的な弾け方がサイコーです!ソフトロック好きの人あたりもグッとくる1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=kT8dyVY5gus
「Onde Esta Voce」
Oscar Castro Neves/Luvercy Fiorini作。ひたすら美しいヴォーカルに聴き惚れるしかない感動バラード。ミラクルなハーモニーが優しく包み込んでくれます。
「Minha Palhoca」
J. Cascata作。古いサンバ・チューンにキュートに躍動するハーモニーで新たな魅力を吹き込んでいます。Oscar Castro Nevesのアレンジ・センスも光ります。
「Samba do Carpinteiro」
Velha/Bide(Alcebíades Barcelos)作。サンバのリズムにのって小気味良いハーモニーを聴かせてくれます。特に終盤の畳み掛けるようなコーラスワークが素晴らしいですね。
「Samba do Crioulo Doido」
Sergio Porto作。前述のヒット・ミュージカル『O Show do Crioulo Doido』からのヒット曲であり、作者Sergio Portoのナレーションと共にスタートします。当時のブラジルの世相を凛としてユニゾン・ヴォーカルで歌い上げる哀愁サンバです。
http://www.youtube.com/watch?v=znlxkFLRgQk
「Aioka」
Carlos Coquejo/Alcyvando Luz作。変拍子で独特の雰囲気を醸し出しています。ダバダバ・スキャットが印象的です。
「Rancho de Ano Novo」
Edu Lobo/Capinan作。Edu Lobo自身のヴァージョンは当ブログでも紹介した『Cantiga de Longe』(1970年)に収録されています。Edu LoboならではのミステリアスなメロディをQuarteto Em Cyらしい素晴らしいコーラスで歌い上げます。緩急の付け方もグッド!
http://eastzono.seesaa.net/article/270636802.html?1343662361
「Minha Rua」
Sidney Miller作。ポップでドリーミーなボッサ・チューン。4人のソロ・パートを聴けるのもグッときます。
「A Volta do Chorinho」
Lindolfo Gaya/Aloysio de Oliveira作。ラストは親しみやすいメロディ&ビューティフル・コーラスで締め括ってくれます。
Quarteto Em Cyの過去記事もご参照下さい。
『Quarteto Em Cy』(1966年)
『Quarteto Em Cy』(1972年)