2012年07月25日

Carl Anderson『Fantasy Hotel』

前作『Pieces of a Heart』の路線を受け継ぐアーバン・メロウ作品☆Carl Anderson『Fantasy Hotel』
Fantasy Hotel
発表年:1992年
ez的ジャンル:AOR系アーバン・メロウ
気分は... :大人のバラードにグッときます!

今回は大人のアーバン・ジャジー&ソウル感が魅力のアルバムCarl Anderson『Fantasy Hotel』(1992年)です。

2004年に惜しくも逝去した男性シンガーCarl Andersonの紹介は『Pieces of a Heart』(1990年)に続き2回目となります。

GRP移籍第1弾アルバムとなった前作『Pieces of a Heart』は、AORファンも楽しめる大人アーバン・メロウ作品でした。特にParliamentのCMソング「Pieces of a Heart」やBrenda Russellとのデュエット「Baby My Heart」は印象的でしたね。

「Pieces of a Heart」
 http://www.youtube.com/watch?v=FhzSlP1vGjc
「Baby My Heart」
 http://www.youtube.com/watch?v=7eElQzehed0

GRP第2弾となる本作『Fantasy Hotel』(1992年)も基本的には『Pieces of a Heart』の流れを踏襲しています。

Dave GrusinLarry Rosenがエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ね、前作同様Russ Freeman(The Rippingtons)とAndre Fischer(元Rufus)がプロデュースを務めています。

レコーディングにはLeslie Smith(back vo)、Maxi Anderson(back vo)、David Foster (el-p)、 Michael Thompson (g)、 Brad Cole(p、syn)、Nathan East(b)、 Neil Stubenhaus(b)、Alphonso Johnson(b)、Tony Morales(ds)、Rick Marotta (ds)、"Reverend" Dave Boruff(sax)等が参加しています。

特に「I Will Be There」「The Closest Thing To Heaven」は、前作の「Pieces of a Heart」「Baby My Heart」に負けない名バラードだと思います。

アーバンな大人のバラードを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「I Will Be There」
オススメその1。Don Freeman/Jeffrey Osborne作。僕の一番のお気に入り。前作の「Baby My Heart」と並び僕の中では大名曲の感動バラードです。Leslie Smith、Maxi Andersonらのバック・ヴォーカル陣も盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=nuZthSbbj_g

「If Not For Love」
David Foster/Linda Thompson作。作者David Fosterがエレピで参加し、アレンジも担当しています。正当なバラードを堂々と歌い上げます。"Reverend" Dave Boruffのサックス・ソロも印象的です。

「Once In A Lifetime Love」
Graham Lyle/Terry Britten作。Russ Freemanのギター・ソロも含めて90年代前半らしいサウンドが印象的な仕上がり。

「Love Will Follow」
オススメその2。Kenny Loggins/Tom Snow作。Kenny Logginsのオリジナルは『Vox Humana』(1985年)に収録されています。本ヴァージョンはグッと大人のアーバン・ナイト感のある仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=k6E5AtGVoco

「Enough Said」
Chauncey Hines/Stafford Floyd作。スムース・ジャズ好きの人がグッときそうなジャジー・チューン。大人の小粋なリラックス感がいいですね。

「All I Wanna Do」
Ellison Chase/Terry Silverlight作。90年代初めらしいアーバン・メロウ・チューンです。なかなかこみ上げてきます。

「The Closest Thing To Heaven」
オススメその3。 Andy Caine/Ken Gold作。「I Will Be There」と並ぶ僕のお気に入りのビューティフル・バラード。Carl Andersonにはこのタイプのバラードが一番似合っている気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=UrnWZmLcrnE

「Lover's Mask」
Henrik Janson/Michael Ruff作。軽くレゲエ・フレイヴァーの入った哀愁チューン。アルバムに少しアクセントをつけています。

「I'm No Stranger」
オススメその4。 ソウル・ファンの中には知られるソングライターGary Taylorの作品。甘く危険な香りのする大人の哀愁チューン。Brad Coleの小粋なピアノが盛り上げてくれます。

「Wish I Could Stay (Fantasy Hotel)」
Kathy Wakefield/Michel Colombier作。ラストは正統派バラードで厳かに締めくくってくれます。

『Pieces of a Heart』(1990年)
Carl Anderson; Pieces of a Heart [Japan Import] Gold Cd
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2012年07月24日

Gilberto Gil『Realce』

キャリアを代表するヒット・アルバムはLA録音☆Gilberto Gil『Realce』
Realce
発表年:1979年
ez的ジャンル:LA録音MPB
気分は... :Don't be afraid !

今回はMPBを代表する大物アーティストGilberto Gilが1979年にリリースした『Realce』です。

Caetano Velosoと並ぶブラジル音楽界の牽引者Gilberto Gilの紹介は、『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)、『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)に続き3回目となります。

1979年リリースの本作『Realce』は彼のキャリアを代表するヒット・アルバムです。

L.A.録音作品であり、Steve Lukather(g)、Bill Champlin(back vo)、Michael Boddicker(syn)、The Seawind Horns(Jerry Hey、Kim Hutchoroft、Larry Williams、Bill Reichenback、Gary Grant)等のアメリカ人ミュージシャンも参加していますが、Mazolaがプロデュースを務め、Os MutantesSergio Dias(g)、Liminha(b)やLuiz Carlos(ds、per)、Perinho Santana(g)、Djalma Corre(per)等のブラジル人ミュージシャンもバックアップしており、過度にアメリカ色が出ていないところがいいですね。

全9曲中7曲はGilのオリジナルです。残り2曲はDorival Caymmi「Marina」とBob Marley & The Wailers「No Woman, No Cry」のカヴァーです。この2曲がアルバム全体のいいアクセントになっていると思います。

アルバム全編に貫かれた開放的な雰囲気に惹かれます。
LAらしいクリアで洗練されたサウンドと、ブラジルらしいリズミカルで開放的な雰囲気が上手くミックスされているのが魅力ですね。

サマー・モードで寛ぎたい気分にフィットする1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Realce」
タイトル曲はSteve Lukatherのギターが冴えるL.A.録音らしい1曲。フュージョン/AOR系の音が好きな人は気に入ると思います。The Seawind Hornsも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=WLGyrsHe0eg

「Sarara Miolo」
軽やかな雰囲気でリラックスできる名曲。♪サラ・サラ♪サラ・サララ〜♪というリズミカルなフレーズが脳内リピートします。
http://www.youtube.com/watch?v=gCTWxtQF2Mo

「Superhomem - A Cancao」
ビューティフル&ロマンティック・バラード。サンセット・モードで聴くとグッとくるはずです。John D'Andreaのロマンティックなサックス・ソロが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=oG-drSJ52x0

「Tradicao」
軽快メロウなブラジリアン・グルーヴ。Gilberto Gilらしい1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=0tcstokDe-w

「Marina」
Dorival Caymmi作品のカヴァー。LA録音が吉と出た開放的な爽快メロウ・チューンに仕上がっています。サマー・モードにフィットする仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Y9rFxzZVIwc

「Rebento」
ボッサ好きにはたまらないメロウ・ボッサ。LA録音らしい洗練されたメロウ・サウンドにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=OO2Q2zcNjVk

「Toda Menina Baiana」
リズミカル・サウンドに思わず体を揺らしてしまいます。ブラジル作品らしいダンサブルなギターがサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=WuH1E0l2i2U

「Logunede」
哀愁モードのビューティフル・バラード。素晴らしいアレンジ・センスに脱帽です。
http://www.youtube.com/watch?v=2l7TE4OFmH8

「Nao Chore Mais (No Woman, No Cry)」
ラストはBob Marley & The Wailersの名曲「No Woman, No Cry」をポルトガル語でカヴァー。Bob Marleyの名曲をGilberto Gilを歌うというのは米英以外のミュージシャンのパワーを感じますよね。
http://www.youtube.com/watch?v=Lat7NqBEyKk

Gilberto Gilの過去記事もご参照下さい。

『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)
Gilberto Gil 1968

『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)
Gilberto Gil

また、70年代後半のGilberto Gilの他作品もチェックを!

『Refazenda』(1975年)
Refazenda

Gilberto Gil & Jorge Ben『Gil & Jorge - Ogum - Xango』(1975年)
Gil & Jorge

『Refavela』(1977年)
Refavela

Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)
Refestanca - Ao Vivo

『Gilberto Gil Ao Vivo Em Montreux』(1978年)
Ao Vivo Em Montreux

『Nightingale』(1979年)
Nightingale

2012年07月22日

Visioneers『Hipology』

4HeroのMarc MacのHip-Hopプロジェクト第2弾☆Visioneers『Hipology』
HIPOLOGY
発表年:2012年
ez的ジャンル:UKクラブミュージック系Hip-Hop
気分は... :少しは光明が見えてきたか...

ロンドン五輪サッカー男子代表の本番前最後の強化試合となった対メキシコ戦は2対1で日本が勝ち切りました。スペイン、ブラジルに次ぎ英国、ウルグアイあたりと並ぶメダル候補の強豪メキシコに勝利できたのは監督やメンバー達に大きな自信となったのでは?

守備ラインは今日の先発4名で固めて欲しいですね。左SBは酒井高を使いたい気にもなりますが守備重視で徳永でスタートするのが賢明だと思います。守備的MFについては個人的に期待している扇原の出来が悪かったのがかなり気になります。

攻撃陣についてはFW、攻撃的MFの7名をフル動員して乗り切って欲しいですね。齋藤、杉本は効果的な交代メンバーとして投入したい気がするので、残り5名を相手によっていかに組み合わせるか、といったところでしょうか。

ベラルーシ戦の大ブーイングの嵐もこれで収まると思うので、雑音を気にせず思い切りスペイン戦に臨んで欲しいものです。

今回は4HeroMarc MacによるHip-HopプロジェクトVisioneersの第2弾アルバム『Hipology』です。

UKクラブシーンの牽引者である4Heroといえば、もう一人のメンバーDegoの活動がどうしても目立ってしまいますが、Marc Macも頑張っています。

Marc Mac名義では、『It's Right To Be Civil』(2006年)、『Extend The Knowledge』(2011年)といった2枚のアルバムをリリースしています。また、Visioneers名義では、2006年に第1弾アルバム『Dirty Old Hip Hop』、翌年にリミックス・アルバム『Dirty Old Remixes』をリリースしています。さらに昨年はT.R.A.C.‎『The Network』を全面プロデュースし、話題となりました。

Visioneersの第1弾アルバム『Dirty Old Hip Hop』では、Nas「The World Is Yours」The Pharcyde「Runnin'」のカヴァーが話題となりました。

2ndとなる本作『Hipology』ではThe Incredible Bongo Band「Apache」Ahmad Jamal「Swahililand」Johnny Pate「Shaft in Africa」といったHip-Hopアンセムを取り上げています。また、意外なセレクトとしてStereolab「Come And Play In The Milky Night」のカヴァーなんていうのもあります。

アルバム全体として"Hip-Hop愛"が詰まっている感じがいいですね。
そのあたりはジャケにも反映されています。
ジャケを大きな画像で観ると、さまざまな名アルバムのジャケのコラージュになっているのがおわかりかと思います。このジャケを眺めているだけでもかなり楽しめます。

HIPOLOGY

ただし、Hip-Hopの枠に収まらないエレクトロニカ、ジャズ・ファンク、ジャズな演奏も聴かせてくれるところがMarc Macらしいかもしれません。レコーディング・メンバーの中ではLuke Parkhouse(ds、per、g)の貢献が目立ちます。

Hip-Hop愛の詰まった作品を存分に楽しみましょう。
アルバムはCD2枚組になっており、Disc1が通常盤、Disc2がノンストップ・ミックスになっています。

全曲紹介しときやす(Disc1のみ)。

「Dial In (Intro)」
アルバムのイントロ。

「Back In Time」
Baron & T.R.A.C.をフィーチャー。メロウ&ジェントルなヴァイヴが心地好い1曲。ストリングスがトラック全体に柔らかさを与えてくれます。アングラ・ジャジーHip-Hop好きであればホッとする1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=lRctD_-4gCY

「Come And Play In The Milky Night」
Stereolabのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介済みの『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)に収録されています。エレクトロニカ・ラウンジといった趣であったオリジナルの雰囲気を受け継いだスペイシーなエレクトリック
感が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=d0QDKWBs6fk

「Ice Cream On My Kicks」
ジャジー&エレクトリック&ソウルフルな雰囲気は本作らしいのでは?適度にパーカッシヴなのも僕好み。
http://www.youtube.com/watch?v=MD-qJTiyUvc

「Shine」
John Robinson & Jimetta Roseをフィーチャー。ソウルフルなヴァイヴに溢れています。
http://www.youtube.com/watch?v=b180GoyLFNQ

「Shaft In Africa (Addis)」
前述のようにJohnny Pateによる定番サンプリング曲のリメイク。躍動するリズム、キレのあるホーン・アンサンブルなど問答無用の格好良さです。
http://www.youtube.com/watch?v=B-jjR_vRHYM

「Rocket Man (Afrolatin Joint)」
個人的には「Jungle Green Outlines」と並ぶ僕のお気に入り。ジャズ・ミーツ・アフロビートといった趣の仕上がりにヤラれます。

「Swahililand」
Ahmad Jamalの定番サンプリング曲をカヴァー。壮大なスピリチュアル感を受け継ぎつつ、コズミックな広がりを感じるカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=g8nqdT30UPU

「Oil & Water」
Notes To Selfをフィーチャー。ヒューマンな温かみを感じるフロウ&トラックが印象的です。DJ Dopeyのスクラッチもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=zJJOY4V69IQ

「Jungle Green Outlines」
この曲も僕のお気に入り。アフロ・ファンクとしての格好良さにグッときます。この曲あたりはHip-Hopというよりも完全にジャズ・ファンクしています。
http://www.youtube.com/watch?v=0Q3p1GvTArY

「LuAnne From Harlem」
ここではジャズ的な格好良さを堪能できます。息の合ったホーン・アンサンブルに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=B6Iwj8JyJD8

「Funky Fanfare」
サンプリング・ソースにもなっているKeith Mansfield作品をカヴァー。オリジナルのファンキーな味わいを引き継ぎつつ、ダビー&パーカッシヴなテイストが加わっているのがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=dtAhSV6ohkw

「Apache (Battle Dub)」
お馴染みThe Incredible Bongo BandのHip-Hopアンセムのリメイク。「Apache」好きの人であれば、誰しもグッとくるリメイクでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=9mH8U9iaWWs

「Whatever Happened To Peace」
ラストはコズミック・ジャズな雰囲気で締め括ってくれます。

他のMarc Mac関連作品もチェックを!

Visioneers『Dirty Old Hip Hop』(2006年)
Marc Mac Presents: Dirty Old Hip Hop

Visioneers『Dirty Old Remixes』(2007年)
Dirty Old Remixes

Marc Mac『It's Right To Be Civil』(2006年)
It's Right to Be Civil

Marc Mac『Extend The Knowledge』(2011年)
EXTEND THE KNOWLEDGE

T.R.A.C. Produced By Marc Mac‎『The Network』(2011年)
The Network
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2012年07月21日

Angela Winbush『The Real Thing』

妖艶な才女Angelaの2ndソロ☆Angela Winbush『The Real Thing』
The Real Thing
発表年:1989年
ez的ジャンル:才女系妖艶女性R&B
気分は... :色気がありますなぁ...

今日は妖艶な女性R&BシンガーAngela Winbushの2ndソロ『The Real Thing』(1989年)です。

Rene Mooreとの男女デュオRene & Angelaでの活動や、The Isley Brothers、Sheena Easton、Stephanie Mills等のプロデュースでも知られる才女Angela Winbushの紹介は、3rdソロ
『Angela Winbush』(1994年)に続き2回目となります。

今日紹介する『The Real Thing』(1989年)は、『Sharp』(1987年)に続くソロ第2弾アルバムです。『Sharp』からは「Angel」(全米R&Bチャート第1位)、「Run to Me」(同第4位)といったヒットが生まれましたが、本作からも「It's The Real Thing」が全米R&Bチャート第2位となっています。

個人的には前回紹介した『Angela Winbush』が一番好きですが、トータルな完成度という点では本作『The Real Thing』が彼女のベスト作品かもしれませんね。

後に公私のパートナーとなるThe Isley BrothersRonald Isleyがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、Angela自身がプロデュース&ソングライティング&アレンジを手掛けています。

本作がリリースされた1989年といえば、NJS全盛期でR&Bシーンも勢力図がかなり変化していた時期でしたが、そんな中で自分を見失わない作品を送り出したAngelaのプロデューサーとしての才覚に感心させられるアルバムです。

1989年頃の打ち込みサウンドは今聴くとビミョーなものも少なくなりませんが、Angelaは過度に打ち込みサウンドを前面に出していないあたりが成功していると思います。打ち込みなしの演奏もあります。

レコーディングにはGreg Phillinganes(p)、Gerald Albright(sax)、Paul Jackson Jr.(g)、Nathan East(b)、Paulihno Da Costa(per)といった名うてのミュージシャンも参加しています。

ヒットしたタイトル曲やRonald Isleyのデュエット「Lay Your Troubles Down」、Stephanie Millsの全米R&BチャートNo.1ヒットのセルフ・カヴァー「I've Learned To Respect (The Power Of Love) 」などが注目曲ですが、アルバム全体としても良い曲が粒揃いです。

才女による妖艶ヴォーカルを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「It's The Real Thing」
タイトル曲はシングルとして全米R&Bチャート第2位となっています。Hip-Hop Soul的なフィーリングも感じるファンク・チューンです。思わず一緒に♪Real Thing♪Real Thing♪と力みながら叫んでしまいます(笑)。Tom Browne「Funkin' for Jamaica」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=J4IyDoVGAU0

「No More Tears」
パワフルで凛としたAngelaのヴォーカルが印象的な軽快なシンセ・ファンク。シングルとして全米R&Bチャート第12位となっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xKYQ3MB-IgA

「Thank You Love」
軽くラテン・フレイヴァーの効いたセクシー・グルーヴ。キュート&セクシーな雰囲気にグッときます。

「Lay Your Troubles Down」
Ronald Isleyとのデュエットによるセクシー・ミディアム・スロウ。シングルとして全米R&Bチャート第10位となっています。やはりRonaldのヴォーカルが入った途端にIsleysワールドになりますが、あまり目立ち過ぎず主役のAngelaをサポートしています。Gerald Albrightのサックス・ソロが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ug9RBtmSgQE

「Precious」
アーバン・メロウな妖艶バラード。Angelaの妖艶ヴォーカルを満喫できます。ここでもGerald Albrightのサックスがアーバン・ナイトな気分を盛り上げてくれます。

「Please Bring Your Love Back」
切々と歌い上げる哀愁バラード。恋人への切なる叫びにグッときます。

「Menage A Trois」
スロウ系では一番のお気に入り。妖艶な雰囲気のセクシー・バラードです。「三角関係」という邦題の通り、ビミョーな関係を歌ったものですが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=MgeU0-aPNcU

「I've Learned To Respect (The Power Of Love) 」
Stephanie Millsの全米R&BチャートNo.1ヒットでお馴染みの楽曲をセルフ・カヴァー。フリーソウル好きはAlton Mcclain & Destinyヴァージョン(タイトルは「The Power Of Love」)でお聴きになっている方も多いのでは?セルフ・ヴァージョンはAngelaのヴォーカリストとの魅力を満喫できる感動的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=_V58IKfixXA

Stephanie Mills「I've Learned To Respect The Power Of Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=1RPk5XhYb40
Alton Mcclain & Destiny「The Power Of Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=CXo45kx2Lv8

「I'll Never Be The Same」
ラストはアーバン・テイストのバラードで締め括ってくれます。

Angela Winbushの他作品もチェックを!

『Sharp』(1987年)
Sharp

『Angela Winbush』(1994年)
Angela Winbush

Rene & Angela『Rene & Angela/Wall to Wall』(1980年、1981年) ※2in1CD
Rene & Angela/Wall to Wall

Rene & Angela『Street Called Desire』(1985年)
Street Called Desire & More
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2012年07月20日

Quincy Jones『Mellow Madness』

Brothers Johnsonが注目されるきっかけとなったメロウ&ファンキー作品☆Quincy Jones『Mellow Madness』
メロー・マッドネス
発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラック・ミュージック系ジャズ/ファンク
気分は... :フランス女子強かった!

サッカーなでしこジャパン、ロンドン五輪前の最後の強化試合となったフランス戦を観ましたが、フランスの完勝でしたね。なでしこの調子云々というよりも、フランスの強さ、タレントの豊富さに驚きました。有力な金メダル候補でしょうね。ロンドン五輪の初戦は米国のようですが、米国はかなり苦戦するのでは?

Quincy Jonesが1975年にリリースした『Mellow Madness』です。

US音楽界の大御所Quincy Jonesの紹介は『Body Heat』(1974年)、『Smackwater Jack』(1971年)に続き3回目となります。

キャリアの中でも重要作となった前作『Body Heat』(1974年)のリリース直後に脳内出血で倒れたQuincyでしたが九死に一生を得ました。そんな流れで本作『Mellow Madness』の献辞には彼の手術を担当した医師の名が記されています。

また、本作ではGeorge(g、vo)とLouis(b)のファンキー兄弟The Brothers Johnsonと女性シンガーPaulette McWilliamsが大きくフィーチャーされています。特にThe Brothers Johnsonについては、彼らに惚れ込んだQuincy がレコード会社との契約を取り付けてレコード・デビューが決定し、1976年に当ブログでも紹介したデビュー・アルバム『Look Out For #1』をリリースしています。

それ以外にもLeon Ware(vo)、Minnie Riperton(vo)、Myrna Matthews(vo)、Carolyn Willis(元Honey Cone)(vo)、Joseph Greene(vo)、Jim Gilstrap(vo)、The Watts Prophets(vo)Dave Grusin(key)、Don Grusin(key)、Mike Melvoin(key)、 Jerry Peters(key)、Ian Underwood(syn)、Wah Wah Watson(g)、Dennis Budimir(g)、Max Bennett(b)、Chuck Rainey(b)、Grady Tate(ds)、Harvey Mason(ds)、Ralph MacDonald(per)、Hubert Laws(fl)、Sahib Shihab(sax)、Chuck Findley(tp)といった豪華メンバーがレコーディングに参加しています。

全米R&Bアルバム・チャート第3位、同ジャズ・アルバム・チャート第1位となったように、R&Bとジャズの世界を股に掛けたQuincy Jonesらしいブラック・ミュージック作品に仕上がっています。

メロウ・チューンにファンキー・チューン、さらにアフリカンなポエトリー・リーディングやボッサ・チューンまで、この安定感はさすがQuincyですね。

全曲紹介しときやす。

「Is It Love That We're Missing?」
George Johnson/Debbie Smith作。The Brothers JohnsonのGeorge Johnsonのヴォーカルをフィーチャー。爽快メロウ・チューンでアルバムは幕を開けます。
http://www.youtube.com/watch?v=cUctn0xmttg

「Paranoid」
Joe Greene作。Leon Wareのヴォーカルをフィーチャー。ヴォコーダーも使ったブリブリのジャズ・ファンク・チューン。Turi feat. Fritz Da Cat「Schiaffetto Correttivo」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kwnTXdZw_WE

「Mellow Madness」
Tom Bahler/Al Ciner/Quincy Jones/Paulette McWilliams作。Paulette McWilliamsをフィーチャー。タイトルの通り、メロウネスと静かなるマッドネスが同居した不思議な感覚の1曲。Boogie Down Productions「7 Dee Jays」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8Pph1w3Rd0o

「Beautiful Black Girl」
Quincy Jones/Otis Smith作。The Watts Prophetsのポエトリー・リーディングをフィーチャー。アフリカン・リズムと相俟ってポエトリーが流れる様子はプレHip-Hopといった趣ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dFWrhQTAsFY

「Listen (What It Is)」
Quincy Jones作。George JohnsonとPaulette McWilliamsのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアルな雰囲気も漂うミステリアスなファンク・チューン。X-Raided「Still Shooting」のサンプリングソース。
http://www.youtube.com/watch?v=r-7J_StD_Ek

「Just a Little Taste of Me」
George Johnson/Louis Johnson作。ファンキー&メロウの寛いだ味わいがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=LZRxFwHS788

「My Cherie Amour」
Henry Cosby/Sylvia Moy/Stevie Wonder作。Stevie Wonderのお馴染みの名曲をカヴァー。Leon WareMinnie Ripertonのデュエットという豪華な組み合わせ。Hubert Lawsのフルートも涼しげです。
http://www.youtube.com/watch?v=Dnqa7m-H-l4

「Tryin' to Find Out About You」
George Johnson/Louis Johnson作。The Brothers Johnson好きならばグッとくるファンキーなインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=A4QKxmlOmHg

「Cry Baby」
Quincy Jones/Wah Wah Watson/Robert Bryant作。Wah Wah Watsonのギター&ヴォーカル(voice bag)をフィーチャーしたファンク・チューン。Wah Wah Watsonヴァージョンは彼の唯一のソロ・アルバム『Elementary』(1976年)に収録されています。The Herbaliser「Herbalize It」、Atmosphere「Apple」のサンプリング・ソースになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=vqfKAa3C0ls

「Bluesette」
Norman Gimbel/Toots Thielemans作。Toots Thielemansのギター&口笛をフィーチャーしたボッサ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Rax1whrHsmQ

Quincy Jonesの過去記事もご参照下さい。

『Smackwater Jack』(1971年)
Smackwater Jack

『Body Heat』(1974年)
ボディ・ヒート
posted by ez at 03:15| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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