2012年07月07日

Claudine Longet『Love Is Blue』

ソフトロック好きに人気の3rdアルバム☆Claudine Longet『Love is Blue』
恋はみずいろ(紙ジャケット仕様)
発表年:1968年
ez的ジャンル:A&M系ウィスパー・ヴォーカル・ポップス
気分は... :ウィスパー・ヴォーカルで疲労回復!

今週はハードワークで2回も更新をサボってしまいました。

あとはブログのアクセス解析機能のトラブルで月別の集計ができず、恒例の4半期単位のアクセス数Top10のエントリーもできない状況です。もしかしたら、アクセス数Top10は一度中断するかもしれません。

ぐったりモードのこんな気分な時には、ウィスパー・ヴォーカルのロリータ・ポップスで癒されたい気分・・・
ということで今回セレクトしたのはClaudine Longetの3rdアルバム『Love is Blue』(1968年)です。

Claudine Longetは1942年パリ生まれの歌手・女優。

1960年にダンサーとして渡米。ラスヴェガスで大物歌手Andy Williamsと出会い、1961年に2人は結婚しています。

その後夫Andy WilliamsのルートでTV番組に出演するようなります。1966年にTV番組でAntonio Carlos Jobimの名曲「Meditation」を歌うLongetを観たHerb Alpertが気に入り、A&M Recordsと契約しました。

A&Mから『Claudine』(1967年)、『The Look of Love』(1967年)、『Love is Blue』(1968年)、『Colours』(1968年)、『Run Wild, Run Free』(1970年)といったアルバムをリリースしています。

その間にBlake Edwards監督、Peter Sellers主演の映画『The Party』にも出演し、映画の中でHenry Mancini作の「Nothing to Lose」を歌っています。

その後1970年にAndy Williamsと別居することになりますが、彼の設立したBarnabyに移籍し、『We've Only Just Begun』(1971年)、『Let's Spend The Night Together』(1972年)という2枚のアルバムをリリースしています。

1976年に同棲していた恋人がLonget所有の銃の銃弾により死去。事故か射殺かで裁判にもなり、それが原因でLongetは芸能界から引退します。

今年の春にA&M時代の5枚のアルバムが紙ジャケ再発されたのでCDショップ等で見かけた方も多いのでは?

今日紹介する『Love is Blue』(1968年)もその中の1枚です。僕が保有するCDは以前に発売されたものですが。

アルバム全体としては、Longetのロリータ・ウィスパー・ヴォーカルの魅力を満喫できるA&Mらしいポップス作品に仕上がっています。

プロデュースはTommy LiPuma、アレンジはNick DeCaroが務めています。

ロリータ・ウィスパー・ヴォーカル好き、ソフトロック好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Falling in Love Again」
Frederick Hollander/Sammy Lerner作。オープニングはMarlene Dietrichで知られるスタンダード(映画『The Blue Angel』挿入歌)。ライブ風の効果音に続き、ヴォードヴィル調のサンウドをバックに歌うLongetのロリータ・ウィスパー・ヴォーカルに悩殺されてしまいます。Tommy LiPumaとデュエット。

「Happy Talk」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作。お馴染みのミュージカル『South Pacific』挿入歌をカヴァー。ほのぼのしたハッピー感にホッとします。
http://www.youtube.com/watch?v=DuAVlzKeTz0

「Love Is Blue」
Pierre Cour/Andre Popp作。フレンチ・ポップ名曲「恋は水色(L'amour est bleu)」をカヴァー。オリジナルはVicky Leandros。僕の場合、やはりPaul Mauriatのイージーリスニング・ヴァージョンの印象が強いですね。やはりロリータ・ウィスパー・ヴォーカルにはフランス語がマッチしますね。エヴァーグリーンな魅力に溢れています。
http://www.youtube.com/watch?v=O4PNT2oTxVk

「Holiday」
Barry Gibb/Robin Gibb作。Bee Geesのヒット曲をカヴァー。Barry Gibb/Robin Gibb作。オリジナルは『Bee Gees 1st』に収録されています。何とも切ない雰囲気にグッときてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=7fmsTD0zhBg

「Dindi (Jin-Jee)」
Aloysio de Oliveira/Antonio Carlos Jobim作の名曲カヴァー。当ブログではFlora PurimPaprika Soulのカヴァーを紹介済みです。Longetのウィスパー・ヴォーカルは勿論ボッサ・サウンドにもマッチします。Nick DeCaroのアレンジ・センスが冴えます。
http://www.youtube.com/watch?v=kdoow5jKDYk

「Who Needs You」
Robert Allen/Al Stillman作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。ラウンジ・モードのボッサ・サウンドをバックにTommy LiPumaとデュエットしています。フリッパーズギター「Summer beauty 1990(ラテンでレッツ・ラヴまたは1990サマー・ビューティー計画)」のサンプリング・ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=IKesZhBeSWw

「When I Look in Your Eyes」
Leslie Bricusse作。映画『Doctor Dolittle』のサントラに収録されています。夫Andy Williamsも歌っていた曲。哀愁サウンドをバックにウィスパリングしまくります。

「Walk in the Park」
William Sievers作。オールド・ジャズ調のサウンドをバックにプリティなLongetのウィスパー・ヴォーカルを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=W7OgJ5flXqc

「Small Talk」
Garry Bonner/Alan Gordon作。オリジナルはLesley Goreヴァージョン。ソフトロック好きにはグッとくる仕上がりだと思います。Longetのウィスパー・ヴォーカルが微風のように心地好いです。Tommy LiPumaとのデュエット。
http://www.youtube.com/watch?v=4llrRT_sDhU

「Snow」
Randy Newman作。Nilssonヴァージョンでもお馴染みの曲。季節外れですが美しくも切ないバラードは感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=JzvnUS7c94g

「It's Hard to Say Goodbye」
Roger Nichols/Paul Williams作。 ラストは甘酸っぱい香りのする切ないポップ・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wP5lMZihgq0

ご興味のある方は他のClaudine Longetもチェックを!

『Claudine』(1967年)
クロディ-ヌ(紙ジャケット仕様)

『The Look of Love』(1967年)
恋の面影(紙ジャケット仕様)

『Colours』(1968年)
カラ-ズ(紙ジャケット仕様)

『Run Wild, Run Free』(1970年)
ラン・ワイルド・ラン・フリー(紙ジャケット仕様)

『We've Only Just Begun』(1971年)
愛のプレリュード(限定紙ジャケット)

『Let's Spend The Night Together』(1972年)
夜をぶっとばせ(限定紙ジャケット)
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2012年07月05日

Lucas Santtana『Sem Nostalgia』

密かに注目されるブラジリアン・エクスペリメンタル作品☆Lucas Santtana『Sem Nostalgia』
セン・ノスタルジーア
発表年:2009年
ez的ジャンル:ブラジリアン・エクスペリメンタル
気分は... :懐古趣味ではない!

NHK-BS1でサッカーのトゥーロン国際「日本対オランダ」の再放送を観ていました。
五輪代表の発表後に改めて観ると、五輪代表チームの課題が目立ってしまいますね。

僕の理想ではありませんが、決定したメンバーから選ぶと、清武、宇佐美、齋藤の二列目に期待したいですね。ただし、僕の予想では関塚監督が考えている先発は別のラインナップだと思っていますが。あとは永井をどのように使うのかに注目しています。

今回は昨年世界リリースされ、密かに人気を博しているエクスペリメンタルなブラジル作品Lucas Santtana『Sem Nostalgia』(2009年)です。

Lucas Santtanaは1970年バイーア州サウヴァドール生まれのクリエイター/マルチ・インスト奏者。

彼のキャリアの詳細はよく把握できていませんが、Caetano Veloso & Gilberto Gil『Tropicalia 2』(1993年) 、Gilberto Gil『Unplugged』(1994年)のレコーディング・メンバーにはLucasの名がクレジットされています。

自身の名義では『Eletro Ben Dodo』(2000年)、『Parada de Lucas』(2003年)、(Lucas Santtana & Selecao Natural名義)『3 Sessions in a Greenhouse』(2006年)、『Sem Nostalgia』(2009年)、『O Deus que Devasta mas Tambem Cura』(2012年)といったアルバムをリリースしています。

また、Arto Lindsayのアルバムにも参加していますね。

今日紹介する『Sem Nostalgia』は本国ブラジルでは2009年にリリースされましたが、昨年に世界リリースとなり、今年に入り国内盤もリリースされ、注目されるようになった1枚です。本国では本作に続く最新作『O Deus que Devasta mas Tambem Cura』がリリースされた模様ですが・・・

さて、本作『Sem Nostalgia』ですが、基本はヴォーカル+アコースティック・ギターにさまざまなエフェクトやサンプリングを駆使したエクスペリメンタルなブラジル作品に仕上がっています。レゲエ/ダブやオルタナ・ロックのエッセンスも取り入れたローファイながらもミクスチャー感覚に溢れています。

「懐古趣味ではない」というアルバム・タイトルが示す通り、ヴォーカル+アコースティック・ギターを素材に斬新な音空間をクリエイトしてくれます。とにかく一度聴いたらクセになる音空間です。

「Four Tet+Tom Ze+Thom Yorke」と評されることも多い本作ですが、そんな表現をしたくなるのも何となくわかる気がします。

アルバムには親交のあるArto Lindsayとの共作が3曲収録されています。

まずはシングルにもなったオープニングの「Super Violao Mashup」を聴いてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「Super Violao Mashup」
シングルにもなったオープニング。エレクトロニカ&ダビーなギター・コラージュによるミクスチャーなブラジリアン・ブレイクビーツ。この独特の音空間に一気に惹き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wkEy3wUQd10

「Who Can Say Which Way」
リズミックなギターの響きと内省的ヴォーカルによるエクスペリメンタル・サウンドを満喫できる1曲。ローファイな感じながらもクセになるサウンド処理のセンスがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=rdyzqINSac4

「Night-Time In The Backyard」
Arto Lindsayとの共作1曲目。何とも切なく儚いヴォーカル&ギターが印象的な曲。こういう曲を聴いていると、Thom Yorkeが引きあいに出されるのもわかる気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=ou9Ao9WUKSw

「Cira, Regina E Nana」
ブラジルらしい叙情感にレゲエ/ダブのエッセンスを上手く採り入れ、ブルージー・トーンでまとめ上げた1曲。ブルージー&ダビーな雰囲気が好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=S--11avFoV4

「Recado Para Pio Lobato」
哀愁メロディを奏でるエクスペリメンタル・ギター・サウンドにグッとききます。僕の中では時代不明のアバンギャルドな西部劇のBGMを勝手に想像してしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZKEx00QBrss

「Hold Me In」
Arto Lindsayとの共作2曲目。切ないメロディと内省的なヴォーカルが織り成す空虚な空気感に心の中が浸食されていきます。この儚さは何なんでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=2OSDT9xwfhA

「Amor Em Jacuma」
ボッサ・テイストの仕上りですが、一筋縄ではいきません。サンプリングやエフェクトでアクセントがつけられています。
http://www.youtube.com/watch?v=PwEKMt5JJM4

「I Can't Live Far From My Music」
Arto Lindsayとの共作2曲目。エレクトロニクス感も加わったエクスペリメンタル・サウンドを楽しめます。このあたりはArto Lindsayとの共作らしい仕上りなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Yf7vjmUd3uM

「Ca Pra Nos」
哀愁モードの仕上がり。切ないモードが胸にこみ上げてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Hnjpc75QYlA

「O Violao De Mario Bros」
2分に満たない小曲ながらもリズミック&エクスペリメンタルなグッとくる演奏を満喫できます。もっと長尺で聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=4ePj6NP-mgE

「Ripple Of The Water」
何とも切ないヴォーカルが印象的な哀愁チューン。何気ない曲ですがヤラれてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=L-ivsHGhnus

「Natureza #1 Em Mi Maior」
ラストは夏の夜を音色そのまま録音したようなエンディングです。
http://www.youtube.com/watch?v=0_dlYKc_qbY

『Eletro Ben Dodo』(2000年)
Eletrobendodo
posted by ez at 02:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月04日

Cal Tjader & Charlie Byrd『Tambu』

メロウ・ヴァイヴ&ギターによるブラジリアン・ジャズ作品☆Cal Tjader & Charlie Byrd『Tambu』
Tambu
発表年:1974年
ez的ジャンル:ブラジリアン・メロウ・ジャズ系ヴァイヴ&ギター
気分は... :サッカー男子五輪代表メンバーは・・・

一昨日男女サッカーのロンドン五輪代表メンバーの発表がありましたが、男子代表メンバーに関して世間はブーイングの嵐ですね。僕も最初にメンバー一覧を見たときには不満だらけでしたが、少し時間が経ち、ある程度納得できる部分と納得できない部分が半々といったところでしょうか。

予備登録のOA枠の段階で選考方法の混乱が感じられましたからね。まぁ、海外組、OA枠、A代表との兼ね合いと必ずしも自身の希望が通ったとは思えず、その点は関塚監督に同情します。ただし、それでももっと良い選択はあった気もしますが・・・

希望を述べれば、やはり宮市、指宿は観たかったですね。指宿1トップ、2列目に宮市、宇佐美、清武という布陣を僕は妄想していたのですが・・・

一方で、宮市の選出はリスクも大きい気もするので、残念ですが落選に不満を述べるつもりはありません。FWに関しては、杉本の選出は意外であり、それならば指宿の選出も有りだったのでは?という気もしますが、指宿ではなく杉本を選出した意図があるのでしょうから、そこは関塚監督の考えを尊重してあげたいと思います。

個人的にはトゥーロンを観ていて「本大会では通用しないな」と思ったメンバーがMFとDFに数名入っている点が不満です。OAの残り1枠はGKのバックアップではなく守備的MFで使って欲しかったですね。

でも、みんなが納得する代表メンバー選考などあり得ず、最終的には責任を負う監督の決定を尊重すべきと思います。南アW杯の時にもメンバー発表直後はブーイングの嵐だったものの、(それをバネに?)本番では一定の成果を残しましたからね。選ばれたメンバーから、先発メンバーや戦い方を予測するのも五輪の楽しみ方なのでは?

今回は人気ヴァイブ奏者Cal Tjader(1925-1982年)の5回目の紹介です。

これまで紹介したCal Tjader作品は以下の4枚。

 『Soul Sauce』(1968年)
 『The Prophet』(1968年)
 『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
 『Amazonas』(1976年)

5枚目に紹介するのはギタリストCharlie Byrdと共演した『Tambu』(1974年)です。

ラテンのイメージが強いCal Tjaderですが、Charlie Byrdとの共同名義でリリースした本作『Tambu』はブラジリアン・メロウ・ジャズ作品に仕上がっています。

レコーディング・メンバーはCharlie Byrd(g)、Cal Tjader(vibe)、Mike Wolff(el-p)、John Heard(b)、Joe Byrd(el-b)、Dick Berk(ds、per)、Mike Stephans(ds、per)、Mayuto Correa(per)という編成です。

フリーソウルのコンピにも収録されたタイトル曲「Tambu (Tombo In 7/4) 」をはじめ、Stevie Wonderの名曲「My Cherie Amour」のボッサ・カヴァー、Jobim作品のカヴァー「Tereza My Love」、軽快なメロウ・サンバ「Samba De Oneida」等ブラジリアン・ジャズ好きにはグッとくる演奏が満載です。

ブラジリアン・メロウがお好きな方はぜひチェックを!
メロウ・ヴァイヴはボッサ/サンバとの相性抜群です。

全曲紹介しときやす。

「Tambu (Tombo In 7/4) 」
タイトル曲はAirto Moreiraの大人気サンバ・グルーヴ「Tombo In 7/4」のカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Fingers』(1973年)に収録されています。本カヴァーもフリーソウルのコンピにも収録された人気曲です。演奏が素晴らしいのは勿論ですが、いち早く後の人気クラシックとなる本曲に目をつけた TjaderやCharlie Byrd達のセンスに脱帽です。
http://www.youtube.com/watch?v=NeYgS-UVzh0

「Tereza My Love」
Antonio Carlos Jobim作品のカヴァー。ロマンティックなCharlie Byrdのギターにうっとり聴き惚れます。Tjaderのメロウ・ヴァイヴも実に上品です。

「Black Narcissus」
Joe Henderson作。Joe Henderson自身のヴァージョンは『Black Narcissus』(1976年)等に収録されています。ミステリアスな雰囲気の漂う演奏が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=Sm2EPaRt9mE

「Sad Eyes」
Mike Wolff作。アルバムの中で最もラウンジ・モードのボッサ・チューン。気分はカフェ・モードですな。

「My Cherie Amour」
Stevie Wonderのお馴染みソウル・クラシックをカヴァー。Charlie Byrdのギターに誘われ、Tjaderのメロウ・ヴァイヴが全開する軽快なボッサ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=k1hmCBzuzZg

「San Francisco River」
Flora Purim作。「Tombo In 7/4」と同じくAirto Moreira『Fingers』(1973年)に収録されています。サンセット・モードの背素敵なメロウ・サウンドが魅力です。ラウンジ・モードのTjaderのヴァイヴがたまりません。

「Samba De Oneida」
Mike Wolff作。軽快なメロウ・サンバ・チューン。サンバのリズムにのってCharlie ByrdのギターとTjaderのヴァイヴがメロウに響き渡ります。この爽快感がたまりません。

「Don't Lend Your Guitar To Anyone (Violao Nao Se Empresta A Ninguem)」
Benito Di Paula作。ラストはCharlie Byrdの美しいギターを満喫できます。TjaderのヴァイヴもByrdのギターの引き立て役といった感じです。小粋でエレガントな感じがたまりません。

Cal Tjaderの過去記事のご参照下さい。

『Soul Sauce』(1964年)
Soul Sauce

『The Prophet』(1968年)
ザ・プロフェット

『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
サウンズ・アウト・バート・バカラック(紙ジャケット仕様)

『Amazonas』(1976年)
Amazonas
posted by ez at 00:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月02日

Light Of The World『Round Trip』

ジャケのイメージそのまま!爽快なUKジャズ・ファンク☆Light Of The World『Round Trip』
Round Trip
発表年:1980年
ez的ジャンル:爽快UKジャズ・ファンク
気分は... :スペインはやはり強かった!

サッカーのユーロ2012の決勝はスペインの快勝でしたね。
イタリア優勝を確信していた僕の予想は見事に外れました。

スペインは決勝で今大会のベスト・パフォーマンスを披露してくれました。準決勝までの試合ぶりを観て、王者スペインのサイクルに一区切りついた印象を持ったのですが、そんなことはありませんでしたね。脱帽です。

言い訳がましいですが、イタリアはコンディション面で不利な日程であったのが可哀相でしたね。モッタの負傷が決定的に痛かったです!でも、王者を逃したものの今大会で観ていて一番面白かったチームはイタリアだと思います。

今大会でスペイン、イタリア、ドイツが現在の欧州3強という勢力図が明らかになったと思います。2014年ブラジルW杯までにこの勢力図が変わるのか、変わらないのか注目ですね。

また、スペインのゼロ・トップ布陣は、中盤のタレントが豊富な日本代表にも適用できないものかと妄想してしまいますね(笑)

今回はIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunickが在籍していたことでも知られるUKのジャズ・ファンク・グループLight Of The Worldの2ndアルバム『Round Trip』(1980年)です。

Light Of The Worldは1978年にロンドンで結成されたジャズ・ファンク・グループ。

オリジナル・メンバーはNeville "Breeze" McKreith(g)、Kenny Wellington(tp)、David Baptiste(sax)、Jean-Paul "Bluey" Maunick(g)、Paul "Tubbs" Williams(b)、Peter "Stepper" Hinds(key)、Chris Etienne(per)、Everton McCalla(ds)というラインナップです。

メンバーのうちIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunickはお馴染みですが、Paul "Tubbs" Williams、Peter HindsもIncognitoに参加することになります。また、Kenny Wellington、David Baptiste,、Breeze McKriethの3名は1981年にBeggar & Coを結成し、アルバム『Monument』(1981年)をリリースしています。

グループは『Light Of The World』(1979年)、『Round Trip』(1980年)、『Check Us Out』(1982年)、『Inner Voices』(1999年)といったアルバムをリリースしています。

正直、勉強不足でメンバー変動の正確な情報を把握できていませんが、Bluey"は1stアルバム『Light Of The World』のレコーディング前にグループを離れていたようです。また、Gee BelloNat Augustin『Light Of The World』の時点でグループに加入していた模様です。Gee Belloは密かに評価の高いソロ・アルバム『Gee Bello』(1985年)もリリースしています。

今日紹介する2ndアルバム『Round Trip』(1980年)は、Side EffectのAugie Johnsonがプロデュースを手掛け、当時Side Effectに在籍していたMiki HowardやGraham Central Stationでお馴染みのPatrice Chocolate Banksもレコーディングに参加しています。

アルバム全体としてはファンキーながらも爽快かつアーバン・テイストのジャズ・ファンク作品に仕上がっています。今聴いても実にスタイリッシュな印象を受けます。ジャズ・ファンク、ディスコ、アーバン・メロウのエッセンスを、ジャケのイメージ通り爽快ブリーズ感覚でまとめ上げた感じですね。

ファンキー・グルーヴなのに暑苦しくない爽快さが僕好みです。このあたりがUKジャズ・ファンクらしいのかもしれませんね。

今からの季節にピッタリな1枚なのでは?
ジャケのイメージに何となく惹かれた方はぜひチェックすべき1枚だと思います。

また、Beggar & Co Feat. The Funk Jazz Collective名義のアルバム『Brass, Strings N' Things 』(2007年)からの7曲がボーナス・トラックとして追加収録されているのも嬉しいオマケです。こちらの演奏にはBlueyも参加しています。

本作のハイライトとなるアーバン・メロウ「London Town」を聴きながら、間近に迫ったロンドン五輪を心待ちにしてはいかが?

全曲紹介しときやす。

「Time」
オススメその1。爽快ファンキー・ブギー・チューンでアルバムは幕を開けます。うねるグルーヴで突っ走るリズム隊、軽快なギター・カッティング、爽快ヴォーカル&コーラス、存在感抜群のホーン隊とこの時期のダンス・チューンの美味しいとこ取りって感じがいいじゃないですか!
http://www.youtube.com/watch?v=GBzCiBzdrEI

「London Town」
オススメその2。本作のハイライトとなるアーバン・メロウ。Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」風の旋律をUKジャス・ファンク・グループらしいメロウ・チューンで聴かせてくれます。ゲスト参加のVictor Feldmanのメロウ・ヴァイヴがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=gszyDkH3Kig

「I Shot The Sheriff」
Eric Claptonの大ヒットでもお馴染みのBob Marleyの名曲をカヴァー。>、この時期のGeorge Dukeあたりと一緒に聴きたくなるダンサブルなカヴァーです。正直、Marleyの名曲をこのようにカヴァーするのは好みではありませんが、UKジャズ・ファンク・グループらしいのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=SmwpT5PLQgQ

「I'm So Happy」
タイトルのわりには美しくも何処か儚いバラードです。幻想的なストリングスが見果てぬ夢といった雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=13SMUZ9OGH0

「More Or Myself」
オススメその3。当時Side Effectに在籍していたMiki Howardがリード・ヴォーカルを務めるアーバン・ダンサー。このあたりはAugie Johnson色が強く出た仕上りかもしれませんね。

「Visualise Yourself (And Your Mind)」
オススメその4。軽快なファンキー・グルーヴ。ヴォーカルがライト・タッチなので爽快ブリーズ・モードで聴くことができます。ジャケの雰囲気にピッタリな1曲だと思います。

「Painted Lady」
オススメその5。この曲もファンキーに駆け抜けます。軽快なギター・カッティングとハイトーン・ヴォーカルの組み合わせがひたすら気持ちいいですね。素晴らしいホーン隊の貢献も見逃せません。

「Pete's Crusade」
ジャズ・ファンク・グループらしい演奏を満喫できるインスト。Wayne Hendersonのトロンボーン・ソロをはじめホーン隊の素晴らしいプレイを楽しめる1曲です。終盤のメロウ・エレピもグッド!

「I Walk The Streets Alone」
哀愁のメロディが印象的なアーバン・テイストのミディアム・スロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=OkysOLf8fco

「Something For Nothing」
ラストもアーバン&ファンキーに迫ります。うねるベースラインや素晴らいサックス・ソロに魅了されます。

オリジナルはここまですが、CDにはBeggar & Co Feat. The Funk Jazz Collective名義のライブ・アルバム『Brass, Strings N' Things 』(2007年)からの7曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。Kenny Wellington、David Baptiste,、Breeze McKriethというBeggar & Coの3名に加え、Blueyや元Central LineのCamelle Hinds、JTQやMcKoyでお馴染みのNoel McKoy 等が参加しており、なかなか興味深いライブ演奏を楽しめます。

ロンドン五輪といえば、女子バスケはカナダに敗れ、あと一歩で五輪切符を逃しました。バスケど素人ですが、TV中継を観ていて惜敗ながらも決定的な何かが足りない気がしました。

それにしても五輪の夢破れ、落胆している日本チームにインタビューするNHKの無神経さに閉口してしまいました。何考えているんでしょうね。
posted by ez at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月01日

Thee East L.A. Philharmonic『Thee East L.A. Philharmonic』

元Thee Midnightersのメンバーらが創り上げた極上のアーバン・サウンド☆Thee East L.A. Philharmonic『Thee East L.A. Philharmonic』
Thee East L.a.  Philharmonic
発表年:2012年
ez的ジャンル:チカーノ/ラテン系アーバン・サウンド
気分は... :今夏オススメの極上のアーバン・サウンド作品!

今回は新作の中から今夏オススメの極上のアーバン・サウンド作品Thee East L.A. Philharmonic『Thee East L.A. Philharmonic』です。

Thee East L.A. Philharmonicは、60年代に活躍したチカーノR&BバンドThee MidnightersのメンバーRomeo PradoLarry RendonLittle Willie G.らが中心となったプロジェクト。

ジャケに写るのは左がRomeo Prado、右がLarry Rendonです。

イーストL.A.で結成されたThee Midnightersは1965年にデビューし、「Land of a 1,000 Dances」(ダンス天国)のカヴァーや「Whittier Boulevard」をシングル・ヒットさせ、アルバムも4枚リリースしています。特にヴォーカルのLittle Willie G.はチカーノ/ラテン・ソウル/R&B好きには評価の高いアーティストです。

90年代以降に往年のThee Midnightersサウンドが再評価され、それが契機となりRomeo Prado、Larry Rendonの2人でプロジェクトはスタートしました。しかしながら、2006年に志半ばにしてRomeo Pradoが病気で他界してしまいました。そこでLittle Willie G.らがサポートし、プロジェクト名もThee East L.A. Philharmonicと改め、制作を再開させます。そして、当初のプロジェクト開始から約10年の歳月を経て本作『Thee East L.A. Philharmonic』が完成しました。

こうしたプロジェクトの経緯やジャケの雰囲気からして、懐古趣味的なアルバムをイメージする方もいるかもしれませんが、中身は実に洗練された大人のアーバン・ラテン・サウンドを満喫できます。

全体としてはチカーノ/ラテン・フレイヴァーのメロウなスムーズ・ジャズ/AORサウンドといった雰囲気です。

Thee Midniters時代のレパートリーのリメイクやソウル/ラテン/ポップス等のスタンダード・カヴァーを中心に、Little Willie G.の大人のスウィート・ヴォーカル、メロウなアーバン・サウンド、見事なホーン・アンサンブルを堪能できます。

聴いているだけでサマー・モードになる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「I Love Los Angeles」
オススメその1。Romeo Prado作。このオープニングをCDショップで試聴し、購入を即決しました。スムーズ・ジャズにチカーノのエッセンスが加わったアーバン・サウンドをバックに、Little Willie G.が円やかなソウルフル・ヴォーカルを披露する極上のアーバン・チカーノ・ソウルです。Little Willie G.が"Los Angeles"をスペイン語の発音で♪ロス・アンヘルス♪と歌うのが印象的です。

「Making Ends Meet」
オススメその2。Willie Garcia(Little Willie G.)/Larry Rendon作。Thee Midniters作品のリメイク。サマー・モードにピッタリなメロウネスたっぷりのラテン・ソウルに仕上がっています。聴いているだけで寛げます。バカンス気分になりたい時にはサイコーの1曲。見事なホーン・アンサンブルにも魅了されます。

「You'll Never Find Another Love Like Mine」
オススメその3。Kenny Gamble/Leon Huff作。 Lou Rawlsのヒット曲を大人のメロウ・ラテンに仕上げています。Little Willie G.とGeree Gonzalezの男女デュエットになっています。ラテン/サルサ好きの人であれば気に入るであろう軽快かつ洗練されたラテン・サウンドを楽しめます。

「I Know That We Have Loved Before」
Louise Dorsey/Daniel Candon de la Campa作。Engelbert Humperdinckで知られるバラードのカヴァー。ここではGeree Gonzalezの女性ヴォーカルをフィーチャーし、情熱的かつムーディーなラテン・バラードを聴かせてくれます。ロマンティックなホーン・サウンドにも魅了されます。

「Chicano Power」
Romeo Prado作。Thee Midniters作品のリメイク。ヴォーカルなしのインストで勝負です。素晴らしいホーン・アンサンブルを満喫できます。

「Don't Let Me Lose This Dream」
Aretha Franklin/Ted White作。Aretha Franklin作品をカヴァー。当ブログではDusty Springfieldのカヴァーも紹介済みの曲です。ここではLittle Willie G.が大人のソウルフル・ヴォーカルで魅了してくれます。実にリラックスしたアーバン・ラテン・ソウルに仕上がっています。

「We're In This Love Together」
オススメその4。Roger Murrah/Keith Stegall作。Al Jarreauヴァージョン(アルバム『Breakin' Away』収録)でお馴染みの曲をカヴァー・Jacob Garcia、Michael Guerraのヴォーカルをフィーチャーした爽快メロウ・チューンは夏のお供にピッタリです。

「Paradise In Your Eyes」
Little Willie G.のスウィートなソウルフル・ヴォーカルの魅力を満喫できるバラード。

「Good Lovin'」
Rudy Clark/Arthur Resnick作。Young Rascalsの名曲をカヴァー。Thee Midniters時代のレパートリーだったようですね。Michael Guerraのヴォーカルをフィーチャーし、軽快なラテン・リズムでお馴染みの名曲を満喫できます。中盤以降のエキサイティングな演奏でテンション上がります。

「Pachuko Hop (Chuco Tempo)」
Vernon Haven/Chuck Higgins作。Chuck Higginsのヒット曲をカヴァー。リラックス・ムードの中でエキサイティングなホーン・アンサンブルを満喫できるR&Bテイストの仕上がり。

「The Letter」
オススメその5。Ruben Blades/Lou Reed作。Ruben Bladesのオリジナルはアルバム『Nothing But the Truth』に収録されています。チカーノAORといった趣でLittle Willie G.が極上のスウィート・ヴォーカルを披露してくれるロマンティック・バラード。

「Summer Wind」
オススメその6。Hans Bradtke/Heinz Mayer/Johnny Mercer作。Frank Sinatraヴァージョンでお馴染みのスタンダードをカヴァー。まさにサマー・モードの爽快メロウに仕上がっています。

「Come Back Baby」
オススメその7。Mike Lewis & Ricky Lisi作。Thee Midniters時代のレパートリーをリメイク。哀愁モードの疾走感にグッとくる極上アーバン・ラテン・ソウルに仕上がっています。

「Pachuko Hop」
「Pachuko Hop」のパート2。エキサイティングなホーン・アンサンブルをここでも楽しめます。

「Por El Amor De Una Mujer (Un Hombre)」
Daniel Candon De La Campa/Jesus Gonzalez Lopez作。Julio Iglesiasのヴァージョンでも知られるDanny Daniel作品。Geree Gonzalezの女性ヴォーカルをフィーチャーしたムーディーなラテン・バラードに仕上がっています。

「Quince Para Tomar」
Romeo Prado作。ラテン・フュージョン的なノリのインスト・チューン。

「Romeo Speaks and Plays」
ラストは今は生前のRomeo Pradoの声および演奏が収められています。アルバムの完成をRomeo Pradoに報告しているのでしょうね。

ご興味がある方はThee Midnighters作品もチェックを!

Thee Midnighters『In Thee Midnight Hour』 ※ベスト盤
イン・ミッドナイト・アワー!!!!
posted by ez at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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