2012年07月01日

Thee East L.A. Philharmonic『Thee East L.A. Philharmonic』

元Thee Midnightersのメンバーらが創り上げた極上のアーバン・サウンド☆Thee East L.A. Philharmonic『Thee East L.A. Philharmonic』
Thee East L.a.  Philharmonic
発表年:2012年
ez的ジャンル:チカーノ/ラテン系アーバン・サウンド
気分は... :今夏オススメの極上のアーバン・サウンド作品!

今回は新作の中から今夏オススメの極上のアーバン・サウンド作品Thee East L.A. Philharmonic『Thee East L.A. Philharmonic』です。

Thee East L.A. Philharmonicは、60年代に活躍したチカーノR&BバンドThee MidnightersのメンバーRomeo PradoLarry RendonLittle Willie G.らが中心となったプロジェクト。

ジャケに写るのは左がRomeo Prado、右がLarry Rendonです。

イーストL.A.で結成されたThee Midnightersは1965年にデビューし、「Land of a 1,000 Dances」(ダンス天国)のカヴァーや「Whittier Boulevard」をシングル・ヒットさせ、アルバムも4枚リリースしています。特にヴォーカルのLittle Willie G.はチカーノ/ラテン・ソウル/R&B好きには評価の高いアーティストです。

90年代以降に往年のThee Midnightersサウンドが再評価され、それが契機となりRomeo Prado、Larry Rendonの2人でプロジェクトはスタートしました。しかしながら、2006年に志半ばにしてRomeo Pradoが病気で他界してしまいました。そこでLittle Willie G.らがサポートし、プロジェクト名もThee East L.A. Philharmonicと改め、制作を再開させます。そして、当初のプロジェクト開始から約10年の歳月を経て本作『Thee East L.A. Philharmonic』が完成しました。

こうしたプロジェクトの経緯やジャケの雰囲気からして、懐古趣味的なアルバムをイメージする方もいるかもしれませんが、中身は実に洗練された大人のアーバン・ラテン・サウンドを満喫できます。

全体としてはチカーノ/ラテン・フレイヴァーのメロウなスムーズ・ジャズ/AORサウンドといった雰囲気です。

Thee Midniters時代のレパートリーのリメイクやソウル/ラテン/ポップス等のスタンダード・カヴァーを中心に、Little Willie G.の大人のスウィート・ヴォーカル、メロウなアーバン・サウンド、見事なホーン・アンサンブルを堪能できます。

聴いているだけでサマー・モードになる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「I Love Los Angeles」
オススメその1。Romeo Prado作。このオープニングをCDショップで試聴し、購入を即決しました。スムーズ・ジャズにチカーノのエッセンスが加わったアーバン・サウンドをバックに、Little Willie G.が円やかなソウルフル・ヴォーカルを披露する極上のアーバン・チカーノ・ソウルです。Little Willie G.が"Los Angeles"をスペイン語の発音で♪ロス・アンヘルス♪と歌うのが印象的です。

「Making Ends Meet」
オススメその2。Willie Garcia(Little Willie G.)/Larry Rendon作。Thee Midniters作品のリメイク。サマー・モードにピッタリなメロウネスたっぷりのラテン・ソウルに仕上がっています。聴いているだけで寛げます。バカンス気分になりたい時にはサイコーの1曲。見事なホーン・アンサンブルにも魅了されます。

「You'll Never Find Another Love Like Mine」
オススメその3。Kenny Gamble/Leon Huff作。 Lou Rawlsのヒット曲を大人のメロウ・ラテンに仕上げています。Little Willie G.とGeree Gonzalezの男女デュエットになっています。ラテン/サルサ好きの人であれば気に入るであろう軽快かつ洗練されたラテン・サウンドを楽しめます。

「I Know That We Have Loved Before」
Louise Dorsey/Daniel Candon de la Campa作。Engelbert Humperdinckで知られるバラードのカヴァー。ここではGeree Gonzalezの女性ヴォーカルをフィーチャーし、情熱的かつムーディーなラテン・バラードを聴かせてくれます。ロマンティックなホーン・サウンドにも魅了されます。

「Chicano Power」
Romeo Prado作。Thee Midniters作品のリメイク。ヴォーカルなしのインストで勝負です。素晴らしいホーン・アンサンブルを満喫できます。

「Don't Let Me Lose This Dream」
Aretha Franklin/Ted White作。Aretha Franklin作品をカヴァー。当ブログではDusty Springfieldのカヴァーも紹介済みの曲です。ここではLittle Willie G.が大人のソウルフル・ヴォーカルで魅了してくれます。実にリラックスしたアーバン・ラテン・ソウルに仕上がっています。

「We're In This Love Together」
オススメその4。Roger Murrah/Keith Stegall作。Al Jarreauヴァージョン(アルバム『Breakin' Away』収録)でお馴染みの曲をカヴァー・Jacob Garcia、Michael Guerraのヴォーカルをフィーチャーした爽快メロウ・チューンは夏のお供にピッタリです。

「Paradise In Your Eyes」
Little Willie G.のスウィートなソウルフル・ヴォーカルの魅力を満喫できるバラード。

「Good Lovin'」
Rudy Clark/Arthur Resnick作。Young Rascalsの名曲をカヴァー。Thee Midniters時代のレパートリーだったようですね。Michael Guerraのヴォーカルをフィーチャーし、軽快なラテン・リズムでお馴染みの名曲を満喫できます。中盤以降のエキサイティングな演奏でテンション上がります。

「Pachuko Hop (Chuco Tempo)」
Vernon Haven/Chuck Higgins作。Chuck Higginsのヒット曲をカヴァー。リラックス・ムードの中でエキサイティングなホーン・アンサンブルを満喫できるR&Bテイストの仕上がり。

「The Letter」
オススメその5。Ruben Blades/Lou Reed作。Ruben Bladesのオリジナルはアルバム『Nothing But the Truth』に収録されています。チカーノAORといった趣でLittle Willie G.が極上のスウィート・ヴォーカルを披露してくれるロマンティック・バラード。

「Summer Wind」
オススメその6。Hans Bradtke/Heinz Mayer/Johnny Mercer作。Frank Sinatraヴァージョンでお馴染みのスタンダードをカヴァー。まさにサマー・モードの爽快メロウに仕上がっています。

「Come Back Baby」
オススメその7。Mike Lewis & Ricky Lisi作。Thee Midniters時代のレパートリーをリメイク。哀愁モードの疾走感にグッとくる極上アーバン・ラテン・ソウルに仕上がっています。

「Pachuko Hop」
「Pachuko Hop」のパート2。エキサイティングなホーン・アンサンブルをここでも楽しめます。

「Por El Amor De Una Mujer (Un Hombre)」
Daniel Candon De La Campa/Jesus Gonzalez Lopez作。Julio Iglesiasのヴァージョンでも知られるDanny Daniel作品。Geree Gonzalezの女性ヴォーカルをフィーチャーしたムーディーなラテン・バラードに仕上がっています。

「Quince Para Tomar」
Romeo Prado作。ラテン・フュージョン的なノリのインスト・チューン。

「Romeo Speaks and Plays」
ラストは今は生前のRomeo Pradoの声および演奏が収められています。アルバムの完成をRomeo Pradoに報告しているのでしょうね。

ご興味がある方はThee Midnighters作品もチェックを!

Thee Midnighters『In Thee Midnight Hour』 ※ベスト盤
イン・ミッドナイト・アワー!!!!
posted by ez at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする