発表年:2012年
ez的ジャンル:韓国系アメリカ人アングラHip-Hop
気分は... :ダイバーシティ
今回はカリフォルニア生まれの韓国系アメリカ人MC/プロデューサーKero Oneの最新4thアルバム『Color Theory』です。
個人的に昨年はアングラ・ジャジーHip-Hop不作の年だったのですが、その反動で今年は当たり年ですね。本作もそんな流れを象徴する1枚です。
当ブログでこれまで紹介したKero One作品は以下の4枚。
『Windmills of the Soul』(2005年)
『Kero One Presents:Plug Label』(2007年) ※主宰するPlug Labelのコンピ
『Early Believers』(2009年)
『Kinetic World』(2010年)
アングラ・ジャジーHip-Hop好きに絶大な人気を誇るKero One。僕自身もこれまで彼の全作品をエントリーしてきたように大好きなアーティストです。
ジャジー&メロウな魅力に溢れた1stアルバム『Windmills of the Soul』(2005年)、Hip-Hopの枠を超えた音楽性を示してくれた2ndアルバム『Early Believers』(2009年)、リリックにこだわった3rdアルバム『Kinetic World』(2010年)と、Kero Oneはアルバムごとに進化を続けてきました。
ただし、個人的にはメロウなアングラ・ジャジーHip-Hop好きなので、『Windmills of the Soul』や『Kero One Presents:Plug Label』あたりのメロウなKero Oneワールドを聴きたいなぁ、という欲求も強かったのですが・・・
そんな僕のリクエストに応えてくれるかのように、4thアルバムとなる『Color Theory』ではメロウなHip-Hopも数多く聴くことができます。また、前作『Kinetic World』の流れを汲み、メッセージ性の高いリリックも目立ちます。
前作『Kinetic World』にも参加していたDumbfoundead、Myk、Sam Ockをはじめ、日本人MCのShing02やSuhn、Clara C、Jane Lui、Jeni Sukといった多彩なゲストがフィーチャーされています。
ジャジーHip-Hop好きの期待を裏切らない1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Return of Kinetic」
アルバムのプロローグといったところでしょうか。ポジティヴなヴァイヴに溢れています。
「What Am I Supposed to Do?」
アルバムのリード曲。Suhnをフィーチャーしたラブ&ピースなソウルフル・チューン。東日本大震災をはじめとする大災害、人種差別、貧困問題、戦争など世界が抱えるさまざまな問題を乗り越えるべくメッセージを問い掛けます。
http://www.youtube.com/watch?v=dSMxQe63x1I
「In Time」
オススメその1。Clara C & Dumbfoundeadをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。Clara Cの爽快ヴォーカルが心地好く響くメロウ・ソウルな仕上がりです。
「Whiplash」
Kero Oneの信念が熱く語られます。彼の譲れない価値観、大切にしている志のようなものが伝わってきます。
「To the Top」
オススメその2。Jane Luiをフィーチャー。メロウなソウルフル・チューンに仕上がっています。森林伐採による環境破壊へ言及したメッセージ・ソングです。
「Love & Hate」
オススメその3。Mykをフィーチャー。初期Kero Oneに原点回帰したかのようなジャジー・メロウHip-Hopを満喫できます。ギター・ループが心地好く響きます。
http://www.youtube.com/watch?v=jcHYbrT0YjI
「R.I.P.」
Suhnをフィーチャー。亡き友へのレクイエムといった趣の1曲。美しいストリングスが印象的です。
「Count on That」
Dumbfoundeadをフィーチャー。ここではワイルドに迫ります。
「Shortcuts」
オススメその4。Sam Ockをフィーチャー。アコースティックな味わいにグッとくるメロウ・ヴァイヴ。夏のサンセット・モードにピッタリです。
http://www.youtube.com/watch?v=_NXyNpDAUgI
「The Last Train」
Shing02をフィーチャー。日本での思い出を綴ったもの。いきなりJRのアナウンスでスタートします。
http://www.youtube.com/watch?v=-n1RoSOb0r8
「So Seductive」
オススメその5。Jeni Sukをフィーチャー。ジャジー・メロウHip-Hop好きにはたまらないメロウ・ヴァイヴに相当グッときます。Jeni Sukの女性ヴォーカルもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=CTV3DrIipTM
「Land of the Free」
Mykをフィーチャー。エレクトロニック色を押し出した1曲。自由の国アメリカ合衆国の光と影に触れながら、そこで生きる覚悟のようなものが伝わってきます。
「Lackadaisical Living」
リラックスした雰囲気の仕上がりが心地好いです。
「Father」
Suhnをフィーチャー。亡き父親への思いが切々と綴られています。
Kero One関連の過去記事もご参照下さい。
『Windmills of the Soul』(2005年)
Various Artists『Kero One Presents:Plug Label』(2007年)
『Early Believers』(2009年)
『Kinetic World』(2010年)