発表年:1977年
ez的ジャンル:メロウ系女性シンガー
気分は... :不思議な魅力を持った1枚
今回はクラブシーンで再評価の高まった女性シンガーCaroline Peytonの2ndアルバム『Intuition』(1977年)です。
Caroline Peytonは1951年ミシシッピ生まれ。
1970年代初めにMark Bingham率いるバンドThe Screaming Gypsy Banditsに参加し、1972年にScreaming Gypsy Banditsのバックアップの下、1stソロ・アルバム『Mock Up』、さらに翌年にはScreaming Gypsy Banditsとしてのの1st『In the Eye』をリリースしています。
2ndソロ『Intuition』(1977年)を最後にCaroline Peytonの名はシーンから消え、1998年に突如アルバム『Celtic Christmas Spirit』をリリースしましたが話題になることはありませんでした。
そんな忘れ去られたアーティストであったCaroline Peytonが注目されるようになったのはクラブジャズ・シーンで再評価が高まったためです。Gilles Petersonによるコンピ『Gilles Peterson Digs America: Brownswood U.S.A.』に彼女の「Just As We」が収録され、一気にCaroline Peytonの名が知れ渡るようになりました。
その「Just As We」収録のアルバムが今日紹介する『Intuition』(1977年)です。
全体的には、クロスオーヴァー感覚のメロウ&ミステリアスな仕上がりが印象的な1枚です。もっとカントリー&フォーキーなイメージがあったのですが、意外に都会的なサウンドが目立ちます。
きっとLaura Nyro、Joni Mitchellあたりがお好きな方は気に入る1枚だと思います。
Mark BinghamをはじめThe Screaming Gypsy Bandits時代の同僚もレコーディングに参加しています。
派手さはありませんが、不思議な魅力を持った1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Still With You」
カントリー調のメロウ・チューン。エレピのメロウネスが僕の苦手なイモ臭いカントリー感を中和してくれます。
「Together」
アーシーな味わいも残したソウルフル・バラードです。
「Party Line」
ファンキーなメリハリの効いたグルーヴィー・チューン。好き/嫌いがはっきり分かれる曲かもしれませんね。
「Donkey Blues」
タイトルの通り、ブルージーな仕上がりです。シンガーCarolineの魅力を楽しめます。
「Call Of The Wild」
美しいメロディと味わい深いCarolineのヴォーカルがマッチした感動的な仕上がり。
「Just As We」
前述のように彼女が再評価されるきっかけとなった1曲。女性SSW+ブラジリアン・ジャズといった趣の緩急のついた軽快なクロスオーヴァー・チューンです。いかにもGilles Petersonが好みそうなサウンドです。
http://www.youtube.com/watch?v=M-Y3SuAW0JM
「You Too」
都会的かつミステリアスな仕上りが印象的です。Steely Danをはじめロックとジャズ/フュージョンの融合が進んだこの時代らしいサウンドですね。
「Brister」
メロウ・フィーリングに溢れた仕上り。ラブ&ピースな魅力もありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=MV8wlVf7FdM
「All This Waiting」
優しく美しいアコースティック・チューン。サンセット・モードにフィットする1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=w8WZeEVo8rM
「Light-Years」
ラストはエレピ、タブラ、ソプラノサックスが絡んだミステリアスなメロウ・サウンドをバックに、Carolineのキュートなヴォーカルを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=0r2GDfUFx2o
『Mock Up』(1972年)
『Celtic Christmas Spirit』(1998年)