2012年08月26日

Shawn Lee's Incredible Tabla Band『Tabla Rock』

あの『Bongo Rock』を丸々タブラ・カヴァー!☆Shawn Lee's Incredible Tabla Band『Tabla Rock』
TABLA ROCK
発表年:2011年
ez的ジャンル:奇才プロデューサー系タブラ・グルーヴ
気分は... :Tabla! Tabla!

今回は当ブログでも紹介済みのレア・グルーヴ人気作The Incredible Bongo Band『Bongo Rock』(1973年)を奇才プロデューサーShawn LeeがタブラでカヴァーしたアルバムShawn Lee's Incredible Tabla Band『Tabla Rock』(2011年)です。

Ubiquityが誇る奇才プロデューサーShawn Leeはとにかく多作ですよね。ここ数年は毎年数枚のアルバムをコンスタントにリリースしており、とてもじゃありませんが作品をフォローしきれません。

今回紹介するShawn Lee's Incredible Tabla Band『Tabla Rock』(2011年)は、Hip-Hopアンセム「Apache」を収録したレア・グルーヴ名盤The Incredible Bongo Band『Bongo Rock』(1973年)をタブラ&シタールで丸々カヴァーしたキテレツな作品ですが、かなり格好良い1枚であることも確かです。

The Incredible Bongo Band『Bongo Rock』(1973年)
ボンゴ・ロック

『Bongo Rock』(1973年)の丸々カヴァーに加え、『The Return Of The Incredible Bongo Band』から「Sing Sing Sing」「Pipeline」の2曲をカヴァーしています。

Shawn Leeがプロデュース&アレンジ&演奏を務め、Prithpal Rajputのタブラをフィーチャーし、Mick Talbotがハイライト曲「Apache」でハモンドを弾いています。

『Bongo Rock』好きは勿論のこと、タブラ&シタール好きの方にもチェックして欲しい1枚です。

キテレツな作品で片付けるには勿体ない、タブラ&シタールの魅力を満喫できる格好良すぎる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Let There Be Drums」
Sandy Nelson「...And Then There Were Drums」のカヴァー。IBBヴァージョンのジャングル・モードを受け継いでいますが、タブラ&シタールの音色が独特の雰囲気を醸し出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=nfDS8GJzlQQ

「Apache」
最強ブレイク・ビーツ「Apache」のカヴァーがやはり本作の目玉ですね。IBBヴァージョン同様の格好良さを満喫できます。Mick Talbotのハモンドもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=hI4HD0dIkvc

「Bongolia」
この曲はタブラ&シタールがモロにハマる曲ですね。タブラのリズムが脳内を覚醒させます。
http://www.youtube.com/watch?v=1ZBnHE-BAQs

「Last Bongo In Belgium」
オリジナルのアーシーな味わいにシタールの音色が加わり、サイケな魅力もプラスされます。

「Dueling Bongos」
オリジナルはボンゴ vs.ドラムの打楽器一騎打ちを楽しむ1曲ですが、ここではタブラ vs.ドラムの応酬を楽しめます。

「Inna Gadda Da Vida」
Iron Butterflyの名曲カヴァー。シタールのアクセントも加わった格好良い仕上がり。Iron Butterfly+IBB+ITBとそれぞれの魅力が三段重ねになったグッド・カヴァーだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Ruya35JVmpE

「Raunchy '73」
1957年、Bill Justis & His Orchestraによるロックン・ロール・インスト・ヒットのカヴァー。IBBヴァージョンのモッド&ファンキーな味わいを受け継いでいます。文句なしの格好良さ!

「Bongo Rock '73」
タイトル曲はオークランド出身のボンゴ奏者Preston Eppsによる1959年のヒットをカヴァー。ボンゴ暴れまくりのIBBヴァージョン以上にシャープな印象を受けます。
http://www.youtube.com/watch?v=feyxhiREtrI

「Sing Sing Sing」
IBBヴァージョンのダークで妖しい魅力がシタールの音色で強調されています。
http://www.youtube.com/watch?v=Zi-3ZC_nPYg

「Pipeline」
The Chantaysの1962年のヒットをカヴァー。IBBヴァージョンはしっとりした印象のカヴァーでしたが、本ヴァージョンはシタールの音色でアクセントをつけています。

Shawn Leeの他作品もチェックを!

『Soul Visa』(2004年)
Soul Visa

Shawn Lee's Ping Pong Orchestra『Voices & Choices』(2007年)
Voices & Choices

Shawn Lee's Ping Pong Orchestra『Hits the Hits 』(2007年)
HITS THE HITS

Shawn Lee's Ping Pong Orchestra『Miles of Styles』(2008年)
Miles Of Styles

『Under the Sun』(2008年)
Under the Sun

Shawn Lee & Clutchy Hopkins『Clutch of the Tiger』(2008年)
Clutch of the Tiger

『Soul in the Hole』(2009年)
Soul in the Hole

Shawn Lee & Clutchy Hopkins『Fascinating Fingers』(2009年)
FASCINATING FINGERS

『Sing a Song』(2010年)
Sing a Song

Shawn Lee's Ping Pong Orchestra『Hooked Up Classics』(2010年)
Hooked Up Classics

Bei Bei & Shawn Lee『Into the Wind』(2010年)
Into the Wind

Shawn Lee's Ping Pong Orchestra『World Of Funk』(2011年)
World Of Funk

AM & Shawn Lee『 Celestial Electric』(2011年)
CELESTIAL ELECTRIC

Shawn Lee's Ping Pong Orchestra『Reel to Reel』(2012年)
REEL TO REEL

『Synthesizers in Space』(2012年)
Synthesizers in Space

タブラ&シタール好きの方はSachal Studios Orchestra『Sachal Jazz』(2011年)も楽しいですよ!

Sachal Studios Orchestra『Sachal Jazz』(2011年)
サッチャル・ジャズ
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2012年08月25日

Orfeo『Agua Do Mar』

幻のドイツ産ブラジリアン・グルーヴが嬉しい国内盤CD化☆Orfeo『Agua Do Mar』
orfeo agua do mar.jpg
発表年:1982年
ez的ジャンル:ドイツ産ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :暑さがしんどい・・・

今回は幻のドイツ産ブラジリアン・グルーヴOrfeo『Agua Do Mar』(1982年)です。

これまで入手困難な1枚でしたが、この度国内盤CDで再発され入手しやすくなりました。

Orfeoは、リーダー/ギタリストのDetlev Kraaz、イタリア出身の女性シンガーIsabella Celentanoらによるユニットであり、ジャーマン・ボッサ・レーベルSoftwareから、アルバム『Agua Do Mar』をリリースし、その後忽然とシーンから姿を消した伝説のグループです。

当ブログではDetlev Kraazが、マルチ・プレイヤーFontaine Brunett、女性シンガーのAndrea Cantaと共に結成した"新生Orfeo"的なユニットOrfeo Novoのアルバム『Sambahia Canta』(2009年)を紹介済みです。こちらもクラブ感覚の21世紀ジャーマン・ブラジリアン・グルーヴ作品に仕上がっています。

僕は以前にCD化された輸入盤(あの安っぽいジャケのやつ)で所有していましたが、入手困難な状態が続いていたので当ブログで紹介するのを保留していました。

レコーディング・メンバーはIsabella Celentano(vo、per)、Detlev Kraatz(g、vo)、Oliver Gross(fl、key)、Jurgen Atting(b、vo)、Dietrich Stephan(ds、per、vo)、Thomas Kohler(per etc)という編成。

魅惑のボッサ/ブラジリアン・グルーヴを聴かせてくれますが、一方でジャズという立ち位置を忘れていないところが本作の魅力だと思います。

艶やかなIsabellaのヴォーカル、ボッサ・ギターにエレガントなジャズ・ピアノ、腹に響くウッドベース・・・ブラジリアン・グルーヴ/ボッサとジャズと絶妙の塩梅でバランスしています。

まだまだ残暑厳しいですが、心地好いブラジリアン・グルーヴ・サウンドで乗り切りましょ!

全曲紹介しときやす。

「Vai Brasil」
Isabellaの艶のあるヴォーカル、透明感のあるギター、涼しげなフルート、落ち着いたウッドベースが実に心地好いオーガニックなボッサ・グルーヴ。この1曲のみで本作が"買い"であることがわかります。

「Ricorda d Della Mia Terra」
落ち着いたジャジー・チューン。しっとりとしたIsabellaのヴォーカルとOliver Grossのエレガントなピアノがいい雰囲気です。

「Brasillian Nights」
エレガントなボッサ・ジャズ。KraatzのギターとIsabellaのヴォーカル&スキャットのみでも十分魅力的なボッサ・チューンですが、そこにピアノ・トリオによるジャズ・フィーリングが加わり、さらに芳醇な香りが増します。素晴らしい!

「Agua Do Mar」
タイトル曲はIsabellaの抑えた哀愁ヴォーカルと美しいアコースティック・サウンドにグッとくるボッサ・チューンです。

「Sonho De Niracia」
爽快な華やかさにグッとくるメロウなボッサ・グルーヴ。IsabellaのスキャットとOliver Grossのフルートがミントのように暑さをクールダウンしてくれます。

「Acapulco Gold」
ビリンバウによるイントロが印象的な哀愁チューン。お洒落なブラジリアン・グルーヴのみならず、こういった楽曲も演奏してくれるところに、このユニットのブラジル音楽への思いが伝わってきます。

「Samba De Um Dia」
Isabellaのスキャットと共に駆け巡るダンサブルなブラジリアン・グルーヴ。レア・グルーヴ好きにはたまらない本作のキラー・チューン。言うことなしの出来栄えです!
http://www.youtube.com/watch?v=ygbxadU42D8

「Meu Amigo (Dedicated to Mr.B.B)」
艶めかしいIsabellaのヴォーカルとサンセット・モードのボッサ・サウンドがいい雰囲気を醸し出します。

「Diminidhed Samba」
ダバダバ系スキャットによるブラジリアン・グルーヴ。「Samba De Um Dia」と並びレア・グルーヴ好きは要チェックの1曲ですね。もっと長尺で聴きたい!

「Cantar Feliz」
ラストは爽快に駆け抜けるアコースティックなブラジリアン・メロウ・グルーヴです。これで終わってしまうのが名残惜しい!

ご興味がある方はOrfeo Novo『Sambahia Canta』(2009年)もチェックを!

Orfeo Novo『Sambahia Canta』(2009年)
サンバイーア・カンタ
posted by ez at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月23日

Adriana Evans『Nomadic』

大人のアーバン・メロウという新境地を示してくれた7年ぶりの2ndアルバム☆Adriana Evans『Nomadic』
ノマディック
発表年:2004年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ系女性R&B
気分は... :夏に聴きたい女性R&B・・・

今回は日本でも根強い人気を誇る女性R&BシンガーAdriana Evansの2ndアルバム『Nomadic』(2004年)です。夏に聴きたくなる女性R&B作品ですね!

これまで当ブログで紹介したAdriana Evans作品は以下の3枚。

 『Adriana Evans』(1997年)
 『El Camino』(2007年)
 『Walking With The Night』(2010年)

旦那Dred Scott(Jonathan Scott)との共同作業で創り上げたデビュー作『Adriana Evans』(1997年)で鮮やかなオーガニック・ソウルを披露し、R&Bファンを虜にしたAdriana Evansですが、それに続く2ndアルバム『Nomadic』(2004年)がリリースされるまで7年もの歳月を要することになりました。

どうやら、音楽ビジネスの世界に巻き込まれることに嫌気がさし、各地を旅しながら自分らしい音楽を探求していたようです。そして、届けられた2nd『Nomadic』は、流行に左右されないアーバン・メロウな世界観に溢れています。

どうしてもブラジル/ラテン/レゲエのエッセンスが目立ってしまいますが、改めて聴き直すと骨太のファンキー&ロッキンな楽曲も実に存在感があります。

プロデュースは勿論Dred Scott。楽曲も全てAdriana EvansとDred Scottの共作です。

7年の歳月を経てAdriana Evansが辿り着いた大人のメロウR&Bを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Intro: Walking Into The Sun」
イントロからしてアーバン・メロウの新機軸を予感させます。

「Remember The Love (Samba Soul Mix)」
オススメその1。先行シングルとなった「Remember The Love 」のリミックス。ブラジリアン・フレイヴァーのアーバン・メロウ・グルーヴが実に心地好いですね。再スタートを切ったAdriana Evansを象徴する1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ritCDqpxpRs

「Cold As Ice」
オススメその2。バカンス・モードのアーバン・メロウ・グルーヴ。Hip-Hopを通過し、ブラジル音楽のエッセンスも取り入れた大人のメロウR&Bが実に栄えます。Steve Miller Band「Fly Like an Eagl」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=NJ2XVVqyL5s

「In Search Of」
アコースティックな味わいとロッキンな味わいのコントラストを上手く使い分けたサウンド・プロダクションがお見事!
http://www.youtube.com/watch?v=Ahkzp6YGNC8

「What It Is」
オススメその3。ファンキーな味わいのソウル・チューン。最近の彼女の作品であまり聴けないパンチの効いた感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pxoHyhg9dvM

「Something」
骨太ロッキン・ソウルは本作ならではの1曲かもしれません。当時はそれ程ピンときませんでした。改めて聴くと結構いいかも?
http://www.youtube.com/watch?v=iNrgtJb_RJA

「I Had A Dream」
ラヴァーズ・ロックな味わいのレゲエ・チューン。リラックス・モードの中でも魅惑のヴォーカルを聴かせてくれます。

「Midnight In Bahia」
タイトルからしてブラジル・モードですね。甘く妖しい大人のアーバン・ナイトといった雰囲気のミディアム・グルーヴです。
http://www.youtube.com/watch?v=jleGfvjufXE

「7 Days」
オススメその4。攻撃的なファンキー・グルーヴでグイグイと迫ってきます。本作でしか聴けないビッチな雰囲気のヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=BJWtgTtWvxg

「Morning Light」
前曲から一転し、ピアノをバックにしっとりとした歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=ehNU_e7CgR0

「I Hear Music」
オススメその5。ラテン・フレイヴァーの効いたサンセット・モードのアーバン・メロウ。次作以降のバカンス気分のアーバン・メロウ路線を予感させます。
http://www.youtube.com/watch?v=0Zywa8fkB3s

「Rollin On」
ナチュラルなアコースティック・ソウル。さり気ないですが心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=Myf77vuFZMA

「Former Self」
オススメその6。ラストはバカンス・モードのレゲエ調のスパイスの効いたアコースティック・メロウで締め括ってくれます。

Adriana Evansの過去記事もご参照下さい。

『Adriana Evans』(1997年)
Adriana Evans

『El Camino』(2007年)
El Camino

『Walking With The Night』(2010年)
Walking With The Night
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2012年08月22日

Gary McFarland『Today』

ソフトリーなラウンジ・ボッサが暑さを和らげる!☆Gary McFarland『Today』
トゥデイ  (紙ジャケット仕様)
録音年:1969年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ラウンジ・ボッサ
気分は... :香川よエゴイストになれ!

昨日のエントリーでプレミアリーグ・デビューとなった香川選手のTV観戦の印象を書きましたが、僕の辛口コメントとは逆にマスコミの報道は好意的なものが多かったですね。

確かに彼のクリエイティブなプレーは今後を期待させるものでしたが、やはり得点という結果を残さなければ、いくらクリエイティブなプレーを続けてもマンU不動のレギュラーになるのは難しいと思います。その意味で、今後数試合はエゴイスト剥き出しの香川が観たいですね。本田の図太さを見習って欲しいですね。

今回の名アレンジャー/ヴァイヴ奏者Gary McFarlandの1969年録音作『Today』です。

Gary McFarlandの紹介は、『Soft Samba』(1964年)、『Does the Sun Really Shine on the Moon』(1968年)に続き3回目です。

1968年に同じヴァイヴ奏者のCal Tjader、ギタリストのGabor Szaboと共にSkye Recordsを設立し、勢力的な活動を推し進めたMcFarlandですが、本作『Today』はそんな彼の充実ぶりが窺える1枚です。

レコーディング・メンバーは、Gary McFarland(vibe、vo)、Hubert Laws(fl)、Curtis Fuller(tb)、George Ricci(cello)、Sam Brown(g)、Ron Carter(b)、Chet Amsterdam(b)、Grady Tate(ds)、Sol Gubin(ds)、Airto Moreira(per)という編成。

全体としてはソフトリーなラウンジ・ボッサ作品といった印象でしょうか。
The Beatlesカヴァーやポップス/ボサノヴァの名曲を名アレンジャーの才で小粋なラウンジ作品に仕上げています。

残暑厳しい中で心を涼しげにしてくるラウンジ・ボッサはなかなか貴重な存在だと思います。

画家/詩人のPeter Smithのデザインによるジャケも秀逸!

全曲紹介しときやす。

「Because」
The Beatlesカヴァー1曲目。 『Abbey Road』に収録されたオリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、やんわりとしたラウンジ感覚で仕上げています。聴いていて何かホッとします。

「My Cherie Amour」
Henry Cosby/Sylvia Moy/Stevie Wonder作。Stevie Wonderのお馴染みの名曲をカヴァー。そう言えば、先月盟友Cal Tjaderによる本曲カヴァーを紹介していましたね。ソフト・ボッサな本カヴァーを本作のハイライトに挙げる方も多いのでは?

「Suzanne」
Leonard Cohen作品のカヴァー。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。スキャットとポエトリーリーディングのようなヴォーカルが切ないボッサ・サウンドとよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=dz7RHEYhqvg

「I Will Wait For You」
Jacques Demy監督、Michel Legrand音楽の名作映画『Les Parapluies de Cherbourg(The Umbrellas of Cherbourg)』のメイン・テーマをカヴァー。涼しげな口笛&男の哀愁漂うハミング&スキャットが名曲の切ないメロディを際立たせます。

「Everybody's Talkin'」
Fred Neil作。Harry Nilssonのヒットでお馴染み「うわさの男」をカヴァー。控えめなMcFarland自身のヴォーカルがソフトリーな味わいでなかなかグッときます。

「Shadow Of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画『いそしぎ』の主題歌(Paul Francis Webster/Johnny Mandel作品)をカヴァー。当ブログでは10曲以上のカヴァー・ヴァージョンを紹介済みのカヴァー定番曲です。ラウンジ・モードの本カヴァーはあまりにハマりすぎで逆に面白みに欠けるかも?
http://www.youtube.com/watch?v=7rEgBtoGs_c

「Get Back」
The Beatlesカヴァー2曲目。後期Beatlesを代表するヒット曲をフォーキーなラウンジ・チューンに仕上げています。Hubert Lawsのフルートが大きくフィーチャーされ、軽くパーカッシヴな仕上がりはかなり僕好み!
http://www.youtube.com/watch?v=ZbgUBPYC6wU

「Desafinado」
Newton Mendonca/Antonio Carlos Jobim作品。当ブログではNara LeaoRoberto Menescalのヴァージョンを紹介済みです。言うことなしの素晴らしいラウンジ・ボッサに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=wiqvopip6xE

「Shadows Are Falling」
Gary McFarland作。オリジナル1曲目はスパニッシュ・テイストのイントロからラウンジ・ボッサな本編へと展開していきます。聴きやすさの中にも気品が漂います。

「Michelle」
The Beatlesカヴァー3曲目。 『Rubber Soul』収録の名曲を少しミステリアスな雰囲気が漂うカヴァーに仕上げています。

「Sombras De Saudade」
Gary McFarland作。オリジナル2曲目はタイトル通り、サウダージ・モードの美しくも切ないラウンジ・ボッサです。

「Berimbau」
ラストはVinicius de Moraes/Baden Powell作のアフロ・サンバ名曲をカヴァー。当ブログではLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A Brasilのカヴァーも紹介済みです。アルバムの中で一番のスケール感のあるダイナミックなカヴァーに仕上がっています。ラウンジ感覚ながらも本曲の持つアフロ・サンバな空気感が伝わってきます。

Gary McFarland作品の過去記事もご参照下さい。

『Soft Samba』(1964年)
ソフト・サンバ

『Does the Sun Really Shine on the Moon』(1968年)
ダズ・ザ・サン・リアリー・シャイン・オン・ザ・ムーン?(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月21日

Freda Payne『Reaching Out』

人気曲「We've Gotta Find A Way Back To Love」収録!☆Freda Payne『Reaching Out』
リーチング・アウト
発表年:1973年
ez的ジャンル:Invictus系女性ソウル
気分は... :このジャケのエロさは何だろう!

イングランド・プレミアリーグ、マンU香川のデビュー戦を観ましたが、まさかの黒星スタートとなってしまいました。香川はフル出場しましたがビミョーでしたね。悪い出来ではありませんでしたが、少し遠慮がちだったように映りました。もっと強引にシュートを打つくらいの太太しさが無いとレギュラーは危うい気がしました。

それにしてもマンUに勝利したエヴァートンは素晴らしかったですね。特にベルギー代表のフェライニの迫力は凄かったですね。チェルシーに新加入したアザールをはじめ、ベルギー代表に密かに注目しています。

さて、今回はFreda Payne『Reaching Out』(1973年)です。

夏らしいセクシー・ジャケが印象的なアルバムですね。

Freda Payneは1942年デトロイト生まれの女性ジャズ/ソウル・シンガー。

1963年N.Y.へ進出し、ジャズ・シンガーとして本格的に活動するようになります。1964年にはデビュー・アルバム『After the Lights Go Down Low and Much More!!!』をリリースしています。

1969年に彼女に転機が訪れます。Motownを離脱したHolland-Dozier-Hollandが設立したInvictusと契約し、ソウル・シンガーとしての道を歩むようになります。

Invictusからは『Band of Gold』(1970年)、『Contact』(1971年)、『The Best of Freda Payne』(1972年)、『Reaching Out』(1973年)といったアルバムをリリースし、「Band of Gold」(全米チャート第3位、同R&Bチャート第20位)、「Deeper & Deepe」(全米チャート第24位、同R&Bチャート第9位)、「Cherish What Is Dear to You (While It's Near To You)」(全米チャート第44位、同R&Bチャート第11位)、「Bring the Boys Home」(全米チャート第12位、同R&Bチャート第3位)等のシングル・ヒットを放っています。

その後もレーベルを移籍し、『Payne & Pleasure』(1974年)、『Out of Payne Comes Love』(1975年)、『Stares and Whispers』(1977年)、『Supernatural High』(1978年)、『Hot』(1979年)といったアルバムをリリースしています。

やはりFreda Payneの場合、まずはInvictus時代の作品ということになりますよね。

ジャズ出身ということでソウル好きの間では好き/嫌いが分かれるシンガーなのかもしれませんね。僕の場合、フリーソウルの流れでHoney Cone等と共に彼女の作品を聴くようになったので、そういった点は全く気になりませんでしたが。

フリーソウル好きには、『Band of Gold』収録の「Band of Gold」「Unhooked Generation」『Contact』収録の「Cherish What Is Dear to You (While It's Near To You)」「I Shall Not Be Moved」『Reaching Out』収録の「We've Gotta Find A Way Back To Love」あたりが要チェック曲になりますかね。

また、Hip-Hop好きの人であれば、『Band of Gold』収録の「The Easiest Way to Fall」「Unhooked Generation」は定番サンプリングソースとしてお馴染みですね。

今回紹介する『Reaching Out』(1973年)はInvictusでのラスト・アルバムであり、チャート・アクション的に最も苦戦したアルバムです。それでもフリーソウル・クラシック「We've Gotta Find A Way Back To Love」が収録されていることで再評価された作品ですね。僕もやはり「We've Gotta Find A Way Back To Love」が彼女の作品の中で一番好きですね。

本作の難点は良い曲とイマイチな曲のバラツキかもしれませんね。力強いグルーヴィー・チューンの出来は抜群ですが、バラードの出来がイマイチ。バラード曲の割合を減らして、もっと力強いグルーヴをバックに歌うFredaが聴きたかったですね。

それでも「We've Gotta Find A Way Back To Love」をはじめ、「Mother Misery's Favorite Child」「Mood For Love」あたりの出来にはかなりグッときます。

何ともエロさが漂うジャケもグッド!(笑)

プロデュースはBrian Holland & Lamont Dozier、Ronald Dunbar

全曲紹介しときやす。

「Two Wrongs Don't Make A Right」
Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland, Jr./Richard "Popcorn" Wylie作。アルバムからの1stシングル。力強いグルーヴとエレガントなストリングスをバックに、Fredaが艶めかしいヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PcyFjxQWZQA

「Reaching Out」
Micheal Smith/Ronald Dunbar作。タイトル曲は味わい深いバラード。ジャズ/ポップ・シンガーとしての側面も持つFredaらしい仕上りかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=Me6NOIfwyUk

「For No Reason」
Micheal Smith/Ronald Dunbar作。アルバムからの2ndシングルとなったバラード。他にもシングルに相応しい曲はあったような気が・・・

「The Man Of My Dreams」
Micheal Smith/Ronald Dunbar作。夢見るラブソングをキュートに歌い上げるバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=8_8Wbag7v00

「Mother Misery's Favorite Child」
Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland, Jr.作。イントロの不穏なベースライン、ワウワウ・ギター&ストリングスが印象的なニューソウル的なファンキー・グルーヴ。ファンク度ではアルバム随一です。
http://www.youtube.com/watch?v=WbG0_hMyfkg

「We've Gotta Find A Way Back To Love」
Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland, Jr.作。前述のように本作のハイライトとなるフリーソウル・クラシック。イントロのブレイクにもグッとくる力強いグルーヴと何処か切ないメロディとFredaの伸びやかな歌声がよくマッチした傑作だと思います。聴いていると胸が高鳴ってきます・・・
http://www.youtube.com/watch?v=wzsaWwwjMLg

J-POP好きはBONNIE PINKのカヴァーをお聴きの方もいるのでは?また、当ブログでも紹介したA Tribe Called Quest「Ham 'N' Eggs」 のサンプリングソースにもなっています。

BONNIE PINK「We've Gotta Find A Way Back To Love」
http://www.youtube.com/watch?v=PAlfN9PnYYM

「Mood For Love」
H-D-Hらしい1曲!と書きたいところですが、作者はGreg Perry/Angelo Bond/General Johnson。胸キュンの躍動感がありますね。Fredaの伸びやかな歌声がよく栄えます。
http://www.youtube.com/watch?v=mQqw_iYxIB8

「Rainy Days And Mondays」
Roger Nichols/Paul Williams作。Carpentersでお馴染みの楽曲をカヴァー。バラード系ではメロウな味わいの本曲が一番好きです。Fredaの声質にもマッチしている楽曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Sf9Kqm5wDEk

「If You Go Away」
Rod McKuen/Jacques Brel作。フレンチ・ソング「Ne Me Quitte Pas」の英語曲カヴァー。堂々と歌い上げるバラードですが、皆がFredaに求めていたのはこの路線ではなかったのでは?

「Right Back Where I Started From」
Micheal Smith/Ronald Dunbar作。曲自体は悪くありませんが、もう少しにグルーヴィーに仕上げて欲しかった気が・・・
http://www.youtube.com/watch?v=skksJlau2og

ご興味がある方はFreda Payneの他作品もチェックを!

『After the Lights Go Down Low and Much More!!!』(1964年)
After the Lights Go Down Low

『How Do You Say I Don't Love You Anymore』(1966年)
How Do You Say I Don't Love You Anymore

『Band of Gold』(1970年)
バンド・オブ・ゴールド(紙ジャケット仕様)

『Contact』(1971年)
コンタクト

『Payne & Pleasure』(1974年)
ペイン&プレジャー(PAYNE & PLEASURE)(直輸入盤・帯・ライナー付き)

『Stares and Whispers』(1977年)
Stares & Whispers: Expanded Edition
posted by ez at 07:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする