2012年08月20日

Nadege『Terre-Neuve』

夏モードにピッタリ!ダンサブル&スタイリッシュなフレンチ・ユニット☆Nadege『Terre-Neuve』
nadege terre-neuve.jpg
発表年:1997年
ez的ジャンル:ダンサブル&スタイリッシュ系フレンチ・ユニット
気分は... :欧州サッカー開幕!

いよいよイングランド・プレミアリーグ、スペイン・リーガエスパニョーラといった欧州サッカー主要リーグが開幕しましたね。監督交代の影響が心配されたバルサの開幕戦を観ましたが、ヒラノバは見事な勝利で幸先の良いスタートを切りましたね!

プレミアは香川、宮市の活躍が楽しみですね。香川はファンペルシーが加わり熾烈なレギュラー争いを強いられそうですが、何とか歓迎ムードのうちに目に見える結果を残して欲しいですね。ウィガンにレンタル移籍した宮市にもかなり期待しています。やはり試合に出てなんぼなので・・・

今回は夏モードにピッタリのフレンチ・サウンド!Nadege『Terre-Neuve』(1997年)です。

Nadegeはフレンチ・ユニット。初期メンバーはNadege SellierAbou El FidaSine Qua Nonの3名。Sine Qua Nonは日本人プロデューサー葦沢伸太郎氏の変名です。

デビュー・アルバム『Nadege』(1994年)を皮切りに、『Nadege Meets Nadege』(1994年)、『Aquatique』(1996年)、『Terre-Neuve』(1997年)、『Aromes』(1998年)、『Purification』(1998年)、『Saveurs』(1999年)といったアルバムをリリースしています。

今回紹介する4th『Terre-Neuve』(1997年)からNadege SellierAbou El Fidaの男女2名ユニットとなった模様です。すいません、このあたりの情報は曖昧です(泣)

デビュー・アルバム『Nadege』(1994年)の頃はハウス色がかなり濃く、我が家のCD棚でもハウス・コーナーに置いていました。しかし、今日紹介する『Terre-Neuve』(1997年)はクラブミュージック寄りのダンサブル&スタイリッシュなサウンドが目立ちます。それと同時にアルバム後半ではかなりアンビエントなアプローチが目立ちます。

この手のアルバムは、なかなか評価されず、中古ショップでも安値で出回るのが相場です。本作も例外ではありません。それでも僕は本作を素直に支持したいと思います。

単にカフェ向けのお洒落アルバムでは終わらない作品だと思います。
Nadegeというユニットがアーティストとしての自我に目覚めたアルバムでもあると思います。

特に音を聴いていると、さまざまな映像が自然と頭を過る後半のアンビエント・パートが僕のお気に入りです。

全曲紹介しときやす。

「Terre-neuve」
今回YouTubeでタイトル曲である本曲の音源しか見つけることができませんでしたが、本作の持つスタイリッシュ&ダンサブルな魅力のこの曲を聴けば十分実感できると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=FN211I16McE

「Sirius」
ドラムンベース的アプローチの1曲。それほどボトムが重くないので、日常生活でBGM的に聴いても違和感ありません。

「Le Jardin De L'amour」
グランドビート調のダンサブル・チューン。美しくも儚いメロディとNadege嬢のウィスパー・フレンチ・ヴォーカルがよくマッチしています。

「Alunissage」
アンビエント風サウンドと優しいメロディが真夏の微風のようで実に心地好いです。

「Phenix」
スタイリッシュ・サウンドとフレンチ・ポップらしいコケティッシュなウィスパー・ヴォーカルが夢の世界へ誘ってくれます。

「Apres Un Reve」
フランス人作曲家Gabriel Faureの有名なクラシック歌曲「夢のあとで」のカヴァー。クラシック音楽に疎い僕ですが、この曲は訳あってよく知っています。そんな有名歌曲も彼らの手に掛かれば、お洒落な哀愁フレンチ・ポップとして楽しめます。

「Dessein-Destin」
アンビエント感覚のミステリアスな音世界を満喫できます。白日夢の中に吸い込まれてしまいそうです・・・

「Petite-Etoile」
水の効果音が涼しげです。大自然に囲まれた小川にいるような気分になるアンビエントな仕上がりです。

「Reve」
インタールード的な位置づけです。

「Venus De L'amour」
哀愁モードのアンビエント・チューン。自然を題材とした映像作家の作品のBGMにぴったりです。

「Moon Shape」
月の満ち欠けのように、音像がじんわりと変化していく感じが心地好いアンビエントな仕上がり。

「Epilogue」
スピリチュアルな雰囲気も漂うアンビエントなインストでアルバムは締め括られます。

ボーナス・トラックとして「Alunissage (Marimba Edit)」「Venus De L'amour (Long Version)」「Nenuphar」の3曲が追加収録されています。

ご興味のある方は他のNadege作品もチェックを!

『Purification』(1998年)
PURIFICATION

『Saveurs』(1999年)
SAVEURS
posted by ez at 05:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月19日

Afro Latin Vintage Orchestra『Last Odyssey』

カオス的なアフロ・グルーヴが腹に響く!☆Afro Latin Vintage Orchestra『Last Odyssey』
LAST ODYSSEY
発表年:2012年
ez的ジャンル:最新アフロ・ファンク
気分は... :腹に響くアフロ・グルーヴ!

今回は新作アルバムの中から重量アフロ・ファンク作品Afro Latin Vintage Orchestra『Last Odyssey』です。

フランス、パリで結成されたアフロ・ファンク・バンドAfro Latin Vintage Orchestraの紹介は、『Ayodegi』(2010年)に続き2回目となります。

US西海岸のレーベルUbiquity Recordsからリリースされた『Last Odyssey』は、『Definitely Roots』(2009年)、『Ayodegi』(2010年)に続く3rdアルバムとなります。

リーダーのMasta Conga(per)を中心に、ど迫力の重量級アフロ・ファンク・サウンドでシーンに大きなインパクトを与えてきたAfro Latin Vintage Orchestraですが、本作でも最新スタイルのアフロ・ファンクを満喫できます。

ただし、前2作がインプロヴィゼーションを重視していたのに対して、本作は明確なサウンド・イメージに基づく緻密なサウンド作りが特徴です。また、前作『Ayodegi』ではHip-Hop、Nu Jazz/クロスオーヴァー、ドラムンベースなどを意識した曲もありましたが、本作ではそうした色合いは薄れて直球一本勝負でアフロ・グルーヴに挑んでいます。あとは前作以上にアフロとラテンの融合を実感できます。

前作『Ayodegi』で彼らの虜になった僕は、彼らの新作発表と聞き試聴もせずに本作を購入しましたが大正解でした。やはり、このグループの音世界は凄すぎます!

アフロビート、エチオピアン・ジャズ、スピリチュアル・ジャズ、ラテンなどのエッセンスを飲み込んだ彼らのカオス的重量グルーヴの1つの完成形を本作で聴くことができると思います。

アフロビート/アフロ・ファンク好き、エレクトリック・マイルス好きの人はぜひチェックを!

腹に響くアフロ・グルーヴはクセになること間違いなし!

全曲紹介しときやす。

「Petrof Sublimation」
腹に響くベース、呪術的パーカッション、スピリチュアルなピアノ等が織り成すミステリアスなオープニング。

「Onze De France」
バンド名の通り、アフロ・ラテンなへヴィ・グルーヴが炸裂する1曲。覚醒するアフロ・グルーヴとエキゾチックなラテン・グルーヴが織り成す彼ららしい音世界を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=U92QVHOPxoM

「Hip Hop Definition」
タイトルにHip Hopとありますが、あまりそういった色合いはありません。本作らしいカオス感を満喫できるファンク・グルーヴです。ヴァイオリンと妖しくうねるギター・サウンドが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=9JSB7PeIZXo

「Gibbon's Dub」
ラテン+アフロビート+エレクトリック・マイルスといった雰囲気の音世界です。

「Requiem Pour Un Grooveur」
ミステリアスなパーカッシヴ・グルーヴの上に音像が重なっていく哀愁のジャズ・ファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=5s0xWgJECao

「Buffet Froid」
エキゾチック&ラテン色が強い仕上がりながらも、しっかりジャズしている演奏を聴くことができます。

「Last Odyssey」
タイトル曲はエキゾチック&ミステリアスな魅力に溢れています。気分は紀元前の古代エジプトといった趣ですね。

「Dimension 7」
覚醒する土着的カオス・グルーヴに脳内がジワジワと浸食されていきます。

「Harissa」
ボトムのしっかりしたへヴィなファンク・グルーヴにグッときます。エレクトリック・マイルスのグルーヴ感がお好きな人は気に入るのではないかと思います。

「Samourai」
サムライを意識したタイトルですがサウンド面への影響はよくわかりません(笑)。テンション高いカオス的なへヴィ・グルーヴです。

「Spoken Wild」
アルバムで唯一のヴォーカル(スポークン・ワード)が入った1曲。呪術の儀式のような覚醒感が漂います。

「Sequences」
僕の一番のお気に入り。ラテンの疾走感とアフロな覚醒感が一体化したこのバンドらしい世界観がうまく表現された1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=TXQ_YhA_rcU

「Latin Break」
ラテンの持つエレガントなグルーヴ感にアフロなスパイスを効かせています。

「Acai」
「Sequences」と並ぶ僕のお気に入り。この曲は女性スキャットも入ったラテン/ブラジリアン・グルーヴ寄りの仕上りですが、このバンドらしいカオス的エッセンスも散りばめられています。

「Freestyle」
最後は彼ららしくさまざまな音楽のエッセンスが顔を覗かせる彼ららしいフリースタイルな演奏になっています。

『Ayodegi』(2010年)
Ayodegi
posted by ez at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月18日

Summer『In Malibu』

Kalapaの弟分グループのデビュー作☆Summer『In Malibu』
マリブの覇者
発表年:1976年
ez的ジャンル:ハワイアンAOR
気分は... :週末はハワイ気分でのんびりと・・・

昨日は徹夜明けであったのにも関わらず、夜は酒宴に突入し帰宅したのは深夜・・・
そんな影響で今日は何にもしたくない気分です。
ブログの更新もかなり遅めで・・・

こんな気分の時にはメロウなハワイアンAORで・・・
ということで、Summerのデビュー作『In Malibu』(1976年)です。

先週末もCountry Comfort『We Are The Children』(1975年)を紹介いましたが、やはり今の時期はハワイものがいいですね・・・

Summerはオアフ島の小学生からの同級生が組んだグループ。

メンバーはRon YuenCharles RecaidoTim HurleyRussell Fujiokaの4名。

ホノルルのクラブでの演奏をKalapanaの所属プロダクションの関係者に見出され、レコーディングの機会を得ます。こうして1stアルバム『In Malibu(邦題:マリブの覇者)』(1976年)です。

その後、Russell FujiokaとCharles Recaidoがグループを去りますが、残ったRon YuenとTim Hurleyの2名で活動を続け、1979年には日本でレコーディングされ、日本のみでリリースされた2nd『Weekends on Malibu(邦題:マリブの週末)』をリリースしています。

元祖サーフロック・グループKalapanaの弟分という印象が強いグループですね。

本作『In Malibu』Kalapanaの2nd『Kalapana II』(1976年)と同時期にレコーディングされたものであり、2つグループがマリブの一軒家で合宿生活を送りながら創り上げられました。

『In Malibu』『Kalapana II』の2作品には、両グループの交流の跡が窺えます。

『In Malibu』は、KalapanaのメンバーDavid John Pratt(D.J. Pratt)がプロデュースを務め、Alvin Fejerang(ds、per)、Michael Paulo(sax)といったKalapanaのサポート・メンバーもレコーディングに参加しています。

一方の『Kalapana II』には、Mackey FearyとRon Yuenの共作による名曲「Juliette」が収録されています。

"Kalapanaの弟分"らしいサーフロック/ハワイアン・メロウを満喫できます。ハワイアン・メロウらしい爽快なアコースティック・サウンド&ハーモニーに、サポート・メンバーによるサウンドのメリハリが加わったことにより、完成度の高い作品に仕上がっています。

KalapanaMackey Fearyの諸作がお好きな人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「New Years Eve-1976」
Ron Yuen作。爽快なハワイアン・メロウを満喫できるオープニング。大晦日のことを歌ったもの曲ですが、サウンドは思い切り夏モードです。グループの持つ爽快ハーモニーとサポート・メンバーによる好サポートで"Kalapanaの弟分"の名に相応しいサウンドを聴かせてくれます。

「Understanding To The Man」
Ron Yuen作。ハーモニー&サウンドからハワイらしい空気を満喫できます。サウンド面でのメリハリも上手くつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=06fte9V1XZ8

「Day To Day」
Charles Recaido作。少しイナたい雰囲気も醸し出すのんびりモードの1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=KwCryo4CeYA

「No Place Like Home」
Charles Recaido作。故郷への愛情を歌っています。少し土臭い雰囲気もあるのが逆にいいかも?

「Kona Day」
Charles Recaido作。今日ではアルバムのハイライト曲といえば本曲でしょうね。エレピのメロウ・サウンドと爽快アコースティックが実に心地好いハワイアン・メロウです。終盤の盛り上がり方もいい感じ!

「Love Will Forget」
Charles Recaido作。恋人との別れを歌ったものですが、ハワイアンAORらしい哀愁メロウに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=oKN9pJ-qY4o

「Firefly」
Tim Hurley作。サンセット〜ナイト・モードで聴きたくなるロマンティックなメロウ・チューン。Michael Pauloのサックスも気分を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=w3x4sgmt1AI

「Love Is...」
Ron Yuen作。本曲も今日人気の高い1曲なのでは?Mackey Fearyの諸作がお好きな人であれば間違いなく気に入るであろう爽快アコースティックなハワイアン・メロウ・グルーヴです。
http://www.youtube.com/watch?v=CaT5ZTVox5w

「Forest」
Charles Recaido作。この曲もサンセット・モードで聴きたい美しいバラード。ハワイらしいピュア感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=gEuCMZGsDTk

「Plenty Of Reason」
James Lee Stanley作。本作唯一のカヴァー。フィラデルフィア出身の男性SSW、James Lee Stanleyの作品です。オリジナルは彼の3rdアルバム『Three's the Charm』(1974年)に収録されています。オリジナルとは異なる雰囲気で仕上りでアルバムのいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=fftLa8a7MtE

ご興味のある方は2nd『Weekends on Malibu(邦題:マリブの週末)』(1979年)もセットでどうぞ!

『Weekends on Malibu』(1979年)
マリブの週末
posted by ez at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月16日

Henri Salvador『Chambre Avec Vue』

80歳のダンディズム!フランス国内で100万枚をセールスしたフレンチ・ボッサ☆Henri Salvador『Chambre Avec Vue』
Chambre Avec Vue
発表年:2001年
ez的ジャンル:枯れ系フレンチ・ボッサ
気分は... :こんなダンディな80歳はいない!

今回はフランスが誇るエンターティナーHenri Salvadorの大ヒット・アルバム『Chambre Avec Vue』(2001年)です。

Henri Salvador(1917-2008年)はカイエンヌ(フランス領ギアナ)出身。タップダンサー、ギタリスト、作曲家、歌手、俳優として活躍したフランスの国民的スターです。

また、彼の作品「Dans Mon Ile」(1957年)はAntonio Carlos Jobimに大きな影響を与え、ボサノヴァ誕生への貢献でも知られます。当ブログでも最近Caetano VelosoDiana Pantonのカヴァーを紹介しました。

今回紹介する『Chambre Avec Vue』(2001年)はフランス国内のみで100万枚のセールスを記録し、ヴィクトワール賞(フランス版グラミー賞)のアルバム・オブ・ジ・イヤーに輝いています。

2007年にはCaetano VelosoGilberto Gil等の豪華ゲストを迎えたアルバム『Reverence』をリリースし健在ぶりを示してくれましたが、翌2008年2月に惜しくもパリで逝去しました。

正直、この偉大なエンターティナーのキャリアの全体像はあまり理解できていません。しかし、何の予備知識がなくても本作『Chambre Avec Vue』の素晴らしさに瞬時に惹き込まれてしまいました。

本作リリース時点で80歳を過ぎていたにも関わらず、衰えを全く感じさせないダンディ&ジェントルなフレンチ・ボッサ作品に仕上がっています。年輪を重ねてきたことがそのまま魅力になっている彼の枯れたヴォーカルは絶品以外の何物でもありません。

楽曲では、本作制作のきっかけを作ったフランス人女性シンガー・ソングライターKeren Annが5曲を提供しているのが目立っています(Benjamin Biolayとの共作含む)。

プロデュースはMarc Di DomenicoFrancoise Hardy(vo)、Toots Thielemans(harmonica)、Dominique Cravic(g)、 Thomas Dutronc(g)、Eric Le Lann(tp)、Daniele Scannapieco(sax)等がレコーディングに参加しています。

フランス盤(全曲フランス語)と国内盤(ポルトガル語ヴァージョン、英語ヴァージョン曲も含む)では、若干内容が異なっているので気を付けてください。

円熟の枯れヴォーカルが優雅な時間を演出してくれます。
世界広しと言えど、こんなにダンディにアーティスト活動を行っていた80歳はいないのでは?

全曲紹介しときやす。

「Jardin D'hiver」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。ボッサなオープニングに本作の激シブの枯れた魅力が凝縮されています。80歳を過ぎても、こんなにダンディ&ジェントルな歌声を披露できることに感服します。
http://www.youtube.com/watch?v=tqyJL-5kUWc

Keren Annのオリジナルは彼女のデビュー・アルバム『La Biographie de Luka Philipsen』(2000年)に収録されています。また、当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。国内盤はポルトガル語ヴァージョン「Jardim」として収録されています。

Stacey Kent「Jardin D'hiver」
 http://www.youtube.com/watch?v=IdGpy-TaZK0

「Chambre Avec Vue」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。この枯れ具合がたまりません。都会の喧騒を忘れ、瞑想しながら聴きたい1曲です。さりげないEric Le Lannのトランペット・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Y4chu_FPl88

国内盤は英語ヴァージョン「Room With A View」として収録されています。
「Room With A View(Chambre Avec Vue)」
http://www.youtube.com/watch?v=oGPP-NVBXOo

「J'ai Vu」
Henri Salvador/Michel Modo作。「人生という名の旅」という邦題がピッタリなHenri Salvadorの人生の年輪を感じます。エレガントなストリングスと気の利いたDaniele Scannapiecoのサックス・ソロがジャジー・サウンドを盛り上げてくれます。

「Il Fait Dimanche」
Art Mengo/Marc Esteve作。Henri Salvadorのダンディズムを堪能できる小粋なボッサ・チューン。こんな曲を聴きながら、ぼんやりと1日過ごしたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=l0OHlMgQfuM

「La Muraille De Chine」
Gisele Molard/Henri Salvador作。愛する人をしみじみと回想します。80歳を過ぎてこんな情感を表現できるなんてミラクル!の一言です。
http://www.youtube.com/watch?v=-Bfj1inlKGg

「Jazz Mediterranee」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。至極のバカンス・チューン。ゆっくりと時間が流れていく感じがたまりませんね。国内盤は英語ヴァージョン「Jazz, Silver Moonlight」として収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=a0JCqiPfcHM

「Un Tour De Manege」
Keren Ann作。Toots Thielemansのハーモニカをフィーチャー。哀愁モードのジャジー・チューン。Thielemansのハーモニカの音色が寂しげな情感を際立たせます。
http://www.youtube.com/watch?v=g0XEHoTtZb8

「Vagabond」
Art Mengo/Marc Esteve作。エレガントなフレンチ・ボッサ・チューン。フレンチの語感にマッチするHenri Salvadorの声質の魅力を再確認できます。

「Je Sais Que Tu Sais」
Paul Mirsaki作。ロマンティックなバラード。こんな素敵なラブソングを歌える80歳はまずいないでしょう!
http://www.youtube.com/watch?v=SsknbUC1Fjo

「Mademoiselle」
Arnaud Garoux/Thomas Dutronc/Henri Salvador作。次曲「Le Fou De La Reine」で共演するFrancoise Hardyの息子Thomas Dutroncがソングライティング&ギターで参加しています。ノスタルジックな味わいの小粋なジャジー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=S3En2XL5ETU

「Le Fou De La Reine」
Francoise Hardy/Henri Salvador作。Francoise Hardyとのデュエット。酸いも甘いも知る大人の悲しいラブソングといったところです。Eric Le Lannのトランペット・ソロが盛り上げてくれます。

「Faire Des Ronds Dans L'eau」
Benjamin Biolay/Keren Ann作。枯れたギターの音色、枯れたヴォーカル・・・全てがシブすぎます。格好ええなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=Oo1YWi5tVaU

「Aime-moi」
Bernard Michel/Henri Salvador作。僕の一番のお気に入り曲。ラストはロマンティックなラブソングで締め括ってくれます。♪愛しておくれ♪簡単なことだよ♪
http://www.youtube.com/watch?v=peQn54ui1V0

僕の所有CDは異なりますが、盤によってはLisa Ekdahlをフィーチャーした「All I Realy Want Is Love」 を収録しているものもあります。

『Reverence』(2007年)
Reverence
posted by ez at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月15日

Steve Parks『Movin' In The Right Direction』

ベイエリア産ソウル!レア・グルーヴ好きにはたまらないサマー・アンセム☆Steve Parks『Movin' In The Right Direction』
ムーヴィン・イン・ザ・ライト・ディレクション
発表年:1981年
ez的ジャンル:ベイエリア産クロスオーヴァー・ソウル
気分は... :夏に聴くべきソウル作品はコレ!

世間はお盆モードですが、フツーに仕事です(泣)
そんな感じなので、お盆というよりもロンドン五輪が閉会し、ようやく平常モードに戻った感覚の方が強いです。

今日はレア・グルーヴ好きには要チェックだった1枚、Steve Parks『Movin' In The Right Direction』(1981年)です。この度めでたく国内盤初CD化が実現し、入手しやすくなりました。

Steve Parksはサンフランシスコを拠点に活動する黒人シンガー・ソングライター。今回紹介する『Movin' In The Right Direction』は、地元のレーベルSolid Smokeから1981年に発表したアルバムです。

本作以前に、フルート奏者Steve Marshallとサイドを分けた「Still Thinking Of You」、本作にも収録されている「Sadness In My Samba/All In A Day」という2枚のシングルを70年代後半にリリースしています。

本作が注目されるきっかけとなったのは当ブログでも紹介したアシッド・ジャズの人気アルバムYoung Disciples『Road to Freedom』(1991年)収録の「Talkin' What I Feel」「Movin' In The Right Direction」がサンプリングソースとして使われたことです。

同曲は、その後Digable Planets「Nickel Bags」Aaliyah「Are You Ready」、Bird feat. Suiken & Dev Large「Realize」等でサンプリングされると同時に、レア・グルーヴ系のコンピ・アルバムにも多数収録され、レア・グルーヴ人気曲となっていきます。

それに伴い同曲を収録したアルバムである本作『Movin' In The Right Direction』の再評価も高まっていきました。

ジャケのイメージ通り、ラテン/ブラジリアン・フレイヴァーの効いたサマー・モードのクロスオーヴァー・ソウル作品です。ソウルフルな味わいのヴォーカルとラテン/ブラジリアン・フレイヴァーなクロスオーヴァー・サウンドを見事に融合しています。

人気のタイトル曲をはじめ、「Sadness In My Samba」など魅惑のサマー・アンセムが揃っています。

プロデュースはSteve ParksとJoe Tatantino。レコーディングは前述のSteve Marshall(fl)や人気曲「It's You」でお馴染みの女性ギタリストJoyce Cooling(g)をはじめ、Karl Young(p)、Kevin Hayes(ds)、Wayne Wallace(tb)等が参加しています。

全10曲。「Under The Boardwalk」「The One Who Really Loves You」の2曲を除き、Steve Parksのオリジナルです。

さらに本作には1990〜91年にかけて自主制作された2nd 『Shimmy And Jive』から1曲を除く9曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

トロピカル・モードのメロウ・ソウルを聴きながら、夏気分を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「All In A Day」
前述のように本作以前にシングル・リリースしていた曲です。ラテン・リズムのスウィート・ソウル。エキゾチックなピアノの響きがのどかな雰囲気を醸し出します。

「Just Ask Me」
ラテン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴ。サマー・モードのAORって雰囲気がいいですね。Steve Marshallのフルートが涼しげです。

「Everything's Gonna Be OK 」
ブラジリアン・フレイヴァーのトロピカル・ソウル。中盤はレゲエ調の展開でアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=bZx0FpuQrS4

「Don't Stop Now」
落ち着いた雰囲気の大人のメロウ・ソウル。ゆっくり寛ぎながら聴きたいサマー・モードの1曲です。

「Sadness In My Samba」
タイトル曲と並ぶ本作のハイライト。Gilles Peterson『Digs America 2』にも収録されていたブラジリアン・フレイヴァーのクロスオーヴァー・ソウルです。小粋なセンスが光るブラジリアン・グルーヴ好きにはグッとくる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=TnsaXwdgmfA

「Under The Boardwalk」
Kenny Young/Arthur Resnick作。「渚のボードウォーク」という邦題でお馴染みのThe Driftersのヒット曲をカヴァー。本作らしい開放的な雰囲気のカヴァーに仕上がっています。

「Movin' In The Right Direction」
タイトル曲は前述のように本作のハイライト。サマー・モード全開のギター・カッティング、微風のようなフルート、スウィートなハイトーン・ヴォーカルをはじめ、全てが見事に噛み合った至極のメロウ・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=ABghwTfqCEU

前述のようにイントロのギターは、Young Disciples「Talkin' What I Feel」Digable Planets「Nickel Bags」Aaliyah「Are You Ready」、Black Attack「Holdin' It Down」、Declaime「Roll 'Em Right」、Bird feat. Suiken & Dev Large「Realize」等サンプリング・ソースの定番です。

Bird feat. Suiken & Dev Large「Realize」
http://www.youtube.com/watch?v=nNNwJ7oJycg

「The One Who Really Loves You」
Smokey Robinson作。 Mary Wells、1962年のヒット曲をカヴァー。ソウルフルな味わいとラテン・フレイヴァーを上手く融合させています。

「The Golden Key」
ベイエリアらしいファンキーな味わいのメロウ・グルーヴ。ブラジリアン・フレイヴァーも入り、本作らしいクロスオーヴァー・ソウルに仕上がっています。

「Outro」
アルバムの余韻に浸るラテン・フレイヴァーなアウトロ。

前述のように自主制作された2nd 『Shimmy And Jive』から「Shimmy And Jive」「I Hope Your Dreams Come True」「You Make It Easy For Me」「Wrong Decision」「Island So Far Away」「Should've Been Wishing (Instead Of Dreaming) 」「The Look In Your Eyes」「Wonderful」「Stop! Drop Everything」の9曲が9曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

興味がある方は、本作に参加しているSteve MarshallJoyce Coolingの作品もチェックを!

Steve Marshall『Do What You Will』(1978年)
Do What You Will

Joyce Cooling『Cameo』(1988年)
キャメオ[再発/廉価盤]

Joyce Coolingと言えば、2009年リリースの『Global Cooling』が最近国内盤リリースされましたね。僕もたまたま昨日CDショップで見かけて試聴しました。今でも若々しいJoyce Coolingが写るジャケのイメージそのままに夏モードがフィットする1枚になっています。

Joyce Cooling『Global Cooling』(2009年)
グローバル・クーリング[紙ジャケット仕様]
posted by ez at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする