2012年08月14日

Willie Colon『The Good, The Bad, And The Ugly』

Hector Lavoe、Ruben Bladesも参加!N.Y.サルサのスーパースターによる悪童サルサ☆Willie Colon『The Good, The Bad, And The Ugly』
Good the Bad the Ugly
発表年:1975年
ez的ジャンル:永遠の悪童系N.Y.サルサ
気分は... :みんなSeu Jorgeわかったのかな?

ロンドン五輪の閉会式はUK音楽好きにはなかなか興味深いイベントでしたね。

大トリがThe Whoというのは個人的には嬉しかったですが、選手というよりもその親の世代のアーティストなのでどうなんですかね。参加した選手たちはピンと来たのでしょうか?もう少し下の世代の大物で閉めてもよかった気が?でもそうなると人選がビミョーなのかもしれませんが・・・

また、2016リオ五輪に因んでMarisa MonteSeu Jorgeといったブラジル人アーティストもステージに登場しましたが、実況のNHKアナもSeu Jorgeはフォローできていませんでしたね(笑)

今回はN.Y.サルサを代表するスーパースター、トロンボーン奏者Willie Colonが1975年でリリースした『The Good, The Bad, And The Ugly』です。

これまで当ブログで紹介したWillie Colon作品は以下の5枚。

 『El Malo』(1967年)
 『Cosa Nuestra』(1969年) 
 『Lo Mato』(1973年)
 『Siembra』(1978年)
 『Top Secrets』(1989年)

某マカロニ・ウエスタン映画そのまんまのタイトルおよび西部劇映画風のジャケは悪童(El Malo)Willie Colonらしいですね。

本作は長年のパートナーHector Lavoeに加え、Yomo ToroRuben Bladesという3人のシンガーを迎えています。また、自らもトロンボーンのみならずリードシンガーを務めている曲もあります。

盟友Hector Lavoeがドラッグに溺れ、コンビを解消せざるをえなくなっていたColonにとっては色々な意味で過渡期の作品といえるかもしれません。

本作で初めてColonと組むことになったRuben Bladesは、これをきっかけにColonとのコラボ作品を続々とリリースし、サルサ界のスターの地位を築いていきます。

ブラジル音楽好きにはお馴染みのBaden Powell作品「Vou Deitar e Rolar」のカヴァー「Cua Cua Ra Cua Cua」や、ラテン・ファンク色の強い「MC2 (Theme Realidades)」「I Feel Campesino (Theme Realidades)」などサウンド面でも試行錯誤の跡が窺えます。

勿論、Colonらしい哀愁のN.Y.サルサもバッチリ収録されています。

その意味でサルサでアルバム1枚はどうも・・・という人でも楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Toma」
Juan Bautista作。哀愁モードのサルサ・チューンでアルバムは幕を開けます。
http://www.youtube.com/watch?v=jIQ80tig7hc

「Potpourri III」
T. Curet Alonso/J.M. Jimenez/J.Ramirez/Bobby Capo/Rafael Hernandez作。「De La Verdegue」「Santa Maria」「Carolina」「De La Montana Venimos」「Mama Borinquen Me Llama」というプエルトリコ歌謡のメドレーです。
http://www.youtube.com/watch?v=UFGJPKuZiAw

「Cua Cua Ra Cua Cua」
Baden Powell/Paulo Cesar Pinheiro作。当ブログでも紹介したElis Reginaヴァージョンでお馴染みのBaden Powell作品「Vou Deitar e Rolar」のカヴァー。Elis Reginaヴァージョンが大好きな僕としては、N.Y.ラテン風味の本ヴァージョンも当然お気に入り!Elisヴァージョンも含めてこの曲を聴くと生きる喜びが湧きあがります♪クァクァラクァクァ〜♪クァクァラクァクァ〜♪
http://www.youtube.com/watch?v=jzzTLTPLd6Y

Elis Regina「Vou Deitar e Rolar(Quaquaraquaqua)」
 From 『Em Pleno Verao』(1970年)
http://www.youtube.com/watch?v=ODZLuYS2HmI

「Dona Tona」
Willie Colon作。リラックスした雰囲気と味わい深いギターの音色がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=U8eQj2TxMsQ

「MC2 (Theme Realidades)」
Willie Colon作。レア・グルーヴ好きの人も気に入るであろうダンサブルなラテン・ファンク・チューン。Maloあたりと一緒に聴きたくなるような雰囲気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=AMRhGWjmtjM

「El Cazangero」
Ruben Blades作。Willie Colon & Ruben Bladesの名コンビの初コラボ曲。Rubenらしい味のあるヴォーカルと哀愁モードの疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=oiu8G3qs5ng

「Guaracha」
Willie Colon作。哀愁サルサ好きにはたまらない1曲。途中何回かギア・チェンジでリズムに緩急をつけていくのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_BlHdywpRFM

「I Feel Campesino (Theme Realidades)」
Willie Colon作。最初ははメロウな展開ですが、中盤で不穏な空気が流れ、終盤はへヴィなラテン・ファンクへなだれ込みます。
http://www.youtube.com/watch?v=06tigEr9bv8

「Que Bien Te Ves」
Willie Colon作。ラストはN.Y.サルサらしく哀愁モードで疾走します。
http://www.youtube.com/watch?v=2d67VwlhOb0

Willie Colonの過去記事もご参照下さい。

『El Malo』(1967年)
El Malo

『Cosa Nuestra』(1969年)
Cosa Nuestra

『Lo Mato』(1973年)
Lo Mato

『Siembra』(1978年)
Siembra: Special Edition (W/Book) (Spec) (Dig)

『Top Secrets』(1989年)
Top Secrets
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2012年08月13日

Manfred Hubler & Siegried Schwab『Vampyros Lesbos - Sexadelic Dance Party』

鬼才Jesus "Jess" Franco監督、Soledad Miranda主演の映画のサントラ☆Manfred Hubler & Siegried Schwab『Vampyros Lesbos - Sexadelic Dance Party』
Vampyros Lesbos (Sexadelic Dance Party)
録音年:1969年
ez的ジャンル:お色気B級映画サントラ
気分は... :後味の悪い五輪閉幕

あっという間にロンドン五輪も閉幕ですね。

終盤に男子ボクシング、男子レスリングの金メダルという偉業もあり、男子選手の意地を見せてもらいましたが、個人的には男子サッカーの3位決定戦の後味の悪さが尾を引いています。日本のU-23代表の不甲斐なさ&韓国選手の五輪であるまじきパフォーマンスという二重の意味での後味の悪さでここ数日不愉快モードです。

今回はスペイン映画監督Jesus "Jess" Francoの作品『Vampyros Lesbos』(1970年)等のサントラで使用された楽曲を集めたアルバム『Vampyros Lesbos - Sexadelic Dance Party』です。

厳密にはJesus "Jess" Francoが監督した『Vampyros Lesbos』『She Killed in Ecstasy(Sie Totete in Ekstase)』『The Devil Came from Akasava(Der Teufel Kam aus Akasawa)』という3本の映画で使われた音楽を集めたものです。これら3本の映画に主演していたのがジャケに写るセクシーなスペイン人女優Soledad Mirandaです。しかしながら、これらの映画の撮影が終わって間もなくSoledad Mirandaは自動車事故で死去してしまいます。享年27才。

これら3本の映画の音楽は手掛けたのはドイツ人アーティストManfred Hubler & Siegried Schwabのコンビであり、これらの音源は元々1969年にレコーディングした『Psychedelic Dance Party』『Sexadelic』という2枚のアルバムに収録されていたものです。

という少々変則なスタイルのアルバムですが、鬼才Jesus "Jess" Francoのエロティック&モンドな作風と主演女優Soledad Mirandaのお色気とManfred Hubler & Siegried Schwabが手掛けたサイケ&モッド&ラウンジなサウンドが見事に相俟って1つの世界を創り出している感じが魅力です。

シタール&サイケ・ギター有り、モッド・ジャズなオルガン有り、スキャット入りのラウンジ感覚有りとこの手のサウンドがお好きな人にはたまらない1枚になっています。

とりあえず、ジャケのSoledad Mirandaのセクシー・ポーズにグッときた方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Droge CX 9」
小粋なサイケ・ラウンジといった趣のオープニング。エロティック&モンゾなJesus "Jess" Francoの世界観ともマッチしているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=wyvJf0H2yck

「The Lions And The Cucumber」
Quentin Tarantino監督の映画『Jackie Brown』でも使用されたサイケ・チューン。聴いているうちに、妖しく不気味なサイケ・ワールドに浸食されてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Gh8m4v5WkwQ

「There's No Satisfaction」
タイトルの通り、The Rolling Stones「(I Can't Get No) Satisfaction」をモチーフにしたサイケ・ラウンジ。何処となく漂う儚い疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=w0BSdCuCmus

「Dedicated To Love」
僕の一番のお気に入り。この曲はDonovan「Sunshine Superman」に成りそうでならないビミョー感じに惹かれます(笑)。いずれにしてもシタール好きにはかなりグッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=Krw2BxAslrQ

「People's Playground Version A」
ヴァイヴの音色を上手く活かしたフォーキーな小曲のAヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=MKAp9B1fQMU

「We Don't Care」
緩急を織り交ぜたサイケ・チューン。音像が変化していく様がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=8ihyK9UEEiU

「People's Playground Version B」
Bヴァージョンも素朴な中にアシッドな香りのするフォーキー・サウンドが聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=N0eRMLAOJBU

「The Ballad Of A Fair Singer」
女性スキャットの入ったセクシー&サイケなモンゾ・グルーヴ。狂気じみたサウンドも織り交ぜた倒錯の音世界に誘われます。
http://www.youtube.com/watch?v=75Mk5T2qLtI

「Necronomania」
レイジーな妖しさが漂う1曲。お色気B級映画にジャスト・フィットな雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=OWp7QwpGyWA

「Kamasutra」
男女スキャットも入ったグルーヴィー&サイケなラウンジ・サウンドはB級映画サントラ好きにはグッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=Iz8qmqwkoaI

「The Message」
哀愁のオルガン・サウンドとエロい男性ヴォーカルが絡み、ミステリアスな雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=2zGwHLtILRY

「Shindai Lovers」
小粋なグルーヴィー・ラウンジ。セクシー女性スキャット、小粋なピアノ&オルガンがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=4WV8WJXWue8

「The Six Wisdoms Of Aspasia」
アルバムの中でも最もポップな印象です。モッド・ジャズなスパイスも効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=zJI68bsjhhw

「Countdown to Nowhere」
映画『Vampyros Lesbos』のオープニング曲。妖艶な空気を放つモッド・ジャズ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=oAemXm4-Dww

さらに僕の保有するCDには「Psycho Contact Pact Fire」「People's Playground Version C」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
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2012年08月12日

Leela James『Loving You More…In The Spirit Of Etta James』

現代のソウル・ディーヴァの4thは亡きEtta Jamesへのトリビュート☆Leela James『Loving You More…In The Spirit Of Etta James』
ラヴィング・ユー・モア・・・ イン・ザ・スピリット・オブ・エタ・ジェイムス
発表年:2012年
ez的ジャンル:ソウル・ディーヴァ系ディープ・ソウル
気分は... :女子バレーはいいけど男子サッカーはねぇ・・・

ロンドン五輪の男子サッカー銅メダルを懸けた日韓戦のU-23代表は正直情けなかったですね。敗戦自体をとやかく言うつもりはありませんが、負け方がねぇ・・・・スペインに勝利、予選リーグ1位通過といった成果を台無しにしてしまった感があります。申し訳ありませんが、よくやった!という声を掛ける気にはなりませんでした。各メンバーの今後の奮起を期待するのみです。

この不快感を忘れさせてくれたのが女子バレーですね。
やはり今大会の日本は女子チームの団結力の素晴らしさが目立ちますね。

サッカーと言えば、男子決勝はブラジルが負けましたね。
ブラジルは少し油断していた気がします。

正直、女子サッカー決勝の試合があまりに素晴らしかったので、男子サッカーは日韓戦も決勝戦も観ていて退屈でしたね。

現代R&Bシーンでも屈指のソウル・ディーヴァLeela Jamesの新作『Loving You More…In The Spirit Of Etta James』です。

これまで当ブログで紹介したLeela James作品は以下の3枚。

 『A Change Is Gonna Come』(2005年)
 『Let's Do It Again』(2009年)
 『My Soul』(2010年)

前作『My Soul』は名門Staxからのリリースでしたが、最新作『Loving You More…In The Spirit Of Etta James』は2nd『Let's Do It Again』をリリースした老舗インディ・レーベルShanachieに復帰してのリリースとなりました。

『Loving You More…In The Spirit Of Etta James』は、タイトルの通り今年1月20日に亡くなった偉大な女性R&BシンガーEtta Jamesへのトリビュート作品になっています。

Etta James(1938-2012年)は60〜70年代のChess Recordsでのレコーディング作品で知られる女性R&Bシンガーです。

Etta Jamesを知らない方でもBeyonce好きであれば、 Chess Recordsをモデルにしたミュージカル映画『Cadillac Records』でBeyonceが演じていた役といえばピンと来るのでは?

"Etta Jamesが今アルバムを作ったらどのような作品になるであろうか"をコンセプトにしたアルバムであり、全11曲中9曲が生前のEtta Jamesのレパートリーを取り上げています。

Leela JamesがEtta Jamesを取り上げるというのはハマりすぎです!

プロデュースはLeela James本人とDrew RamseyShannon Sandersの3名。ナッシュビルを拠点に活動するプロデュース・チームDrew & ShannonはIndia.Arie作品等でお馴染みですね。

Etta Jamesの遺志を継ぐLeelaのディープなソウル魂を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Soul Will Never Die」
A.Campbell/Shannon Sanders/Drew Ramsey作。アルバムのプロローグ的なオリジナル曲で幕を開けます。タイトルの通り、Etta Jameの残したソウル魂の伝承を高らかに歌い上げます。

「Something's Got A Hold On Me」
Etta James/Leroy Kirkland/Pearl Woods作。アルバムからのリード・シングル。Etta、1962年のヒット曲(全米チャート第37位、同R&Bチャート第4位)のカヴァーです。映画『Burlesque』(2010年)の中でChristina Aguileraも歌っていましたね。オリジナルはゴスペル調コーラスの入ったアップ・チューンでしたが、本ヴァージョンは同じアップでも弾けるビートのオリジナルとは異なる雰囲気に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=m7JtvHrtZWI

Etta James『Love Songs』 ※バラード集のベスト盤
Love Songs

「It Hurts Me So Much」
Charles Chalmers作。Ettaのアルバム『Tell Mama』(1968年)収録曲のカヴァー。オリジナルはバラードでしたが、ここではMary J. Blige「Real Love」等でお馴染みAudio Two「Top Billin'」をサンプリングしたHip-Hop調トラックによるR&Bチューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=vSQcpQ_G0Kk

Etta James『Tell Mama』(1968年)
Tell Mama: Comp Muscle Shoals Sessions

「I'm Loving You More Every Day」
Ronny Mitchell作。Etta、1964年のヒット曲(全米チャート第65位、同R&Bチャート第7位)のカヴァーです。オリジナルはブルージー・バラードでしたが、ここではスムージーなシカゴ・ステッパーズ調で聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=HKuroyLCBwM

Etta James『The Queen of Soul』(1964年)
Queen of Soul

「I'd Rather Go Blind」
Ellington Jordan/Billy Foster作。前述のアルバム『Tell Mama』(1968年)収録曲のカヴァー。映画『Cadillac Records』でBeyonceも歌っていた曲です。ここではオリジナルの雰囲気を受け継いだブルース・バラードで聴かせてくれます。

Etta James『Tell Mama』(1968年)
Tell Mama: Comp Muscle Shoals Sessions

「I Want To Ta-Ta You Baby」
Johnny "Guitar" Watson作。Ettaヴァージョンはアルバム『Life, Love & the Blues』(1998年)に収録されています。オリジナルのJohnny "Guitar" Watsonヴァージョンはアルバム『Ain't That a Bitch』に収録されています。冒頭のレコードのチリチリ・ノイズも含めてオリジナルやEttaヴァージョンの雰囲気を受け継ぐブルージーなカヴァーに仕上がっています。この雰囲気はLeelaにジャスト・フィットですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Zrxqj2PIdhI

Etta James『Life, Love & the Blues』(1998年)
Life Love & The Blues

「Damn Your Eyes」
Steve Bogard/Barbara Wyrick作。アルバム『Seven Year Itch』(1988年)収録曲のカヴァー。Sinead O'Connor‎、Zap Mama等もカヴァーしている曲です。Ettaヴァージョンは円熟味を感じるものでしたが、ここではナスティな雰囲気のミッドナイト・ダンサーに仕上がっています。Prince「When Doves Cry」調のトラックが印象的です。

Etta James『Seven Year Itch』(1988年)
Seven Year Itch

「Nobody Loves You Like Me」
Gwen Gordy Fuqua/Henry Fuqua作。Ettaが1950年代にレコーディングした楽曲のカヴァー。Leelaらしいディープなソウル・ワールドを満喫できます。

Etta James『R&B Dynamite 』 ※ベスト盤
R&B Dynamite

「Old School Kind Of Love」
A.Campbell/Shannon Sanders/Drew Ramsey/Heather Headley作。トリニダード・トバゴ出身の女性R&BシンガーHeather Headleyもソングライティングに加わったオリジナル曲です。レトロ・ソウル・ミーツ・ネオ・ソウルといった趣の仕上がりです。

「Sunday Kind Of Love」
Louis Prima/Barbara Belle/Anita Leonard/Stan Rhodes作。1946年に書かれたスタンダード。Ettaヴァージョンはアルバム『At Last』(1961年)に収録されています。Leelaの抑えたヴォーカルが印象的なビューティフル・バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=T_GenW4XOwI

Etta James『At Last』(1961年)
At Last!

「At Last」
Mack Gordon/Harry Warren作。オリジナルは1942年のミュージカル映画『Orchestra Wives』のために書かれたものです。Ettaヴァージョンは1961年に全米チャート第47位、同R&Bチャート第2位のヒットとなっています。映画『Cadillac Records』でBeyonceが歌っていましたし、Ettaの葬儀でもChristina Aguileraが熱唱していました。あらゆる意味でEtta Jamesトリビュートのラストを飾るに相応しい曲ですね。LeelaもEttaへの惜別の情を込めて歌い上げます。

Etta James『At Last』(1961年)
At Last!

Leela Jamesの過去記事をご参照下さい。

『A Change Is Gonna Come』(2005年)
A Change Is Gonna Come

『Let's Do It Again』(2009年)
Let's Do It Again

『My Soul』(2010年)
My Soul
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2012年08月11日

Country Comfort『We Are The Children』

ハワイならではの至福のアコースティック・メロウ☆Country Comfort『We Are The Children』
We Are the Children
発表年:1975年
ez的ジャンル:ハワイアン・アコースティック・メロウ
気分は... :なでしこありがとう!

サッカーなでしこジャパンの決勝から1日近くが経ちますが、まだ胸が一杯です。正直昨日は仕事になりませんでした(笑)

王者アメリカと互角に渡り合った試合内容、終了のホイッスルが鳴った後の宮間主将の悔し涙、表彰式セレモニーでのおどけたパフォーマンスと満面のスマイル、試合後の会見でPKであったかもしれない微妙な判定を全く気にしない佐々木監督の潔さ・・・全てにおいて魅力的かつ感動的なチームでした。

個人的には表彰式セレモニー後のインタビュー中の鮫島選手の涙が印象的でした。なでしこの中でもマイペースなタイプに見えた鮫島選手が悔し涙を流す姿を観て、そこまでチーム全員が金メダルに執着していたからこそ銀メダルを獲れたのだと思いました。銀メダルで満足してしまうメンタリティのチームであったならば、準々決勝ブラジル戦もしくは準決勝フランス戦で敗れていた気がします。

選手たちの悔し涙こそ北京五輪、ドイツW杯からのなでしこの成長の証であったと思います。あの悔し涙があれば、なでしこはさらなる進化を遂げてくれる気がします。ますます応援したくなりました。

なでしこの激闘が幕を閉じ、個人的に気分は閉会モードになってしまいました。そのせいかサッカー男子の銅メダルを懸けた日韓戦はイマイチ気合いが入りません。

今日はハワイの伝説のグループCountry Comfortの1stアルバム『We Are The Children』(1975年)です。

当ブログではCountry Comfortのシンガー&ソングライターとして活躍していたBilly Kauiのソロ作品『Billy Kaui』(1977年)を紹介済みです。

Country Comfortはハワイで結成されたグループ。オリジナル・メンバーはBilly KauiJimmy FreudenbergChuck LeeRandy LorenzoEugene Masumuraの5名。

Modern Folk Quartetでも活躍したCyrus Faryarが彼らに注目し、彼のプロデュースによりデビュー・アルバム『We Are The Children』(1975年)をリリースしています。

その後メンバー・チェンジを経てて2ndアルバム『Country Comfort II』(1976年)を発表しますが、間もなくグループを解散してしまいます。

メンバーのうちBilly Kauiはソロ作品『Billy Kaui』(1977年)をリリースしますが、1978年3月30日に急死しています。

ハワイアン・メロウ好きであればお馴染みのCountry Comfort
特に今日紹介する1st『We Are The Children』(1975年)のアコースティック・メロウな味わいは格別です。

「Sun Lite, Moon Lite」「We Are The Children」「Rainy Day Song」あたりのゆっくり時間が流れていくハワイ・モード感がたまりません。Breadの名曲「Make It With You」の秀逸カヴァーも聴き逃せません。

すべてを忘れて自分だけの時間を過ごすためのBGMにピッタリな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Sun Lite, Moon Lite」
オススメその1。Liko Martin作。僕の一番のお気に入り!極上のハワイアン・メロウです。メロウなアコースティック・ギターと美しいハーモニーが一瞬にしてハワイ・モードにしてくれます。ゆっくりと時間が流れていく感じが実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=11VPwSulvGQ

「Railway Station」
Chuck Sousa作。Cecilio & Kaponoもアルバム『Elua』(1975年)で取り上げています。ハワイアン・モードのカントリー・チューンといったところでしょうか。

「Make It With You」
オススメその2。Breadの名曲「二人の架け橋」をカヴァー(David Gates作)。サンセット・モードの素敵なカヴァーに仕上がっています。ハワイアンAOR好きにはたまわない至福の1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Wax-mG47ZFU

「Waimanalo Blues」
Liko Martin作。彼らが愛する場所ワイマナロを歌います。美しいスラックキーギターの音色に癒されます。David Lindleyもカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=1u0pM8W5KTo

「To Be Lonely」
オススメその3。Randy Lorenzo作。レイドバック・サウンドとしみじみとしたヴォーカルが味わい深いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=BeQAeaDc9is

「We Are The Children」
オススメその4。Liko Martin作。「Sun Lite, Moon Lite」と同じく、ゆっくりと時間が流れていく極上ハワイアン・メロウ。聴いていると、テレビもPCもスマホもない場所で自分だけの時間を過ごしたくなります。同じくハワイのグループOlomanaが『Come to Me Gently』(1980年)で取り上げています。

「Honky Tonk Wines」
Liko Martin作。カントリー調のロックン・ロール。正直、この手の曲は苦手ですがどこかハワイの香りがするので救われています。

「Rainy Day Song」
オススメその5。Roger Tsukamoto作。爽快モードのレイニー・ソング。聴いているだけで気分が大らかになってきます。細かいことは気にしない・・・そんな気分にさせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rvEONJoVeyA

「Country Palace」
Eugene Matsumura作。リラックスした雰囲気で和みます。

「Manha De Carnaval」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作のボサノヴァ名曲「カーニバルの朝」のインスト・カヴァー。少し前にDiana Pantonのカヴァーを紹介したのをはじめ当ブログでは10アーティストくらい本曲のカヴァーを紹介していますが、この手のグループがカヴァーするのは少し意外ですね。

Country Comfort『Country Comfort II』(1976年)
Country Comfort II

Billy Kaui『Billy Kaui』(1977年)
ビリー・カウイ

ついでにプロデューサーCyrus Faryar『Islands』(1973年)もチェックを!

Cyrus Faryar『Islands』(1973年)
アイランズ
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2012年08月09日

Tamy『Soul Mais Bossa』

クラブミュージックと融合した次世代ボサノヴァTamy『Soul Mais Bossa』
ソウル・マイ・ボッサ
発表年:2005年
ez的ジャンル:フェミニン系次世代ボサノヴァ
気分は... :明日深夜〜早朝は熱すぎる!

ロンドン五輪女子レスリングの初日は金メダル2個と最高のスタートとなりましたね。特に小原選手の金メダルにはもらい泣きしてしまいました。神様はかつての最強王者のことを見捨てていなかったんですね。いやぁ、感動しました。

フェンシングの男子団体銀メダルを除き、今回の五輪で僕の涙腺を緩ませるのは女子選手ばかりです。明日深夜から早朝にかけてもレスリング、サッカー、バレーと見逃せない種目が目白押しですね。時間帯がかぶりそうなので、ザッピングに大忙しとなりそうです。

今回はフェミニンな次世代ボサノヴァ/ブラジリアン・クラブミュージック作品、Tamy『Soul Mais Bossa』(2005年)です。

キュートな女性シンガー・ソングライターTamyの紹介は、2ndアルバム『Tamy』(2011年)に続き2回目となります。

2nd『Tamy』は年末恒例の『ezが選ぶ2011年の10枚』でセレクトした程のお気に入り作品でした。極端な話、『ezが選ぶ2011年の10枚』の中からベストの1枚を選べと言われても『Tamy』をセレクトしていたでしょう。

しかしながら、日本では全く話題にならないまま・・・国内盤がリリースされないのは勿論のこと、現時点でもAmazon.co.jpで輸入盤の取り扱いさえありません。なぜ、こんなに素晴らしい作品が見過ごされてしまうんですかね。1stは国内盤も発売されたのに不思議です・・・

『Tamy』は、ボサノヴァとエレクトロニカが融合したハイブリッド・サウンドとTamyのフェミニン・ヴォーカルが相俟った魅惑の次世代ボサノヴァ作品に仕上がっていました。

それと比較すると今日紹介する『Soul Mais Bossa』(2005年)は、よりクラブミュージック寄りのアルバムに仕上がっています。

Bebel GilbertoSabrina Malheiros、初期のClara Morenoあたりがお好きな人やUKクラブミュージックが好きな人であれば気に入る1枚だと思います。

国内盤はクラブ仕様のリミックス4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

プロデュースはFelipe Gamaが務めています。

全曲紹介しときやす。

「Soul Mais Bossa」
次世代ボッサなタイトル曲。自然体の中にもさまざまな音楽のエッセンスを吸収してきた新世代感があります。

「Modernidade」
Bebel Gilberto好きの人であれば絶対気に入るであろうドラムンベース調のボッサ・チューン。アコースティック・ボッサとドラムンベースのリズムの組み合わせが実に涼しげです。

「Sujeira」
エレクトロニカ色の強いダウンテンポ・チューン。スクラッチも織り交ぜ、新世代感がよく出た仕上がりです。

「Que Pena/Tanto Faz」
2003年に12"でリリースされ、Tamyの名がブラジル以外の国でも知られるきっかけとなった曲です。トラックメイカーMaga Boと一緒にレコーディングしたものであり、クラブ・テイストのクール&キュートなボッサ・チューンに仕上がっています。

「Gozar」
緩急をつけたブラジリアン・ハウス調の仕上がり。クラブミュージック好きの人であればグッとくるはず。

「Meu Bem」
Sabrina Malheirosあたりにも通じるクラブ経由のスタイリッシュなボッサ・チューンに仕上がっています。

「O Dom」
クラブ・テイストのキュートなブラジリアン・メロウ。バカンス・モードのクラブミュージックって感じがいいですね。

「Preto Meu」
Bossacucanovaあたりのドラムンベース調のブラジリアン・クラブミュージックの流れを汲む仕上り。

「Nao E Mole Nao」
Hip-Hop系コンピにも収録された次世代ボッサ+Hip-Hopといった趣の仕上がり。ここではTamyのラップも聴くことができます。

「Dudu」
次世代ならではのミクスチャー感とブラジル音楽らしいサウダージ感がうまく両立している1曲。

「Cidade Sol」
エレクトロニカ色を打ち出したミクスチャー・サウンドにヤラれます。

「Sossego」
2002年にリリースし、本国ブラジルのMTVで話題となった曲。2000年以降の次世代ブラジリアン・ミュージックらしいキャッチーさ&ミクスチャー感を持った仕上りです。

国内盤には「O Don (Remix)」「O Dom (DJ FAB Remix)」「Gozar (Rua Project Intro)」「Gozar (Aleryde Intruder Remix)」というリミックス4曲が追加収録されています。ハウス調あり、アンビエントありとクラブミュージック好きには嬉しいボーナス・トラックです。

『Tamy』(2011年)
Tamy
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