2012年08月08日

Quintetto X‎『Novo Esquema Da Bossa』

伊達男の国の小粋なクラブジャズ作品☆Quintetto X‎『Novo Esquema Da Bossa』‎
Novo Esquema Da Bossa
発表年:1995年
ez的ジャンル:イタリアン・クラブジャズ
気分は... :サムライはなでしこに及ばず!

ロンドン五輪男子サッカー準決勝「日本対メキシコ」は1対3でサムライブルーが敗れました。女子バレー準々決勝の感動的な勝利に酔いしれていたのに、一気に醒めてしまいました。

メキシコの方が日本よりも遥かに試合巧者でしたね。
特に逆転されてからはU-23代表の脆さが露呈してしまった感じですね。やはり勢いのみでの決勝進出は無理でした。なでしことは異なり実力通りの結果でしょう。

今回はクラブジャズ作品Quintetto X‎『Novo Esquema Da Bossa』‎(1995年)です。

Quintetto X‎はイタリアのクラブジャズ・バンド。

メンバーはAnton Giulio Galeandro(fl)、Francesco De Giosa(g)、Piero Vincenti(p、el-p)、Marcello Piarulli(b)、Fabio Accardi(ds)の5人組。

グループ唯一のアルバムが今日紹介する‎『Novo Esquema Da Bossa』‎です。

アルバムにはクラブジャズ界のマエストロNicola Conteも"Artistic Production by Nicola Conte"というかたちでクレジットされ、彼の秘蔵っ子で当ブログでもお馴染みの女性シンガーRosalia De Souzaもゲスト参加しています。

ただし、今日紹介するのは1995年にリリースされたオリジナルではなく、2005年にジャケを一新して収録曲も数曲差し換えられ、クラブジャズの人気レーベルSchemaからリリースされた復刻盤です。

「Diplomacia」「Balanca Pema」「Suono Nuovo」「Mentira」の4曲がオリジナル盤未収録曲です。その分、オリジナル収録曲が数曲未収録になっています。「Diplomacia」以外の3曲は1994年に12"シングルでリリースされていたものです。

Schema系のブラジリアン・フレイヴァーなクラブジャズがお好きな人ならば間違いない作品です。

伊達男の国の小粋なクラブジャズを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Diplomacia」
Batatinha & J. Luna作。Schema系クラブジャズがお好きな人であれば、間違いなく気に入るであろうスタイリッシュな演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=uvFxG5ehxrc

「Esquema Da Bossa」
Piero Vincenti作。タイトル曲も伊達男の国のクラブジャズらしい格好良さに充ちたボッサ・ジャズに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=pxuJoPt5Afg

「Senza Paura」
Ornella Vanoni/Toquinho作。ブラジル音楽好きであれば、Ornella Vanoni/Vinicius De Moraes/Toquinho‎『La Voglia La Pazzia L'Incoscienza L'Allegria』(1976年)のオープニング曲としてお馴染みですね。本カヴァーではRosalia De Souzaをフィーチャー。まるでラップのように捲し立てるヴォーカルが印象的です。

「Luce Del Sud」
Francesco De Giosa作。Rosalia De Souzaをフィーチャー。ブラジリアン・クラブジャズ好きであれば、間違いない格好良さの1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=9QSBCKna81U

「C'e Piu Samba」
Chico Buarque作。大人の哀愁メロウ・ボッサ。一人黄昏ながら聴きたい気分の1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=tun6q3xWWLo

「Ocean Of Life」
Piero Vincenti作。この曲はジャズファンク調のライトな仕上がり。涼しげなブリーズ感がいい感じ。

「Ceu Azul」
Piero Vincenti作。小気味良いボッサ・ジャズ。軽く一杯ひっかけながら聴きたい気分です。

「Eumir」
Piero Vincenti作。タイトルからしてEumir Deodatoを意識したものでしょうか。そのせいか曲調・サウンド共にDeodatoの人気曲「Arranha Ceu (Skyscrapers) 」のテイストを感じます。

「The Jody Grind」
Horace Silver作の名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『The Jody Grind』(1966年)に収録されています。オリジナルのファンキーなジャズ・ロック感を受け継ぎつつ、イタリアの伊達男フレイヴァーを加えた小粋なカヴァーに仕上がっています。

「Freio Aerodinamico」
Marcos Valleのカヴァー1曲目。「空気力学的ブレーキ」という邦題が付けられたオリジナルは当ブログでも紹介した『Marcos Valle(1970)』に収録されています。Os 3 Moraisのヴァージョンもお馴染みですね。躍動感とスキャットが似合う本曲はクラブジャズ・カヴァーがいかにも似合いそうですよね。その期待を裏切らず、Rosalia De Souzaのスキャットをフィーチャーしたお洒落なクラブジャズ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xEEW67_KZ5Y

「Brasilero」
Claudio Bertolucci作。Rosalia De SouzaのヴォーカルとAnton Giulio Galeandroのフルートを大きくフィーチャー。Rosalia De Souza好きの人であれば、本曲が一番グッとくるのではないかと思います。

「Balanca Pema」
Jorge Benの名曲カヴァー。これまで当ブログではMarisa MonteRonald Mesquitaのカヴァーも紹介済みです。インスト・カヴァーのせいかサラッとした感じで聴こえますが、Anton Giulio Galeandroのフルートをはじめ涼しげでいいのでは?

「Suono Nuovo」
Francesco De Giosa作。クラブジャズらしい疾走感を満喫できるブラジリアン・ジャズに仕上がっています。

「Mentira」
Marcos Valleのカヴァー2曲目。クラブ系リスナーにも人気のオリジナルは当ブログでも紹介した『Previsao Do Tempo』(1973年)に収録されています。オリジナルのファンキー&メロウな雰囲気をクラブジャズ・フレイヴァーのインスト・チューンで聴かせてくれます。

先にも述べましたが女子バレーの準々決勝「日本対中国」は感動的な試合でしたね。
思わずもらい泣きしてしまいました。
マッチポイントを握られながらも凌いで逆転勝利したのは凄い!としか言えませんね。

女子バレー、サッカーなでしこ、卓球女子団体・・・選手たちの直向きさと努力の積み重ねが観ている者を感動させるのでしょうね。
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2012年08月07日

Jorge Santana『It's All About Love』

Allen Toussaintをプロデューサーに迎えた2ndソロ☆Jorge Santana『It's All About Love』
イッツ・オール・アバウト・ラヴ
発表年:1978年
ez的ジャンル:アーバン・ラテン
気分は... :いよいよなでしこ準決勝!

ロンドン五輪女子サッカー準決勝「日本対フランス」の直前です。
昨晩はフェンシング男子団体と卓球女子団体に涙しましたが、今晩はなでしこで歓喜の涙を流したいですね!

今回はJorge Santana『It's All About Love』(1979年)です。

Carlos Santanaの弟であり、Maloのリーダーとしてもお馴染みのJorge Santanaの紹介は、1stソロ『Jorge Santana』(1978年)に続き2回目となります。

Jorge Santanaといえば、最近ミニ・アルバム『Gracias Madrecita』がリリースされましたね。CDショップで試聴しましたが、母親に捧げた私的録音を無理矢理CD化し、名盤のように祭り上げる発売元の商魂見え見えな感じに嫌気がさし、スルーしてしまいました。

Allen Toussaintをプロデューサーに迎えた本作『It's All About Love』(1979年)は、『Jorge Santana』(1978年)に続く2ndアルバムです。

レコーディング・メンバーは、Jorge Santana(g)、Kincaid Miller(key、vo)、John Thompson(b、vo)、Roger Reid(ds、vo)、Yogi Newman(per)、Jay McKinnon(vo)という編成です。Kincaid Millerは元Sapoですね。

軽〜く、ナンパなメロウ・グルーヴ&ディスコ・サウンドで全編を貫いた『Jorge Santana』(1978年)がチャラ男モードのアルバムであったのに対して、本作『It's All About Love』はシブめのアーバン・ラテン作品に仕上がっています。

また、今日紹介するのオリジナル7曲に未発表の3曲を加えたものであり、ジャケや曲順も異なっています。ちなみにオリジナルのジャケはスリーマイル島原子力発電所をコラージュしたものです。

『Jorge Santana』と比較すると地味な作品ですが、Jorge Santanaらしいラテンのハートを満喫できます。

全曲紹介しときやす。

「Tio George/Christo Rey」
追加収録曲その1。兄Carlos Santanaと共に敬愛するブラジル人ギタリストBola Sete作品をインスト・カヴァー。爽快アフロ・ブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。Jorgeのアイランド・モードのギター・プレイを存分に楽しめます。

「Dancing Lady」
追加収録曲その2。Jorge Santana作。ボッサ・フレイヴァーも織り交ぜた美しいインスト・チューン。バカンス気分に浸るにはピッタリの演奏です。

「Love Me Tonight」
Jorge Santana作。John Thompsonがリード・ヴォーカルをとるサンセット・モードのミディアム・スロウ。ラテン・フレイヴァーのアーバンAORといった趣でしょうか。

「Three Mile Island」
Kincaid Miller/Yogi Newman作。本作がリリースされた1979年に起きたスリーマイル島原子力発電所の事故に対する警告を歌った社会メッセージ・ソング。Jorgeのギターが泣いています。福島原発事故を経験した我々日本人は複雑な思いにさせられてしまいます。

「Ain't No」
Allen Toussaint作。Allen Toussaint作品らしいゴツゴツしたファンキー・チューンに仕上がっています。リード・ヴォーカルはRoger Reid。Jorgeのブルージーなギターにも注目です。

「Feeling Good」
Allen Toussaint作。重心の低いグルーヴにグッとくるディスコ・モードのファンキー・チューンに仕上がっています。『Jorge Santana』の流れを汲むチャラ男モードの本曲をアルバムのキラー・チューンに挙げる方も多いのでは?

「New York, New York」
Jorge Santana/Yogi Newman作。この曲も「Feeling Good」同様にラテン・ディスコ・チューンに仕上がっています。

「My Inspiration」
Jorge Santana作。哀愁モードのラテン・メロウ・ダンサー。Jorgeのギターが咽び泣きます。Yogi Newmanのティンバレスもグッド!

「It's All About Love」
Allen Toussaint作。メロウ・ソウルな仕上がりはソウル・ファンもグッとくるのでは?

「Anthony's Juice blues」
追加収録曲その3。Jorge Santana/Anthony Santana作。Jorgeの息子Anthonyへの思いをサウンド化したもの。

Jorge Santana関連の過去記事もご参照下さい。

『Jorge Santana』(1978年)
ホルヘ・サンタナ

Malo『Malo』(1972年)
Malo
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2012年08月05日

Joss Stone『The Soul Sessions Vol 2』

遂に出た!UKが誇る白人ソウル・ディーヴァによるソウル・カヴァー集第2弾☆Joss Stone『The Soul Sessions Vol 2』
Vol. 2-the Soul Sessions: Deluxe Edition
発表年:2012年
ez的ジャンル:UKソウル・ディーヴァ
気分は... :サッカーやったぜ!

ロンドン五輪サッカーは男女共にベスト4進出という偉業を成し遂げましたね。

男女ともに準決勝を聖地ウェンブリーで戦えるというのは感動的ですね。

なでしこはフランスとの対戦になりますが、正直実力はフランスの方が上だと思います。その意味ではブラジル戦のように割り切って堅守速攻パターンでもいいような気がします。

男子はメキシコとの対戦ですね。正直、セネガルが勝ち上がってくると嫌だなと思っていたので、ホッとしています。永井が復帰できるかが心配ですが、結構勝算あるのではないかと思います。

いずれにしてもここまできたらアベックで決勝まで進出して欲しいですね!

今日はUKが誇る白人ソウル・ディーヴァJoss Stone待望の最新作『The Soul Sessions Vol 2』です。

これまで当ブログで紹介したJoss Stone作品は以下の3枚。

 『The Soul Sessions』(2003年)
 『Introducing Joss Stone』(2007年)
 『Colour Me Free』(2009年)

新作『The Soul Sessions Vol 2』はタイトルの通り、デビュー作となったソウル・カヴァー集『The Soul Sessions』(2003年)の続編アルバムとなります。

皆さんご存知の通り、当時16歳であったイギリスの白人高校生によるソウル・カヴァー集『The Soul Sessions』は多くの人を驚愕させた衝撃のアルバムでした。

その後のJoss StoneはUKを代表する白人ソウル・ディーヴァの地位を確立し、『Mind, Body & Soul』(2004年)、『Introducing Joss Stone』(2007年)、『Colour Me Free』(2009年)、『LP1』(2011年)とアルバムをリリースしてきました。

『The Soul Sessions』の圧倒的な迫力と表現力豊かなヴォーカルに、とてもイギリスの白人高校生だとは信じられなかった人も多かったのではないかと思います。僕もそんな一人であり、一発で彼女のファンになってしまいました。

ただし、『The Soul Sessions』のインパクト、充実度と比較すると、その後の作品にどこか物足りなさを感じていたのも事実です。彼女の圧倒的なヴォーカルに楽曲・サウンドが追いついてこないといった印象ですかね。特に前作『LP1』には彼女の迷いのようなものを感じ、初めて彼女の新作購入をスルーしてしまいました。

このままじゃJoss Stoneはマズいなぁ・・・

そんな不安を抱いていたところに届いたのが、『The Soul Sessions』の第2弾『The Soul Sessions Vol 2』です。

第1弾同様、Steve Greenbergのthe S-Curve Recordsからリリースされ、いろいろな面で原点回帰したアルバムになっています。レコーディングにはBetty WrightErnie Isley、Clayton Ivey、 Latimore等が参加しています。特にErnie Isleyのギターが大きく貢献しています。

基本的には第1弾と同じスタイルのソウル・カヴァー集に仕上がっています。
ここにはJoss Stoneの圧倒的なヴォーカルに相応しい楽曲と演奏に充ち溢れています。Joss自身のヴォーカルも水を得た魚のように絶好調です。

目新しさは全くありませんが、そのことを気にさせない圧倒的な力でねじ伏せてしまう魅力を持った素晴らしいソウル・カヴァー作品です。

11曲入りの通常盤と4曲追加した15曲入りのDeluxe Editionがありますが、僕は迷わずDeluxe Editionを購入しました。

全曲紹介しときやす。 ※Deluxe Edition

「I Got The...」
Labi Siffre作。Eminem「My Name Is」のサンプリング・ソースやフリーソウル人気曲としてもお馴染みですね。Labi Siffreのオリジナルは当ブログでも紹介した『Remember My Song』に収録されています。オリジナルの印象的なフレーズをErnie Isleyが奏でます。そこへパンチの効いたJossのソウルフル・ヴォーカルが加わり、オリジナル以上に重量感のあるパワフルな仕上がりになっています。個人的にはかなりお気に入りです。

「(For God's Sake) Give More Power to the People」
Eugene Record作。The Chi-Lites、1971年のヒット曲カヴァー。オリジナルは『(For God's Sake) Give More Power to the People』(1971年)に収録されています。Jossの本領発揮!ど迫力のダイナマイト・カヴァーに仕上がっています。こんなに生き生きしたJossのヴォーカルを聴けるのは、The Soul Sessionsシリーズならではなのかもしれませんね。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=WKpCM5mRBiY

「While You're Out Looking for Sugar」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne作。Honey Cone、1969年のシングルをカヴァー。アルバムからの1stシングルにもなっています。基本的にはオリジナルの雰囲気を引き継いだ軽快かつポップなソウル・チューンです。Jossの躍動するヴォーカルとオルガンの音色がよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=VO4vDhCWAxc

「Sideways Shuffle」
Tim Renwick作。Linda Lewisのカヴァー。オリジナルは『Heart Strings』(1974年)に収録されています。オリジナルのトライバル・テイストを受け継いでいますが、ヴォーカルはどう転んでもLinda Lewis風にはならないので(笑)Jossらしいカヴァーに仕上がっているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=L95NoJmtV-k

「I Don't Wanna Be with Nobody But You」
Eddie Floyd作。オリジナルは『Soul Street』(1974年)に収録されています。ただし、Jossが意識しているのは1976年のDorothy Mooreヴァージョン(アルバム『Misty Blue』収録)ではないかと思われます。一言ずつ噛みしめるように丁寧に歌い上げます。このあたりのJossはさすがですね。‎
http://www.youtube.com/watch?v=6hjohValgVw

「Teardrops」
Cecil Womack/Linda Womack作。Womack & Womackのカヴァー。オリジナルは『Conscience』(1988年)に収録されています。正直、このカヴァーはオリジナルを超えているのでは?オリジナルはバックのサウンドがイマイチでしたからね。
http://www.youtube.com/watch?v=SoCjtSyikV0

「Stoned Out of My Mind」
Barbara Acklin/Eugene Record作。The Chi-Litesのカヴァー2曲目。こちらは1973年のヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Chi-Lites』に収録されています。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。印象的なErnie Isleyのギターも含めて、Jossのらしいスケールの大きなソウル・カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=sYjRvd8xGzw

「The Love We Had (Stays on My Mind)」
Terry Callier/Larry Wade作。The Dellsのヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Freedom Means』(1971年)に収録されています。「Stoned Out of My Mind」と並ぶお気に入り。実に感動的なソウル・バラードに仕上がっています。The Dells好きの方には申し訳ありませんが、オリジナルより断然好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=_T1zzqf40U4

「The High Road」
James Mercer/Brian Burton作。USインディー・ロック・バンドBroken Bellsのカヴァー。オリジナルはアルバム『Broken Bells』(2010年)に収録されています。『The Soul Sessions』ではThe White Stripesをカヴァーしていましたが、それと同じパターンのサプライズ・カヴァーですね。こういった曲を迫力のソウルフル・チューンに仕上げてしまうのもJossの技量ですね。Betty Wrightがバック・コーラスを務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=LsAePCGY5F4

「Pillow Talk」
Sylvia Robinson/Michael Burton作。昨年惜しくも亡くなったSylvia(Sylvia Robinson)の1973年の大ヒットをカヴァー。オリジナルはアルバム『Pillow Talk』に収録されています。先のLinda Lewisのカヴァーも含めて、自身のヴォーカル・スタイルとかなりギャップのあるシンガーの曲を取り上げるあたりが面白いですね。艶やかな「Pillow Talk」を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=KEHiJKo1WiU

「Then You Can Tell Me Goodbye」
John D. Loudermilk作。オリジナルは1962年のDon Cherry。The Casinos、Eddy Arnold、Neal McCoy等多くのアーティストにカヴァーされていますが、アコースティックR&Bという点で1969年のBettye Swann‎あたりを意識しているのかもしれません。感動的なアコースティック・ソウルでアルバム本編を締め括ってくれます。この曲もBetty Wrightがバック・コーラスを務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=4MghRnBnT-k

ここまでが通常盤の11曲です。
Deluxe Editionにはさらに以下の4曲が追加収録されています。
個人的には断然Deluxe Editionがオススメです。

「First Taste of Hurt」
Willie Tee作。オリジナルはWillie Teeのシングル「Funky, Funky Twist」(1972年)のB面曲です。ヴォーカル&演奏全体の躍動感がサイコーです。この1曲だけでもDeluxe Editionを購入する価値があるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=3j0qPEyhlDc

「One Love in My Lifetime」
Lawrence Brown/Leonard Perry/Terri McFaddin作。Diana Rossの1976年のシングルをカヴァー(アルバム『Diana Ross』収録)。オリジナル同様に格好良いドラム・ブレイクと共にスタートしています。オリジナルの雰囲気を受け継いでいますが、変幻自在のヴォーカルで貫録のカヴァーを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=P5TBVzYX8Dg

「Nothing Takes the Place of You」
Toussaint McCall作。Toussaint McCall、1967年のヒットをカヴァー。ゴスペル調の感動的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=JAW4CdUWzS8

「(1-2-3-4-5-6-7) Count the Days」
B O'Dell/Yvonne Williams作。Inez & Charlie Foxxの1967年のシングルをカヴァー。スケールの大きなソウル・チューンで楽しませてくれます。Latimoreがゲスト参加。
http://www.youtube.com/watch?v=5gXmL_3WYak

Joss Stoneの過去記事もご参照下さい。

『The Soul Sessions』(2003年)
Soul Sessions

『Introducing Joss Stone』(2007年)
Introducing Joss Stone

『Colour Me Free』(2009年)
Colour Me Free: Parental Advisory
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2012年08月04日

Gal Costa『Fantasia』

晴れやかなGalの笑顔が象徴する代表作☆Gal Costa『Fantasia』
Fantasia
発表年:1981年
ez的ジャンル:MPBの歌姫
気分は... :いよいよ運命の日本対ブラジル戦・・・

間もなくロンドン五輪、女子サッカー準々決勝「日本対ブラジル」戦です。なでしこ金メダルへの第1関門ですね。勝ち進めば、準決勝はフランス、決勝は(おそらく)米国との対戦が待っています。

今日のブラジル戦こそが、なでしこの成長ぶりを確認できる1戦になりますね。個人的にはDFラインの両サイドバックの守備が少し心配です。特に左サイドの鮫島選手の頑張りに期待します。まずはしっかり守備からね!

今日はブラジル戦に因んでブラジル人アーティストでも紹介したいと思います。

MPBの歌姫Gal Costa『Fantasia』(1981年)です。

これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の5枚。

 『Gal Costa』(1969年)
 『Cantar』(1974年)
 『Gal Canta Caymmi』(1976年)
 『Minha Voz』(1982年)
 『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)

今日紹介する『Fantasia』(1981年)は、ジャケのGalの晴れやかな表情のような開放的で明るいアルバムに仕上がっています。特に陽気なシングル曲「Festa Do Interior」はGalのキャリアを代表するヒット曲となりました。

Caetano Veloso作品が4曲、Djavan作品が2曲取り上げられています。

個人的には、メロウな味わいの「Canta Brasil」「Meu Bem, Meu Mal」「Roda Baiana」 や美しいバラード「Faltando Um Pedaco」あたりがオススメです。

80年代のGal Costaを代表するアルバムだと思います。
晴れやかなGalの笑顔にグッときた人はぜひチェックしてください。

全曲紹介しときやす。

「Canta Brasil」
David Nasser作。往年のサンバ名曲をトロピカル&メロウにカヴァー。Galらしい華のある雰囲気がサイコーです!
http://www.youtube.com/watch?v=bOn59CObFnw

「Meu Bem, Meu Mal」
Caetano Veloso作。Caetano自身のヴァージョンは当ブログでも紹介した『Cores, Nomes』(1982年)に収録されています。サマー・モードにピッタリのメロウ・チューンに仕上がっています。Galの甘美ヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=XTfKx928Igw

「Roda Baiana」
Vitor Martins/Ivan Lins作。Ivan Linsらしいメロウネスの効いた楽曲を、Galの晴れやかなヴォーカルで見事に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=zS_Fz2eIVwQ

「Faltando Um Pedaco」
Djavan作。Djavanのオリジナルは『Seduzir』(1981年)に収録されています。サンセット・モードにピッタリな美しいバラード。一人物思いに耽けたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=ZJ6T5Du8-Vc

「O Amor」
Caetano Veloso作。この時期のGalらしいシンセ・サウンドをバックに丁寧に歌い上げられるスケール感のあるバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=rg4xHVZGQYc

「Festa Do Interior」
Abel Silva/Moraes Moreira作。Galのキャリアを代表するヒット曲。こんな曲を聴いたらお祭り気分で陽気に盛り上がるしかないでしょ!
http://www.youtube.com/watch?v=3u8twHoYqtE

「Acai」
Djavan作。Djavan自身のヴァージョンは『Luz』(1982年)に収録されています。AOR好きの人あたりも気に入りそうなミディアム・スロウです。『Minha Voz』(1982年)にも参加していたブラジルのロック・バンドRoupa Novaがバックを務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=ojrlQXirpFw

「Tapete Magico」
Caetano Veloso作。哀愁モードのバラード。アコーディオンの音色がアクセントになっています。

「Massa Real」
Caetano Veloso作。高速サンバで一気に駆け抜けます。

「Estrela, Estrela」
Vitor Ramil作。Zeluizもコーラスに加わった。美しいア・カペラでアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=IZ9uSQaRkDU

Gal Costaの過去記事もご参照下さい。

『Gal Costa』(1969年)
Gal Costa

『Cantar』(1974年)
カンタール

『Gal Canta Caymmi』(1976年)
Gal Canta Caymmi

『Minha Voz』(1982年)
Minha Voz

『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
Lua De Mel Como O Diabo Gosta
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2012年08月02日

Airto Fogo『Airto Fogo』

レア・グルーヴ好き待望の1枚が人気の2曲を追加して世界初CD化☆Airto Fogo『Airto Fogo』
airto fogo.jpg
発表年:1976年
ez的ジャンル:骨太ジャズ・ファンク
気分は... :ようやくスッキリ!

ロンドン五輪は体操男子個人で内村選手の金メダルを獲得し、ようやくスッキリした気分になりましたね。

カナダ人ドラマーAirto FogoことSylvain Kriefが1976年にフランスで録音したアルバム『Airto Fogo』です。

レア・グルーヴ好きには注目の1枚でしたが、今回めでたく世界初CD化が実現しました。しかも、オリジナル9曲に1974年リリースのシングル「Jungle Bird/Black Soul」の2曲が追加収録されるという嬉しいオマケ付です。「Jungle Bird/Black Soul」もレア・グルーヴ・ファンならば涎もののシングルですよね。

レコーディング・メンバーはAirto Fogo(ds)、Gilles Papiri(b)、Michel Coeuriot(p、key、syn)、Jean Shulteis(per)、Kako Bessot(tp)、Jean Pierre(sax)、Christian Guizien(tb)という編成です。

正直、Sylvain Krief(Airto Fogo)の詳しいバイオグラフィ、ディスコグラフィは知りません。しかし、現在も現役プレイヤーとして活躍している模様です。

全体としては、骨太ジャズ・ファンク・チューンがズラリと並びます。あまりメリハリのない構成ですが、逆にこの骨太ジャズ・ファンク・ワールドにドープに浸ることができます。

個人的には「Jungle Bird」「Black Soul」の追加収録2曲に歓喜しています。もちろん、本編も魅力的ですよ!

ブリブリしたジャズ・ファンク好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Jungle Bird」
追加収録のシングル曲。ある意味、本作のハイライトかもしれません。冒頭のAirto Fogoのブレイクにまずはグッとくるミディアム・ファンク・チューン。グイグイと畳み掛けるかのような骨太グルーヴにヤラれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ngFdUmdFDQA

「Right On Bird」
厚みのあるホーン隊がグイグイを引っ張るシンセ・ファンク・チューン。それを支えるAirto Fogoのドラミングもノッテいます。
http://www.youtube.com/watch?v=bn2K-nI8e50

「High Stakers」
地を這うようなへヴィなグルーヴ感にグッとくるジャズ・ファンク・チューン。シンセとホーン隊の絡みもサイコーです。オリジナル9曲の中ではこの曲が一番インパクトがあるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=OcZnxoSMSEM

「Tuesday In Jackson」
重厚ながらもグルーヴィーに疾走します。中盤のシンセ・ソロも唸りもグッド!アメリカの刑事ドラマあたりサントラあたりにピッタリですね。
http://www.youtube.com/watch?v=YuJaXuYbUGo

「Satine Dog」
ややテンポを落とした演奏。テンポを落としてもファンキー度は全く落ちません。

「On Tip Toe」
ラテン調のピアノでスタートし、中盤にもパーカッション・ソロが入る少しラテン・フレイヴァーの入った演奏です。こういうのは僕好み!

「1973 Carmen Avenue」
本曲も軽くラテン・リズムの入っています。軽快なホーン隊も含めてノリの良いファンキー・グルーヴに思わず体を揺らしてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=dFX5VzQGqRg

「Shadowy」
スケールの大きなホーン・アンサンブルにさまざまなアクセントが加わってくる小粋な演奏を楽しめます。

「So Be It」
うねるグルーヴのリズム隊と豪快なホーン隊の組み合わせがグッド!中盤以降のラテン・フレイヴァーなスパイスも僕好み!

「Just Over」
へヴィ・グルーヴにグッときます。オリジナル9曲の中では「High Stakers」と並び好きな演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=9x8gwlP-Sa4

「Black Soul」
ラストは追加収録曲。シングル「Jungle Bird」のB面曲でしたが、今日では本曲も人気の1曲です。圧倒的なグルーヴ感で突進し続けるファンキー・チューン。本当に涙モノのボーナス・トラックです。
http://www.youtube.com/watch?v=s56QbVTfjzQ

五輪の男子サッカーは何とかグループ1位で通過し、準々決勝でのブラジルとの対戦を避けることができました。しかしながら、準々決勝の相手はエジプト。五輪前のトゥーロン国際で敗北を喫した相手だけに侮れませんね。それこそU-23代表の真価が問われる一戦になりそうですね。楽しみです。
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