発表年:2012年
ez的ジャンル:UKソウル・ディーヴァ
気分は... :サッカーやったぜ!
ロンドン五輪サッカーは男女共にベスト4進出という偉業を成し遂げましたね。
男女ともに準決勝を聖地ウェンブリーで戦えるというのは感動的ですね。
なでしこはフランスとの対戦になりますが、正直実力はフランスの方が上だと思います。その意味ではブラジル戦のように割り切って堅守速攻パターンでもいいような気がします。
男子はメキシコとの対戦ですね。正直、セネガルが勝ち上がってくると嫌だなと思っていたので、ホッとしています。永井が復帰できるかが心配ですが、結構勝算あるのではないかと思います。
いずれにしてもここまできたらアベックで決勝まで進出して欲しいですね!
今日はUKが誇る白人ソウル・ディーヴァJoss Stone待望の最新作『The Soul Sessions Vol 2』です。
これまで当ブログで紹介したJoss Stone作品は以下の3枚。
『The Soul Sessions』(2003年)
『Introducing Joss Stone』(2007年)
『Colour Me Free』(2009年)
新作『The Soul Sessions Vol 2』はタイトルの通り、デビュー作となったソウル・カヴァー集『The Soul Sessions』(2003年)の続編アルバムとなります。
皆さんご存知の通り、当時16歳であったイギリスの白人高校生によるソウル・カヴァー集『The Soul Sessions』は多くの人を驚愕させた衝撃のアルバムでした。
その後のJoss StoneはUKを代表する白人ソウル・ディーヴァの地位を確立し、『Mind, Body & Soul』(2004年)、『Introducing Joss Stone』(2007年)、『Colour Me Free』(2009年)、『LP1』(2011年)とアルバムをリリースしてきました。
『The Soul Sessions』の圧倒的な迫力と表現力豊かなヴォーカルに、とてもイギリスの白人高校生だとは信じられなかった人も多かったのではないかと思います。僕もそんな一人であり、一発で彼女のファンになってしまいました。
ただし、『The Soul Sessions』のインパクト、充実度と比較すると、その後の作品にどこか物足りなさを感じていたのも事実です。彼女の圧倒的なヴォーカルに楽曲・サウンドが追いついてこないといった印象ですかね。特に前作『LP1』には彼女の迷いのようなものを感じ、初めて彼女の新作購入をスルーしてしまいました。
このままじゃJoss Stoneはマズいなぁ・・・
そんな不安を抱いていたところに届いたのが、『The Soul Sessions』の第2弾『The Soul Sessions Vol 2』です。
第1弾同様、Steve Greenbergのthe S-Curve Recordsからリリースされ、いろいろな面で原点回帰したアルバムになっています。レコーディングにはBetty Wright、Ernie Isley、Clayton Ivey、 Latimore等が参加しています。特にErnie Isleyのギターが大きく貢献しています。
基本的には第1弾と同じスタイルのソウル・カヴァー集に仕上がっています。
ここにはJoss Stoneの圧倒的なヴォーカルに相応しい楽曲と演奏に充ち溢れています。Joss自身のヴォーカルも水を得た魚のように絶好調です。
目新しさは全くありませんが、そのことを気にさせない圧倒的な力でねじ伏せてしまう魅力を持った素晴らしいソウル・カヴァー作品です。
11曲入りの通常盤と4曲追加した15曲入りのDeluxe Editionがありますが、僕は迷わずDeluxe Editionを購入しました。
全曲紹介しときやす。 ※Deluxe Edition
「I Got The...」
Labi Siffre作。Eminem「My Name Is」のサンプリング・ソースやフリーソウル人気曲としてもお馴染みですね。Labi Siffreのオリジナルは当ブログでも紹介した『Remember My Song』に収録されています。オリジナルの印象的なフレーズをErnie Isleyが奏でます。そこへパンチの効いたJossのソウルフル・ヴォーカルが加わり、オリジナル以上に重量感のあるパワフルな仕上がりになっています。個人的にはかなりお気に入りです。
「(For God's Sake) Give More Power to the People」
Eugene Record作。The Chi-Lites、1971年のヒット曲カヴァー。オリジナルは『(For God's Sake) Give More Power to the People』(1971年)に収録されています。Jossの本領発揮!ど迫力のダイナマイト・カヴァーに仕上がっています。こんなに生き生きしたJossのヴォーカルを聴けるのは、The Soul Sessionsシリーズならではなのかもしれませんね。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=WKpCM5mRBiY
「While You're Out Looking for Sugar」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne作。Honey Cone、1969年のシングルをカヴァー。アルバムからの1stシングルにもなっています。基本的にはオリジナルの雰囲気を引き継いだ軽快かつポップなソウル・チューンです。Jossの躍動するヴォーカルとオルガンの音色がよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=VO4vDhCWAxc
「Sideways Shuffle」
Tim Renwick作。Linda Lewisのカヴァー。オリジナルは『Heart Strings』(1974年)に収録されています。オリジナルのトライバル・テイストを受け継いでいますが、ヴォーカルはどう転んでもLinda Lewis風にはならないので(笑)Jossらしいカヴァーに仕上がっているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=L95NoJmtV-k
「I Don't Wanna Be with Nobody But You」
Eddie Floyd作。オリジナルは『Soul Street』(1974年)に収録されています。ただし、Jossが意識しているのは1976年のDorothy Mooreヴァージョン(アルバム『Misty Blue』収録)ではないかと思われます。一言ずつ噛みしめるように丁寧に歌い上げます。このあたりのJossはさすがですね。
http://www.youtube.com/watch?v=6hjohValgVw
「Teardrops」
Cecil Womack/Linda Womack作。Womack & Womackのカヴァー。オリジナルは『Conscience』(1988年)に収録されています。正直、このカヴァーはオリジナルを超えているのでは?オリジナルはバックのサウンドがイマイチでしたからね。
http://www.youtube.com/watch?v=SoCjtSyikV0
「Stoned Out of My Mind」
Barbara Acklin/Eugene Record作。The Chi-Litesのカヴァー2曲目。こちらは1973年のヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Chi-Lites』に収録されています。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。印象的なErnie Isleyのギターも含めて、Jossのらしいスケールの大きなソウル・カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=sYjRvd8xGzw
「The Love We Had (Stays on My Mind)」
Terry Callier/Larry Wade作。The Dellsのヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Freedom Means』(1971年)に収録されています。「Stoned Out of My Mind」と並ぶお気に入り。実に感動的なソウル・バラードに仕上がっています。The Dells好きの方には申し訳ありませんが、オリジナルより断然好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=_T1zzqf40U4
「The High Road」
James Mercer/Brian Burton作。USインディー・ロック・バンドBroken Bellsのカヴァー。オリジナルはアルバム『Broken Bells』(2010年)に収録されています。『The Soul Sessions』ではThe White Stripesをカヴァーしていましたが、それと同じパターンのサプライズ・カヴァーですね。こういった曲を迫力のソウルフル・チューンに仕上げてしまうのもJossの技量ですね。Betty Wrightがバック・コーラスを務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=LsAePCGY5F4
「Pillow Talk」
Sylvia Robinson/Michael Burton作。昨年惜しくも亡くなったSylvia(Sylvia Robinson)の1973年の大ヒットをカヴァー。オリジナルはアルバム『Pillow Talk』に収録されています。先のLinda Lewisのカヴァーも含めて、自身のヴォーカル・スタイルとかなりギャップのあるシンガーの曲を取り上げるあたりが面白いですね。艶やかな「Pillow Talk」を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=KEHiJKo1WiU
「Then You Can Tell Me Goodbye」
John D. Loudermilk作。オリジナルは1962年のDon Cherry。The Casinos、Eddy Arnold、Neal McCoy等多くのアーティストにカヴァーされていますが、アコースティックR&Bという点で1969年のBettye Swannあたりを意識しているのかもしれません。感動的なアコースティック・ソウルでアルバム本編を締め括ってくれます。この曲もBetty Wrightがバック・コーラスを務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=4MghRnBnT-k
ここまでが通常盤の11曲です。
Deluxe Editionにはさらに以下の4曲が追加収録されています。
個人的には断然Deluxe Editionがオススメです。
「First Taste of Hurt」
Willie Tee作。オリジナルはWillie Teeのシングル「Funky, Funky Twist」(1972年)のB面曲です。ヴォーカル&演奏全体の躍動感がサイコーです。この1曲だけでもDeluxe Editionを購入する価値があるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=3j0qPEyhlDc
「One Love in My Lifetime」
Lawrence Brown/Leonard Perry/Terri McFaddin作。Diana Rossの1976年のシングルをカヴァー(アルバム『Diana Ross』収録)。オリジナル同様に格好良いドラム・ブレイクと共にスタートしています。オリジナルの雰囲気を受け継いでいますが、変幻自在のヴォーカルで貫録のカヴァーを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=P5TBVzYX8Dg
「Nothing Takes the Place of You」
Toussaint McCall作。Toussaint McCall、1967年のヒットをカヴァー。ゴスペル調の感動的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=JAW4CdUWzS8
「(1-2-3-4-5-6-7) Count the Days」
B O'Dell/Yvonne Williams作。Inez & Charlie Foxxの1967年のシングルをカヴァー。スケールの大きなソウル・チューンで楽しませてくれます。Latimoreがゲスト参加。
http://www.youtube.com/watch?v=5gXmL_3WYak
Joss Stoneの過去記事もご参照下さい。
『The Soul Sessions』(2003年)
『Introducing Joss Stone』(2007年)
『Colour Me Free』(2009年)