発表年:1978年
ez的ジャンル:アーバン・ラテン
気分は... :いよいよなでしこ準決勝!
ロンドン五輪女子サッカー準決勝「日本対フランス」の直前です。
昨晩はフェンシング男子団体と卓球女子団体に涙しましたが、今晩はなでしこで歓喜の涙を流したいですね!
今回はJorge Santana『It's All About Love』(1979年)です。
Carlos Santanaの弟であり、Maloのリーダーとしてもお馴染みのJorge Santanaの紹介は、1stソロ『Jorge Santana』(1978年)に続き2回目となります。
Jorge Santanaといえば、最近ミニ・アルバム『Gracias Madrecita』がリリースされましたね。CDショップで試聴しましたが、母親に捧げた私的録音を無理矢理CD化し、名盤のように祭り上げる発売元の商魂見え見えな感じに嫌気がさし、スルーしてしまいました。
Allen Toussaintをプロデューサーに迎えた本作『It's All About Love』(1979年)は、『Jorge Santana』(1978年)に続く2ndアルバムです。
レコーディング・メンバーは、Jorge Santana(g)、Kincaid Miller(key、vo)、John Thompson(b、vo)、Roger Reid(ds、vo)、Yogi Newman(per)、Jay McKinnon(vo)という編成です。Kincaid Millerは元Sapoですね。
軽〜く、ナンパなメロウ・グルーヴ&ディスコ・サウンドで全編を貫いた『Jorge Santana』(1978年)がチャラ男モードのアルバムであったのに対して、本作『It's All About Love』はシブめのアーバン・ラテン作品に仕上がっています。
また、今日紹介するのオリジナル7曲に未発表の3曲を加えたものであり、ジャケや曲順も異なっています。ちなみにオリジナルのジャケはスリーマイル島原子力発電所をコラージュしたものです。
『Jorge Santana』と比較すると地味な作品ですが、Jorge Santanaらしいラテンのハートを満喫できます。
全曲紹介しときやす。
「Tio George/Christo Rey」
追加収録曲その1。兄Carlos Santanaと共に敬愛するブラジル人ギタリストBola Sete作品をインスト・カヴァー。爽快アフロ・ブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。Jorgeのアイランド・モードのギター・プレイを存分に楽しめます。
「Dancing Lady」
追加収録曲その2。Jorge Santana作。ボッサ・フレイヴァーも織り交ぜた美しいインスト・チューン。バカンス気分に浸るにはピッタリの演奏です。
「Love Me Tonight」
Jorge Santana作。John Thompsonがリード・ヴォーカルをとるサンセット・モードのミディアム・スロウ。ラテン・フレイヴァーのアーバンAORといった趣でしょうか。
「Three Mile Island」
Kincaid Miller/Yogi Newman作。本作がリリースされた1979年に起きたスリーマイル島原子力発電所の事故に対する警告を歌った社会メッセージ・ソング。Jorgeのギターが泣いています。福島原発事故を経験した我々日本人は複雑な思いにさせられてしまいます。
「Ain't No」
Allen Toussaint作。Allen Toussaint作品らしいゴツゴツしたファンキー・チューンに仕上がっています。リード・ヴォーカルはRoger Reid。Jorgeのブルージーなギターにも注目です。
「Feeling Good」
Allen Toussaint作。重心の低いグルーヴにグッとくるディスコ・モードのファンキー・チューンに仕上がっています。『Jorge Santana』の流れを汲むチャラ男モードの本曲をアルバムのキラー・チューンに挙げる方も多いのでは?
「New York, New York」
Jorge Santana/Yogi Newman作。この曲も「Feeling Good」同様にラテン・ディスコ・チューンに仕上がっています。
「My Inspiration」
Jorge Santana作。哀愁モードのラテン・メロウ・ダンサー。Jorgeのギターが咽び泣きます。Yogi Newmanのティンバレスもグッド!
「It's All About Love」
Allen Toussaint作。メロウ・ソウルな仕上がりはソウル・ファンもグッとくるのでは?
「Anthony's Juice blues」
追加収録曲その3。Jorge Santana/Anthony Santana作。Jorgeの息子Anthonyへの思いをサウンド化したもの。
Jorge Santana関連の過去記事もご参照下さい。
『Jorge Santana』(1978年)
Malo『Malo』(1972年)